読書日和

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エリザベト音楽大学 2018年度卒業演奏会

2020-11-27 18:19:53 | コンサート、演奏会


(卒業演奏会の最後、卒業生全員でアイルランド民謡「O ダニーボーイ」合唱時。)

昨年の3月10日、広島県広島市にあるエリザベト音楽大学に2018年度卒業演奏会を聴きに行きました。
私は2018年10月からクラシックのコンサートを聴くようになり、その時のコンサートがエリザベト音楽大学の卒業生によるものでした。
その後もエリザベト音楽大学の学生が行うコンサートにもたくさん足を運び、やがて卒業演奏会の時期になり、事前選考で優秀な成績を修めた人しか出場出来ない中で聴いたことのある人達が登場するのを知りました。
卒業演奏会は一つの区切りでもあり、今まで演奏会で縁のあった人が何人も登場するということで、ぜひ聴いてみたいと思い足を運びました
※縁のあった人は、どんな道のりを辿って来たのか写真で分かるようにしました。




(卒業演奏会。文字だけでも厳粛な雰囲気が伝わってきます




(卒業演奏会が行われたエリザベト音楽大学セシリアホールのステージ。)




(ステージが明るくなり、いよいよ卒業演奏会が始まります





1.管弦打楽器専攻(サクソフォーン)の進正裕さんと、ピアノ伴奏の中田万結さん。進正裕さんは、



「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」


「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」


「エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会」

を経て、卒業演奏会に堂々登場です




ラーション:協奏曲 作品14より 第1楽章

アルトサクソフォンで演奏しました。
流れるような綺麗なメロディで、音の響きがかなり良かったです
とても力強い高音が印象的でした。
サクソフォン独奏の場面があり、ややミステリアスな雰囲気でした。





2.声楽専攻(ソプラノ)の古江梨乃さんと、ピアノ伴奏の鹿取裕美子さん。

木下牧子:竹とんぼに
團伊玖磨:紫陽花
ヴェルディ:オペラ《運命の力》より「神よ、平和を与えたまえ」




「竹とんぼに」はどこかもの悲しい雰囲気があり、かなり良い声でした。
「紫陽花」はかなり迫力があり、高音の響きが凄く良かったです
「オペラ《運命の力》より「神よ、平和を与えたまえ」」は少し悲しく、しかし迫力が凄い箇所もありました。





3.管弦打楽器専攻(打楽器)の安倍聖人さんと、ピアノ伴奏の谷崎友美さん。安倍聖人さんは、



「エリザベト音楽大学 大学祭」(ハリー・ポッターのドラコ・マルフォイに仮装して指揮者で登場)


「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」


「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」


「エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会」


「エリザベト音楽大学 打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~」

を経て、卒業演奏会に堂々登場です




(安倍聖人さんが一番多く演奏会で縁がありました。)




セジョルネ:《マリンバと弦楽のための協奏曲》より 第2、第3楽章

第2楽章
マリンバの独奏で始まり、凄みがありました。
ピアノも入り、次第に音程が上がって行く場面が良かったです。
マリンバも音程が上がって行きました。
この演奏がもう一度繰り返され、マリンバもピアノも迫力があって凄く良かったです

第3楽章
マレット(マリンバを叩くもの)を変えました。
ピアノもマリンバも力強く始まりました。
マリンバのリズミカルな演奏が目立ち、またピアノの「タン!」という短い演奏にマリンバが力強くリズミカルな演奏で合わせるのがかなり良いと思いました





4.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の久都内美嵯子さん。久都内美嵯子さんは、



「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」

を経て、卒業演奏会に堂々登場です




ラヴェル:《鏡》より Ⅰ.夜蛾 Ⅳ.道化師の朝の歌

Ⅰ.夜蛾
ミステリアスで不穏な雰囲気で始まり、音色が不気味でした。
ずっと不穏な雰囲気がありました。

Ⅳ.道化師の朝の歌
ややリズミカルに始まり、そこからとてもリズミカルな演奏になりました。
スピードがあり、指を滑らす演奏が良かったです





5.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の重谷萌瑠(める)さん。重谷萌瑠さんは、



「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」(コンクールで優秀な成績を収めた人の表彰式に登場)

を経て、卒業演奏会に堂々登場です
上手いという評判を聞いていて、一度聴いてみたいと思っていた人で、この卒業演奏会でついに叶いました。




リスト:スペイン狂詩曲 S.254

迫力ある不穏な始まりでした。
高音の撫でるような演奏が良かったです。
「タタターン タタタンタンターン」というメロディが何度もあり、次第に音程を上げて行きました。
スペインらしい情熱的な音色で良いと思いました




力強さ、リズミカルさ、滑らかさ、どれも良く、凄く上手いと思いました。
この人の演奏を聴いてスペイン狂詩曲という曲が好きになりました






6.声楽専攻(バリトン)の秋村和希さんと、ピアノ伴奏の末政優衣さん。




ヴェルディ:オペラ《ドン・カルロ》より「私です、カルロ様」

バリトンの歌声に深みと迫力があり、ピアノは穏やかに合わせていました。
穏やかに歌っていましたが叫ぶように歌った箇所もあり、一気に迫力が出た変化が良かったです。





7.管弦打楽器専攻(打楽器)の山内菜央さんと、ピアノ伴奏の若狭南美さん。山内菜央さんは、



「エリザベト音楽大学 打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~」

を経て、卒業演奏会に堂々登場です
若狭南美さんは、


「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」(ピアノソリストで登場)


「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」(この3人は全員卒業演奏会に登場することになりました


「若狭南美さん 卒業記念ピアノリサイタル」

を経て、卒業演奏会に伴奏で登場です






安倍圭子:プリズム・ラプソディ

マリンバの力強く打ち付ける演奏で始まり、ピアノも始まり、そこから二人ともやや不穏な音色で演奏しました。
マレットを片手に3本持っての演奏は初めて見ました。
ピアノとマリンバが呼応しながら演奏する場面もありました。
最後はスピードも迫力も圧倒的で凄く良かったです





8.声楽専攻(ソプラノ)の藤原晴珠さんと、ピアノ伴奏の猪田桂子さん。

プッチーニ:太陽と愛
ドニゼッティ:オペラ《アンナ・ボレーナ》より「あなたは泣いているの?…私の生まれたあのお城」




「太陽と愛」はゆったりしたメロディで、その中でソプラノが力強くなる箇所がありました。
「オペラ《アンナ・ボレーナ》より「あなたは泣いているの?…私の生まれたあのお城」」はややミステリアスな歌い出しで、やがて凄く高く力強い歌声になります。
最後の凄く高い歌声が特に良いと思いました。





9.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の小林桃子さん。

スクリャービン:ピアノソナタ 第5番 作品53




迫力のある始まりでした。
ややミステリアスで高音が目立っていました。
スピードがかなりあり、リズミカルさもありました。
やがて凄いスピードと迫力になり上手いと思いました
一番最後、右手で刀でスパッと鍵盤を切るようにして演奏を終えたのが印象的でした。





10.卒業生合唱

ブルックナー:アヴェ マリア(アカペラ)
ブルックナー:グラドゥアーレ「この場所をつくりたもうたのは神である」(アカペラ)
B.チルコット編曲:O ダニーボーイ(アイルランド民謡)  ピアノ:廣川由香子 指揮:榊原哲







最後の最後、廣川由香子さんが伴奏で登場しました。廣川由香子さんは、



「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」


「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」(ピアノソリストで登場)


「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」

を経て、卒業演奏会に伴奏で登場です

「アヴェ マリア」はとても神聖な雰囲気の曲でした。
「グラドゥアーレ「この場所をつくりたもうたのは神である」」も神聖な雰囲気の曲で、力強くなる箇所もありました。
「O ダニーボーイ」は少し悲しくもありながら安らぐ雰囲気で、卒業にピッタリな曲かも知れないと思いました


演奏会で縁のあった人が卒業演奏会に登場するのを見ると、万感の思いになります。
2018年10月からの5ヶ月ほどでしたが、卒業演奏会に登場するまでの活躍を知っているので、それぞれの演奏会での勇姿が思い浮かびました。
「今日この日の演奏を区切りに巣立って行くのだな」と思い、少し寂しくもなりました。
様々な演奏会を経てこのステージに辿り着くドラマも感じました
卒業演奏会での個人演奏が叶った人も、そして叶わなかった人も、羽ばたいて行ったこれからの未来が良いものになることを祈ります



関連記事
エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

エリザベト音楽大学 打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~

2020-11-14 19:15:08 | コンサート、演奏会


(打楽器コンサートのステージに立つ左から山内菜央さん、上條拓未さん、吉永有紗さん、萩原佳菜さん、向井沙世さん、安倍聖人さん。)

