スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

セイウンスカイ&表象像の移行

2023-01-08 19:20:50 | 名馬
 中山大障害を勝ったニシノデイジーの祖母の父はセイウンスカイという馬です。
 3歳1月にデビュー。このレースを勝つとオープンも勝ちました。弥生賞はスペシャルウィークの2着でしたが皐月賞を4コーナー先頭の競馬で勝って重賞初勝利を達成するとともに大レースを制覇。このレースは半馬身差の2着がキングヘイローでさらに1馬身差の3着がスペシャルウィーク。ダービーはスペシャルウィークの4着でした。
 秋は古馬相手の京都大賞典で復帰。逃げ切って重賞2勝目。このレースは3着がシルクジャスティスで4着がステイゴールドというメンバー構成で,少頭数でしたが精鋭揃いでした。さらに菊花賞も絶妙のペース配分でスペシャルウィークに3馬身半差をつけて逃げ切り勝ち。大レース2勝目となりました。有馬記念は1番人気に推されたもののグラスワンダーの4着。
 4歳春は日経賞で復帰。重賞4勝目をあげて天皇賞(春)へ。ここはスペシャルウィークの3着。
 札幌記念に出走するとそれまでとは違う,中団に控える競馬をして重賞5勝目。天皇賞(秋)は1番人気でしたがスペシャルウィークの5着でした。
 このレースの後に故障を発生。そこで引退でよかったと思うのですが,復帰を目指し,6歳のときに天皇賞(春)に出走しました。テイエムオペラオーが勝ったこのレースは大差のしんがり負け。そのまま引退となりました。
 種牡馬としては大した実績を残すことはできませんでした。父が安定した成績を残すタイプの馬ではなく,この馬は特異に走ったという一発屋タイプ。この馬もおそらくそういうタイプだったのですが,繁殖牝馬と相性で,そういう馬が輩出できなかったということだと思います。

 第四部定理四二備考でスピノザが無知者について,存在することをやめるといっていることを,人間の精神mens humanaが事物を表象するimaginariということと関係させて正しく理解するためには,人間の精神が事物を表象するということ,とくに第二部定理一七の様式で,ある表象像imagoから別の表象像へと移行するということと関連付けて正しく理解するためには,この表象像の移行に際して,どのような場合が自由の人homo liberまた賢者といわれ,どのような人が奴隷または無知者といわれるのかということの規準に適合させなければなりません。
                                   
 この定理Propositioによる表象像の移行は,現実的に存在する人間の精神のうちに必然的にnecessario生じる移行です。したがってその人間が賢者であろうと無知者であろうと関係ありません。いい換えれば,自由の人も事物を表象しかつその表象像から別の表象像へ移行するのですし,奴隷もまた事物を表象し,その表象像からほかの表象像へと移行するのです。ただ自由の人あるいは賢者は,その表象像が表象像であるということつまり混乱した観念idea inadaequataであるということを知っているのに対し,奴隷あるいは無知者はその表象像が表象像であることいい換えれば混乱した観念であるということを知らないのであり,単に知らないというだけでなく,それを真理veritasであると思い込んでいるのです。
 よってこの場合も,無知者は無知者としての存在existentiaをやめているわけではありません。ただ,Aの表象像からBの表象像へ移行するときには,その無知者はAに関して無知者であるということはやめるのであって,それをやめたかわりにBに関する無知者に移行するのです。なのでAに関する無知者であることに限定すれば,その無知者は無知者としての存在をやめることになるでしょう。受動感情の場合は,ある感情affectusから別の感情に移行するときは,単にある感情に刺激されているということだけで理解すればよいのですが,表象像から別の表象像へと移行するときには,単に事物を表象しているという点だけで理解すればよいというものではなく,それと同時にその表象像が混乱した観念であることを知らず,十全な観念idea adaequataであると思い込んでいるということも加えて理解する必要があるのです。
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