読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「毛利元就 第十二回 元就暗殺指令」

2018-09-12 23:53:12 | ドラマ
今回ご紹介するのは大河ドラマ「毛利元就 第十二回 元就暗殺指令」です。

-----内容&感想-----
結婚初夜を別々の部屋で寝て過ごした元就と美伊(みい)は翌日の朝を迎えます。
小屋で寝ていた元就が外に出ると摘んだばかりの蕗の薹(ふきのとう)を持った美伊が来て朝ご飯に食べましょうと言います。
しかし小屋の寒さに参っていた元就はあまり相手にせず美伊は不満げになります。
そこに杉が現れ、美伊が殿(元就)は心から好いた女でなければ申し訳ないと寝所を別にし、まことに立派なお心に感じ入りましたと力説します。
すると元就が慌てて先ほどまであまり興味がなさそうだった蕗の薹を手に取って「美味そうな蕗の薹じゃなあ」と言っていたのが面白かったです。

美伊の侍女の藤野は吉川に毛利の有りようを逐一報告しようとしていたため、元就が寝所を別にしたと聞いて慌てます。
藤野は同じ床で寝れば言ってはならぬことの一つや二つ漏らすはずだという思惑があります。
「美伊様、今宵は殿を押し倒しなされ」ととんでもないことを言っていて面白かったです。

元就と美伊は毛利本家の郡山城に挨拶に行きます。
幸松丸(こうまつまる)の母で亡き毛利興元(おきもと)の正室、雪が「元就殿、心強い御方様じゃの」と言うと元就は「よお眠り、よお食べ、元就より肝が据わっております」と言い、美伊が気まずそうなのも面白かったです。

郡山城から帰った美伊と藤野がちっぽけな城だったと言い合っていると元就に聞かれて気まずくなります。
美伊が元就に私ならこの猿掛(さるかけ)城を本拠にすると言ったのは興味深かったです。
山が険しく良い構えになると言い、元就も「さすがは吉川の娘じゃ」と感心していました。

重臣の井上元兼(もとかね)が杉のもとを訪れて美伊のことが気にかかると言います。
杉も実は私もだと言い、元兼は勢い込んで大内義興(よしおき)はじきに京都を出て、尼子経久(つねひさ)を自ら叩き潰すため山口に帰ると言います。
近々戦になり、その際毛利が美伊に仕切られ尼子方に付くのではと案じられてならないと言います。
すると杉は「何じゃ、左様なことを案じておったのか」と言い、侍女の久(ひさ)が美伊は毒蛇のような女子だと思っていたのにあの目の輝きと肌の艶に杉様は驚いておられると解説します。
杉が「杉もあのようになりたいものじゃ。井上殿、何かよい方法はないものかの」と言い、元兼が「何と馬鹿なことを!」を呆れていたのが面白かったです。

重臣の渡辺勝(すぐる)が通りかかった藤野に、最近見たこともない人達が城の周りをうろついていて、吉川の間者(かんじゃ)だろうと言います。
藤野が「証拠もないのにそのようなことを申されては迷惑千万。仮に万が一吉川の間者だとしても、戦国の世の習いとして当然至極のことでござる」と強がります。
すると勝が藤野の肩を掴み「肩の力を抜いて、楽になられよ」と言い微笑みます。
放心状態の藤野は勝に恋心を抱いたようでした。

美伊が井戸から水を汲んで花に水をやろうとすると元就が来てそんなことは美伊がやらなくて良いと言います。
美伊は自身は体を動かすから丈夫で、体の弱い幸松丸ももう少し体を動かして丈夫になったほうが良いのではと言いますが元就は「余計なことじゃ。昨日来たそなたにそのようなことは言われとうはない」と言います。
ムッとした美伊が「されど美伊は、子が生まれた暁には強く丈夫に育てまする」と言うと元就は「子などできぬわ」と言い捨てて去って行きます。
この言い争いから二人はろくに口もきかなくなり、それぞれ気まずい思いを抱えながら日々を過ごします。

元就が美伊のところに来て一緒に夕ご飯を食べないかと言います。
美伊も藤野も殿と同じ席で食べるなど聞いたことがないと言っていて、この時代の食事の摂り方は今とは違うのが分かる場面でした。
美伊は自身から謝らなければならないのに殿は優しいと言い感動していました。

元就は美伊の叔母の萩は尼子経久の正室で、尼子と毛利では家の格も宝も領地も比べ物にならず美伊が気の毒だと言います。
すると美伊は「殿は生きる気合では叔父上には負けてはおりませぬ」と言い、さらに「さすれば、後は若い分、殿が勝ったようなものにござります」と言います。
「勝ったようなものにござります」は美伊の口癖で今回の話で三回も言っていました。