昨年の2月23日、広島県広島市のエリザベト音楽大学ザビエルホールに「打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~」を聴きに行きました。
一昨年11月の「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」の演奏会でTrip!メンバーの遠藤ふみさんが演奏されていて、Trip!コンサートへの興味がかなり強まりました。
出かけたコンサートで別のコンサートへの興味が湧き、そちらにも足を運ぶのは地域に根差したコンサートならではの面白さだと思います
打楽器のみのコンサートを聴くのは初めてで、どんな雰囲気になるのか興味深かったです


1.KU-KA-ILIMOKU:クリストファー・ラウズ



(左から大咲拓人さん、上條拓未さん、小川裕雅さん、安倍聖人さん。)

ステージには様々な楽器があり、持ち場の移り変わりが速く、あっという間に変わっていました。
迫力と力強さがあり凄く体に響く音でした。




(左から大咲拓人さん、上條拓未さん、小川裕雅さん。)




(左から上條拓未さん、小川裕雅さん、安倍聖人さん。
安倍聖人さんが位置取っているのはオーケストラのコンサートでもよく見かけるティンパニという楽器です。)




(上條拓未さんトーク中。)

打楽器は曲ごとに配置の転換が必要なので、その間に喋って間を持たせるとのことです。




(小川裕雅さんトーク中。
打楽器アンサンブルの音楽監督をしていて、広島ウインドオーケストラ打楽器主席奏者でもあります。)

2曲目はマリンバという「木の音盤」の楽器を使う曲と紹介がありました。



2.Fuga y misterio(フーガと神秘):アストル・パンタレオン・ピアソラ



(安倍聖人さん。)

演奏者が1人ずつ出て来て、1人増えるごとに音が変わって行きました。
とてもリズミカルで気持ちが明るくなる軽やかな音色でした




(左から吉永有紗さん、安倍聖人さん。)




(左に吉永有紗さん、右奥に山内菜央さん、手前に安倍聖人さん。)




(左奥に遠藤ふみさん、手前に吉永有紗さん、右奥に山内菜央さん、手前に安倍聖人さん。
ついに4人揃いました




(吉永有紗さんと遠藤ふみさん。
2人とも他の演奏会で演奏を聴いたことがあり、良い演奏者だと思います。)




(安倍聖人さんトーク中。
演奏中に緊張しないように、ステージから見えるお客さんは「じゃがいも」と思うようにしているというのがウケました。)



3.Ordering-Instincts:ロバート・ディロン



(左から板倉七海さん、遠藤ふみさん、高山桃奈さん、向井沙世さん。)

「バチ」を叩いているような、音程を持たないリズムのみの演奏が続いたのが印象的です。
一音一音が短い乾燥した雰囲気の音になるので、その音での演奏は難易度が高いのではと思いました。
その他、太鼓や鉄琴、ベルを叩くような音もあり、それらの音が次第に姿を現して行きました。
何かがうなるような音もあり不気味に感じたのと、短い音がとてもリズミカルに聴こえて良いなと思いました。




遠藤ふみさんのトークがあり、打楽器アンサンブルでは工作部長が4年生の安倍聖人さんで、ゆるキャラ部長が同じく4年生の山内菜央さんと紹介がありました。



4.Catching Shadows:イヴァン・トレヴィーノ



(左から山内菜央さん、上條拓未さん、吉永有紗さん、萩原佳菜さん、向井沙世さん、安倍聖人さん。)




(左に山内菜央さん、右に上條拓未さん。)

夢の中に居るような音色のマリンバで、どこかドラマチックに感じました。
安倍聖人さんのソロマリンバがありました。
そこに山内菜央さんが入り他の人も演奏を始め、ゆったりとした音色でした。

今度は山内菜央さんのソロマリンバがあり、安倍聖人さんが入り他の人も演奏を始め、こちらもゆったりした夢のような音色でした。
やがて凄く盛り上がり雰囲気がとても良いと思いました



5.Marimba Quartet:ケシー・カンジェローシ



(左から大咲拓人さん、山内菜央さん、藤野真奈美さん、神谷百子さん。
神谷百子さんは打楽器アンサンブルの指導をしていて、東京藝術大学にマリンバ受験者として初めて合格した歴史の開拓者のような人です。)

マリンバ4人の演奏で、躍動するような音色でした
凄く低く伸びる音が速い演奏の底の部分にあり、どうやって出しているのか気になりました。
神谷百子さんと山内菜央さんはマリンバを叩くバチを4つも持っていて、自在に叩けるのが凄いなと思いました。




