読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

アクセスランキング 魅力と魔力

2019-01-30 23:53:50 | ウェブ日記
新年を迎えたこの1月はブログについてのことを書いてきて、1月のうちに三つ書こうと考えていたので今回が最後です。
ブログには「gooブログ」「アメーバブログ」など各種のブログ全体でのランキングをまとめるランキングサイトがあります。
gooブログでも近年「人気ブログランキング」「にほんブログ村」との連携が始まりました。
自身のブログをこのランキングに登録すると、書いた記事の下部にアクセスランキングのアイコンボタンが表示され、訪れた人がアイコンボタンをクリックすると「人気ブログランキング」や「にほんブログ村」での「1アクセス」としてカウントされます。
もし「人気ブログランキング」や「にほんブログ村」でランキング上位になればそのランキングを見ている多くの人の目に留まり、アクセスアップにもつながるのだと思います。

記事下部のアイコンボタンには一言好きなようにコメントを添えることができます。
gooブログのランキングサイトとの連携が始まると、その一言コメントに「記事に訪れたなら私のアクセスランキングアップに協力しろ!」と高圧的に催促するようなことを書く人をたまに見かけるようになりました。
私はこういったのを「アクセス取り憑かれた状態」と考えています。
アクセスランキングには自身のブログのアクセスをアップできる魅力とともに、アクセスに取り憑かれた状態にする魔力があります。

思うようにアクセスランキングのアイコンボタンを押してもらえず、ランキングが上がらないのを人のせいにするようになったら、ブロガーとして終わりだと思います。
アイコンボタンを押してもらえないのは、その人の記事に押してもらえるだけの実力がないからだと思います。
もしどうしてもランキングの上位に行きたいなら人のせいにするのをやめ、ご自身のブログの書き方と向き合われるべきと考えます。

様々な人の一言コメントを見ていると、賢い人は決して「訪れたならボタンを押せ!」のような高圧的なことは書かないです。
そして自然と、そういった人のほうがボタンを押してあげたくなります。
「押して駄目なら引いてみろ」ということわざのとおり、「私のアクセスランキングアップに協力しろ!」と高圧的に催促してもかえって反発を招くばかりだと思うので、「ボタンを押してもらえたらラッキーだな」くらいに考えたほうが良いと思います。
そのほうが気持ちとしてもブログへの妙な力みや焦りが無くなり、どっしり構えられるようになって良いのではないかと思います。


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一楽章f未完成 弦楽四重奏コンサート

2019-01-27 21:52:05 | コンサート、演奏会


(写真左からファーストヴァイオリン川本冴夏さん、セカンドヴァイオリン浦川莉緒さん、ヴィオラ山本敬子さん、チェロ阿曽沼裕司さん)

昨日広島県広島市の音楽喫茶「一楽章f未完成」に「弦楽四重奏コンサート」を聴きに行きました。
弦楽四重奏は1stヴァイオリン、2ndヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの四人によって行われる演奏です。
オーケストラ全体での音を少しずつ縮小していくと最後に残るのがこの4つの音とのことで、作曲家にとって交響曲と並ぶ重要ジャンルとして確立されてきた歴史もあります。
そんなオーケストラの中心の音を出す楽器と強力な演奏者達による素敵なクラシック演奏を聴かせて頂きました


-------------------- 一楽章f未完成 弦楽四重奏コンサート --------------------



司会進行を務める川本冴夏さんが最初の挨拶で今日はこんな吹雪の中来てくれてありがとうございますと言っていました
そしてなぜ今日降るんだと雪を恨んだと言っていました





今回は川本冴夏さんが曲にまつわる話などをして「〇〇さん、この曲の良さを紹介してください」といった感じで時折話を振りながら進んで行きました。

広島県広島市のエリザベト音楽大学には在学生、教師陣、社会人メンバーから成る交響楽団があり、川本冴夏さんは2017年度にコンサートミストレス(ファーストヴァイオリン(第1ヴァイオリン)の筆頭格の人が務めるオーケストラの中心的存在)を務めました。
昨年11月21日に「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」を聴きに行った時、2017年夏にドイツのベルリンで行われた公演の写真がロビーに展示されているのを見かけました。





コンサートミストレスの位置(左側の一番観客席に近い先頭列の、先頭の席)を見ると川本冴夏さんの姿がありました。
この時、大学史上初のベルリン公演でエリザベト音楽大学交響楽団を率いたのが川本冴夏さんだということが分かりました。
私が川本冴夏さんの演奏を初めて聴いたのは2018年の10月で、ベルリン公演のことは知らなかったのでこの大舞台での大活躍に驚くとともに、凄く演奏の上手い人なので納得でした。





浦川莉緒さんは現在エリザベト音楽大学の三年生で、作陽音楽短期大学を卒業してエリザベト音楽大学の三年次に編入したとのことです。
浦川莉緒さんの演奏を初めて聴いたのも2018年の10月で、「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」で演奏を聴いた時に上手いなと思ったのを覚えています。

そして浦川莉緒さんも2018年10月開催の「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」にコンサートミストレスで登場しました。
なのでこのコンサートはヴァイオリンがどちらもコンサートミストレスを経験している豪華な二人でした





山本敬子さんはエリザベト音楽大学交響楽団の社会人メンバーで、「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」のオーケストラメンバーに名前があります。





阿曽沼裕司さんも「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」のオーケストラメンバーに名前があり、さらに「威風堂々クラシック in Hiroshima2018コンサート」のオーケストラメンバーにも名前があります。
またドレッシングちゃんというシンガーソングライターの女性が好きとの豆情報もありました。



1. A.ドヴォルザーク
  弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96<アメリカ>





今回はかなり近い位置で演奏を聴いていました。
間近で聴いたことで、演奏の時に弦を触る左手を震わせたり、弓を持つ右手の角度を変える様子などがよく分かりました。





一楽章
浦川莉緒さんのソロ演奏に川本冴夏さんのソロ演奏が続く場面、さらに山本敬子さんのソロ演奏に川本冴夏さんのソロ演奏が続く場面も良かったです。
一人のソロ演奏の後に他の人のソロ演奏が続くとまるでリレー形式のようで音のする方へと引き寄せられます
阿曽沼裕司さんの音が目立つ場面もチェロの重みのある音が良かったです。
やがて全体の音の迫力が凄くなり、最後はゆったりとした演奏になり音色が良かったです。





二楽章
川本冴夏さん以外の三人でもの悲しく始まります。
すぐに川本冴夏さんも入り、これが凄く良い音色でした
山本敬子さんが一楽章では笑顔を見せながら明るい雰囲気で演奏していたのが二楽章ではシリアスな雰囲気になっていたのが印象的で、曲調によって雰囲気も変わるのだなと思います。

高音でのゆったりな演奏になり、その伸びが良かったです。
ゆったりな演奏の良さが凝縮されているかのような演奏で、凄く良くて引き込まれました。

阿曽沼裕司さんの演奏に他の三人がピッチカート(指だけでポロンポロンと弦を鳴らすこと)を中心にした演奏で続きます。
途中でヴィオラが小刻み音になり、その状態での演奏がしばらく続いて最後は消え入るように終わりました。




(弓が横向きに近い時は低い音を弾いています)

三楽章
軽快に始まります。
もの悲しげでありさらに激しい演奏がありました。
順番に「タタタンッ」という短い音を演奏していった場面も素早い呼応が良かったです


四楽章
凄く明るくなり、ドラマチックさを感じる場面もありました。
川本冴夏さんの高音と浦川莉緒さんのピッチカートが目立ちます。
明るさがさらに増しリズミカルさもある演奏になり、やがて川本冴夏さんの高音が凄く目立つようになり盛り上がりが凄かったです




2. A.ドヴォルザーク
  二つのヴァイオリンとヴィオラのためのテルツェット ハ長調 作品74



(浦川莉緒さんトーク中)

「テルツェット」は三人での演奏という意味で、川本冴夏さん、浦川莉緒さん、山本敬子さんの三人で演奏しました。
二人で演奏をデュオ、四人で演奏をカルテットと言うのに対し、三人での演奏はトリオとは限らずテルツェットと言う場合もあるようです。





一楽章
高音の伸びのある演奏で始まり、ゆったりな高音演奏が続きます。
安心するような心安らぐ音色があり、直後に少し激しい演奏に変わる場面がありました。

高音のゆったりな音色が凄く良かったです。
浦川莉緒さんの高音が目立つ場面があり、抜群の伸びでした。

全体の迫力が増した後、ゆったりとした弱めの演奏に変わりその伸びも良かったです。
最後、山本敬子さんのピッチカートが目立って終わりました。





二楽章
少しスピーディーに始まります。
「タンタタン、タタン!」というワクワクするメロディがよくありました
さらに三人で「タータン、タターン」というメロディをゆっくり演奏しながら繰り返していてそれが凄く良くて胸に響きました





三楽章
ゆったり始まります。
川本冴夏さんが凄く強く演奏して浦川莉緒さんが続く場面がありました。
ヴィオラの山本敬子さんが先導して他二人が続く場面もありました。
浦川莉緒さんが高音で演奏して他二人が速い小刻み音で音の土台を作る場面もあり、ゆったりした雰囲気ですが演奏の仕方はどんどん変わっていきました。
やがて三人でリズミカルで力強さもある小刻み音の演奏をし、最後は凄く迫力のある演奏で終わりました。




3. F.メンデルスゾーン
  弦楽四重奏曲第6番 ヘ長調 作品80



この曲は川本冴夏さんが何の曲を演奏しようかとYouTubeを見ていて見つけたとのことです。
メンデルスゾーンはお金持ちの裕福な人が書いたんだろうなという曲が多い中でこの曲だけは違っていて、姉が亡くなった悲しみの中で書いた曲とのことです。
楽章ごとの解説を一楽章と二楽章は悲しく、三楽章は姉への未練が表れ、四楽章はやはり悲しくなり最後は悲しさが爆発するように終わると言っていました。
そして川本冴夏さんは何と明るい曲が嫌いで暗い雰囲気の曲の方が好きで、おどろおどろしいこの曲は好みとのことでした





一楽章
凄く迫力がありますが悲しい演奏で始まります。
不気味な小刻み音での演奏になりそれがどんどん強くなっていきます。
川本冴夏さんが悲劇的なものを感じる演奏をし、さらに凄く高い音を凄く強く弾きます。
凄く高い音を凄く強く弾くと物凄い迫力になりますが、その迫力が悲劇の迫力だったのが印象的です。

チェロの阿曽沼裕司さんの作る音の土台が目立つ場面がありました。
その音がどっしりしているのを感じ、チェロが居ると音色の重厚感が増すのがよく分かりました。
また不気味な演奏になった後にやがて全体が凄い迫力になり、特に川本冴夏さんの音の迫力が鬼気迫っていて引き込まれました。





(弓が縦向きに近い時は高い音を弾いています)

二楽章
やはり悲しげに始まりスピード感もありました。
悲しいのに綺麗に流れていくような印象的な演奏の場面がありました。
ヴィオラとチェロだけで演奏する場面がありそれも悲しそうで、すぐにヴァイオリン二人も加わりやがて全体が凄い迫力になります。
「ターラータラララー」という音色が良い場面がありました。
最後は静かなピッチカートで終わります。





(凄く高い音を弾いている場面です)

三楽章
チェロ一人で始まりすぐに他三人も続きます。
悲凄く高い音をゆったり演奏していて悲しげでした。

弱い演奏をゆったりとする場面がありその伸びがとても良かったです。
今回のコンサートではゆったりとした演奏の伸びがとても印象的でした

この楽章でも凄く高い音を凄く強く弾き悲劇的な音色になる場面がありました。
そして同じ凄く高い音でわずかに印象が変わり、「ターラララー、ターラララー」という泣きたくなるような雰囲気の音色がありました。
最後はとてもゆったりな演奏になって終わります。





四楽章
迫力のある始まりでドラマチックさともの悲しさがありました。
「タタンタ タタンタ タタンタ タータン」のリズミカルなメロディが何度も続いたのが印象的で、ヴィオラが一番最初にこのメロディを演奏し他三人もどんどん続いて行きました。

チェロの短い演奏に他三人が順番に続く場面があり、そんな時は移り変わる音色を耳が追い掛けます。
やがて川本冴夏さんの演奏が凄まじい迫力になり、小刻みな演奏が物凄い速さでした。
最後は全体がまさに爆発するような激しい演奏で終わります。






(川本冴夏さんトーク中)

アンコールはハルヴォルセンの「パッサカリア」という曲でした。
二重奏の曲で、1stヴァイオリンとチェロ、2ndヴァイオリンとヴィオラの組み合わせで演奏するとのことでした。
阿曽沼裕司さんが曲の紹介でこの曲は名人芸の曲で演奏技術が見所と言っていました。





最初は川本冴夏さんと阿曽沼裕司さんで演奏しました。





次は浦川莉緒さんと山本敬子さんで演奏しました。
高速な演奏とそれに区切りをつけるようなピッチカートが印象的で、写真はピッチカートをしている場面です。
この二人組ずつでの演奏が何度か続きました。





最後は四人全員で演奏し迫力のある終わり方でした



「弦楽四重奏」は今回初めて生演奏で聴きました。
プログラムの三曲全てが本格的なクラシックの曲で演奏時間も長く、その長い演奏時間の中で時に激しく時に悲しく曲調も変わって行き、聴いていてどんどん引き込まれました。
間近で聴けたのも貴重な体験で、次々と変わっていく音色に魅了され、どの曲も演奏が終わると「これはすげえ」と思い拍手しながら自然と笑みがこぼれました
心踊らせてくれた本格的なクラシック演奏、ぜひまた聴いてみたいです


参考
弦楽四重奏の音色は次のようになります。



※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

エリザベト音楽大学、広島大学 「Ensemble PAZZO 2nd season」コンサート

2019-01-26 16:29:00 | コンサート、演奏会


今年最初に聴いたコンサートはユーフォニアムとチューバ(テューバ)という低音の楽器によるコンサートでした。
1月14日、広島県東広島市の「東広島芸術文化ホール くらら サロンホール」に、「Ensemble PAZZO(アンサンブル パッツォ) 2nd season」コンサートを聴きに行きました。




(東広島芸術文化ホール くらら)

PAZZOはイタリア語で「狂った」という意味で、エリザベト音楽大学と広島大学のユーフォニアム、チューバの演奏者によるアンサンブル(小規模な演奏者集団)です。
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」(著:武田綾乃)を読んだことでユーフォニアムやチューバの低音楽器に興味が湧き、このコンサートを聴いてみようと思いました。
PAZZOの名前のとおり、個性豊かなメンバーによってかなり面白いコンサートになっていました


-------------------- エリザベト音楽大学、広島大学 「Ensemble PAZZO 2nd season」コンサート --------------------

第Ⅰ部

1.ザ メロディーショップ
作曲 K.キング 編曲 D.ウェルデン



観客は100人くらい来ていて用意していた椅子が満席になっていました。
ユーフォニアム二人(左二人)とチューバ二人(右二人)での演奏でした。
明るい曲だったのが印象的で、演奏前のトークでまるでサーカスのようと言っていました。



2.C管チューバのための小品「サラダボウル」
作曲 前田智哉



(トーク中の玉井菜々子さん、前田智哉さん。
玉井菜々子さんはエリザベト音楽大学交響楽団のメンバーでもあり、「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」のオーケストラメンバーに名前があります。)




(チューバ演奏の準備をする前田智哉さん)

前田智哉さんが広島大学大学院の作曲で昨年作った曲とのことです。
前田智哉さんによるチューバでの演奏でした。
風が吹くような音、マグマのような音、さらにカタカタ音など特徴のある音がありました。



3.ザ タイムズ
作曲 高橋宏樹



(トーク中の武島千明さん、大石政季さん)

広島大学の五人での演奏でした。

一楽章
演奏前のトークでユーフォニアムは人の声に最も近い楽器と言っていました。
明るい雰囲気で始まり、ユーフォニアムの音が滑らかだと思いました。
そしてチューバが短い音を連続で出して音の土台を作っていました。




(左三人ユーフォニアム、右二人チューバ)

二楽章
雄大さを感じる伸びやかな演奏でした。
チューバ中心で演奏してユーフォニアムが音の土台を作る場面がありました。
チューバの音はとても低く、籠っているのが印象的でした。

三楽章
にぎやかな演奏で、冒険しているかのような雰囲気もありました。
やがてゆったりした演奏になり、ユーフォニアムはゆったりな音色がとても似合うと思いました。



4.ミッドナイトユーフォニアム
作曲 G.リチャーズ



(ユーフォニアムの村山文音さん)

ピアノ伴奏があり、ピアノの演奏もできるとは驚きました。
とてもゆったりな始まりで安らぐ音色でした。
一瞬ピアノの独奏があり高音で情感たっぷりでした。
大海原が思い浮かぶ音色の場面があり、雄大さがありました。



5.フィンランディア
作曲 J.シベリウス 編曲 L.ザイダーン



(トーク中の玉井菜々子さん、大石政季さん)

演奏前のトークで玉井菜々子さんがフィンランドへの愛を感じる曲と言っていました。
フィンランドで起きた戦いを描いた曲とも言っていました。
不穏な始まりで、ゆったりしている中に不気味さがありました。




