読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

HiKaRi Library Concert 2022年6月

2022-06-11 06:07:05 | コンサート、演奏会


(写真左から音楽ユニット「HiKaRi」のピアノKAORIさん、ヴァイオリンRioさん、エレクトーンRIONさん)

6月4日、山口県周南市立徳山駅前図書館の2階広場で行われた、新感覚音楽ユニットHiKaRi(ヒカリ)のHiKaRi Library Concertを聴きました。
HiKaRiはヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンという珍しい編成で毎回多彩な音色を奏でている山口県の音楽ユニットで、昨年の6月に初めてコンサートを聴いて以来、聴くのは6回目となります。
聴き始めてちょうど一年が経ち、HiKaRiのヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンの編成は最初は珍しさが目を引きましたが、聴いていると非常に洗練されていることも分かりました。
ヴァイオリンのダイナミックさ、ピアノの華やかさ、エレクトーンの変幻自在さ、それぞれの楽器の強味が時には個々に際立ち、時には全体の音色のベースとしてそっと華を添え、次はどんなハーモニー(調和)を奏でるのだろうと毎回楽しみにしています



1. 葉加瀬太郎:モーニングショー(3人で演奏)



朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のオープニングテーマ曲です。
爽やかに、さらには力強く躍動する演奏でした。
ヴァイオリンがメインメロディを演奏した時の迫力や伸びが凄かったです。



2. ジェリーシー:カノンロック(ヴァイオリンとエレクトーンで演奏)



(RIONさん)



(Rioさん)


ドイツの作曲家ヨハン・パッヘルベルによるクラシック曲「3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調」をロックバージョンにアレンジした曲です。
演奏が始まるとまさにロックの雰囲気が凄く感じられました。
エレクトーンがロックバンドのドラム奏者のような音色になっていました。
そのスピード感が良く、聴いていてどんどん気持ちが盛り上がりました
ヴァイオリンもノリノリで、まるでエレキギターのようでした。
最後はヴァイオリンがうなるような高音でオラアッ!と締めくくっていました。



3. 映画「オズの魔法使い」より:虹の彼方に(ピアノとヴァイオリンで演奏)



(演奏直前の様子。ヴァイオリンを演奏する「弓」の握りが格好良いなと思いました

ピアノが目立つ場面があり、力強くさらに優しさもありました。
手の平でビー玉をコロンと転がしているかのような音でした。
そこにヴァイオリンがピッチカート(指で弦をポロンポロンと鳴らす演奏)を入れ、スパッと切れがあり良いアクセントになっていました。




(3曲目終了後トーク中)



4. ディズニー映画「アラジン」より:A Whole New World(3人で演奏)





一番盛り上がるサビの部分の時にエレクトーン、ヴァイオリンの順で同じメロディが続き、エレクトーンのしなやかでドラマチックな演奏の後のヴァイオリンの入り方がとても力強く印象的で、ハッとなりました。
最後の方のピアノとエレクトーンのゆったりとした掛け合いも良く、ロマンチックでした



5.映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」より:パイレーツ・オブ・カリビアンメドレー(3人で演奏)



メドレーの中で2曲目に登場したバラード調の曲が凄く良かったです。
途中から一気に迫力が出て胸を打たれました。
「彼こそが海賊」という、映画の告知でも何度も流れた有名曲の演奏は、切れの良さが圧倒的でした。
ピアノがかなり良く、ヴァイオリンとエレクトーンのコンビによる演奏を牽引したり、後に続いたりと自在な演奏をしていました。



6. TOTO(トト):Child's Anthem(3人で演奏)



エレクトーンの独奏でゆったりドラマチックに始まりました。
そこから一気に「刻む」激しい演奏になります。
エレクトーンが一定間隔で繰り出すリズムが良く、そのベースとなっている音の上をヴァイオリンが躍動していました。
ピアノの超高音の音色もキラキラしていて良い雰囲気でした



7. 一青窈:ハナミズキ(3人で演奏)



ゆったり安らぐ演奏で、ヴァイオリンの高音がかなり良く、伸びと響きが素晴らしかったです。
またサビに向かうまでの演奏でエレクトーンが「タンタンッ」と、まるで弦楽器のピッチカートのような音色でメインメロディにフシを付ける演奏を続けていて、その雰囲気が幻想的でとても良かったです
やはり一台で数百種類もの音を出せるエレクトーンが居ると演奏の幅が広がると思います。
ハーモニーの「前」に出て目立っている時はもちろん、「後ろ」で音色のベースを作っている時も多彩さが際立っています。




(8曲目演奏前トーク中)



8. Shakatak(シャカタク):Night Birds(ピアノとエレクトーンで演奏)





(KAORIさんトーク中)



(RIONさんトーク中)

ピアノの「タタン タッタッタッタタン」という演奏がとてもリズミカルでスキップしているかのようでした。
その後にエレクトーンが続く掛け合いの演奏が3回続き、息も合っていて良い雰囲気だなと思いました。
エレクトーンがエレキギターのようになる場面もあり面白かったです。




(9曲目演奏前トーク中。演奏者の紹介が行われました



9. テレビアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」より:残響散歌(3人で演奏)





(Rioさん演奏中。躍動が物凄かったです

とても迫力がありノリノリな演奏でした。
力強さと速さに聴いていてワクワクした気持ちになりました。
ヴァイオリンの躍動が凄く、まるで暴れているかのようで、笑顔を見せていてとても楽しそうな雰囲気なのも良いなと思いました



10. ピアソラ:リベルタンゴ(3人で演奏)



今年の5月3日に「Jチャンやまぐち」というニュース番組で生演奏をした曲です。
前回の4月のコンサートの時にぜひ山口県を代表するユニットになってヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンという編成の珍しさを生かした音色で地域を盛り上げていってほしいと書きましたが、かなり現実味を帯びて来たという気がしました。

ヴァイオリンの独奏で始まり、雰囲気の良さに引き込まれました。
そこから3人で情熱のメロディを演奏します。
ヴァイオリンの超高音の伸びが良く、ピアノとエレクトーンで支えていました。
またピアノとエレクトーンの音の演出も良く、流れて行くメインメロディの様々な場所に現れて華を添えていました



HiKaRiのコンサート、今回もとても楽しかったです。
コンサートの合間にふと後ろを見ると、たくさんのお客さんが聴いていたのがとても印象的でした。
コンサート活動を通じて地域に愛されるユニットになっているのが分かり、山口県在住の私は山口県にHiKaRiという素敵な音楽ユニットがあって嬉しいです
前回のコンサートから今回のコンサートまでの間にニュースで紹介されるまでになり、これからもどんどん名が知れ渡って行ってほしいと思います



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン【Rio(浦川莉緒)】(ヴァイオリニスト)

ソロからオーケストラ演奏はもちろん、クラシックからポピュラーまで幅広いジャンルを手掛ける実力派ヴァイオリニスト。
音楽大学首席卒業。
フランスへ短期留学、数々のコンクールで入賞し実績を残しながら、国内外の著名なマスタークラス等で研鑚を積み演奏活動を始める。
人柄が現れる音色に魅了されるファンも多い。


ピアノ【KAORI】(ヤマハ音楽教室講師)

乳幼児から大人までの幅広い層への総合音楽指導にあたる。
自身もコンクールなどでは実績を残し、現在は生徒から多くの優秀生を輩出するなど、ピアノ指導を通じて音楽育成を行っている。
イベント等での演奏をはじめ、他楽器の伴奏者としても活動し、関係者から高い支持や信頼を得ている。


エレクトーン【RION】(音大生/シンガーソングライター)

3歳で初めて作詞作曲をし、5歳からエレクトーン曲等の作曲をする。
毎年全国各地のコンサートで自作曲を演奏し高い評価を得る。
また、毎年数々のコンクールでの受賞歴を持つ。
ソロ活動としては様々なプロアーティストと多彩なコラボをし、全国各地の多くのミュージシャン、関係者から評価を得ている。
シンガーソングライターとして2020年春、CDデビュー。
2021年春、セカンドアルバム発売。
FM山口『SING&SMILE』を制作。OA中!!
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-----HiKaRiのコンサート-----
HiKaRi Library Concert Vol.27(2021年6月)
HiKaRi Library Concert Vol.28(2021年8月)
HiKaRi Library Concert 2021年10月
HiKaRi Library Concert 2021年12月
HiKaRi Library Concert 2022年4月


-----rioさん登場のコンサート、演奏会-----
エリザベト音楽大学 Autumn Concert
エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会
一楽章f未完成 弦楽四重奏コンサート
エリザベト音楽大学 ザ・シンフォニック・エンターテインメント
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会