(神谷百子さんと高山桃奈さんでトーク中。)

神谷百子さんがエリザベト音楽大学に来られて9年で、神谷百子さんの提案でこの打楽器による演奏会が始まったとのことです。



6.OKHO:ヤニス・クセナキス



(左から遠藤ふみさん、安倍聖人さん、藤野真奈美さん。)

ジャンベという太鼓3台での演奏で、3人それぞれにソロの場面がありました。
太鼓なのでとてもよく響き、力強い演奏でした。
平手で叩いたり凄いスピードで叩いたり、バチで叩いたりもしていて変化を楽しめました




(暗い中で演奏しました。)



(荻原里香さんと山内菜央さんでトーク中。
荻原里香さんは打楽器アンサンブルの指導をしていて、広島ウインドオーケストラの首席ティンパニ奏者です。)

荻原里香さんによると神谷百子さんは7曲目の作曲者に会ったことがあり、せっかちな人で曲にも現れているとのことでした。



7.MAG7:マイケル・バリット



(左から山内菜央さん、藤野真奈美さん、奥に隠れていますが吉永有紗さん、板倉七海さん、奥に荻原里香さん、手前に向井沙世さん、高山桃奈さん。)

山内菜央さんのマリンバソロ演奏で始まりました。
他の人も演奏を始め、凄く速い演奏になりました。

神秘的な音色になります。
鉄琴なども登場し、ゆったりとした演奏に変わりました。

マリンバの叩き方が木の棒になった場面が印象的で、そんな叩き方もあるのかと驚きました。
凄い迫力のドラム叩きの後、マリンバを今度は素手で叩きそれにも驚きました。
宙に浮かんでいるようなふわりとした音色もありそれも良かったです。




(小川裕雅さん、安倍聖人さん、山内菜央さんでトーク中。)

小川裕雅さんからこの春4人卒業すると紹介があり、うち2人は中国からの留学生とのことでした。
また安倍聖人さんと山内菜央さんの2人は卒業試験で優秀な成績を修め、3月10日に行われる卒業演奏会に出演すると紹介がありました。
私はこの言葉を聞き、既に聴きに行くつもりでいた卒業演奏会が俄然楽しみになりました




(卒業する4人で演奏。
左から山内菜央さん、安倍聖人さん、どちらがどちらかは分かりませんでしたが邓斌さんと李一寧さん。)

アベマリアの旋律を引用した「リーズ」を演奏していました。




(邓斌さんと李一寧さん)




(山内菜央さん、安倍聖人さん。)




(アンコールの準備をする間、来年度最高学年になる吉永有紗さんがトークをしていました。
自身も着ている「Trip!Tシャツ」を紹介していました。)




(最後は全員登場して「宝島」を演奏しました。)

「宝島」はかなり盛り上がりました。
楽しい雰囲気の演奏の中、吉永有紗さんが演奏者1人ずつ名前をコールしていき、会場中が大盛り上がりでした


打楽器のコンサートがこんなに楽しいものだとは知りませんでした。
そして打楽器のコンサートはヴァイオリンやフルートなどによるクラシックコンサートとはまた違った選曲になるのが興味深かったです。
打楽器には太鼓を叩くような「リズム」の演奏とマリンバを叩くような「音色」の演奏がありどちらも良いと思います。
今年のTrip!コンサートは新型コロナウイルスの影響でマスク必須での開催になり、マスクが買い占めで手に入らなかった私は聴きに行けませんでしたが、ぜひまた聴きに行きたいと思います



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2019年2月時点

【音楽監督】
小川 裕雅

東京藝術大学卒業。
打楽器を有賀誠門、岡田知之、菅原淳、安本由美子の各氏に師事。
第7回浜松国際管楽器アカデミーにおいてライナー・ゼーガース氏のクラスを修了。
エリザベト音楽大学専任講師、広島大学教育学部教育学研究科客員准教授。
広島ウインドオーケストラ打楽器首席奏者。
西日本打楽器協会副理事長。


【指導】
神谷 百子

第3回ルクセンブルグ国際打楽器コンクールソロマリンバ部門優勝。
東京藝術大学にマリンバ受験者として開学以来初合格後、同校を経てジュリアード音楽院卒業。
YAMAHA、Resta-Jay Percussions アーティスト。
エリザベト音楽大学客員教授、洗足学園音楽大学打楽器コース統括教授、東京音楽大学客員教授、国立音楽大学講師。


