読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

エリザベト音楽大学、広島大学 「Ensemble PAZZO 2nd season」コンサート

2019-01-26 16:29:00 | コンサート、演奏会


今年最初に聴いたコンサートはユーフォニアムとチューバ(テューバ)という低音の楽器によるコンサートでした。
1月14日、広島県東広島市の「東広島芸術文化ホール くらら サロンホール」に、「Ensemble PAZZO(アンサンブル パッツォ) 2nd season」コンサートを聴きに行きました。




(東広島芸術文化ホール くらら)

PAZZOはイタリア語で「狂った」という意味で、エリザベト音楽大学と広島大学のユーフォニアム、チューバの演奏者によるアンサンブル(小規模な演奏者集団)です。
「響け!ユーフォニアム 北宇治高校吹奏楽部へようこそ」(著:武田綾乃)を読んだことでユーフォニアムやチューバの低音楽器に興味が湧き、このコンサートを聴いてみようと思いました。
PAZZOの名前のとおり、個性豊かなメンバーによってかなり面白いコンサートになっていました


-------------------- エリザベト音楽大学、広島大学 「Ensemble PAZZO 2nd season」コンサート --------------------

第Ⅰ部

1.ザ メロディーショップ
作曲 K.キング 編曲 D.ウェルデン



観客は100人くらい来ていて用意していた椅子が満席になっていました。
ユーフォニアム二人(左二人)とチューバ二人(右二人)での演奏でした。
明るい曲だったのが印象的で、演奏前のトークでまるでサーカスのようと言っていました。



2.C管チューバのための小品「サラダボウル」
作曲 前田智哉



(トーク中の玉井菜々子さん、前田智哉さん。
玉井菜々子さんはエリザベト音楽大学交響楽団のメンバーでもあり、「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」のオーケストラメンバーに名前があります。)




(チューバ演奏の準備をする前田智哉さん)

前田智哉さんが広島大学大学院の作曲で昨年作った曲とのことです。
前田智哉さんによるチューバでの演奏でした。
風が吹くような音、マグマのような音、さらにカタカタ音など特徴のある音がありました。



3.ザ タイムズ
作曲 高橋宏樹



(トーク中の武島千明さん、大石政季さん)

広島大学の五人での演奏でした。

一楽章
演奏前のトークでユーフォニアムは人の声に最も近い楽器と言っていました。
明るい雰囲気で始まり、ユーフォニアムの音が滑らかだと思いました。
そしてチューバが短い音を連続で出して音の土台を作っていました。




(左三人ユーフォニアム、右二人チューバ)

二楽章
雄大さを感じる伸びやかな演奏でした。
チューバ中心で演奏してユーフォニアムが音の土台を作る場面がありました。
チューバの音はとても低く、籠っているのが印象的でした。

三楽章
にぎやかな演奏で、冒険しているかのような雰囲気もありました。
やがてゆったりした演奏になり、ユーフォニアムはゆったりな音色がとても似合うと思いました。



4.ミッドナイトユーフォニアム
作曲 G.リチャーズ



(ユーフォニアムの村山文音さん)

ピアノ伴奏があり、ピアノの演奏もできるとは驚きました。
とてもゆったりな始まりで安らぐ音色でした。
一瞬ピアノの独奏があり高音で情感たっぷりでした。
大海原が思い浮かぶ音色の場面があり、雄大さがありました。



5.フィンランディア
作曲 J.シベリウス 編曲 L.ザイダーン



(トーク中の玉井菜々子さん、大石政季さん)

演奏前のトークで玉井菜々子さんがフィンランドへの愛を感じる曲と言っていました。
フィンランドで起きた戦いを描いた曲とも言っていました。
不穏な始まりで、ゆったりしている中に不気味さがありました。




(左から藤井美由紀さん(ユーフォニアム)、四俣力さん(ユーフォニアム)、玉井菜々子さん(チューバ)、前田智哉さん(チューバ))

ゆったりな演奏が続き、ドラマチックさを感じる音色もありました。
「タタタタタン」という演奏が何度もあり、演奏前のトークで言っていた銃声だと思いました。

またゆったりとした演奏になり、やがて弾むような音色になります。
そしてこの頃になるとそれぞれの楽器の音の特徴は「滑らかなユーフォニアム、腹の底から出るようなチューバ」という印象を持ちました。



6.ジプシーイヤリング
作曲 A.ファラー
編曲 R.マックジョージ
ピアノアレンジ 下村景



(トーク中の小畑清佳さん、大石政季さん。
小畑清佳さんは「威風堂々クラシック in Hiroshima2018コンサート」のオーケストラメンバーに名前があります。)

演奏前のトークでこの曲はピアノとチューバはアレンジができると言っていました。
そして演奏前、ピアノの前に座る椅子をセットし忘れていて慌てて取りに行くハプニングがありました




(手前左から小畑清佳さん(チューバ)、四俣力さん(ユーフォニアム)、村山文音さん(ユーフォニアム)、ピアノは山本千恵さん)

かなり良い始まりで、昔フィギュアスケートで聴いた「ジプシーの女」という曲に似たメロディなのが印象的でした。
ピアノの不協和音とそれに加わる三人のアグレッシブな演奏も印象的でした。
スピードの速い演奏をしていてさらにリズミカルさもありました。
「タララララララララララア」と凄い速さで指を動かしていました。

華麗な音色の場面があり、
「タララララー」の後にピアノが続くのが繰り返されました。
ユーフォニアム、チューバとピアノが抜群に合っていて引かれる音色でした。



第Ⅱ部

音楽劇
~大石少年が得たもの~

セリフはなしで、表情や身体の動きで演技をする音楽劇でした。
演技をする人と場面ごとに演奏をする人がいました。
音楽劇が終わった後のアンコール演奏時の写真とともに劇の内容をご紹介します。