-----徳山ゆかりのフォトギャラリー -----
出光興産徳山事業所 「海賊と呼ばれた男」ゆかりの地
遠石八幡宮 整った綺麗な神社


-----徳山ゆかりの小説-----
「海賊とよばれた男 (上)」百田尚樹
「海賊とよばれた男 (下)」百田尚樹


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若林麗ヴァイオリンリサイタル

2022-05-05 05:46:21 | コンサート、演奏会


(ヴァイオリン若林麗さん(写真右)と、ピアノの望月晶さん。写真は全演奏終了後。)

昨年の12月9日、広島市の広島県民文化センターホールで行われた「若林麗ヴァイオリンリサイタル」を聴きました。
同年2月の「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第60回広島」
で初めて演奏を聴き、興味を持ったヴァイオリニストです。
東京都の桐朋学園大学に在学中のため広島で演奏をすることはなかなかないと思っていましたが、思いがけず凱旋リサイタルを行うことを知り、ぜひ聴いてみようと思いました。
まだ大学2年生ですが果敢にリサイタル(何人かで行うコンサートと違い、自らが終始演奏の中心に居るので出番も多く大変)を行うとのことで、どんな演奏が聴けるのかとても楽しみでした




(広島県民文化センターホールの様子。)



1. バッハ:無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番

1楽章
少しだけ悲しそうに始まりました。
儚さがあり、それでいて華やかさもある音色でした。
最後はゆっくりと終わりました。


2楽章
ヒラリッ、ヒラリッという何かが舞うような演奏を繰り返して始まり、ヒラリッが何度も続きました。
華やかで派手ですがどこか物悲しさもありました。

音が浮遊しているように聴こえる場面があり、内側から湧き上がって来るかのようでした。
最後はとても情熱を感じる演奏でした。



2. ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第7番

1楽章
ピアノの軽やかな演奏で始まり、ヴァイオリンも同じ音色で入って行きます。
両方合わさってかなり良い音色になりました。
ピアノが物凄く速くて上手いなと思いました。
その後も時折ゆったりする瞬間はありながらも終始速い演奏を中心に進んで行き、スピードの凄さに飲み込まれるかのようでした。
さらにそこに「楽しさ」もあり、スキップするような演奏が登場したり、リズミカルな演奏が何度も登場したりしていました。


2楽章
ピアノのゆったりと安らぐ音色で始まります。
ヴァイオリンも同じ音色で入って行き、2人でとても安らぐ良い演奏をしていました。
ピアノがプクプクと幻想的な泡のような伴奏をし、ヴァイオリンがその上を自在に動き回る演奏をする場面がありとても印象的でした。
またヴァイオリンの音の伸びが凄く良いなと思い音色に引き込まれました。
ヴァイオリンはピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)もあり、響きが立体的で奥行きを感じ上手いと思いました


3楽章
ピアノが軽やかに楽しそうに演奏を始め、ヴァイオリンも同じ演奏で続きます。
一瞬激しい演奏になり、ピアノは叩き付けるように、ヴァイオリンはスパッと切るように演奏しました。
そこから2人で軽やかな演奏になり、次はどんな音を出すのかワクワクしながら聴きました。


4楽章
情熱的な速い演奏で始まりました。
ここでもヴァイオリンの音の伸びが良いと思い、まるでスキーを滑るかのように聴こえました。
やがて2人でとても激しい演奏になり、スピードもあり圧倒的な響きでした。





(2人とも桐朋学園大学生で、息の合った演奏をされていました



3. クライスラー:愛の喜び│愛の悲しみ│美しきロスマリン│中国の太鼓

「愛の喜び」
聴いたことのあるメロディがとても明るく力強く始まりました。
束の間ゆったり安らぐ音色になり、そこからまた明るく力強い音色になるのが繰り返されました。

「愛の悲しみ」
ヴァイオリンもピアノもやや寂しそうに始まりました。
安らぎも感じるようになり、よく伸びる優しい音色が良いと思いました。

「美しきロスマリン」
明るく躍動感のある演奏でした。
音が楽しそうなのが良いと思いました
最後はヴァイオリンのピッチカートでポロンと終わりました。

「中国の太鼓」
ヴァイオリンもピアノも高音をとても速く刻む演奏で始まりました。
そこからややゆったりな演奏になり、ミステリアスさもありました。
再び凄く速くなり、ヴァイオリンが刻む演奏をしながらどんどん高音になって行ったのが印象的で凄味がありました。



4. ワックスマン:カルメン幻想曲

ピアノの物凄く速い「タンタンタタタタ タンタンタタタタ」のリズミカルな有名メロディで始まりました。
ヴァイオリンはゆったりと入り、今度は2人でミステリアスなメロディを演奏しました。
コンビネーションの技が良く、ピアノが主旋律になったり、ヴァイオリンが低音で演奏したり高音で演奏したりと、次々と演奏が変化して行きました。

ヴァイオリンのピッチカートが目立つ場面があり、力強さが際立っていました。
またピッチカートの前も後もヴァイオリンの音色が変幻自在になっていたのが印象的です。
最後は2人でハイテンポのどこかミステリアスな演奏から、凄く激しい演奏になって行きました。


カルメン幻想曲の後、若林麗さんの挨拶がありました。
10代最後の晴れ舞台を広島で行えて嬉しいと言っておられました。
また来月に広島で成人式を迎え、広島出身ヴァイオリニストとして頑張って行きたいとのことでした。


アンコール
チャイコフスキー:「懐かしい土地の思い出」より「メロディー」

明るく雰囲気の良い音色でした。
ヴァイオリンもピアノもとても上手く、気持ちが安らぎました


若林麗さんのヴァイオリンリサイタル、楽しませて頂きました。
10ヶ月前に聴いた時は広島交響楽団との共演によるヴァイオリン協奏曲でしたが、今回はピアノ伴奏でのリサイタルということで、よりヴァイオリンの音色が際立つことになりました。
10ヶ月の間に益々上手くなったように思い、10代の人のぐんぐん登って行く勢いを感じました。
またピアノの望月晶さんも初めて演奏を聴きましたが非常に上手いと思い、2人それぞれまたどこかで演奏を聴けると良いなと思いました



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演奏者プロフィール 2021年12月時点

若林麗(ヴァイオリン)

広島市出身。
第67回、第69回全日本学生音楽コンクール大阪大会入選。
第25回日本クラシック音楽コンクール全国大会中学校の部、第4位。
第1回桐朋ジュニアコンクール in 広島にてグランプリ受賞。
第9回べーテン音楽コンクール全国大会中学校の部、第1位。
第11回べーテン音楽コンクール全国大会高校の部、第1位。
第33回広島サマーコンサートにてヤマハ賞受賞。
第22回さくらぴあ新人コンクール、第1位。
日本演奏連盟2020年度新進演奏家育成プロジェクト、オーケストラ・シリーズにて広島交響楽団と共演。
イブラ・グランド・アワード・ジャパンにてグランプリ入賞、ノミネート賞受賞。
桐朋女子高等学校音楽科を卒業、卒業演奏会に出演。
現在、桐朋学園大学音楽学部2年在学中。
これまで村上直子、浦川宜也、松田理奈、篠崎功子各氏に師事。



望月晶(ピアノ)

桐朋女子高等学校を経て、桐朋学園大学音楽学部4年に特待生として在学中。
第89回日本音楽コンクール第2位、岩谷賞(聴衆賞)。
第88回大会にて、コンクール委員会特別賞受賞(共演賞)。
第9回桐朋ピアノコンペティション第2位。
第42回霧島国際音楽祭マスタークラスにて、トリオ・スペラとして霧島国際音楽祭音楽監督賞受賞。
高校卒業演奏会、桐朋ピアノガラコンサート、カワイ表参道サロンコンサートシリーズ等に出演。
2019、20年度公益財団法人青山財団奨学生。
これまでにピアノを今井啓子、小森谷泉、練木繁夫各氏に師事。
室内楽を練木繁夫、山崎伸子各氏に師事。
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-----若林麗さん登場のコンサート、演奏会-----
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第60回広島


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HiKaRi Library Concert 2022年4月

2022-04-10 05:20:05 | コンサート、演奏会


(HiKaRiの左からピアノKAORIさん、ヴァイオリンRioさん、エレクトーンRIONさん。)