(左から藤井美由紀さん(ユーフォニアム)、四俣力さん(ユーフォニアム)、玉井菜々子さん(チューバ)、前田智哉さん(チューバ))

ゆったりな演奏が続き、ドラマチックさを感じる音色もありました。
「タタタタタン」という演奏が何度もあり、演奏前のトークで言っていた銃声だと思いました。

またゆったりとした演奏になり、やがて弾むような音色になります。
そしてこの頃になるとそれぞれの楽器の音の特徴は「滑らかなユーフォニアム、腹の底から出るようなチューバ」という印象を持ちました。



6.ジプシーイヤリング
作曲 A.ファラー
編曲 R.マックジョージ
ピアノアレンジ 下村景



(トーク中の小畑清佳さん、大石政季さん。
小畑清佳さんは「威風堂々クラシック in Hiroshima2018コンサート」のオーケストラメンバーに名前があります。)

演奏前のトークでこの曲はピアノとチューバはアレンジができると言っていました。
そして演奏前、ピアノの前に座る椅子をセットし忘れていて慌てて取りに行くハプニングがありました




(手前左から小畑清佳さん(チューバ)、四俣力さん(ユーフォニアム)、村山文音さん(ユーフォニアム)、ピアノは山本千恵さん)

かなり良い始まりで、昔フィギュアスケートで聴いた「ジプシーの女」という曲に似たメロディなのが印象的でした。
ピアノの不協和音とそれに加わる三人のアグレッシブな演奏も印象的でした。
スピードの速い演奏をしていてさらにリズミカルさもありました。
「タララララララララララア」と凄い速さで指を動かしていました。

華麗な音色の場面があり、
「タララララー」の後にピアノが続くのが繰り返されました。
ユーフォニアム、チューバとピアノが抜群に合っていて引かれる音色でした。



第Ⅱ部

音楽劇
~大石少年が得たもの~

セリフはなしで、表情や身体の動きで演技をする音楽劇でした。
演技をする人と場面ごとに演奏をする人がいました。
音楽劇が終わった後のアンコール演奏時の写真とともに劇の内容をご紹介します。




冒頭、大石少年(写真右から二人目)と少女(写真右から三人目)が仲睦まじい雰囲気でいると、ダース・ベイダーのテーマ曲で登場した悪役が少女をさらって行きます。
大石少年は止めようとしますが悪役にやられてしまいます。




(写真一番右がダース・ベイダーのテーマ曲の悪役)

どうしようかと思った大石少年は地面にダンベルが落ちているのを見つけ筋肉トレーニングを始めます。
筋肉ムキムキになれば悪役をぶっ飛ばせると思ったようで、ロッキーのテーマ曲が演奏されいかにも感動的なトレーニングをしている雰囲気になっていたのが面白かったです。




そこに見るからに体育会系の筋肉ムキムキ男(写真右から二人目)が現れ、「お前の実力を見せてみろ」と言わんばかりに大石少年と対峙します。
大石少年は果敢に戦いを挑みますがあっさり殴り飛ばされて倒れます。




すると天使が現れて(写真一番右)倒れている大石少年の元に巻物を置いて行きます。
大石少年が目を覚ますと「聞こえますか。チューバ拳を体得して救うのです」という天からの声が聞こえます。




また筋肉ムキムキ男には奥様がいて(写真右から二人目)、この奥様が非常に強い人で、大石少年がチューバ道場に向かおうとする後ろで筋肉ムキムキ男を凄い剣幕で叱りつけているのが面白かったです。
セリフがない代わりに笑える演技がたくさんありました。

大石少年はタクシーでチューバ道場に行きます。




運転手(写真左から三人目)に声をかけると意気揚々と出発しますがタクシーには初心者マークが付いていて運転が凄く下手でした。
この演技が上手く、運転手がとんでもない運転をして少し時差があってから大石少年が前に後ろに左に右に上に吹き飛ばされているのが面白かったです。
この時だったかは定かではないですが、「タカタッタッタッタッタッタッタッ」のメロディが印象的な体育祭などでよく流れるロッシーニ作曲の「ウィリアム・テル序曲」が演奏されました。




チューバ道場に辿り着き、大石少年は師範(写真左から三人目、田口有志さん)の前でチューバで「かえるの歌」を演奏しますが全然駄目と言われます。
しかし修行して良い演奏ができるようになります。

ダース・ベイダーのテーマ曲の悪役は少女の気を引こうとしますが少女は「いやいや」をします。
そこに大石少年がやってきて悪役とチューバの演奏対決になります。
少女がさらわれた時はあっという間にやられた大石少年でしたが今回は両者譲らぬ大激戦になります。
そしてついに勝利し、大石少年は悪役の健闘を称えてあげていました。
悪役のほうも俺が悪かったといった雰囲気になり、少女を諦めてその場を去ります。
こうして大石少年は少女を取り返し、二人笑顔になって物語が終わります





アンコールは「A Song for Japan」でした。
東日本大震災で海外の人が日本のために作った曲で、この曲を選んだのは昨年の夏に西日本豪雨で大きな被害があったからとのことです。
全員での演奏だったので音の厚みが凄く、重厚感もありました。
曲はとてもゆったりしていて安らぐメロディでした。


ユーフォニアムとチューバはオーケストラの中では地味な印象があるため、今まではあまり注目していなかったですが今回このコンサートを聴きに行って良かったと思いました
ユーフォニアムは柔らかい音色、チューバは腹の底から出るような厚みのある音色なのが間近でじっくり聴いたことでよく分かりました。
音楽劇もかなり笑える劇で表情と身体の動きだけでこんなに面白いものが見られたのが凄いです。
個性的なコンサートで面白かったのでまた見て聴いてみたいと思いました



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演奏者プロフィール

プログラムには次のようにPAZZOなことが書いてありました。


Ensemble PAZZO 2nd seasonの PAZZOな なかまたち

小畑清佳
大学院2年生
広島県出身 10月6日生まれ
顔だけで全てを伝える表情のプロ。
今年度演技指導、プロデューサー。

前田智哉
大学院2年生
広島県出身 1月18日生まれ
この冬に財布は岩国駅まで乗車、スマホは東京で生き別れた。

山本千恵
大学院2年生
山口県出身 12月16日生まれ
マクドナルドのハンバーガーは7つが限界です。

大石政季
大学4年生
広島県出身 11月27日生まれ
昨年14kg体重が増えた。
#頑張れ大石くん

武島千明
大学3年生
広島県出身 11月30日生まれ
特技は鳥骨鶏とメイド喫茶のメイドさんの声真似。

玉井菜々子
大学3年生
広島県出身 11月16日生まれ
バイト先の造花に水あげていた。

村山文音
大学3年生
徳島県出身 7月22日生まれ
図書カード欲しさに芸能事務所のオーディションに顔面どアップ×全力の変顔写真でエントリー。
一次通過。

藤井美由紀
大学1年生
広島県出身 5月2日生まれ
引き笑い止まらない系女子。
朝置いた自転車の場所を夜には9割の確率で忘れる。

四俣力
大学1年生
鹿児島県出身 1月14日生まれ
ドド田舎から都市に憧れ茶髪デビュー。
「西条は東京、東京はニューヨーク」

田口有志
大学1年生
広島県出身 1月9日生まれ
見た目はでかいがメンタル豆腐。
座右の銘は「早起きは三文の徳だが60円なら寝たほうがよくね?」


Special Thanks

大井絃(17's PAZZOメンバー)
幸坂優衣(影アナ)
佐藤吉恵(照明・音響)
下村景(ジプシーイヤリングピアノアレンジ)
藤井菜摘(チラシ制作・カメラマン)
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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

太陽の大きい日、月の大きい日

2019-01-23 22:00:01 | ウェブ日記
今日の朝、とても大きな太陽を見ました
外を歩き始めた時はまだ姿の見えなかった太陽が、目的地に着く直前に姿を現し、その大きさが久しぶりに見る大きなもので驚きました。
濃いオレンジ色に輝く大きな太陽を見て気持ちが明るくなりました
高校生の時の冬、部活の朝練に行くために駅に向かって歩いていた時に見た凄く大きな太陽を思い出しました。
印象に残った景色は心に留まり忘れないです。

同じようにとても大きな月を見ることもあります。
それが満月に近い日か満月の日だと大きさに驚き見入ります。
やはり気持ちが明るくなり、見慣れている太陽や月が普段より明らかに大きく見える日は強烈に引きつけられるようです。

そういった大きな太陽、大きな月を目にすると、地球が太陽の周りを回っていて月が地球の周りを回っているのを実感します。
どちらも常に大きなのを見られるわけではないので見られた日は嬉しいです。
また今日の朝見たような大きな太陽を見られるのを楽しみにしています

「聖夜」佐藤多佳子 -再読-

2019-01-21 23:28:17 | 小説


今回ご紹介するのは「聖夜」(著:佐藤多佳子)です。

-----内容-----
学校と音楽をモチーフに少年少女の揺れ動く心を瑞々しく描いた School and Music シリーズ第二弾。
物心つく前から教会のオルガンに触れていた18歳の一哉は、幼い自分を捨てた母への思いと父への反発から、屈折した日々を送っていた。
難解なメシアンのオルガン曲と格闘しながら夏が過ぎ、そして聖夜――

-----感想-----
※以前書いた「聖夜」の感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

クラシックを中心にコンサートをよく聴くようになった今読むと以前読んだ時とは受ける印象が変わりました。
語り手は高校三年生の鳴海一哉です。
幼稚園、初等部から高等部、さらに大学まである私立のキリスト教系の学校に通っています。

メシアンという現代音楽の作曲家は、音を色として感じるそうだ。なんとなく、ぼんやり、という感覚ではない。音楽を聴きながら、鮮明な色のイメージと変遷が脳内に起こる。
これは音楽をよく聴くようになった今、興味深くて気になりました。
またコンサートでも演奏者がトーク中にオリヴィエ・メシアンの名前を出したことがあり、この作品のことが思い浮かびました。

冒頭、6月のある日一哉は毎日礼拝が行われるJT講堂という場所で二年の天野真弓のオルガン演奏を聴きます。
一哉は天野の弾くオルガンの音に興味を持っていて、二人ともオルガン部に所属していて一哉は部長をしています。
また一哉は一年のうちからどの先輩より弾けたとありかなりの実力者なのが分かりました。
「エリザベト音楽大学同窓会 佐伯区支部 第9回ハートフルコンサート」「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」でパイプオルガンの生演奏を聴いた今、オルガンを演奏する場面がとても興味深かったです。

一哉は父が牧師、母が元ピアニストで、記憶のない頃からピアノやオルガンを触っていました。
オルガン部の他に聖書研究会にも入っています。
「俺はキリスト教を信仰していない。それでも、こんな学校にいる以上は宗教のど真ん中にいてやろうと思っている。」とあったのがひねくれた考えをしているなと思いました。
また自身を「揚げ足取りの名人」と表現していてやはりひねくれていると思いました。
ある日聖書研究会の集まりが終わるとオルガン部でも一緒の二年の青木映子が声をかけてきて、オルガン部に音大から先生が教えに来ることになる噂があると言います。

一哉の父が神父を務める教会は世田谷の住宅街にあります。
一哉の母の香住(かすみ)はドイツ人の男と出会い一哉が小学五年の夏に家を出て行きました。
香住が家を出てから半年くらいピアノもオルガンも弾かなくなっていたとありショックの大きさが分かりました。
一哉は父と母への気持ちを次のように語っていました。
母に通じることの全てに背を向けてピアノもオルガンも封印し、父に通じることも拒否して宗教からできるだけ遠ざかるようにすれば、楽なのだろうか。心の平安が得られるのだろうか。
母だけでなく、一哉が何かを話しても神父としての言葉しか言わない父にも嫌な気持ちを抱いていました。

音大のオルガン科の大学院に通う24歳の倉田ゆかりがコーチとしてやって来ます。
一哉は一人の女性を初めて見る時この女は俺を裏切るのかと思うようになったとあり、母が家を出ていったのは一哉の性格に大きな影響を与えていました。
それでも一哉は倉田を「自分より格段に技術のある演奏者」と評していて、認めているのが分かりました。
ただ倉田が自身を先生ではなくコーチと呼んでと言っても一哉だけ頑なに呼びたがらず、やはりひねくれていました。

倉田コーチが9月末の文化祭でコンサートをやろうと言います。
すると部員達が歓声を上げ、やはり音楽をやっている人にとってコンサートを開催できるのは嬉しいのだなと思いました。
コンサートをよく聴いている今読むと嬉しさが胸に迫ります。
一哉はオリヴィエ・メシアンを弾きたいと言い、倉田コーチは「すごいね。それは、すごいチャレンジだわ」と驚きます。
一哉は9歳の時に母が弾く『主の降誕』を聴いてそれがとても印象に残っていました。
倉田コーチが曲を何にするかを聞くと一哉は「『主の降誕』から、『神はわれらのうちに』」と答え、その『神はわれらのうちに』が母の演奏で印象に残った曲でした。
それぞれの部員が弾く曲も決まり、三年で副部長の渡辺がフランクの小品(しょうひん)、青木がメンデルスゾーン、天野がバッハ、一年の北沢が結婚行進曲になり、オルガン未経験の新入部員もごく短い曲を弾きます。
一哉は心の深いところからメシアンの名と曲が浮かび出てきたと胸中で語っていて、嫌な気持ちが胸を浸したともありました。

曲決めの時、倉田コーチが『神はわれらのうちに』を一度弾いてくれました。
メシアンで卒業論文を書いたとありましたが、そんな難しい曲をすぐに弾けるのはそれだけ上手い演奏者だということです。
またコンサートをよく聴くようになって大学の上級生や大学院生がどれくらい上手いかが分かるようになってきて、倉田コーチが上手い演奏を見せている様子が思い浮かびました。
一哉の呼び方が「倉田コーチ」に変わったのも印象的でした。

中学二年の夏前、一哉は父に「神が信じられなくなった」と言います。
一哉は教会の礼拝のオルガン演奏をしていましたが、父は神に捧げる音楽だから信仰がないと届かないので、オルガンはもう弾かなくて良いと言います。

一哉が毎日の日課で祖母にオルガンで弾いてあげている曲にムソルグスキーのピアノ曲『展覧会の絵』が登場しました。
ELPというロックバンドのキーボード奏者キース・エマーソンという人がこの曲を元にロックの曲を作り、一哉はそのロックの曲がかなり印象に残っていました。

7月になり夏休みになります。
自主練で一哉は天野の演奏を見て努力をしても手に入らない天性の才能かも知れないと思います。
そして天野に「生まれながらの演奏者」だと言い、自身の周りでそう思えるのは天野だけだと言います。
一方の天野も一哉の演奏を次のように言います。
「鳴海さんは、ただ、うまいっていうんじゃなくて、ずっとオルガンと暮らしてきたみたいな、すごくオルガンと親しいみたいな、オルガンでなんでもできるみたいな感じがするんです。自由な感じがするんです」
この二人は音楽家の素質のある人同士が引かれ合っているように見えました。

一哉は『神はわれらのうちに』を弾くと思い出したくない記憶が呼び起こされ、「どうも、メシアンのこの曲は危ない」と思っていました。
そして封印していた最悪の記憶を思い出します。
母が父と離婚してオリバー・シュルツというドイツ人と一緒にドイツに行くから一哉も一緒に行こうと言います。
一哉は衝撃を受け「その夜、突然、俺の世界が壊れた。」とあり、さらに次のようにありました。
十歳の俺は、あの夜、「罪」というものを初めて知った。

9月になり一哉は思うように弾けなくて苦しみます。
また「俺は、すべての音が、音符として聞こえる。」とあり絶対音感を持っていることが明らかになります。
そして音楽に関わる時に意外と感情をオープンにしていなかったことに気づき、もっと喜怒哀楽に身を任せても良いのだと思います。
一哉は『神はわれらのうちに』における自身のキーワードを神と母と考え次のように語ります。
信じられない神と、思い出したくない母。負のダブルだ。無理だ。弾けない。やっぱり、この曲は弾けない。
コーチも部員も非常に難しい曲をスムーズに弾けるようになった一哉を褒めてくれていましたが、一哉自身は演奏の出来に納得していませんでした。

文化祭になります。
ELPの『展覧会の絵』がきっかけで話すようになった深井という男子が一緒に文化祭を抜け出さないかと言います。
一哉は14時からオルガン部の発表会がありますが深井と学校を抜け出してしまいます。
深井が「おまえさ、自分で気づいてないみたいだけど、めちゃめちゃ音楽のセンス、あるんじゃないの?」と言っていたのが印象的でした。

深井と『アンバー』という凄く上手いアマチュアバンドのライブに行きます。
ライブ会場は新宿歌舞伎町の裏通りのビルの地下にある飲食店で、『アンバー』が登場するのは22時過ぎ頃です。
一哉は心配しているであろう家族、すっぽかした発表会のことが頭をよぎりますがそのままコンサートを聴きます。
二人はコンサートの後にキーボードの笹本さんと話すことになり、話を聞いて一哉はELPのキース・エマーソンのオルガンにナイフを突き刺すパフォーマンスに昔から抱いていた嫌な気持ちが解消されすっきりします。

次の日の朝、一哉が家に帰ると父と祖母が飛び出してきて二人とも凄く心配していました。
その夜、普段は神父としての言葉しか言わない父と胸を開いて話をします。
一哉は母のことについておよそ父らしくない生身の人間らしい感情を見せてもらって嬉しいと胸中で語っていました。
母の新たな事実も明らかになり、母について初めて希望が持てるものでした。

オルガン部のみんなには顧問の先生、倉田コーチを始めとして全員に一人ずつ謝りに行きます。
天野に謝ると次のように言います。
「いつか……。いつでもいいです。鳴海さんが、納得できるようになった時に、あの曲、聴かせてくださいね。私、本当に聴きたかっ……聴きたい!」
これを聞いた一哉は
聴きたかったと過去を責めるのをやめて、聴きたいと未来の希望を述べた。
と語っていて良い言葉だと思いました。
そして天野にクリスマス・コンサートでは何を弾くのか聞かれ、今度こそ『神はわれらのうちに』を弾くと答えます。
この小説はここからの明るい雰囲気が素晴らしかったです
一哉の言葉もそれまでとは変わって素直になります。

倉田コーチが交渉をしてくれて、学校敷地内にある学校本部の礼拝堂のパイプオルガンで二時間練習できることになり、普段は電子オルガンでの練習なので部員達は喜びます。
パイプオルガンは鍵盤を弾くことによりリコーダーに息を吹き込むように風を送ってパイプを振動させて鳴らす楽器とのことです。



(パイプオルガン。写真は「広島女学院 第22回クリスマスチャリティーコンサート」にて。)

パイプが長いものほど音が低いとあり、これはヴァイオリン属の楽器が大きくなるほど音が低くなるのと同じだと思いました。
パイプオルガンは世界中で一つも同じものはないと言われているというのも興味深かったです。
仕様が同じでも置いてある場所によってまるで響きが違うとありました。

天野のパイプオルガンの演奏を聴いた一哉は「音が生きている!」と感じていて印象的な言葉でした。
そして天野は一哉を探して目が合うと笑顔になり、一哉は「そう、花が咲くように笑う子だ」と表現していてやはり二人は引かれ合っていると思いました。
一哉も『神はわれらのうちに』を弾き、弾き終わると部のみんなが笑顔になってくれたのを見てクリスマス・コンサートはちゃんと弾こうと改めて決意します。

『神はわれらのうちに』には両手鍵盤と足鍵盤が全てリズムが違う場所があるとあり、コンサートで右手と左手で全く違うリズムで弾いているのを見て凄く難しいと思ったのに、さらに足鍵盤のリズムも違ったらとてつもなく難しいと思います。
深井とは「一緒にこれからも何かつながっていたいような気はする。」とあり、友達を作ることに興味のなかった一哉がこう思うのはかなりの変化だと思いました。

クリスマス・コンサートが明日に迫ります。
一哉はパイプオルガンを使ってのリハーサルで天野のことを「オルガンを介して、言葉では表現できないようなつながりが、俺たちには何かあるのだろう。」と胸中で語っていました。
そして一哉も『神はわれらのうちに』を弾きます。
このオルガンが弾けてよかった。
このオルガンを聴けてよかった。
この曲をやってよかった。

思うように弾けなくて苦しんだ末の、万感の思いの言葉がとても印象的でした。


オリヴィエ・メシアンの『神はわれらのうちに』の他にもムソルグスキーの『展覧会の絵』、さらにバッハやメンデルスゾーンなどクラシックの曲がいくつも登場したのが興味深くて聴いてみたくなりました
中でも『神はわれらのうちに』の両手鍵盤と足鍵盤が全てリズムが違う場所はどんな音色なのか興味深かったです。
そして今回この作品を読んで、途中で暗くなったりしながらも終盤になると一気に明るくなってフィナーレに向かうのはまるでクラシックの名曲のようだと思いました。
一度は『神はわれらのうちに』を弾きたくなくなっていた一哉が最後はこの曲をやって良かったと思っていたのが嬉しかったです


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「毛利元就 第十九回 夫の恋」

2019-01-19 21:11:37 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第十九回 夫の恋」です。

-----内容&感想-----
オープニングのナレーションで村上水軍のことが語られました。
元就の生きた時代に瀬戸内海を掌握していたのが村上水軍で、「能島、来島、因島の三島を本拠とする村上氏が率いた海の武士団」とあり、これはまさに「村上海賊の娘 上巻」「村上海賊の娘 下巻」(著:和田竜、第11回本屋大賞受賞)に書かれていた「能島、来島、因島からなる三島村上」と全く同じで胸が高鳴りました

毛利元就は自身に殴りかかってきたのが野田次郎だと分かり、17年前に次郎が言った「地の果てに行こうと、一生、松寿丸(しょうじゅまる)様を恨む」という言葉を思い出します。
元就が辛い目に遭わせて申し訳なかったと謝ると次郎は去って行きます。

安芸の国(広島県)の厳島の大内軍本陣で元就が殴られた傷の手当てをしていると加芽(かめ)とともに父の村上虎吉(とらよし)がやって来ます。
虎吉は村上水軍の将で、次郎の乱暴を謝ります。
また次郎は行き倒れていたところを虎吉に助けられ、我が子同然のように育てられてきたことが明らかになります。
加芽は元就に清々しい思いがしたと言います。
毛利家当主という立場にありながら一介の水軍兵の次郎と目線を同じにして向かい合い殴らせていて、家臣を呼んで次郎を斬らせるのが当然至極なのにそうしなかったところに引かれ、そんな元就のことが好きだと言います。
好きと言われ元就は戸惑っていましたが加芽のことが気になってもいました。

郡山城(こおりやまじょう)では美伊(みい)の侍女の藤野が毛利が尼子を見限り大内に付くことにし、元就が今大内を訪ねていると吉川(きっかわ)家に書状を送ろうとしていることに美伊がそんなことをすれば毛利の動きが尼子に筒抜けだと激怒します。
しかし藤野も嫁ぎ先の様子を吉川家に知らせるのは本来美伊の役目なのに、元就に惚れ込みすっかり毛利の人間になっているから自身がやっているのだと応戦します。
「そういうお気持ちでは、いつ殿に騙されても気づきませぬぞ!」とも言い、美伊は「殿は美伊を騙したりはせぬ!」と言っていました。

元就が厳島の大内軍本陣から帰ろうとした時、再び胡弓(こきゅう)を演奏する音が聞こえてきて、音のする方に行くと加芽がいました。
加芽は元就に村上水軍の舟徳利(ふなどっくり)をプレゼントしてくれます。
村上水軍は舟の中で酒を飲むこともあるため揺れても倒れないように徳利の底が広くなっていて、それをお守りにするように言い、殿として悩み多い元就に「揺れても揺れても決して倒れませぬよう、加芽も祈っておりまする」と言っていました。

郡山城で藤野が吉川の間者に書状を渡そうとすると、謎の集団が襲撃してきて藤野は斬られます。
忍の小三太が助けに来てくれて命は取られずに済みましたが誰の仕業なのかについて元就、重臣の桂元澄(もとずみ)、重臣の赤川元保、重臣の児玉就忠で話し合います。
元保は藤野を斬ったのは大内の間者に違いないと言い、大内は毛利とのつながりを藤野が吉川に洩らすのを恐れたのだろうと言います。
尼子方の吉川から尼子に情報が伝わるのは目に見えています。
就忠はこの先も藤野から吉川に何かと情報が洩れるのは必定だと言い、元保は藤野だけ吉川に帰すのが良いと言います。
しかし元就は藤野はこのまま泳がせておけと言い、さらに大内の間者が動けばかえって我々は敵方の動きを知ることができると言います。
清濁併せ飲むような対応が印象的でした。

元就は加芽のことばかり考えるようになります。
因島の村上虎吉の館では加芽が元就から届いた手紙を読み、中身がまるでラブレターのようでした。
嬉しそうな加芽と対照的に次郎が嫌そうな顔をしていたのが面白かったです。

美伊は杉にこのところ元就がおかしいと相談します。
今までは何でも自身にぼやいていたのに、今回は知らんぷりしてくれれば良いと言っていると言います。
杉の侍女の久(ひさ)が「ぼやかずには生きてはおれぬ男にございますのになあ」と言っていたのが面白かったです。
美伊が元就の上の空な様子を話すと杉は「女じゃな」と言い美伊を仰天させます。
美伊は元就は他の女子には興味がないといつも言っているのでそれはあり得ないと言います。
しかしずっと愛に生きてきたと自負する杉は元就の様子を聞いて間違いなく女だと確信していて、美伊は次第に不安になります。

