「お話」のお話

　「んでさ、まぁ、ビアンカ選んで全クリしてから、フローラのほうで、試してみるじゃん？」
　『うんうん。』
　「いやー、当時、まだ小学生ですから、そんなに恋愛も何も知らない時代ですよ、なのに、ビアンカのその後のコメントが、胸に突き刺さるの。」
　『もー、俺なんか、そんなの、今も、聞きたくないもん(笑)。』
　「なんか、活躍はこの村まで届いているよ！、みたいな。」
　『うわー、マジ、無いわー。そういう強がってるのが、一番、悲しんでるんだって。俺なんか、フローラで、もう一回やろうと思って、でも、その決断の瞬間で、ビアンカ選んだからね。』
　「えぇ？なんか、それは、もう、…バカか！？(笑)」
　『いくら電子で動いているもんだってわかってたって、ビアンカを裏切るなんて、できないでしょ。だって、この普通の世界だって、別に、俺のために、みんな動いてくれてるのかもしれないし、わかんないじゃん！？(笑)』
　「ＡＩでも、まぁ、わからんからね。でも、バカか？！(笑)」

　【…なんかは、泣けるよ？結構。】
　『えー、そーぉ？だって、あの辺りが嘘っぽくない？！それに、作られたモノじゃーん。』
　【そんなこと言ったら、全部、作られてるモノでしょーが。】
　『いやいや、そうじゃなくって、こっちを泣かそうと思って、泣かせにきてるだけじゃん！』
　【だから、全部、そうでしょうが(笑)】
　『んー、でも、なんか違うもん！』

　『マジ、リアリティがあるっていうか、まぁ、日本人がアメリカの観てるから、ってこともあるんだと思うんですけどね。』
　《じゃぁ、アメリカ人が見たら、それは無いわ―、って思うかもってこと？》
　『そうですね、だって、日本人が日本の環境を描いたドラマ観たら、そりゃ、リアリティ無いように見えるじゃないですか。』
　≪あー、わかるー。サランヘヨーって言ったら、愛してるよー、よりも、なんとなくリアリティがあるもんね。≫
　『なんか違うような気もしますが、まぁ。』
　≪んーでも、あれなんかは、何が面白いのかわからないわー。≫
　『あー、あれは、僕は、神様視点ですね。』
　《え？》
　『うーんと、あー、こーゆう系もあるんだー、っていう、一歩上からの視点、って意味です。』
　≪なにそーれー？(笑)≫

　俺も、似たような話を、いたるところで、いたる時期に、してるなー。って、ただ、それだけ。