4月2日、山口県周南市立徳山駅前図書館の2階広場で行われた、新感覚音楽ユニットHiKaRi(ヒカリ)のHiKaRi Library Concertを聴きました。
HiKaRiはヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンという珍しい編成で毎回多彩な音色を奏でている山口県の音楽ユニットで、コンサートを聴くのは5回目となります。
偶数月にコンサートを開催していて、2月が新型コロナウイルスの影響で中止になり、4ヶ月ぶりの開催となる今回はぜひ行きたいと思いました
今回は1曲目以外は全て3人全員で演奏し、コンサート前半に春の曲が次々と登場して、会場が桜も満開になった春の時期ならではの明るさと少しのもの悲しさを感じる音色に包まれて行きました



1. 松任谷由実:春よ、来い(ピアノソロで演奏)



(ソロでピアノ演奏をするKAORIさん。)

ピアノのKAORIさんが単独で登場して演奏を始めました。
世代を超えて広く知れ渡っている超有名メロディの演奏が始まると、音の可憐さにとても引かれました。
コロコロとした光の粒のように聴こえました
ピアノソロでの「春よ、来い」もかなり良いなと思いました





(1曲目終了後、挨拶をする左からピアノKAORIさん、ヴァイオリンRioさん、エレクトーンRIONさん。)



(KAORIさん、Rioさん)



(RIONさん)



2. 森山直太朗:さくら





(私はヴァイオリンRioさんの音大生時代によくコンサートで演奏を聴かせて頂いた縁で、HiKaRiのコンサートにも足を運ぶようになりました。)



中盤でエレクトーンが凄く目立つ場面があり、雄大で伸びやかで良かったです
ヴァイオリンがサビの部分のメインメロディを演奏した場面は物凄い迫力で伸びやかな演奏をしていて、音がこちらに向かって押し寄せるかのように響き渡っていて良いなと思いました。



3. 初音ミク:千本桜





演奏前のトークで「お祭りっぽく、オーケストラバージョンで演奏する」と言っていました。
ヴァイオリンのサビの演奏が凄い迫力で上手かったです。
エレクトーンは太鼓の音や笛の音を出し、それがとてもドラマチックに響いていて良かったです。
ピアノも太鼓のような音を出していたのが印象的で、出せるものなのかと驚きました。





(4曲目演奏前トーク中。)





4. 一青窈:ハナミズキ





エレクトーンがとても目立つ場面があり、ドラマチックで安らぎました。
ヴァイオリンもとても伸びやかで安らぎました。
ピアノがメインメロディになった場面はヴァイオリンとエレクトーンの大迫力の音色の中にあってもしっかりと音が分かり、3人全員で大迫力の演奏をする時のそれぞれの楽器の個性の際立たせ方が上手いなと思いました。



5. チャリティーソング:花は咲く



(ピアノKAORIさんの演奏で始まった場面。ヴァイオリンrioさん待機中。)



(ヴァイオリンも演奏を始めます。)



(エレクトーンは1台で数百種類もの音を出せるので、HiKaRiのコンサートではその特徴を生かし、バリエーション豊かに音のベースを作ることがよくあります。)

ピアノの演奏で始まり、エレクトーンがそれを支え、オルガンのような音色を響かせた場面が印象的でした。
ヴァイオリンも入り、全体でとても優しい音色になりました。
そこから凄い迫力の演奏になり、エレクトーンがソプラノ歌手のコーラスのような音色になり、聖なる響きのように聴こえてかなり良かったです



6. 葉加瀬太郎:モーニングショー





どこかで聴いたことのある曲だなと思ったら、演奏後のトークで朝の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」のオープニングテーマ曲と分かりました。
とても明るく爽やかな曲で、聴いていると気持ちも明るくなりました



7. ディズニー映画「アラジン」より:A Whole New World







安らぎの音色に迫力も出る、一番盛り上がる場面で3人それぞれの音が上手く響き合っていて良かったです。
複数の楽器が複数の音色を大音量で演奏している時は、聴こえやすい音色と聴こえずらい音色が生まれますが、3つの楽器全ての音が上手く聴こえてきて調和(ハーモニー)をとても感じました



8. 葉加瀬太郎:エトピリカ





高音演奏の伸びがとても良く、気持ちが安らぎました。
8曲目にしてヴァイオリンが初めてピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)をしたのが印象的で、コンサート終盤のスパートの合図のようにも思いました。
ピアノがかなりの高音を最大限の力で演奏したのも印象的で、硬質な音色になりつつきらびやかさも感じました。



9. 寺井尚子:IN THE MOOD FOR RAG





とても楽しそうで、ノリノリな演奏でした。
エレクトーンもピアノもヴァイオリンもとてもコミカルでした。
弾けるように演奏していて、やはりHiKaRiには楽しそうな演奏がよく似合うなと思いました