【指導】
荻原 里香

京都市立芸術大学卒業。
広島ウインドオーケストラ首席ティンパニ奏者。
打楽器アンサンブル「A-UN」、Crazy Classixメンバー、岡山フィルハーモニック管弦楽団打楽器奏者。
島根大学・エリザベト音楽大学非常勤講師。
一般財団法人ケンシン地域振興財団より第28回県民文化奨励賞受賞。


《エリザベト音楽大学打楽器アンサンブル研究会有志》

院  2年 邓斌 李一寧
   1年 遠藤ふみ
学部 4年 安倍聖人 山内菜央
   3年 吉永有紗
   2年 上條拓未 大咲拓人 片山央圭 高山桃奈 向井沙世
   1年 板倉七海 藤野真奈美 萩原佳菜

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※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。

秋の進み

2020-11-08 19:27:32 | ウェブ日記
11月を迎えました。
気象庁の区切りでは9~11月が秋で、早くもその最後、晩秋になりました。

秋は空が綺麗で、雲の少ない青空になる日が多いです
そして空気が爽やかで、気持ちも爽やかに外を歩くことが出来ます。

気温は10月中旬頃からどんどん下がって行きました。
最近は最高気温が20度を下回る日も見られるようになり、晩秋になったのを実感します。
朝起きた時窓に結露が現れるようにもなりました。
寒い時期ならではのもので、これから春になるまで毎日のように現れると思います。

初秋の頃はたくさん聞こえていた秋の虫の鳴き声もほとんど聞こえなくなりました。
今聞こえるのは風が吹いた時に木々の葉がサワサワサワと揺れる音で、その音もこれから落葉樹の葉がなくなれば寂しいものになります。
夏から冬にかけて、自然界の音がどんどん少なくなっていくのが印象的です。

紅葉は見頃を迎えました
名所には行けていませんが市街地でも桜やもみじの赤、銀杏の黄色の葉が青空に映えて綺麗で、気持ちも爽やかになります。
綺麗な紅葉を見ながら残り少なくなってきた秋を楽しみたいです

ブログ開設から5000日

2020-11-04 18:51:55 | メモリアル
昨日でブログの開設から5000日になりました。
2007年2月25日にブログを始めてから13年8ヶ月が経ちました。
13年8ヶ月と言えば、生まれてきた赤ちゃんが中学一年生か二年生になる年月です。
そんなに長い間ブログを続けられたのかと、しみじみとした気持ちになり、流れた月日に驚きます。

前回の4000日から今回の5000日までの間に、gooブログの仕様が大きく変わりました。
他の人の記事の発信に気付きやすくなったのはツイッターの「リアルタイム性」を、コメント欄はLINEの「流れの分かりやすさ」を意識したと思われ、文字のフォントもそれまでとは変わり、全体的に「お洒落な雰囲気」にしたように見えました。
それまでのほのぼのとした雰囲気のgooブログが好きだった私は、一気に流行の最先端に行った新しい仕様に慣れるのに時間がかかりました。
最近やっと慣れてきて、今の仕様を使いこなしていこうという気持ちが出てきました。

ブログを始めた2007年は、たくさんのブログサービス(gooブログやアメーバブログなどのこと)がありました。
やがてツイッターやフェイスブック、インスタグラムなど様々な情報発信ツールが台頭すると、ブログはかつてのような一強ではなくなりました。
13年8ヶ月の間にいくつものブログサービスが終了し、時代の流れを感じました。
その中でgooブログは生き残ってくれて、私はそれが嬉しいです。
gooブログは時代の流れとともに様々な試行錯誤をしていて、中でも昨年春の仕様変更でお洒落な雰囲気になったのは今までで最大の変化でしたが、これから先も新たな層に興味を持ってもらえるかを考えると、間違ってはいなかったと思います。

私も13年8ヶ月分の年を取りました。
今年は3ヶ月くらいブログを書く気力の出なかった時期もあり、その後もなかなか昔のように活発には書けない日々が続き、若かった頃との差を感じます。
それでも最近は書く意欲が戻ってきていて、数は少なくても丁寧に記事を書くことを心掛けています。
書いた記事を読んだ人がgooブログというブログサービスを知り、自身も記事を書いてみようかなと思ってくれるような記事をたまにでも書けたら良いなと思います。
これからも繁栄していってほしいブログサービスであり、そしてこれからもお世話になっていきたいと思います

エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会

2020-11-02 10:46:58 | コンサート、演奏会


昨年の2月11日、広島県広島市のエリザベト音楽大学に「サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会」を聴きに行きました。
サクソフォンは「サックス」という愛称で親しまれる管楽器で、オーケストラで馴染み深いヴァイオリンやフルート、クラリネットのような楽器に比べると登場は遅く、1840年頃にベルギー人のアドルフ・サックスによって発明されました。
そのためクラシックコンサートでオーケストラの編成に入ることや、サクソフォン用のクラシック系の曲もありますが、ジャズやポップスで演奏されることもよくあり、独自の立ち位置を持つ楽器です。
その音色は柔らかく、この演奏会でも華麗に響き渡っていました




瀬戸内を中心に活動するアイドルグループSTU48の瀧野由美子さん(サクソフォン演奏が得意なアイドルとして知られている)も、かつてエリザベト音楽大学サクソフォンラージアンサンブルで活動していました。
第20回定期演奏会の出演者欄には当時1年生だった瀧野由美子さんの名前が載っています。
音楽大学の出身であり、音楽センスはアイドルの中でもトップクラスなのではと思います。



1.組曲ト長調「ドン・キホーテのブルレスケ」

作曲:G.F.テレマン
編曲:金本 理久
指揮:宗貞 啓二



(指揮者登場前。)

サクソフォン用に編曲されたものを楽章を抜粋して演奏しました。
この曲はパーカッション(打楽器)やコントラバス(オーケストラでは低音で音の土台を作っている)は登場せず、完全にサクソフォンだけでの演奏でした。




(指揮者の宗貞啓二さんが登場し、演奏が始まります。)

明るく壮大な演奏で始まり、スキップしているかのようでした。
スピードが速く滑らかで滑り台を滑っていくような演奏だとも思いました。
ドラマチックな音色もありました。

高音でのゆったりした演奏になります。
「ターラー」という特徴的な音色がよくあったのが印象的でした。
それぞれを別の人が吹いて呼応する形で、「タタタタタタ」→「ターラー」という演奏もあり、全く違う音色同士での呼応は良いアクセントになっていたと思います。

この曲は演奏布陣の真ん中にソプラノサクソフォンがいて、後半その音が目立つ場面がありました。
高くゆったりとした音で、そのソプラノサクソフォンを周りが支える演奏をしていました。



2.アランフェス協奏曲

作曲:J.ロドリーゴ
指揮・編曲:宗貞 啓二
ギター:上垣内 寿光



(演奏前。今回はパーカッションとコントラバスもいます。)




(向かって左側のチューニング(演奏前の音の調整)。アルトサクソフォンがいます。パーカッションは他の演奏会でも良い演奏をしていた安倍聖人さんという方です。)




(向かって右側のチューニング。テナーサクソフォン、バリトンサクソフォン、バスサクソフォン(低音になるにつれ、楽器が大きくなる)がいます。)




(真ん中のチューニング。ソプラノサクソフォンがいます。
サクソフォンだけでソプラノからバスまで音域を網羅していて、オーケストラのような音に厚みのある演奏が可能になります。
また、右から5人目の進正裕さんは学部生として最後の定期演奏会でした。)




(ギターソリストの上垣内(かみがいち)寿光さん登場。
ギター協奏曲の生演奏はこの時初めて聴き、とても興味深かったです。)


第1楽章
ギターの明るい演奏で始まりました。
サクソフォンも始まり、どんどん力強くなり、明るく伸びがありました。
南の島が思い浮かぶようなギターの演奏があり、陽気さが良かったです
パーカッションの鉄琴だったと思いますがその音が良かったのも印象的でした。
やがて全体がドラマチックな音色になり凄く良かったです


第2楽章
ギターの物悲しそうな演奏で始まりました。
4年生の進正裕さんのソプラノサクソフォンのソロ演奏も入り、こちらも物悲しそうでどことなく必殺仕事人のテーマの冒頭が思い浮かぶようなメロディでした。
ギターと進正裕さんが物悲しそうな演奏をし、他のサクソフォンがやはり物悲しそうな音色で支えていました。

全体が力強く、凄く悲しい雰囲気になりました。
「タララー タララーララ ラララー」のメロディが形を変えながら繰り返されました。
ギター独奏の場面もあり、物悲しさと迫力を併せ持った音色が良かったです。
ギターが止まっている中でタララーのメロディをサクソフォン全体が一斉に力強く演奏する場面もあり、こちらも迫力の中にやはり物悲しさがあって良い音色でした。


