スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ニューイヤーカップ&表象像の対比

2023-01-11 19:15:52 | 地方競馬
 第66回ニューイヤーカップ
 先行したのはスイフトランナーとワラ。2馬身差でハセノゴールドとポリゴンウェイヴ。直後にウインドフレイバーとサムタイムアゴー。2馬身差でアメノオシホミミとピノホホッアという隊列で発馬後の正面を通過。コーナーワークでスイフトランナーが単独の先頭に立ちましたが,向正面に入るとまたワラが並び掛けていき,単独の3番手に上がったポリゴンウェイヴとの差は4馬身くらい。3コーナーにかけてその差が1馬身くらいに縮まっていきました。超ハイペース。
 向正面で後方から捲り上げてきたのがピノホホッア。ワラ,スイフトランナーの順で後退していき,最終コーナーにかけてポリゴンウェイヴとピノホホッアが併走になり,外のピノホホッアが前に出て先頭で直線に。一旦は捲られたポリゴンウェイヴでしたが直線に入ると今度はピノホホッアの外に出し,また差を詰めていくと差し切って優勝。ピノホホッアが半馬身差で2着。ピノホホッアが捲り切った後に外から捲り追い込んできたアメノオシホミミが3馬身差で3着。
 優勝したポリゴンウェイヴは南関東重賞初制覇。このレースは出走したどの馬が勝ってもおかしくないという混戦。捲られたのを差し返して勝つというのはなかなかできない芸当で,かなりの闘争心を持ち合わせた馬だといえそうですが,そういうメンバー構成での勝利なので,優勝自体をどこまで評価してよいのかは悩ましいところです。距離が延びるのはプラスに思えますが,今日のレースが8戦目なので,心身の消耗はクラシックに向けてやや懸念されるところではないでしょうか。母の父はキングカメハメハフロリースカップガーネットの分枝。母のひとつ上の半兄に2014年に福島記念,2015年に金鯱賞を勝ったミトラ。Polygon WaveはPerfumeの楽曲名。
 騎乗した大井の笹川翼騎手は習志野きらっとスプリント以来の南関東重賞16勝目。ニューイヤーカップは初勝利。管理している浦和の小久保智調教師は南関東重賞58勝目。第57回,58回,62回,64回に続き2年ぶりのニューイヤーカップ5勝目。

 第五部定理四二備考の無知者が存在することをやめるといわれている部分を,表象像imagoとの関連で理解するためには,ある人間がAの表象像からBの表象像へと移行し,かつそれらの表象像が表象像であることに気付いていない,つまりそれらの表象像が混乱した観念idea inadaequataであるということを知らないということが前提で,この前提条件を満たしたときに,Aの表象像について,Aの無知者であることをやめるというように解する必要がありました。同じ備考Scholiumの賢者が存在することをやめないということをそれとの対比で解するなら,Aの表象像もBの表象像も混乱した観念であるということに気付いた上で同じ移行が果たされるか,そうでなければ,表象像すなわち混乱した観念ではなく十全な観念idea adaequataが移行することについていわれているか,そうでなければ十全な観念であれ混乱した観念であれ,ある観念から別の観念へとは移行しないといわれているかのどれかであることになります。
                                   
 このうち,最初の対比は成立しません。表象像が混乱した観念であるということに気付いているということは賢者の必要条件のひとつであるといっていいと僕は考えますが,人間の精神mens humanaが何かを表象するimaginariということ,いい換えればある事物を混乱して認識するcognoscereということは,それ自体では賢者なり自由の人homo liberなりの所業であるというわけではなく,無知者や奴隷の所業だといわなければならないからです。したがって,賢者の存在を云々するときに,その賢者の精神のうちに混乱した観念があるということを前提するのが不自然であることになるからです。いい換えれば,無知者についていわれている場合には現実的に存在する人間はだれしもが事物を表象する,事物を混乱して認識するということを前提とする必要があるのですが,賢者について何かがいわれている場合には,それを前提することは不要である,というか前提してはならないのです。
 このことから,ある観念から別の観念へとは移行しないということがいわれているのであれば,その場合にも混乱した観念を前提することはできません。というか表象像の移行は第二部定理一七の様式で,現実的に存在するすべての人間に生じることです。
コメント
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