10. ピアソラ:リベルタンゴ





とても情熱的な演奏でのコンサート締めくくりとなりました。
ピアノの目立つ情熱の響きが特に良かったです


4ヶ月ぶりのHiKaRiのコンサート、楽しませて頂きました。
前半5曲に春の曲が次々登場したことに驚き、春らしさを強く感じる演奏になっていて良いなと思いました
後半も最初は途中まで爽やかな音色、安らぐ音色の曲を中心にするのかと思っていたら終盤にノリノリの曲や情熱の曲が登場し、雰囲気の変化も印象的でした。
ぜひ山口県を代表するユニットになってヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンという編成の珍しさを生かした音色で地域を盛り上げていってほしいです



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン【rio(浦川莉緒)】(ヴァイオリニスト)

ソロからオーケストラ演奏はもちろん、クラシックからポピュラーまで幅広いジャンルを手掛ける実力派ヴァイオリニスト。
音楽大学首席卒業。
フランスへ短期留学、数々のコンクールで入賞し実績を残しながら、国内外の著名なマスタークラス等で研鑚を積み演奏活動を始める。
人柄が現れる音色に魅了されるファンも多い。


ピアノ【KAORI】(ヤマハ音楽教室講師)

乳幼児から大人までの幅広い層への総合音楽指導にあたる。
自身もコンクールなどでは実績を残し、現在は生徒から多くの優秀生を輩出するなど、ピアノ指導を通じて音楽育成を行っている。
イベント等での演奏をはじめ、他楽器の伴奏者としても活動し、関係者から高い支持や信頼を得ている。


エレクトーン【RION】(音大生/シンガーソングライター)

3歳で初めて作詞作曲をし、5歳からエレクトーン曲等の作曲をする。
毎年全国各地のコンサートで自作曲を演奏し高い評価を得る。
また、毎年数々のコンクールでの受賞歴を持つ。
ソロ活動としては様々なプロアーティストと多彩なコラボをし、全国各地の多くのミュージシャン、関係者から評価を得ている。
シンガーソングライターとして2020年春、CDデビュー。
2021年春、セカンドアルバム発売。
FM山口『SING&SMILE』を制作。OA中!!
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-----HiKaRiのコンサート-----
HiKaRi Library Concert Vol.27(2021年6月)
HiKaRi Library Concert Vol.28(2021年8月)
HiKaRi Library Concert 2021年10月
HiKaRi Library Concert 2021年12月
HiKaRi Library Concert 2022年6月


-----rioさん登場のコンサート、演奏会-----
エリザベト音楽大学 Autumn Concert
エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会
一楽章f未完成 弦楽四重奏コンサート
エリザベト音楽大学 ザ・シンフォニック・エンターテインメント
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会


-----徳山ゆかりのフォトギャラリー -----
出光興産徳山事業所 「海賊と呼ばれた男」ゆかりの地
遠石八幡宮 整った綺麗な神社


-----徳山ゆかりの小説-----
「海賊とよばれた男 (上)」百田尚樹
「海賊とよばれた男 (下)」百田尚樹


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音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~

2022-03-13 15:36:12 | コンサート、演奏会


(プログラム終了後、「実は、アンコールが用意してあって」と照れながら伝える左からピアノ重野友歌さん、ヴァイオリン木村紗綾さん。)

3月12日、広島県広島市のゲバントホールで行われた「音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~」を聴きました。
マリアージュは「音との相性が良い」といった意味合いになり、クラシックに親しみを持ってもらいたいという願いを込めて付けたとのことです。
このコンサートはお客さんの事前投票によって演奏する曲が決まるという特徴がありました。
投票のベスト10が演奏されるとのことで、どんな曲が登場するのかとても楽しみでした



第一部 あなたが決める名曲コンサート

第10位 クライスラー:前奏曲とアレグロ



トークで、前奏曲の序盤は「ミ」と「シ」の2音だけで作曲されていると言っていました。
演奏が始まると「ギーコーギーコー」と右手に持つ弓を上から下へ、下から上へとシーソーをするように素早く上下させて弾いていたのが印象的でした。
また、演奏が進んで音を細かく速く刻む演奏になると、音色が誇り高く聴こえました。