第3楽章
ギターの明るく軽やかな演奏で始まり、サクソフォンも同じく明るく軽やかな全体演奏で続きました。
第3楽章はとてもリズミカルな演奏なのが印象的で、最後まで明るくリズミカルでした




(演奏終了時。)




(ギターソリストの上垣内寿光さんと指揮者の宗貞啓二さんが花束を貰っています。)



3.バレエ音楽「恋は魔術師」

作曲:M.de.ファリャ
編曲:宗貞 啓二
指揮:大森 義基
メゾソプラノ:山口 水蛍

指揮者の大森義基さんは「一楽章f未完成 I LOVE MELODY SAXOPHONE LIVE」でサクソフォン演奏を聴いたことがあり、非常に上手かったです。




(演奏前。ソプラノサクソフォンが向かって左側になり、布陣が変わりました。)




(演奏前。3曲目はピアノ(室川桃子さん)が登場しました。)




(演奏前。メゾソプラノ(ソプラノの次に高い声域)のソリスト、山口水蛍さんも登場しました。)

凄く力強い演奏で曲が始まり、そこからコントラバスの不気味な演奏だけになり、そこにサクソフォンも不気味な演奏で入って行きました。
全体が不気味な雰囲気で、そのまま力強くなります。
進正裕さんのソプラノサクソフォン演奏が目立っていて、この曲では何度も目立つ場面がありました。
ソリストの山口水蛍さんが歌う場面になり、聴けば引きつけられる良い歌声だと思いました。
長い曲でもあり、歌う時は椅子から立ち歌い終わったら座ります。

ピアノがピッチカート(ヴァイオリンなどの弦を指でポロンポロンと弾く演奏)のような演奏をしていたのが印象的でした。
ピアノとサクソフォンが呼応し、ピアノが「タン」、サクソフォンが「ボボーウ」という演奏を繰り返していました。
ある章ではサクソフォンの不気味な演奏で始まり、進正裕さんのソプラノサクソフォンがそれとは違う音色で入っていました。

全体がどこか不気味でミステリアスで探検でもしているように感じる場面もありました。
「火祭りの踊り」という多くの人がどこかで聴いたことがあるようなメロディの章では、「ターターターター タータター」というメロディの演奏が凄く良かったです。

終盤、山口水蛍さんが歌い終わると全体が演奏するのが繰り返されました。
歌の迫力が増し、響きが凄く良く、空気が揺れているように感じました。
最後は全体が力強くなり、鐘の音のパーカッションが印象的で、祝福しているようで感動的でした




(花束を貰うソリストの山口水蛍さんと指揮者の大森義基さん。)




(二人が退場しても鳴りやまない拍手。)




(二人が再登場し、ソリストありでのアンコールが演奏されました。)

曲名は分かりませんでしたが3曲目の余韻に浸るようなゆったりとした雰囲気でした。
歌、ピアノ、パーカッションが目立ち、サクソフォンは穏やかに演奏していました。




(演奏後、4年生の進正裕さんが間もなく卒業と紹介がありました。)




(花束を受け取る進正裕さん。渡しているのは1年後に「エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会」に登場することになる廣本穂乃さんという方です。)




(花束を持ち客席に礼をする進正裕さん。)




(卒業の挨拶をする進正裕さん。)




ギターソリストの上垣内寿光さんがもう一度登場し、全体で2回目のアンコール演奏をしました。
タンゴのような雰囲気で始まり、カスタネットのパーカッションが印象的でした。
凄くゆったりとした演奏で音色が綺麗で安らぎました。
ここでも進正裕さんのソプラノサクソフォンが目立っていました。


3回目のアンコールもありました。
2018年秋にクラシックなどの演奏会を聴き始めてから、こんなにアンコールがあったのは初めてでした
凄く速い曲で明るい気持ちになりました




(最後のアンコールを終え、感動的な雰囲気で演奏会が終わりました。)


ラージアンサンブルという形でのサクソフォン演奏はこの時初めて聴き、まるでオーケストラのようで良いものだと思いました。
この演奏会にはとても素敵な演奏会として印象に残った「Trio Riviere(トリオリヴィエール)」のうち2人(進正裕さん、安倍聖人さん)が登場し、どちらも上手い人だと分かっていたので気持ちが盛り上がりました。
そして送り出される4年生にたくさんの見せ場と挨拶の場が用意され温かく送り出されたのを見て、良い活動団体だと思いました。
今年開催された第23回定期演奏会も聴きに行っていて、これからもぜひ聴いてみたいと思います



