スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

勝島王冠&唯一の手段

2018-12-06 19:08:39 | 地方競馬
 昨晩の第10回勝島王冠。金沢の吉原騎手が右足の太腿の打撲と筋挫創のためディアデルレイは本田正重騎手に変更。
 モジアナフレイバーは発馬後の加速が鈍く1馬身ほどの不利。内から順にキャプテンキング,ムサシキングオー,ディアデルレイ,ゴーディーの4頭が前に。1コーナーからのコーナーワークで概ね各馬に半馬身ほどの差がつく形になりました。1馬身半差の5番手をリコーワルサーとヒガシウィルウィンが追走。1馬身差の7番手にはユーロビート,リッカルド,クリスタルシルバーの3頭。1馬身半差で追い上げたモジアナフレイバーとグルームアイランドが並び,1馬身差でディアドムス,1馬身差でサージェントバッジ,1馬身差でキングニミッツとなり,4馬身差の最後尾にミヤジマッキーという隊列。最初の800mは50秒4のミドルペース。
 3コーナーでゴーディーは脱落し,前は3頭。この後ろもリコーワルサー,リッカルド,ヒガシウィルウィンの3頭で併走。直線ではリッカルドの外からモジアナフレイバーが伸び,そのまま突き抜けて優勝。逃げたキャプテンキングとヒガシウィルウィンの間に進路を取ったリコーワルサーが一旦は2番手に上がりましたが,また巻き返してきたヒガシウィルウィンがフィニッシュ直前で捕えて3馬身差の2着。リコーワルサーがハナ差の3着でキャプテンキングが2馬身差で4着。直線で不利を受けたかもしれないリッカルドはさらに2馬身半差の5着まで。
 優勝したモジアナフレイバーは南関東重賞初勝利。デビューから4連勝し,その4連勝目がクラシックのトライアルレース。クラシックの2戦も好走。秋は3歳のオープン特別で復帰して優勝。今年の3歳馬はレベルが高いことがすでに判明していましたから,この成績ならここでも通用するのではないかと思っていました。2着馬とは4キロもの斤量差があるので,能力的に凌駕しているとまではいい難い面があるのですが,3着馬が前走の2着馬だったことを踏まえれば,3歳馬のレベルの高さも分かりますし,すでに2着馬に近い能力まで達しているのは間違いないでしょう。斤量が増えること自体は苦にならないだろうと思います。ただ,大井しか経験のない馬ですので,他場で同じように走れるのかは課題となるでしょう。3代母はパテントリークリア。母の6歳下の半弟に昨年の高松宮記念と今年の函館スプリントステークスを勝っている現役のセイウンコウセイ
 騎乗した浦和の繁田健一騎手は昨年のアフター5スター賞以来の南関東重賞7勝目。その後,重賞の東京盃も勝っています。勝島王冠は初勝利。管理している大井の福永敏調教師は開業から5年2ヶ月で南関東重賞初勝利。

 睡眠欲に対抗するために,理性ratioの力potentiaで十分な睡眠の時間を確保するということが,この欲望cupiditasに対抗する唯一の手段であると僕は考えます。ただし,止むを得ぬ事情で睡眠不足に陥ってしまうことはあるのですから,これは絶対にそうしなければならないという道徳律であることはできません。スピノザは第四部定理七〇で,自由の人homo liberは無知の人からの親切をできるだけ避けようとするという意味のことをいっていますが,これと同じように,睡眠欲への対抗も,絶対的であるというよりは可能な限りでというべきだと僕は考えます。他面からいえば,可能な範囲内で睡眠不足を避けようとしない人は,自由の人ではなく無知の人であるといわなければならないでしょう。
                                
 このような対抗手段は,睡眠欲という欲望そのものに対抗する手段であるというより,睡眠欲という欲望を惹起する原因causaに対して関与する手段であるといえます。第一部公理三から明らかなように,原因が与えられなければ結果effectusが生じることはないのですから,原因を解消すれば結果は必然的にnecessario解消されます。ですからこれが有意味な対抗手段であるということは疑い得ないでしょう。もっともこのことは,こうして論理的に訴えずとも,僕たちが経験的に知っていることであるといっていいかもしれません。ただ,僕がこの方法が睡眠欲に対抗する手段であるとするのは,もっと別の理由があるのです。
 睡眠欲というのは欲望の一種で,欲望は感情affectusのひとつです。しかるに第四部定理七で示されているように,感情はそれと相反するより強力な感情によってでしか排除されることができません。つまり理性の力によって直接的にそれを排除することはできないのです。確かに僕たちはどんなに眠いときであっても,起きているということはできるかもしれません。ですが起きているからといって眠気から逃れていることにはなりません。たぶん起きているときに眠気を感じたことがないという人はほとんどいない筈だと思います。この眠気というのは,睡眠欲という感情を単に身体corpusとだけ結び付けた状態のことです。いい換えれば眠気を感じているということと睡眠欲を感じているということは同一のことです。
コメント
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