スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典全日本2歳優駿&個々の食欲

2018-12-19 20:46:57 | 地方競馬
 第69回全日本2歳優駿
                                     
 ウィンターフェルは発馬が悪く1馬身ほどの不利。先行争いが激化するのではないかと予想していたのですが,あっさりとイグナシオドーロの逃げになってリードは1馬身。2番手はノーヴァレンダ。1馬身差でメイクハッピーとガルヴィハーラの2頭。1馬身差で巻き返したウィンターフェル。1馬身差でエムオータイショウ。1馬身差でデルマルーヴルとここまでは一団。2馬身差でショウナンガナドルとマイティウォーリア。1馬身差でハルディネロ,ヒカリオーソ,ミューチャリーの3頭。3馬身差でスズブルースカイ。離れてカネトシテッキンという隊列。前半の800mは50秒7のミドルペース。
 イグナシオドーロの逃げは3コーナーまで。ここでノーヴァレンダが先頭に立つと外にガルヴィハーラが並んで雁行。3番手がメイクハッピーでその外にウィンターフェル。さらに大外からデルマルーヴル。直線はまず前2頭の競り合い。これを制したのは前にいたノーヴァレンダ。襲い掛かったのは大外をよく伸びたデルマルーヴルで,フィニッシュに向ってぐんぐんと差を詰めたものの僅かに届かず,優勝はノーヴァレンダ。デルマルーヴルがアタマ差の2着で直線で力尽きたガルヴィハーラが1馬身半差で3着。
 優勝したノーヴァレンダは9月の新馬戦は競走中に右の前脚を跛行して競走中止。大事には至らず10月の未勝利戦を3馬身半差で勝つと先月の500万特別戦も4馬身差で連勝。ここに駒を進めました。例年なら圧倒的な人気を背負ってもおかしくない戦績ですが,今年はJRA勢のうち4頭は500万を水準以上で勝っていた上,鎌倉記念を驚くような時計で勝っていた南関東所属馬もいたため,候補の1頭という存在でした。この開催の川崎は直線の入口で先頭に立っていた馬の成績がよく,そういう馬場状態を味方につけての勝利だったという可能性もありますので,将来が楽しみな存在であるのは疑い得ませんが,ほかの馬に対してはっきりと能力面で決着をつけたとみなすのはまだ早計であるような気がします。父はダイワメジャー。母の父はクロフネ。母の10歳上の半姉に1996年に報知杯4歳牝馬特別に勝ったリトルオードリー。Nova Lendaはポルトガル語で新たな伝説。
 騎乗した北村友一騎手はデビューから12年9ヶ月で大レース初勝利。管理している斉藤崇史調教師は開業から2年9ヶ月で大レース初勝利。

 第四部定理三五は,現実的に存在する人間は理性ratioに従う限りでは本性naturaが一致するといっています。つまり受動的な欲望cupiditasに従った場合は各々の人間の現実的本性actualis essentiaは異なるのですが,理性いい換えれば徳virtusに従っているならすべての人間の現実的本性は一致するのです。
 ここから何が導き出せるかといえば,たとえばAという人間が現実的に存在しているとして,このAがその現実的存在を維持してくために必要な食事の量を,人間が理性によって十全に知り得るとしたら,その量はAが認識しようとA以外のBが認識しようと,結論は一致するということです。そこでこの食事量を満たすための食欲をAの適正な食欲と規定すれば,Aの適正な食欲がどの程度であるかということについて,Aだけでなく,A以外の万人が知ることができることになります。もちろんこれはAの食欲についてだけ妥当する事柄ではなく,現実的に存在するすべての人間について妥当しなければなりません。したがって,現実的にいえばそれは無理ですが,論理的にいうなら,僕たちは現実的に存在するすべての人間の適度な食欲を十全に知ることが可能であることになります。このことは食欲の場合だけでなく,適正な睡眠欲がどれほどであるのかということについても,同じような論理構成で該当しなければならないでしょう。
 しかし,このことはあくまでもAならA,BならBという個別の現実的に存在する人間について妥当するのであって,現実的に存在する人間に対して一般的に一致しているわけではありません。Aという人間とBという人間について,必要な食事の量が完全に一致するということは,あり得ないことではありませんが,そうでない場合の方が普通であるからです。したがって,Aの適正な食欲とBの適正な食欲は,一致しないとはいいきれませんが,一致しないことの方がずっと多いでしょう。ですからAとBが同じだけの量を食べればいいというものではない以上,AとBが同じだけ食べた後に両者がなお食欲を感じていると仮定して,Aの食欲については理性は適性と判断するけれども,Bに対しては過度であるすなわちそれは美味欲luxuriaであると判断する場合もあり得ます。
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