読書日和

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「毛利元就 第六回 恋ごころ」

2018-07-20 21:45:17 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第六回 恋ごころ」です。

-----内容&感想-----
兄の興元(おきもと)の文が松寿丸(しょうじゅまる)に届き、京都では民も辛い目に遭っていることが分かります。
猿掛城の評定(ひょうじょう)では筆頭重臣の志道広良(しじひろよし)が他国の多数の民が瀬戸内の豊かな港町を目指し移動し始めていると言います。
彼らは武田の領地を通って宮島や廿日市(はつかいち)に行くつもりですが、武田が関(せき)を厳しく封じて入国を許さないため、行く手を阻まれた者達が毛利の領地に溢れ始めていて、寺や神社に寝泊りしています。
渡辺勝(すぐる)もそれを案じていて、今に領民との揉め事が起きるかも知れず、さらに尼子の間者が紛れ込むことも容易いと言います。
京都で一族の者が何人も討ち死にした井上元兼(もとかね)は「構わぬ、他国の者は皆殺しじゃ」とやけになって言います。

松寿丸(しょうじゅまる)は平民の服装になって満願寺(まんがんじ)に様子を見に行き、そこで子供達と合唱をしている夏という女の子に出会います。
夏は海のある町に行くと言い、名前を聞かれた松寿丸は「しょうじゅま…」と言いかけて松吉(まつきち)と言い直します。
この様子を見て○○丸という名前は位の高い人の名前なのだと分かりました。

興元に文を書く松寿丸の元を杉が訪れます。
「杉にござりまする」と挨拶し、松寿丸も「入れ」と言い、夕飯をほとんど食べなかった松寿丸を杉が心配していて、二人は自然に話すようになっていました。
杉は松寿丸が食べ物が喉を通らない訳を分かっていて、食べるものもない他国の者達を思うと胸が苦しくてとても喉を通らないのでしょうと言っていました。
自身のことを分かってくれた杉に松寿丸も嬉しそうに「それなのじゃ」と言っていました。
「民を考えるお気持ち。大人になられましたなあ。杉は、嬉しゅうござりまするぞ」
この言葉を見て、第ニ回で奇抜な格好をして暴れていた頃と比べるとかなり殿様らしくなってきたのを感じました。

大内義興(よしおき)に無断で京都から舞い戻った尼子経久(つねひさ)は驚くべき早さで出雲の平定に乗り出し、近隣諸国を次々に制圧していきました。
経久は萩の方に「大内の先は見えた。大内の料理の仕方、京にいてしかと分かった」と言います。
この時経久は魚に瀬戸内の甘い塩を振りながら話していて、塩の振り忘れと振り過ぎに萩の方が突っ込む二人の掛け合いは面白かったです。
「大内を攻める。まず瀬戸内に出る。この甘い塩、直接わが手に入れるんだ。焦ってはならん。じっくり、じんわりと攻めてやる」
二人の話で瀬戸内に甘い塩があることに興味を持ちました。
山陽に住んでいるのでぜひ甘い塩を使った食べ物を食べてみたいです。

おにぎりのような食べ物の入った袋を持って慌てて城を出て行く松寿丸の後を杉が追います。
満願寺では僧侶が南無阿弥陀仏と念仏を唱えれば極楽浄土に行けると言っていて、これは「村上海賊の娘」にも登場した一向宗(現在の浄土真宗あるいは真宗)だと思いました。
松寿丸は夏に食べ物の入った袋を渡し、杉はそんな松寿丸を微笑ましく見ています。
杉が物音を立てて存在に気づかれ、夏が松寿丸に「母ちゃんか?」と聞いた時に杉がすかさず「姉ちゃんじゃ」と言っていたのが面白かったです。

夏は松寿丸に母は戦の火に巻かれて死に、父はここに来る途中で死んだと打ち明けます。
松寿丸が「俺も父も母もいない」と言うと「まことか?戦のせいじゃろう?戦は嫌だ。侍は大っ嫌い」と言っていて、毛利分家の殿の松寿丸は寂しそうでした。
二人で天の川を見て松寿丸が「あれが彦星、あれが織姫」と教えてあげると夏は「夏も死んで星になったら、父ちゃんや母ちゃんに会えるかなあ」と言います。
松寿丸は「死ぬなどと申してはならぬ」と言っていて印象的な場面でした。