出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)では毛利が尼子を離れ大内に付いたという書状が尼子経久(つねひさ)に届きます。
経久は孫の詮久(あきひさ)を呼びます。
詮久は独自の情報網で毛利の離反を既に知っていて、さらに大内が与えた所領(領地)がどの場所なのかも調べがついていてこれには驚きました。
そこから詮久は「若輩ながら詮久、尼子の取るべき道を考えておりまする」と言い、自身は経久がここまで大きくした尼子の勢力をさらに拡大し、天下を取るのが務めと思っていると言います。
東に向かって攻め進み京都に上ると言っていて、かなり未熟に見えた前回よりも頼もしく見えました。
「志というもの、追いかければいつかは必ず追いつきまする」と言っていたのが印象的でした。
詮久の若々しさを見て自身の老いを感じ寂しそうな雰囲気になった経久に正室の萩が「殿は死ぬまで家督を譲ってはなりません。誰が何と言おうと、邪魔にされようと、しがみつきなされ。散り際の美しさだのはいらん。しがみつく強さも美しさにござりまする」と言っていたのも印象的でした。

厳島の大内軍本陣では大内義興(よしおき)と嫡男の義隆が話をします。
義隆は尼子詮久には断じて負けないと決意を語ります。
「この先毛利を上手く働かせ、尼子の背後を一つずつ潰し、ここぞという時に一気に出雲を攻め落とす所存」と言いこちらもかなり頼もしく見えました。
そんな義隆を見て義興は次のように言います。
「年を取るのはよいことじゃのう。年を取ると、周りの者は皆己より若く青い。失敗したりしくじったり、喜んだりを傍で見ておると、自分がもう一度生き直しておるようなのじゃ。父は義隆を通して、今一度生き直しておる。年を取るのは幸せなことじゃ」
年を取ることについて経久と正反対に考えているのがとても印象的でした。



(元就と美伊。画像はネットより)

美伊が元就に好いた女子が他にいるのではないかと聞くと元就は馬鹿なことを申すなと言い、「わしはな、美伊とおる時だけが一番気持ちが安らぐのじゃ」と言いますが美伊が信じていない表情だったのが面白かったです。
美伊は杉に、杉が言っていたとおり女に間違いないと言います。
美伊がこの先一切気づかないふりをすると言うと杉がそれは間違っていると言い、泣き叫んで怒るべきだと言います。
美伊が一切気づかないふりをしてくれる妻の元に最後は帰ってくるのが男というものだと言うと、杉は女がそう思っているだけで利口ぶっている女ほど男には好都合と言います。
そして美伊が何も知らぬかのごとく笑っているつもりだと言うと杉は「女は顔で泣いて心で笑うものじゃ。これが、男を調略する極意じゃ」と言っていて、ずっと愛に生きてきた人は言うことが凄いなと思いました。


今回は元就が奥様がいるのに他の女の人に恋をするとんでもない回でした
ずっと元就に浮気などあり得ないと言って信じていた美伊もついに元就の浮気を確信しました。
美伊がこの先一切気づかないふりをすると言った時の声が寂しそうだったのが印象的で、声の響きに胸が痛みました。
元就には浮気してもなお愛想を尽かさずに自身のもとに戻ってきてほしいと思ってくれている美伊の偉大さに気づき、大事にしてほしいと思いました。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神

エリザベト音楽大学、広島大学 JOINT CONCERT ~大学院修了前のフルート専攻生3人による~

2019-01-18 22:50:01 | コンサート、演奏会
昨年の12月21日、「JOINT CONCERT ~大学院修了前のフルート専攻生3人による~」を聴きに広島県広島市のエリザベト音楽大学のザビエルホールに行きました。
フルートの専攻生三人によるコンサートで、朴美瑛(ぱくみよん)さん、佐田晴菜さんはエリザベト音楽大学の大学院生、青木友里さんは広島大学の大学院生です。
このコンサートも昨年の11月7日に「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」でチラシを配って告知していたコンサートの一つで、特に佐田晴菜さんは私が昨年の秋からクラシック系のコンサートをよく聴くようになるきっかけとなった「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」で演奏されていた方なので今回のコンサートも聴いてみようと思いました。


1.Flute trio
 6つのソナタより 第3番 (J.B.db ボワモルティエ)



(写真左から朴美瑛さん、青木友里さん、佐田晴菜さん))

明るい曲で優しい音色でした。
先に青木友里さんが吹いて他の二人が続く場面がよくあり、その呼応の音色も優しく穏やかでした。

楽章が変わると少し曲調が変わり混沌を感じました。
最後の楽章では明るく陽気な雰囲気になり、踊っているようでした
短い音を弾むように吹いていました。



2.フルート・ソナタ (F.プーランク)(solo:佐田晴菜)
 


(青木友里さんと佐田晴菜さん)

一楽章
「ピーロローロロー」というメロディが印象的でした。
何度か登場し、荒野を眺めているような少し寂しさを感じる音色でした。

二楽章
悲しい雰囲気の演奏で始まりました。
フルートの高い音色に悲しさを感じました。
ピアノと呼応する場面があり、どちらも力強くそして悲しさもありました。

三楽章
凄く速い始まりでした。
フルートが短い音を力強く吹きます。
フルートもピアノも楽しそうで凄く引かれました
突然ゆったりとした演奏になる場面があり、緩急が印象的でした。



3.シンフォニッシェ・カンツォーネ (S.カーク=エラート)(solo:朴美瑛)



(朴美瑛さん)

この曲もピアノありの演奏でした。
低音から高音まで音の高低の動きが大きく、音の大きさも大小の変化が大きい曲でした。

凄く高い音で力強くなる場面があり、そこから今度は低音になります。
そして陽気な雰囲気になり、どんどん引かれるようになる曲でした。
またフルートだけになる場面もあり、音が踊っているようで上手かったです



4.Flute trio
 妖精の絵
 Ⅰ.ダフニスの嘆き Ⅱ.エルフの踊り Ⅲ.パンの森 Ⅳ.妖精たちの踊り (D.チェスノコフ)



演奏前に楽譜をめくっているところです。
演奏が始まる前のこの時間は独特な緊張感と静けさがあります。

「Ⅰ.ダフニスの嘆き」
少しもの悲しい始まりで高い音がとても綺麗でした。
佐田晴菜さんの高い音に他の二人が低い音で合わせる場面がありました。
やがて悲しい雰囲気になり音も弱めになりました。

「Ⅱ.エルフの踊り」
佐田晴菜さんがピッコロになり、他の二人はフルートでした。
ピッコロの音色がとても高くて弾んでいました。
フルートの二人はピッコロより低い音で合わせていました。
そして佐田晴菜さんがいつの間にかフルートに持ち替えていて、この持ち替えの速さに驚きました。
音色が優しく、高い音で穏やかでありながら弾んでいました。




(青木友里さん演奏前トーク中)

「Ⅲ.パンの森」
青木友里さんの独奏で始まり、朴美瑛さんが続きます。
佐田晴菜さんも続き三人での演奏になります。
これらをゆったりとした高い音を中心に演奏していました。
低い音からドレミファソラシドと音程が上がるのが何度も続く場面があり、反対に高い音からドシラソファミレと下がる場面もありました。

「Ⅳ.妖精たちの踊り」
佐田晴菜さんが再びピッコロになっていました。
他の二人はフワフワとした演奏をし、まるで泡のような雰囲気でした。
ピッコロの高い音との対比になっていました。
またピッコロは高い音が力強く踊っていて、ピッコロにはそういった音色がとてもよく似合う気がします。



5.Flute duo + Piano
 アンダンテとロンド (F.ドップラー)



(佐田晴菜さんと朴美瑛さん)

ピアノ伴奏がありました。
明るく力強く始まり、「ピーロロロロー」の速い演奏が何度も登場したのが印象的でした。
ピアノの「タン」という演奏に呼応してフルートが演奏する場面がありました。
かなり速くなり、ミステリアスさも感じる音色になります。

やがてゆったりとした演奏になり、朴美瑛さんとピアノだけになります。
次に佐田晴菜さんとピアノだけになり、朴美瑛さんもまた加わります。
そして明るく力強くなり、かなり引かれるメロディでした



6.フランチェスカ・ダ・リミニの主題による幻想曲 (P.タファネル)(solo:青木友里)



(青木友里さん演奏前トーク中)

ピアノは不気味な始まりで、フルートは高い音で明るめの演奏をしていました。
フルートがとてもゆったりとした音色になり、ピアノは優しく包み込むような音色になります。
フルートがとても高い音で伸びやかな演奏をする場面があり、青空の草原のようでした。




(ピアノの桐原裕子さん)