寝所で眠る美伊を二人の暗殺者が襲撃します。
狙いは元就の暗殺で、美伊しかいないことでしくじったと思い、一人がならば妻女だけでもと美伊を殺そうとします。
しかしもう一人が命令を受けたのは元就の暗殺だけだと言いやめさせます。
その隙を突いて美伊が逃げて助けを呼びます。
毛利家家臣達と二人の斬り合いになり、美伊の殺害をやめさせた方の暗殺者がもう一人を逃がし自身は自害しようとします。
その寸前で美伊が「小三太(こさんた)!刀を納めなさい!」と言い、元就にこの者は小三太という吉川の間者で、私が間違っていたから何卒お許しくださいと言います。
元就は「行け」と言い暗殺者を見逃しますが、実際には吉川の間者ではなく武田元繁(もとしげ)の残党だと気づいていて、美伊になぜ嘘をついたと聞きます。
美伊は暗殺者は自身を斬ろうと思えば斬れたのにそんな命令は受けていないと刀を納めたので、それほどまでに信義を守る男ならいつか必ず殿のために働いてくれると思ったと言い、元就は感銘を受けます。
元就は「美伊がここで一人で寝るのは危ない。今宵より、わしはここで寝る。よいな」と言い美伊も承諾します。


元就と美伊(画像はネットより)。

大内義興が10年間に渡る京都滞在を終え尼子討伐のために山口に帰国します。
正室の綾と嫡男の亀童丸(きどうまる、後の大内義隆)が迎えます。
京都に発つ朝はまだ赤ちゃんで軽々と抱けていたのが今は凛々しい少年に成長し、義興は「抱けぬわ、抱けぬわ」と言ってとても嬉しそうでした。

尼子経久は杵築(きずき)大社(出雲大社)を新たに建立して33年おきの遷宮を実現し、その権力と財力を全国に示します。
尼子家重臣の宇山久兼(ひさかね)は「尼子が出雲大社を造営したということは、尼子が山陰の平定を確実にしたということを世に知らしめたのでござる」と言い、重臣の亀井秀綱、正室の萩も機嫌良く笑っていました。
私は出雲大社を造ったのが尼子経久だということに驚きました。
さらに今までは「出雲の平定」だったのが「山陰の平定」とあったのにも驚き、尼子の力が大きく伸びているのが分かりました。

負けてはいない義興は伊勢神宮の御神体を分けてもらい山口に見事な伊勢神宮を造営します。
義興が「亀童丸、これは戦じゃ。血を流さずとも尼子との戦すでに始まっておる」と言っていたのがとても印象的でした。
大内家重臣の陶興房(すえおきふさ)は国人衆の多くが尼子に傾いているため今少し地固めが必要と言います。
すると義興が「水軍じゃ」と言い、密かに動いて水軍をことごとく味方につけるように言います。
この水軍は「村上海賊の娘」(著:和田竜、2014年第11回本屋大賞受賞)で大活躍した村上水軍のことで、水軍の名前が登場してかなりワクワクしました。

元就が見逃した暗殺者が元就と美伊のもとにやって来て、大内と尼子の戦が近く尼子は西国の国人衆を次々と味方につけ、大内は水軍を味方につけようと動いていると伝えます。
今回は今までにない大戦になるのは必定で、近々両軍から使いがくるからどちらに付くか心積もりをしておくのが良いと言います。
暗殺者は帰ろうとしますが元就が呼びとめ、まことの名は何と言うのかと聞きます。
答えない暗殺者に元就は「ではわしが名づけてやろう。今日よりそちは、小三太じゃ」と言います。
美伊も嬉しそうに「小三太、よい名であろう」と言い小三太は「はい」と言って微笑みます。
美伊が言っていたとおり小三太は元就のために働いてくれるようになりました。
元就は「美伊、今までにない大戦じゃ」と言い不安と覚悟の混じった表情をしていました。


今回は元就と美伊の仲が良くなったのと大内と尼子の戦が近づいたのが印象的でした。
前回から「今までにない大戦」という言葉が何度も登場しているのも印象的です。
毛利にとって巻き込まれるのは避けられない戦で、元就がどう動くか楽しみにしています。


各回の感想記事
第一回  妻たちの言い分
第二回  若君ご乱心
第三回  城主失格
第四回  女の器量
第五回  謀略の城
第六回  恋ごころ
第七回  われ敵前逃亡す
第八回  出来すぎた嫁
第九回  さらば兄上
第十回  初陣の奇跡
第十一回 花嫁怒る
第十三回 戦乱の子誕生
第十四回 巨人とひよっこ
第十五回 涙のうっちゃり
第十六回 弟の謀反
第十七回 凄まじき夜明け
第十八回 水軍の女神
第十九回 夫の恋

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 夏の長い距離の散歩 | トップ | 「この世界の片隅に」原作:... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