スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ゴールドカップ&第三部序言

2018-12-25 19:00:13 | 地方競馬
 昨日の第56回ゴールドカップ
 トロヴァオは発馬後に躓いてしまいましたが,何とか立て直しました。先手を奪ったのはクルセイズスピリツで,外連味なく飛ばしていき向正面では2馬身のリード。追い掛けたのはキャプテンキングだけでこの後ろは5馬身ほど開いてキャンドルグラス。ここからバンドオンザラン,ロードフォワードとトキノエクセレント,フィールザスマートという順で続きこの5頭は一団。3馬身差でソッサスブレイ,2馬身差でトロヴァオとモリデンリオ,直後がコンドルダンスでこの3頭も集団。大きく離れて最後尾にメジャーアスリートという縦長の隊列。それでも最初の600mは35秒8のミドルペース。
 3コーナーを回るとキャプテンキングがクルセイズスピリツとの差を詰めていき,直線の入口では先頭に。追ってきたのはトキノエクセレント,キャンドルグラス,バンドオンザランの3頭でしたが,トキノエクセレントは直線で一杯。先頭に立った時点で騎手が後ろを振り返るほど余裕があったキャプテンキングがそのまま抜け出して優勝。2着は逃げ粘るクルセイズスピリツ,外のキャンドルグラス,2頭の間を突いたバンドオンザランの争いとなり,フィニッシュ直前で前に出たバンドオンザランが3馬身差の2着。外のキャンドルグラスがクビ差の3着でクルセイズスピリツが半馬身差で4着。
 優勝したキャプテンキングは昨年の羽田盃以来の勝利で南関東重賞2勝目。昨年夏のレースを最後に休養に入り今年の2月に復帰。2戦するとまた休養に入り復帰したのが10月。ここが復帰3戦目で,体調も良化していたのでしょうが,距離を短縮してきたのが最大の勝因ではないかと思います。羽田盃は能力の高さでカバーしたものであり,本質はスプリンターに近いのではないでしょうか。ですので活躍の場は短距離路線となっていくのではないかとみています。母の5つ上の全兄に2007年にアンタレスステークスとプロキオンステークス,2008年に根岸ステークスに勝ったワイルドワンダー
 騎乗した大井の坂井英光騎手は2015年のアフター5スター賞以来となる南関東重賞15勝目。第51回以来5年ぶりのゴールドカップ2勝目。管理している大井の的場直之調教師は南関東重賞3勝目でゴールドカップは初勝利。

 食欲とか睡眠欲といった一時的欲望,僕のいい方では自然の秩序ordo naturaeが現実的に存在する人間に対して直接的に要求するような欲望cupiditas,現実的に存在する人間の側からみれば,現実的に存在するようになれば所与のものとして与えられているような絶対的な意味で受動passioに属するような欲望について,スピノザは多くを語っているわけではありません。ただ,こうした欲望が必然的にnecessario与えられていなければならないということは,たぶんスピノザは理解してただろうと思います。岩波文庫版で第19刷改刷の第33刷なら117ページ,第56刷改刷の第61刷であれば140ページから141ページにかけての第二部自然学②要請四は,食欲とか睡眠欲が,現実的に存在する人間には必然的に与えられていなければならないということを意味し得ると僕は考えるからです。
                                
 そしてスピノザは,自然法則というのは「唯一」であると主張しています。したがって僕たちが食欲を感じたり睡眠欲を感じたりすること,およびそうした欲望に対してどのように対処するのがよいのかということも,その自然法則から導き出されなければなりません。このことはスピノザ自身が,第三部の序言で述べています。
 「自然の中には自然の過誤のせいにされうるようないかなる事も起こらない。なぜなら自然は常に同じであり,自然の力と活動能力はいたるところ同一であるからである。言いかえれば,万物が生起して一の形相から他の形相へ変化するもととなる自然の法則および規則はいたるところ常に同一であるからである。したがってすべての事物-それがどんなものであっても-の本性を認識する様式もやはり同一でなければならぬ。すなわちそれは自然の普遍的な法則および規則による認識でなければならぬ」。
 第三部は「感情の期限および本性についてDe Origine, et Natura Affectuum」という副題がついていて,スピノザは序言で述べたような方法で,それを解明していきます。これでみれば分かるように,スピノザが本格的な考察の対象とはしなかった食欲や睡眠欲もこのように考えられなければならないのです。ですがそうした論考はほとんど目にしませんので,僕はここでは僕なりの試論を立ててみました。
コメント
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