第36回マイルチャンピオンシップ。
互いに出方を窺い合うような発走後でしたが,マイスタイルがハナに立ち2番手にグァンチャーレ,3番手にフィアーノロマーノ,4番手にインディチャンプ,クリノガウディー,ダノンプレミアムの3頭という前の隊列に。直後からダノンキングリー,プリモシーン,モズアスコットの3頭。レッドオルガとアルアイン。ペルシアンナイト。ダイアトニックとエメラルファイト。レイエンダ。カテドラル。最後尾にタイムトリップという隊列。一団でのレースになりました。前半の800mは47秒2の超スローペース。
3コーナーを回って外から単独の2番手に上がっていたフィアーノロマーノが,直線に入るとすぐにマイスタイルを抜きにかかりましたが,ここからマイスタイルがひと踏ん張り。フィアーノロマーノは脱落し,その外からダノンプレミアムが上がってきました。一旦はダノンプレミアムが先頭に立ちましたが,マイスタイルとダノンプレミアムの間から伸びたインディチャンプが突き抜けて優勝。ダノンプレミアムが1馬身半差で2着。勝ち馬を追うような進路を取ったペルシアンナイトがクビ差で3着。マイスタイルが半馬身差の4着で最内から脚を伸ばしたダノンキングリーがクビ差で5着。
優勝したインディチャンプは安田記念以来の勝利で大レース2勝目。このレースは勝つ力がありそうな馬が多くいて混戦模様。道中は内目にいたのですが,直線では内を狙わずに少し外に出したのがよかったように思います。絶対能力がこのメンバーの中でトップであるとは僕は必ずしも思いませんが,春秋のこの距離の大レースをどちらも勝ったことは高く評価する必要があるでしょう。父はステイゴールド。母の父はキングカメハメハ。祖母はトキオリアリティー。母の5つ上の半兄に2007年にオーシャンステークスを勝ったアイルラヴァゲイン,ひとつ下の半弟に2011年に安田記念,2013年に阪神カップ,2014年に阪神カップ,2015年にジョージライダーステークスを勝ったリアルインパクト,4つ下の半弟に2016年に札幌記念,2017年に中山記念とクイーンエリザベスⅡ世カップを勝ったネオリアリズム。
騎乗した池添謙一騎手は有馬記念以来の大レース25勝目。第20回,21回,28回に続き8年ぶりのマイルチャンピオンシップ4勝目。管理している音無秀孝調教師は南部杯以来の大レース14勝目。第26回,33回に続き3年ぶりのマイルチャンピオンシップ3勝目。
僕が示している仮説というのは,スピノザは『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』の七八節では,本来は確実性certitudoの反対概念ではあり得ない疑惑dubitatioを,反対概念としてここで規定した不確実性と等置してしまっているのではないかということです。このために,もしも人間の精神mens humanaのうちにひとつの観念ideaしかないならばという現実的にはあり得ない仮定を立てた上で,その観念が真の観念idea veraであろうと誤った観念idea falsaであろうと,確実性も疑惑も生じないといっているのではないかと推測しているのです。真の観念と誤った観念が反対概念であるなら,確実性と疑惑を反対概念とみなす限り,その観念が誤った観念であっても疑惑が生じないといえるのなら,その観念が真の観念であっても確実性は生じ得ないということができそうだからです。
ただ,これはあくまでも僕の推測であって,実際にスピノザが疑惑と不確実性を混同したということを僕が主張したいわけではありません。前にもいったように,このような仮定をしたら,スピノザの哲学の内容について考察するのに役立つということが重要なのです。実際に疑惑というのが不確実性とは異なるということ,具体的にいえば,疑惑とは不確実であるということを知るということ意味するのではなく,確実であるか不確実であるかが不明であるということをいうのだということは,ここまでの考察で明らかにすることができました。
確実性とは,自分がそれについて確実であるということを知るということを意味しました。よってその反対概念である不確実性は,自分がそれについて不確実であるということを知るという意味なのでなければなりません。ではこのような不確実性というのは,スピノザの哲学においてはどのような概念notioであると考えるべきなのでしょうか。
結論から先にいうと,このような不確実性という概念はスピノザの哲学にはありません。いい換えれば,確実性をひとつの概念としてみたときに,その反対概念というのはスピノザの哲学にはないのです。真の観念と確実性が等置でき,真の観念には誤った観念という反対概念があるのに,確実性には反対概念がないのは不思議に思われるかもしれません。なぜそうなのかを説明していきます。
互いに出方を窺い合うような発走後でしたが,マイスタイルがハナに立ち2番手にグァンチャーレ,3番手にフィアーノロマーノ,4番手にインディチャンプ,クリノガウディー,ダノンプレミアムの3頭という前の隊列に。直後からダノンキングリー,プリモシーン,モズアスコットの3頭。レッドオルガとアルアイン。ペルシアンナイト。ダイアトニックとエメラルファイト。レイエンダ。カテドラル。最後尾にタイムトリップという隊列。一団でのレースになりました。前半の800mは47秒2の超スローペース。
3コーナーを回って外から単独の2番手に上がっていたフィアーノロマーノが,直線に入るとすぐにマイスタイルを抜きにかかりましたが,ここからマイスタイルがひと踏ん張り。フィアーノロマーノは脱落し,その外からダノンプレミアムが上がってきました。一旦はダノンプレミアムが先頭に立ちましたが,マイスタイルとダノンプレミアムの間から伸びたインディチャンプが突き抜けて優勝。ダノンプレミアムが1馬身半差で2着。勝ち馬を追うような進路を取ったペルシアンナイトがクビ差で3着。マイスタイルが半馬身差の4着で最内から脚を伸ばしたダノンキングリーがクビ差で5着。
優勝したインディチャンプは安田記念以来の勝利で大レース2勝目。このレースは勝つ力がありそうな馬が多くいて混戦模様。道中は内目にいたのですが,直線では内を狙わずに少し外に出したのがよかったように思います。絶対能力がこのメンバーの中でトップであるとは僕は必ずしも思いませんが,春秋のこの距離の大レースをどちらも勝ったことは高く評価する必要があるでしょう。父はステイゴールド。母の父はキングカメハメハ。祖母はトキオリアリティー。母の5つ上の半兄に2007年にオーシャンステークスを勝ったアイルラヴァゲイン,ひとつ下の半弟に2011年に安田記念,2013年に阪神カップ,2014年に阪神カップ,2015年にジョージライダーステークスを勝ったリアルインパクト,4つ下の半弟に2016年に札幌記念,2017年に中山記念とクイーンエリザベスⅡ世カップを勝ったネオリアリズム。
騎乗した池添謙一騎手は有馬記念以来の大レース25勝目。第20回,21回,28回に続き8年ぶりのマイルチャンピオンシップ4勝目。管理している音無秀孝調教師は南部杯以来の大レース14勝目。第26回,33回に続き3年ぶりのマイルチャンピオンシップ3勝目。
僕が示している仮説というのは,スピノザは『知性改善論Tractatus de Intellectus Emendatione』の七八節では,本来は確実性certitudoの反対概念ではあり得ない疑惑dubitatioを,反対概念としてここで規定した不確実性と等置してしまっているのではないかということです。このために,もしも人間の精神mens humanaのうちにひとつの観念ideaしかないならばという現実的にはあり得ない仮定を立てた上で,その観念が真の観念idea veraであろうと誤った観念idea falsaであろうと,確実性も疑惑も生じないといっているのではないかと推測しているのです。真の観念と誤った観念が反対概念であるなら,確実性と疑惑を反対概念とみなす限り,その観念が誤った観念であっても疑惑が生じないといえるのなら,その観念が真の観念であっても確実性は生じ得ないということができそうだからです。
ただ,これはあくまでも僕の推測であって,実際にスピノザが疑惑と不確実性を混同したということを僕が主張したいわけではありません。前にもいったように,このような仮定をしたら,スピノザの哲学の内容について考察するのに役立つということが重要なのです。実際に疑惑というのが不確実性とは異なるということ,具体的にいえば,疑惑とは不確実であるということを知るということ意味するのではなく,確実であるか不確実であるかが不明であるということをいうのだということは,ここまでの考察で明らかにすることができました。
確実性とは,自分がそれについて確実であるということを知るということを意味しました。よってその反対概念である不確実性は,自分がそれについて不確実であるということを知るという意味なのでなければなりません。ではこのような不確実性というのは,スピノザの哲学においてはどのような概念notioであると考えるべきなのでしょうか。
結論から先にいうと,このような不確実性という概念はスピノザの哲学にはありません。いい換えれば,確実性をひとつの概念としてみたときに,その反対概念というのはスピノザの哲学にはないのです。真の観念と確実性が等置でき,真の観念には誤った観念という反対概念があるのに,確実性には反対概念がないのは不思議に思われるかもしれません。なぜそうなのかを説明していきます。