たかはしけいのにっき

理系研究者の日記。

「残る」発表と「残らない」発表

2013-06-10 01:58:40 | Weblog
 いつのまにか、今年度に入って2ヵ月が過ぎました。みなさまは、日々が、どう変化しましたでしょうか??
 俺が今年度だいぶ変化したことは、発表を聞く頻度。たぶん比率で行くと、昨年度の2倍は聞いてます。これは結構しんどくて、なるべく参加しないように努力する、実験を強引に入れてみたり、なんて意味のわからないフィードバックをかけているほど。

 俺が聞きうる発表は、物理、化学、生物、(ほんのちょっと)地学、と広く分布しているし、理学も工学もあるので、頭の中はワサワサしています。
 一番多いのは、理学目標の「生物に纏わる物理」みたいな発表が中心で、俺の興味もそこにありますが、物性物理、有機合成、ソフトマター工学、界面化学、生態学など、はっきり言っちゃえば、そこまで興味の無い内容も、付き合いで(とか言ったら怒られるかな笑)、聞いてることも多いので、あまりに無意味な発表をされるとイライラしてきちゃって。

 ここまで多くの発表を聞いてみて、思うことは、発表ってのは意外と深く、たった一回の発表でも、「残る」発表と「残らない」発表があるなって思います。人生はいつだってオーディション、気は抜けないですね。

 「残る」発表は、いつも言ってることですが、プレゼンター自身の心にきちんと落とし込もうとしている発表です。自分のなかでの落とし所がきちんとしている発表を聞けば、多少ストーリーが拙くても、支離滅裂でも、なんとか伝わるもんです。感情として、本研究は意味のあるモノ?、価値のあるモノなのか?!、っと本当の心に聞いて、そこから得られるフィードバックがしっかり反映されているものは、素晴らしい発表になっています。
 逆に、「残らない」発表は、誰の心にも落とし込めていません。言われたまま、無感情で仕事をしている研究発表ほど、クソつまんねー発表はありません。そういう研究は、ほとんどのケースで、お金と時間の無駄です。権威や分野を守るために、「こんなもんでいいだろ?」っとリスナーへの要求が強すぎる発表は、こちらも時間が無駄なので、あんまりに酷過ぎると、最近の俺は、発表の途中で出ていったりします(笑)。

 リスナーとしては、相手の発表の中にちゃんと入れることが大事になってきますよね。
 実験データや解析結果の表面だけをなぞって、自分が知っている範囲のみを指摘し、知識か1ステップの思考で、自らの権威の高さを主張するようなオフェンスをよく見かけますが(東大だからですかね?)、はっきり言って、生産性がありません。
 敵は自然現象であり、プレゼンターや他のリスナーではありません。オフェンスは、自然現象に対抗するために、より有益な改善策を与えることに即していなければなりません。
 だから、自らがまったく知らないことや、みんなが疑問に思っていそうなことを(予測して)、質問すべきです。前提とする知識は、高校理科と高校数学のみであって(つまり中等教育の理数)、大学以降に習うことは補足してもらっても全く構わないはずなので、迷わず知らないことを知らないという勇気を持てたら良いのにな、って、よく思います。っま、プレゼンターも、そういうことを考慮して、話をつくるべきなんだけどさ。

 なんとなく、このページにこうやって書いておくだけで、俺の周囲の系がより良く変わる予感がしているので、発表についてのハウトゥを書いておきました。なので、こっそりこのページをご覧になってくださっている皆さん、よくお勉強しておいてね。(本来はこういう主旨のブログです笑)、

 はぁぁ、これから、こういう回が多くなっていくのかな。。
コメント
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