桂広澄(ひろずみ)が武田に関を開けてもらうために交渉をしますが武田はなかなか承諾しないです。
自身の領民と他国の者が水を争って怪我人が多数出たことに激怒した元兼が評定でもはや我慢も尽きたと言います。
広良や勝がなだめますが元兼は「桂殿には任せておけない」と言い出て行こうとします。
すると広良が「井上殿!桂殿の交渉を待つ!これは家中の総意でござる!」と言い抜刀の構えをし、勝も抜刀の構えをします。
広良が「井上殿。お分かりじゃな」と言っていて、これは家中の総意を無視して勝手なことをする者は切り捨てるということだと思います。

松寿丸は急いで夏のところに行き、「早く海の町に行くがいい。ここにいると切られるぞ」と言います。
広良と勝が夏達のところにやってきて、「向かってくれば容赦はしないが、この先諍いがなければ一切のおとがめはない」と言います。
広良は満願寺の僧侶に「御坊が先導して下されば、武田も安心して関を開き、他国の者達を通させることができまする」と言い僧侶も引き受けます。

松寿丸が広良のもとを訪れ「他国の民、一人残らず追放致すのか?」と聞くと広良は「さようにござります」と言います。
松寿丸は「京都におられる殿も、申されておった。気の毒な者達じゃと」と一人残らず追放するのは可哀想ではと言います。
すると広良が印象的なことを言います。
「城主は、多くの人の生き死にを担っている者にござりまする。おのれの情に任せて動くことは許されません」
「他国の民に、退去せよと決めたる以上、おのれの情は切り捨てて頂きます。人の上に立つ者の、定めにござります。二度と、お忘れなきよう」

殿様が情に任せて動けば家の存亡に関わることもあると思います。
偉そうにしていれば良いわけではないのがよく分かる言葉でした。

松寿丸は杉のもとを訪れ、小袖を貸してくれないかと言います。
夏に一度だけ着せてやりたいと言っていて、夏のことが好きなのは明らかでした。


(画像はネットより)

松寿丸は杉に借りた小袖を夏に渡します。
着物を着た夏に松寿丸は「ここに残るがいい」と言い、情に流されているように見えました。
松寿丸は「今決めた、松吉が元服したら、すぐにともに暮らそう」と言い、夏が「松吉、元服なんかするの?」と言うと「元服する年頃になったらという意味じゃ」と言っていました。
「夏、そなたは身寄りもおらぬゆえ、ずっと松吉とともに生きていこう」と言うと夏も微笑みながらうなずいていました。
「明日、これを着て寺で待っておれ。迎えに来る。海は、海はいつか、必ず連れていくからの」

翌朝、広良とともに松寿丸は殿様の格好で民達のところに行きます。
広良は松寿丸に「よーくご覧なされ。みな、戦が招いた災いにござりまする。戦がなければ、肥えた土地に作物を作り、先祖からの国を離れずに済んだこと。松寿丸様、民にこのような痛みを負わしてはなりませぬぞ」と言っていました。
松寿丸は領民を守る思いを強くしたのではと思います。

僧侶がやってきて先導を始め、やがて夏が現れます。
夏は小袖は着ずにいつもの服を着ていて、二人は目が合いますが夏は何も言わずに寂しそうに顔を伏せて歩いていきます。
そして道端の花を摘んで松寿丸のもとに持ってきてくれ、松寿丸は受け取ります。

夏は「松吉という名の方に、とても親切にして頂きました。子供達と、一緒に参ります。毛利のこと、毛利のこと…忘れません」と言いおじぎをして去っていき、その目には涙がありました。
夏は松吉が毛利の殿様だと気づいていました。

「思うがままに生きられぬことを知った時、人は大人になるのかも知れません」というナレーションがとても印象的でした。
1511年(永正8年)、元服を済ませた松寿丸は毛利元就と名乗ることになります。
ここでついに中村橋之助さんが登場します。
ある朝「南無阿弥陀仏」と念仏を唱える元就のもとを杉が訪れ元服のお祝いを言います。
ここでの杉の陽気な振る舞いは面白かったです

元兼が京都にいた興元が帰ってきたことを知らせ、元就は興元のもとを訪れご無事で良かったと言います。
しかし興元の表情は暗く、「兄の暗い眼差しは、京都で起こった大事件を予感させるものでした」というナレーションが気になりました。


今回の最後、ついに松寿丸が元服して毛利元就になりました。
まだ安芸の国の国人領主、毛利家の分家の殿ですがやがて中国地方10ヶ国、120万石の大名になります。
知将として有名な毛利元就の活躍を楽しみにしています


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋

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