読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「毛利元就 第二回 若君ご乱心」

2018-04-20 19:25:50 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第二回 若君ご乱心」です。

-----内容&感想-----
杉の方が毛利弘元の奥方になり、その夜は宴になります。
ところが以前から酒乱ぶりを懸念されていた弘元が酒の害で正気を失い、刀で松寿丸と杉の方に切りかかります。
間一髪で福原広俊らが駆けつけ二人は助かります。
「幼年時代に受けた悲惨な体験は成長してからの元就に大きな影響を与えた」というナレーションがありました。

桂広澄と渡辺勝が猿掛城にやってきて、広澄が「何ゆえ大殿に酒を勧められました。そなたは注意すべき立場に御座いましょう」と問い詰めます。
第一回で「女は顔と、口じゃ」と言い口先の上手さで活躍していた杉が打ちひしがれていたのが印象的でした。

松寿丸は酒蔵に行き酒の入った壷を次々と割ります。
父の酒乱ぶりを目の当たりにし心に傷を受けたことが分かりました。

三年が経ち松寿丸は大きくなり、奇抜な格好をするようになります。
一緒に奇抜な格好をして遊んでいる子達が「いつまでも俺達とこんな格好して遊んでいて良いのかよ」「親父心配するんでねえか」と言うと、松寿丸は「心配などせん。俺はよお、次男坊の添え者よ」と言います。
すっかり心がやさぐれてしまったなと思いました。

幸千代丸と月夜丸が弘元、相合の方、元兼、広澄、勝の前で剣の稽古をします。
幸千代丸は14歳になり、元服の話が出ます。
相合は弘元に月夜丸がぜひ幸千代丸のために役立ってほしいと言い、奥方の座には就けなかったものの野心は健在でした。
筆頭重臣の志道広良(しじひろよし)が京都への遊学を終えて猿掛城にやってきます。
すると奇抜な格好の松寿丸も帰ってきて、弘元が「みなに挨拶ぐらいはせよ」と言っても無視して通り過ぎていってしまい、弘元に心を閉ざすようになっていました。

出雲の月山富田城(がっさんとだじょう)では尼子経久のもとに「毛利の幸千代丸が大内義興の烏帽子親(えぼしおや)により、元服の儀を進めている」という知らせが来ます。
尼子と内通している広澄が情報を渡していました。
経久は家臣の亀井秀綱に「当家がやがて瀬戸内に打って出るには、毛利の領地は必須だ。毛利が大内一辺倒にならぬように桂を諜略し、しかと楔を打っておけ」と言います。

第二回に大内義興が登場した時、西日本最大の戦国大名と紹介がありました。
大内と尼子、どちらも大名ですが大内は凄く優美な雰囲気で尼子は忍者のような雰囲気なのが印象的です。
大内家重臣の陶興房が義興に「幸千代丸の烏帽子親をお願いしたいと毛利から使いが参りました」と言うと、義興は「毛利には返事をするな」と言います。
義興が京都に上洛する時には毛利にも共してもらおうと考えているため、焦らせて京都に上洛する寸前に返事をすれば、毛利も恩を感じて上洛するだろうという狙いがあります。
「東の尼子、西の大内、東西超大国それぞれの思惑が、安芸の毛利を巡って激突しようとしていました」というナレーションに戦乱の世を感じました。

杉は元兼が大内家に行った時に買ってきてくれたお土産の口紅を松寿丸に取られてしまいます。
「あの糸巻き小坊主、一番高そうな紅を持っていきおった!許さぬ!このままではおくものか!」と激怒しますが侍女の久(ひさ)は「お方様。仕返しなさるなら久にご相談くだされ。一人で動いてはなりませね」と言います。
杉が「私を馬鹿だと申すのか!」と言うと「いえ。少々…」と言っていて面白かったです。

杉は松寿丸を寺に入れてしまおうと考えてお坊さんを呼びますが松寿丸に気づかれ、仕返しに納屋に閉じ込められてしまいます。
助け出された杉が「あの糸巻き小坊主、絞め殺してやる!」と言うと久が「わたくしは、お方様を絞め殺しとうござる」と言います。
久は松寿丸を寺に入れてしまえば相合と月夜丸に城に入り込んできて相合の思う壺だと諭します。
第一回からここまで「絞め殺してやる」が何度も出てきて、すっかりお馴染みの台詞になっていて面白かったです。

杉を閉じ込めた罰として松寿丸は弘元に納屋に閉じ込められてしまいます。
しかしここから松寿丸の抵抗が始まり、出される食事を一切食べずに三日間を過ごします。
最初は「構わぬ。放っておけ!」と言っていた弘元も松寿丸が心配になります。
四日経っても何も食べずにいると、奇抜な格好をして一緒に遊んでいた子達が心配してやってきますが、松寿丸は意地を張って「帰ってくれ」と言い追い返してしまいます。
松寿丸は「生きていても良いことはない」と投げやりになりますが、一緒に遊んでいた子達の「俺なんかなあ。若君より、全然良いことねえけどよ。それでも俺が死んだら母ちゃん泣くから」という言葉には心が揺れます。
やがて志道広良が弘元に「十分お仕置きになったでござろう。お出ししますぞ」と言い松寿丸を納屋から出します。

杉が元兼からお土産に貰った扇を気づかずに落としていきます。
その時蝶の墓を作っていた月夜丸が落ちていたその扇を墓に立てます。
扇を無くしたことに気づいた杉は墓に立てられ雨に晒され破れた扇を見て松寿丸の仕業に違いないと激怒します。
その夜、自分がやったと言い出せずに困っている月夜丸に松寿丸は「よい。わしのせいにしろ。構わぬ」と言います。
月夜丸が「兄上のせいと思われれば、寺送りになりまする」と言うと松寿丸は「わしはもともと嫌われ者じゃ。ここで一つ罪が加わったからとて、同じことじゃ。何もそちまでが嫌われることはない」と言います。
蝶の墓を作った月夜丸をねぎらいながら言った「よろよろして情けない蝶でも生きておるのじゃ。そういう奴ほど懸命なのじゃ」という言葉はとても印象的でした。

これを見ていた弘元の心が動き、「誰が嫌おうと、父はそちを嫌ろうてはおらぬ。そちに何かが起これば、父は命を捨てて守る。死んではならん。父より先に死んではならん」と言います。
そして夜空を見ながら「松寿丸、毛利の星が出ておる。三星(みつぼし)がよう輝いておるわ」と言います。


(画像はネットより)

毛利の家紋は「一文字(いちに)三星」です。
一は「一番乗り」「一番槍」など人に先んじるという意味で、三星は武運を司る神を表す将軍星でオリオン座の真ん中にある三つの星を指しているとのことです。

「松寿丸、父は冬の蝶のごとき武将だが、三ツ星を流れ星にせぬよう懸命に生きておる。それだけはしかと見ておけ」
この言葉は松寿丸の「よろよろして情けない蝶でも生きておるのじゃ。そういう奴ほど懸命なのじゃ」と繋がっています。
家を滅ぼされないように懸命に生きているという思いは、反発を続けていた松寿丸の心にしっかりと届きました。


長年の酒が体を蝕み、弘元は39歳の若さで亡くなります。
松寿丸は5歳で母を亡くし10歳で父も亡くしてしまいます。
最後、木に登って夜空に輝く毛利の三ツ星を見ながら奇抜な髪飾りを全て取り払ったのを見て、毛利の男として生きていく決意をしたのだと思いました。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十二回 元就暗殺指令
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「毛利元就 第一回 妻たち... | トップ | 太陽の光 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