冒頭、大石少年(写真右から二人目)と少女(写真右から三人目)が仲睦まじい雰囲気でいると、ダース・ベイダーのテーマ曲で登場した悪役が少女をさらって行きます。
大石少年は止めようとしますが悪役にやられてしまいます。




(写真一番右がダース・ベイダーのテーマ曲の悪役)

どうしようかと思った大石少年は地面にダンベルが落ちているのを見つけ筋肉トレーニングを始めます。
筋肉ムキムキになれば悪役をぶっ飛ばせると思ったようで、ロッキーのテーマ曲が演奏されいかにも感動的なトレーニングをしている雰囲気になっていたのが面白かったです。




そこに見るからに体育会系の筋肉ムキムキ男(写真右から二人目)が現れ、「お前の実力を見せてみろ」と言わんばかりに大石少年と対峙します。
大石少年は果敢に戦いを挑みますがあっさり殴り飛ばされて倒れます。




すると天使が現れて(写真一番右)倒れている大石少年の元に巻物を置いて行きます。
大石少年が目を覚ますと「聞こえますか。チューバ拳を体得して救うのです」という天からの声が聞こえます。




また筋肉ムキムキ男には奥様がいて(写真右から二人目)、この奥様が非常に強い人で、大石少年がチューバ道場に向かおうとする後ろで筋肉ムキムキ男を凄い剣幕で叱りつけているのが面白かったです。
セリフがない代わりに笑える演技がたくさんありました。

大石少年はタクシーでチューバ道場に行きます。




運転手(写真左から三人目)に声をかけると意気揚々と出発しますがタクシーには初心者マークが付いていて運転が凄く下手でした。
この演技が上手く、運転手がとんでもない運転をして少し時差があってから大石少年が前に後ろに左に右に上に吹き飛ばされているのが面白かったです。
この時だったかは定かではないですが、「タカタッタッタッタッタッタッタッ」のメロディが印象的な体育祭などでよく流れるロッシーニ作曲の「ウィリアム・テル序曲」が演奏されました。




チューバ道場に辿り着き、大石少年は師範(写真左から三人目、田口有志さん)の前でチューバで「かえるの歌」を演奏しますが全然駄目と言われます。
しかし修行して良い演奏ができるようになります。

ダース・ベイダーのテーマ曲の悪役は少女の気を引こうとしますが少女は「いやいや」をします。
そこに大石少年がやってきて悪役とチューバの演奏対決になります。
少女がさらわれた時はあっという間にやられた大石少年でしたが今回は両者譲らぬ大激戦になります。
そしてついに勝利し、大石少年は悪役の健闘を称えてあげていました。
悪役のほうも俺が悪かったといった雰囲気になり、少女を諦めてその場を去ります。
こうして大石少年は少女を取り返し、二人笑顔になって物語が終わります





アンコールは「A Song for Japan」でした。
東日本大震災で海外の人が日本のために作った曲で、この曲を選んだのは昨年の夏に西日本豪雨で大きな被害があったからとのことです。
全員での演奏だったので音の厚みが凄く、重厚感もありました。
曲はとてもゆったりしていて安らぐメロディでした。


ユーフォニアムとチューバはオーケストラの中では地味な印象があるため、今まではあまり注目していなかったですが今回このコンサートを聴きに行って良かったと思いました
ユーフォニアムは柔らかい音色、チューバは腹の底から出るような厚みのある音色なのが間近でじっくり聴いたことでよく分かりました。
音楽劇もかなり笑える劇で表情と身体の動きだけでこんなに面白いものが見られたのが凄いです。
個性的なコンサートで面白かったのでまた見て聴いてみたいと思いました



------------------------------
演奏者プロフィール

プログラムには次のようにPAZZOなことが書いてありました。


Ensemble PAZZO 2nd seasonの PAZZOな なかまたち

小畑清佳
大学院2年生
広島県出身 10月6日生まれ
顔だけで全てを伝える表情のプロ。
今年度演技指導、プロデューサー。

前田智哉
大学院2年生
広島県出身 1月18日生まれ
この冬に財布は岩国駅まで乗車、スマホは東京で生き別れた。

山本千恵
大学院2年生
山口県出身 12月16日生まれ
マクドナルドのハンバーガーは7つが限界です。

大石政季
大学4年生
広島県出身 11月27日生まれ
昨年14kg体重が増えた。
#頑張れ大石くん

武島千明
大学3年生
広島県出身 11月30日生まれ
特技は鳥骨鶏とメイド喫茶のメイドさんの声真似。

玉井菜々子
大学3年生
広島県出身 11月16日生まれ
バイト先の造花に水あげていた。

村山文音
大学3年生
徳島県出身 7月22日生まれ
図書カード欲しさに芸能事務所のオーディションに顔面どアップ×全力の変顔写真でエントリー。
一次通過。

藤井美由紀
大学1年生
広島県出身 5月2日生まれ
引き笑い止まらない系女子。
朝置いた自転車の場所を夜には9割の確率で忘れる。

四俣力
大学1年生
鹿児島県出身 1月14日生まれ
ドド田舎から都市に憧れ茶髪デビュー。
「西条は東京、東京はニューヨーク」

田口有志
大学1年生
広島県出身 1月9日生まれ
見た目はでかいがメンタル豆腐。
座右の銘は「早起きは三文の徳だが60円なら寝たほうがよくね?」


Special Thanks

大井絃(17's PAZZOメンバー)
幸坂優衣(影アナ)
佐藤吉恵(照明・音響)
下村景(ジプシーイヤリングピアノアレンジ)
藤井菜摘(チラシ制作・カメラマン)
------------------------------


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする