(卒業演奏会の最後、卒業生全員でアイルランド民謡「O ダニーボーイ」合唱時。)
昨年の3月10日、広島県広島市にあるエリザベト音楽大学に2018年度卒業演奏会を聴きに行きました。
私は2018年10月からクラシックのコンサートを聴くようになり、その時のコンサートがエリザベト音楽大学の卒業生によるものでした。
その後もエリザベト音楽大学の学生が行うコンサートにもたくさん足を運び、やがて卒業演奏会の時期になり、事前選考で優秀な成績を修めた人しか出場出来ない中で聴いたことのある人達が登場するのを知りました。
卒業演奏会は一つの区切りでもあり、今まで演奏会で縁のあった人が何人も登場するということで、ぜひ聴いてみたいと思い足を運びました
※縁のあった人は、どんな道のりを辿って来たのか写真で分かるようにしました。
(卒業演奏会。文字だけでも厳粛な雰囲気が伝わってきます)
(卒業演奏会が行われたエリザベト音楽大学セシリアホールのステージ。)
(ステージが明るくなり、いよいよ卒業演奏会が始まります)
1.管弦打楽器専攻(サクソフォーン)の進正裕さんと、ピアノ伴奏の中田万結さん。進正裕さんは、
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」
「エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会」
を経て、卒業演奏会に堂々登場です
ラーション:協奏曲 作品14より 第1楽章
アルトサクソフォンで演奏しました。
流れるような綺麗なメロディで、音の響きがかなり良かったです
とても力強い高音が印象的でした。
サクソフォン独奏の場面があり、ややミステリアスな雰囲気でした。
2.声楽専攻(ソプラノ)の古江梨乃さんと、ピアノ伴奏の鹿取裕美子さん。
木下牧子:竹とんぼに
團伊玖磨:紫陽花
ヴェルディ:オペラ《運命の力》より「神よ、平和を与えたまえ」
「竹とんぼに」はどこかもの悲しい雰囲気があり、かなり良い声でした。
「紫陽花」はかなり迫力があり、高音の響きが凄く良かったです
「オペラ《運命の力》より「神よ、平和を与えたまえ」」は少し悲しく、しかし迫力が凄い箇所もありました。
3.管弦打楽器専攻(打楽器)の安倍聖人さんと、ピアノ伴奏の谷崎友美さん。安倍聖人さんは、
「エリザベト音楽大学 大学祭」(ハリー・ポッターのドラコ・マルフォイに仮装して指揮者で登場)
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」
「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」
「エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会」
「エリザベト音楽大学 打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~」
を経て、卒業演奏会に堂々登場です
(安倍聖人さんが一番多く演奏会で縁がありました。)
セジョルネ:《マリンバと弦楽のための協奏曲》より 第2、第3楽章
第2楽章
マリンバの独奏で始まり、凄みがありました。
ピアノも入り、次第に音程が上がって行く場面が良かったです。
マリンバも音程が上がって行きました。
この演奏がもう一度繰り返され、マリンバもピアノも迫力があって凄く良かったです
第3楽章
マレット(マリンバを叩くもの)を変えました。
ピアノもマリンバも力強く始まりました。
マリンバのリズミカルな演奏が目立ち、またピアノの「タン!」という短い演奏にマリンバが力強くリズミカルな演奏で合わせるのがかなり良いと思いました
4.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の久都内美嵯子さん。久都内美嵯子さんは、
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
を経て、卒業演奏会に堂々登場です
ラヴェル:《鏡》より Ⅰ.夜蛾 Ⅳ.道化師の朝の歌
Ⅰ.夜蛾
ミステリアスで不穏な雰囲気で始まり、音色が不気味でした。
ずっと不穏な雰囲気がありました。
Ⅳ.道化師の朝の歌
ややリズミカルに始まり、そこからとてもリズミカルな演奏になりました。
スピードがあり、指を滑らす演奏が良かったです
5.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の重谷萌瑠(める)さん。重谷萌瑠さんは、
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」(コンクールで優秀な成績を収めた人の表彰式に登場)
を経て、卒業演奏会に堂々登場です
上手いという評判を聞いていて、一度聴いてみたいと思っていた人で、この卒業演奏会でついに叶いました。
リスト:スペイン狂詩曲 S.254
迫力ある不穏な始まりでした。
高音の撫でるような演奏が良かったです。
「タタターン タタタンタンターン」というメロディが何度もあり、次第に音程を上げて行きました。
スペインらしい情熱的な音色で良いと思いました
力強さ、リズミカルさ、滑らかさ、どれも良く、凄く上手いと思いました。
この人の演奏を聴いてスペイン狂詩曲という曲が好きになりました
6.声楽専攻(バリトン)の秋村和希さんと、ピアノ伴奏の末政優衣さん。
ヴェルディ:オペラ《ドン・カルロ》より「私です、カルロ様」
バリトンの歌声に深みと迫力があり、ピアノは穏やかに合わせていました。
穏やかに歌っていましたが叫ぶように歌った箇所もあり、一気に迫力が出た変化が良かったです。
7.管弦打楽器専攻(打楽器)の山内菜央さんと、ピアノ伴奏の若狭南美さん。山内菜央さんは、
「エリザベト音楽大学 打楽器アンサンブル Trip! ~9th Concert~」
を経て、卒業演奏会に堂々登場です
若狭南美さんは、
「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」(ピアノソリストで登場)
「エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート」(この3人は全員卒業演奏会に登場することになりました)
「若狭南美さん 卒業記念ピアノリサイタル」
を経て、卒業演奏会に伴奏で登場です
安倍圭子:プリズム・ラプソディ
マリンバの力強く打ち付ける演奏で始まり、ピアノも始まり、そこから二人ともやや不穏な音色で演奏しました。
マレットを片手に3本持っての演奏は初めて見ました。
ピアノとマリンバが呼応しながら演奏する場面もありました。
最後はスピードも迫力も圧倒的で凄く良かったです
8.声楽専攻(ソプラノ)の藤原晴珠さんと、ピアノ伴奏の猪田桂子さん。
プッチーニ:太陽と愛
ドニゼッティ:オペラ《アンナ・ボレーナ》より「あなたは泣いているの?…私の生まれたあのお城」
「太陽と愛」はゆったりしたメロディで、その中でソプラノが力強くなる箇所がありました。
「オペラ《アンナ・ボレーナ》より「あなたは泣いているの?…私の生まれたあのお城」」はややミステリアスな歌い出しで、やがて凄く高く力強い歌声になります。
最後の凄く高い歌声が特に良いと思いました。
9.鍵盤楽器専攻(ピアノ)の小林桃子さん。
スクリャービン:ピアノソナタ 第5番 作品53
迫力のある始まりでした。
ややミステリアスで高音が目立っていました。
スピードがかなりあり、リズミカルさもありました。
やがて凄いスピードと迫力になり上手いと思いました
一番最後、右手で刀でスパッと鍵盤を切るようにして演奏を終えたのが印象的でした。
10.卒業生合唱
ブルックナー:アヴェ マリア(アカペラ)
ブルックナー:グラドゥアーレ「この場所をつくりたもうたのは神である」(アカペラ)
B.チルコット編曲:O ダニーボーイ(アイルランド民謡) ピアノ:廣川由香子 指揮:榊原哲
最後の最後、廣川由香子さんが伴奏で登場しました。廣川由香子さんは、
「エリザベト音楽大学 Autumn Concert」
「エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会」(ピアノソリストで登場)
「エリザベト音楽大学 創立70周年記念演奏会」
を経て、卒業演奏会に伴奏で登場です
「アヴェ マリア」はとても神聖な雰囲気の曲でした。
「グラドゥアーレ「この場所をつくりたもうたのは神である」」も神聖な雰囲気の曲で、力強くなる箇所もありました。
「O ダニーボーイ」は少し悲しくもありながら安らぐ雰囲気で、卒業にピッタリな曲かも知れないと思いました
演奏会で縁のあった人が卒業演奏会に登場するのを見ると、万感の思いになります。
2018年10月からの5ヶ月ほどでしたが、卒業演奏会に登場するまでの活躍を知っているので、それぞれの演奏会での勇姿が思い浮かびました。
「今日この日の演奏を区切りに巣立って行くのだな」と思い、少し寂しくもなりました。
様々な演奏会を経てこのステージに辿り着くドラマも感じました
卒業演奏会での個人演奏が叶った人も、そして叶わなかった人も、羽ばたいて行ったこれからの未来が良いものになることを祈ります
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