ピアノの独奏があり凄く速く力強い演奏でした。
フルートも始まりこちらも凄く速い演奏で、短い音を連続で出していました。
ピアノも短い音を連続で出し、その音の雰囲気にドキドキしました。
最後は凄く速いまま陽気な雰囲気になり、フルートの音が踊っていました。



7.Flute trio + Piano
 4つの小品
 Ⅰ.Bells Ⅱ.Games Ⅲ.Music Box Ⅳ.Dances (L.モイーズ)



(佐田晴菜さん演奏前トーク中)

「Ⅰ.Bells」
とても穏やかなピアノで始まり神秘的な音色でした。
フルートは力強く始まり、一度穏やかになり、また力強くなり緩急が印象的でした。

「Ⅱ.Games」
ピアノはフワフワした雰囲気で、フルートは明るかったです。
ピアノにフルート三人が呼応する場面もありました。
やがて全体がフワフワとしとても良い音色でした




(三人で演奏中)

「Ⅲ.Music Box」
少しミステリアスな音色で始まります。
フルートがドラマチックに響く場面がありました。
凄く力強くなる場面もあり、さらにゆったりと海を泳いでいるような雰囲気の場面もありました。

「Ⅳ.Dances」
明るい始まりでピアノもフルートも楽しそうでした。
朴美瑛さんのソロになり穏やかで優しい音色でした。
そこに青木友里さんが加わり、続いて佐田晴菜さんも加わります。
とても高い音で、穏やかでゆったりとしていました。
ピアノとフルートの呼応が印象的でした。
同じメロディを音階を上げたりしながら繰り返していたのも印象的で聴いていると胸が高鳴りました


アンコールは「くるみ割り人形より 葦笛の踊り」(P.チャイコフスキー)でした。
優しく爽やかな気持ちになる良い曲だと思いました。


三人それぞれソロで弾く曲もあれば二人あるいは三人で弾く曲もあり、様々な演奏を楽しませて頂きました。
青木友里さんの演奏は今回初めて聴き、この方も上手い人だと思いました。
朴美瑛さんも個人に注目して聴くのは今回が初めてで上手い人だと思いました。
何度か演奏を聴いたことのある佐田晴菜さんも上手い演奏をされていて、三人とも良いフルートの演奏者だと思うのでぜひこの先も活躍していってほしいです


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演奏者プロフィール

朴美瑛

エリザベト音楽大学演奏学科卒業、同大学では卒業演奏会に出演。
現在同大学大学院修士課程に在学中。
第3回刈谷国際音楽コンクールフルート部門にて優秀賞受賞。
第22回、第23回KOBE国際音楽コンクールC部門にて奨励賞受賞。
第43回フルート新人演奏会にて優秀賞受賞。
エリザベト音楽大学より数々ののコンクール入賞に対して学長奨励賞を受ける。
これまでに工藤重典、白尾隆、中村めぐみ、万代恵子、宮本美佐穂の各氏に師事。


青木友里

広島大学教育学部第四類音楽文化系コース卒業、広島大学卒業演奏会フレッシュコンサートに出演。
現在、同大学大学院教育学研究科博士課程前期に在学中。
第44回山陽学生音楽コンクール、第12回岡山学生フルートコンクール共に第1位を獲得。
第38回広島市新人演奏会に出演、優秀演奏者に選ばれ、広島プロミシングコンサート2017で広島交響楽団と共演。
第13回 I am a SOLOIST で岡山フィルハーモニック管弦楽団と共演。
これまでに本倉孔子、伊藤公一、岡本弥生の各氏に師事。


佐田晴菜

エリザベト音楽大学を総代で卒業。
同大学で特待生としてザビエル奨学賞を4年間にわたり受賞。
合計5年間で「学士」及び「修士」の2つの学位を取得できる5年プログラム生として、現在同大学大学院修士課程に在学中。
2017年夏にベルリンで開催された音楽祭「ヤング・ユーロ・クラシック」のオーケストラでアルト・フルートの独奏を務める。
日本フルート協会主催第44回フルート新人演奏会出演、優秀賞を受賞。
ジュゼッペ・ノヴァ氏のレッスンを受講。
これまでに、藤井智子、宮本美佐穂の各氏に師事。


Special Thanks ピアノ:桐原裕子
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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

今年のブログ 緩やかに力を上げる

2019-01-16 21:57:30 | ウェブ日記
新年ということで、「今年のブログ」の記事に続いて今年のブログについて考えていることを書きたいと思います。
昨年の11月21日、ツイッターで次のつぶやきをしました。

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力がなければ何もできないと感じている最近。
ブログもツイッターも、力に取り憑かれない程度に、もう一段階強化すべき時が来たのかなと思います。
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久しぶりにブログとツイッターの力(情報発信力)を上げたい気持ちが生まれていました。
昨秋はコンサートを活発に聴きに行き始めた時期で、どの演奏家さんも上手く、応援したくなりました。
そこでふと、力(情報発信力)がなければ応援したいものも満足に応援できやしないと思いました。
コンサートのみならず様々なことに言えます。

そうしたらその2日後に行った「第9回 ハートフルコンサート」で「讃美歌 くすしき恵み(作詞 John Newton)」という曲の合唱が始まった時すぐに「アメイジンググレイス」だと気づきハッとしました。
「アメイジンググレイス」は2003年10月~2004年3月にフジテレビで放送された私が大好きだったドラマ「白い巨塔」のエンディングテーマ曲です。
大学の医学部教授の座を狙う主人公・財前五郎の野望が凄まじく、教授になってからも果て無き野望を持ち続け、「アメイジンググレイス」はその凄まじい野望によって荒んだ心をなだめ癒すかのような歌なのが印象的です。
物凄く良い曲でドラマが放送されていた当時毎週聴き入っていました。



「力がなければ何もできない」と前がかりになったところで力を求めることの凄まじさをなだめ癒すかのような歌を聴いたことで、前がかりになる時は注意が必要という暗示のように思いました。
現在私のブログは一日のアクセスが500~700人くらいになることが多く、既に遠い昔に思い描いたくらいの力になってはいます。
この足場をしっかりと固めるには「ブログの底力」の記事に書いたような、ブログの屋台骨を担いある程度アクセスを安定させる底力となる記事を地道に書いていくことが大事だと思います。
足場(屋体骨)がしっかりしていればもう一段階上を目指せるようにもなります。

「力に取り憑かれないこと」と「力を求めること」は相反するところがあります。
力を求めるほどに、力に取り憑かれやすくなり強引にアクセス増加を狙いに行くような状態になりやすくなります。
なので細心の注意を払い、上手く折り合いをつけながらゆっくり力を上げていきたいです。
今年、強引な手を使わずにたまにでも1日のアクセス千人を出せるようになったら嬉しいです。


関連記事
「今年のブログ」

「毛利元就 第十八回 水軍の女神」

2019-01-14 19:59:26 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第十八回 水軍の女神」です。

-----内容&感想-----
1524年(大永4年)、尼子経久(つねひさ)と大内義興(よしおき)の中国地方の覇権争いがいよいよ激化します。
安芸の国(広島県)での前線基地、鏡山城を奪われた大内は巻き返しに出て、尼子に与する武田氏の居城、銀山城(かなやまじょう)を狙います。
武田氏の前の当主は「第十回 初陣の奇跡」で毛利元就が討ち取った武田元繁です。
経久は銀山城を大内から守るにあたり、武田氏と因縁の深い元就に援軍を要請してきました。
弟の相合(あいおう)元網、重臣の桂広澄(ひろずみ)と渡辺勝(すぐる)を相次いで失った元就は毛利家を立て直す決意を三人の霊前に誓います。

新体制を運営するための元就の側近(重臣)選びが郡山城(こおりやまじょう)で始まります。
その中で児玉就忠と赤川元保が元就の目に留まります。
元就が今回の尼子に与しての合戦の意義はどこにあるかを聞くと、就忠は「恨みを解くための戦」と言います。
銀山城の当主、武田光和(みつかず)の父は元就に討たれた元繁で、さらに尼子方として出陣する熊谷信直も父を元就に討たれたも同然と思い恨んでいるはずなので、この機に恨みを晴らすべきと言っていました。
同じ質問に対し元保は「大内と尼子の力を計る好機」と言います。
力というものは現状よりも先々の勢いが大切で、今回尼子と組んでもそれに捉われることなく両家の力を見定め、毛利家の行く道を殿とともに探るのが家臣の務めだと言っていました。
桂元澄(もとずみ)とともに三人が元就の新たな側近として働いていくことになります。

元就は新たに選ばれた側近を率いて出陣します。
毛利軍の役割は尼子方の後詰として大内軍に包囲された銀山城の救援をすることです。

大内軍では毛利軍が近づいてきたのを聞いた大内義隆(よしたか)が「待っておったぞ!」と大はしゃぎして今すぐにでも打って出ようとします。
それを大内家重臣の陶興房(すえおきふさ)と内藤興盛(おきもり)が止めます。
興房は早って万が一のことがあれば大内の名に傷がつき、まして義隆は初陣なのだから朝まで待って慎重に動くべきだと言います。
ところが義隆は援軍を撃退すれば銀山城の武田は完全に孤立し、打って出てくるしかなくなるので真っ向から戦えると言い、興房の制止を振り切って出陣してしまいます。
義隆の未熟さが印象的で、万が一のことが起こるのが予感される場面でした。

大内軍が動いたことを知り迎え撃つ覚悟を決めた熊谷信直の元に元澄が使者として行き、毛利軍も尼子方の援軍として来たので一緒に戦うから何なりと指示を出してくれという元就の言葉を伝えると、信直は「合力(ごうりき、援軍として一緒に戦うこと)には及ばぬ」と言い断ります。
やはり父親を殺されたも同然という思いから元就を恨んでいました。

元澄から話を聞いた元就は元澄と就忠に、信直には気づかれないように信直軍の後方にただちに陣を張るように指示します。
圧倒的な軍勢差で信直軍が劣勢に立たされた時、後方に陣を張っていた毛利軍が一斉に弓矢を放ち大内軍を次々と倒していき、手酷い打撃を受けた義隆は軍を引きます。
戦いが終わり、信直は突然背後から弓矢を放ち助けてくれたのは毛利軍だと悟ります。

祝勝でお酒を飲んだり餅を食べたりしている毛利軍本陣に信直がやってきます。
信直は助けてくれた礼を言おうとしますが元就は遮り、あくまで信直軍だけで大内軍を撃退したことにし素晴らしい戦いぶりだったと絶賛します。
その心遣いに感銘を受けた信直は元就に笑顔を見せて全てを水に流し、「信直の恨みを解く」という就忠の願いは元就の知略によって叶えられました。

大内軍の厳島本陣で義隆は義興に、功を焦り興房の止める声も聞かず惨敗をして申し訳ないと言い謝り、さらに「大内の名に恥じぬようにと思い、父上に褒められたいと思い、早りました」と言います。
すると義興はよく戦ってくれたと労い次のように言います。
「此度は毛利の奇襲によって敗れたが、父はそなたが、毛利のごとき奇襲によって勝利いたせば、嘆いたであろう。我らは京都の幕府もひれ伏す大内じゃ。大内は、断じて奇襲などやってはならぬ」
天下に名を轟かす大内家としての誇り高さが分かる言葉でした。
さらに義興は義隆が戦陣にあっても父を心に留めていたことが嬉しいと言い、それは父を認めている証で、息子に認められることは父親として最高の喜びだと言います。
義隆は何もかもを父から学び、受け継ぎ、天下を大内のものにしてみせると言いそれまで見られなかった武将としての心構えを見せ、義興が嬉しそうなのが印象的でした。
また義興が「それにしても元就、なかなかの男よのう」と言っていてその力を認めているのが分かりました。

出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)では尼子経久の孫の尼子詮久(あきひさ)が登場し、こちらも若い世代の活躍が始まります。
詮久は喋り方から強気で活発な性格なのが分かりました。
また経久の息子の一人で詮久の叔父の国久が登場します。
国久は「新宮党(しんぐうとう)」の当主で、新宮党は新宮谷に居住する尼子軍最強の集団です。
詮久は経久ももう66歳なのだから尼子を自身に任せて隠居してもらって大丈夫だということを言っていましたが、経久が質問をすると詮久が携わっていた戦の不手際が明らかになり経久はビンタをしていました。
詮久もまだかなり未熟なのが分かりました。

毛利家重臣の井上元兼(もとかね)と大内家重臣の興盛の間で秘密の交渉が始まります。
興盛は大内軍を退却に追い込んだのは元就だと皆分かっていて、今日にでも兵を挙げて郡山城を攻めるのは容易いと言い、「されど、元就殿は殺すに惜しい人物と、御屋形様の仰せじゃ」と言います。
さらに「殺すに惜しい人物とは、手を組むに限る。いかがじゃ」と言い、再び大内方になるように言います。

郡山城で評定(ひょうじょう)が開かれ、大内に付くか尼子に付くかが話し合われます。
そこで元就は「今こそ、大内に付く」と言い再び大内方になることを決断します。
尼子に付いて手伝い戦で兵を失うのはもはや我慢ならず、もしこの先安芸において大内の力が伸びれば周辺の国人衆はこぞって大内に付くことが予想され、そうなる前に大内に付いたほうが義興の覚えが良いと言います。

元就は厳島の大内軍本陣に行きます。
義興は再び大内に付く決断をしてくれた元就に何と所領(領地)を与えてくれます。
義興は「何もかも水に流し、ともに新しい旅立ちを致そうぞ」と言い、1525年(大永5年)元就29歳の早春、毛利家は再び大内方になります。

酔いを醒ましに外に歩きに出た元就は胡弓(こきゅう)を弾く美しい女性のいる集団が目に留まります。
その集団は村上水軍で、女性の名前は加芽(かめ)と言います。
村上水軍は「村上海賊の娘」(著:和田竜)でも描かれていた瀬戸内海を支配する海賊集団です。



(加芽。画像はネットより)

元就が女性に見入っていると、突然そばに居た一人の男が元就の幼名「松寿丸(しょうじゅまる)」と呼び殴りかかります。
その男は「第四回 女の器量」で元就の不手際によって兄を殺され元就を強く恨んで去って行った野田次郎でした。
村上水軍に入った次郎はとてもいかつい風貌になり、元就の姿を見ただけで殺気立っていて恨んでいるのがよく分かりました。


今回は終わり方が印象的でした。
再び大内方となり義興から所領まで貰い、登り竜のような良い雰囲気で終わりそうになったところで加芽と次郎が登場しました。
側近の児玉就忠と赤川元保のみならず、新たな人物が次々と登場しドラマの彩りが少しずつ変わってきました。
今回は次郎が元就に殴りかかったところで終わったので次回元就と次郎がどんな話をするのか注目しています。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十九回 夫の恋

ブログのスピード型、スタミナ型、瞬発力型

2019-01-13 20:17:50 | ウェブ日記
以前ツイッターで、「ブログとツイッターでは求められるものが違う。ツイッターは140文字しかなく瞬発力が要求されるので、その中でどう表現するかが重要」といった言葉を誰かがつぶやいていたのを見たことがあります。
ちなみにここでの「瞬発力」は140文字しかないことを言っていて、実際には140文字の中でどのくらいの文字数で表現するかによって「型」が分かれると思います。
私は「スピード型」「スタミナ型」「瞬発力型」の三つに分かれると思います。
スピード型は最大140文字の中ではそれほど多くない文字数でさっぱりとした表現、スタミナ型は140文字を最大限使ってどっしりとした表現、瞬発力型は物凄く少ない文字数で多くの場合写真も併用し、そのつぶやきをパッと見た時の印象に訴える表現です。
これはブログにもそのまま当てはまり、スピード型の記事、スタミナ型の記事、瞬発力型の記事があり、得意な型は人それぞれになります。

私の場合はスタミナ型の記事が一番得意で、長い文章を書くことがよくあります。
次に得意なのがスピード型の記事で、短めの文章の記事を書く時は10文~15文くらいにすることが多いです(この記事は17文になりました)。
ただもう少し短めの文章もスピード型と考えられるので、私のスピード型の記事は比較的スタミナ型寄りでもあると思います。

瞬発力型の記事は私には向かないと考えているのでほとんど書いたことはないです。
瞬発力型を得意とする人は写真1枚やイラスト1枚に1~2文くらいの物凄く短い文章で上手く表現しています。

瞬発力型とスタミナ型にはそれぞれ弱点があり、瞬発力型は記事を活発に更新するのに向いていますが「ブログの底力」の記事で書いたような、記事を更新していない日でもある程度アクセスが安定する「底力」は付きずらいと思います。
反対にスタミナ型は底力を付けることができますが長文を書くのは時間がかかり、記事を活発に更新するのには向かないです。
それなりに記事を活発に更新しさらに底力もそれなりに付けるにはスピード型が一番良いのかも知れないです。
私の場合はスタミナ型を軸にしてスピード型も併用する書き方になっています。

自身の得意な型で、さらに「無理なく」書くのがブログを楽しむのに一番良いと思います。
無理をしている典型例は、アクセス数に取り憑かれてアクセス増加に躍起になることです。
強引なことをするより自身のブログの書き方を磨いていくほうが、長い目で見れば自然と緩やかにアクセスも増えていくのではと思います。


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