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2019年2月時点

指揮者紹介

宗貞啓二
サクソフォンを水野昱子、石渡悠史、故大室勇一の各氏に師事し、1975年国立音楽大学を武岡賞を受賞し卒業。
同年読売新人演奏会、皇居内桃華楽堂新人演奏会に出演。
在学中、第42回毎日音楽コンクール第1位入賞。
1976年渡仏、フランス国立ボルドー音楽院にてサクソフォンをJ.M.ロンデックス氏に、室内楽をR.ペレ氏に師事、いずれも一等賞を得て卒業。
ボルドー市栄誉賞を受ける。
現在、エリザベト音楽大学、洗足学園音楽大学の各講師。


大森義基
1991年昭和音楽大学を特別賞を受賞し卒業。
在学中に第7回日本管打楽器コンクール入賞。
1992年渡仏、翌年パリ・レオポールベランコンクール第1位入賞。
1994年パリ国際音楽コンクール第2位及び審査員特別賞受賞。
同年、フランス国立セルジーポントワーズ音楽院を審査員全員1位の主席で卒業。
これまでにソロアルバム「ヴァカンス」「ア・ラ・パリジェンヌ」「ミント」「ナイチンゲールとバラ」をリリース。
サクソフォンを市川豊、故大室勇一、宗貞啓二、ジャン=イヴ=フルモーの各氏に支持する。
現在昭和音楽大学、エリザベト音楽大学、桜美林大学芸術文化学群音楽専修の各講師。


ソリスト紹介

上垣内 寿光
エリザベト音楽大学を飛び級し大学院修了。
その後、広島中村奨学金を得て渡独。
ドイツ国立カールスルーエ音楽大学卒業、ディプロマ取得。
ドイツ国立ワイマール・リスト音楽院、演奏家課程修了。
名古屋ギターコンクール優勝、大阪ギター音楽大賞最優秀賞、九州ギターコンクール第2位(1位なし)、山陰ギターコンクール第2位(1位なし)、日本ギターコンクール第3位、2004年度イタリア・ガルニャーノ国際ギターコンクールファイナリスト、2007年度第22回イタリア・ロベレドーロ国際音楽コンクールギター部門第2位(1位なし)など数々のコンクールに入賞。
第149回日本演奏連盟新人演奏会にて広島交響楽団と共演。
日本をはじめドイツ、イタリア、スイスなどヨーロッパのみならず韓国、中国、インドなどアジアでも演奏活動を展開する。
現在エリザベト音楽大学で教鞭をとる傍ら、卓越したプロ演奏家をあらゆるシーンにコーディネートする(株)クライスミュージックエンターテインメントの代表取締役も務める。


山口水蛍
エリザベト音楽大学声楽専攻卒業、同大学院修士課程を主席、総代にて修了。
声楽を長崎美穂子、桂政子の各氏に師事。
同大学在学中に専門課目奨励賞および学長表彰を受賞。
卒業演奏会出演。
第24回エリザベト音楽大学大学院新人演奏会出演。
第5回東京国際声楽コンクール 大学生部門第1位 東京新聞賞受賞。
平成25年度後期はつかいちさくら賞受賞。
第19回さくらぴあ新人コンクール第1位 さくらぴあ大賞受賞。
新進演奏家育成プロジェクト第22回広島オーケストラ・シリーズオーディション合格、広島交響楽団と共演。
これまでにオペラ「リータ」リータ役、「椿姫」アンニーナ役などで出演。
現在、合唱団の歌唱指導や指揮、またオペラやミュージカルの舞台などで音楽の魅力を伝える活動を行っている。


エリザベト音楽大学サクソフォン・ラージアンサンブル

学部生4年 進 正裕
学部生3年 岡田 咲姫  金本 理久  桐本 萌絵  坂本 さくら  谷本 百衣  廣本 穂乃
学部生2年 梅本 舜也
学部生1年 田中 啓悟  廣瀬 奏一朗
ピアノ 室川 桃子
コントラバス 能見 義史
パーカッション 小川 裕雅  安倍 聖人

賛助出演 宮田 麻美  加藤 和也  前田 悠貴  平井 千香子  福田 ひとみ  山本 愛子  宇津 優輔  森山 葵  柳瀬 萌  増田 結子  小田 桃子  李 愛梨

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