第9位 モーツァルト:ディベルティメント第17番より「メヌエット」



投票者からは「BGMでよく鳴っている」と意見が寄せられたとのことです。
明るく優雅で、踊っているような音色で聴いていると気持ちが明るくなりました



第8位 モンティ:チャルダッシュ



(低音演奏時。右手に持つ弓が地面に対して水平近くになっていて、ヴァイオリンの演奏は高音になるにつれて弓が垂直に近付いて行く特徴があります。)

投票者の意見は「ヴァイオリンと言えばこの曲」とのことです。
アンコールによく登場する曲で、木村紗綾さんもトークで「序盤で演奏するのは初めて」と言っていました。
最初は情感たっぷりに演奏し、途中から一気に速くなります。
超高音での演奏になった時の音色がゆったりとしていて癒やされました



第6位 マスネ:タイスの瞑想曲



(高音の演奏時。右手に持つ弓が地面に対して垂直近くになっています。高音用の弦に弓を当てると垂直近い位置になるようです。)

7位と6位は先に6位、次に7位の順で演奏しました。
演奏前のトークで、2月末で投票を閉め切ってから今日までの12日間で楽譜を用意して準備したと言っていました。
タイスの瞑想曲には「心の落ち着く曲」という投票意見が寄せられ、中には「これが入るのか」と驚いた曲もあったとのことでした。

とてもゆったりとした音色で気持ちが安らぎました
ゆったりの中でも音の強弱や響かせ方の違いがあり立体的に聴こえる演奏でした。



第7位 サンサーンス:序奏とロンドカプリチオーソ



優雅なメロディの曲で、先日の北京オリンピックでも演奏されたとのことでした。
悲しそうな音色で演奏が始まりました。
途中、ピアノの「タン、タン、タン…」と同じリズムを繰り返す演奏がとても目立っていました。
やがて物凄く力強く激しい音色になり圧倒されました。




(10曲も演奏が続き体力をかなり使うので、何曲かに一度退場していました。)



第5位 葉加瀬太郎:情熱大陸



投票者の意見は「ヴァイオリンと言えばこの曲で、これが弾きたくてヴァイオリンを始めた」とのことです。
木村紗綾さんは初めて弾くとのことでした。
凄く情熱的で、ヴァイオリンもピアノも最高に良かったです
またぜひ弾いてほしいと思いました。



第4位 エルガー:愛の挨拶



投票者は「ドラマでよく聴く曲」と意見を寄せられ、私はコンサートや演奏会の1曲目に挨拶代わりに演奏されたのを聴いたことがあります。
とても優雅でゆったりとしていて、力強さもありました。
ピアノも主題(曲や楽章の中心となる音色のこと)の演奏をする場面があり、まるで光の粒のように感じました。



第3位 クライスラー:愛の喜び



投票者は「清々しい曲」との意見を寄せていました。
演奏が始まると上手さを凄く感じ、スピードの速さ、力強さ、リズミカルさが際立っていました。



第2位 J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第2番 BWV1004より「シャコンヌ」



トークで、「長い曲でもありベスト10の中でこの曲が一番演奏が大変」と言っていました。
またロシアのウクライナ侵攻の国際情勢もあり、この曲で祈りを捧げたいと言っていました。

やや悲しそうに演奏が始まりました。
弓を持つ右手で弾きながら左手でピッチカート(指で弦をポロンポロンと鳴らす演奏)をした場面もありました。
船のオールを漕ぐようなリズムの弾き方もありました。

やがてかなり激しく情熱的な演奏になります。
不協和音を音色の土台にしながら別の音色が演奏されていてとても印象的でした。



第1位 ベートーヴェン:ヴァイオリンソナタ第5番 Op.24「春」より第1楽章





トークでこの曲が1位になるとは思わなかったと言っていました。
春らしい曲とのことです。

「タン、タラララー」という流れるようなメロディがとても印象的でした
とても綺麗な音色で、まさに春の心地良い風のようでした。
ピアノが独奏した時はゆったりと宝石のきらめきのような演奏をしていました。
ヴァイオリンが演奏した後、ピアノが同じメロディを演奏しての掛け合いが何度もあり、そのリズミカルさが良かったです。



第二部

1. C.フランク:ヴァイオリンソナタ イ長調



第1楽章
ゆったりしっとりと始まりました。
やがてゆったりとしたまま大迫力になります。
ピアノがソロでゆったりしっとりな演奏をする場面があり、繊細な響きでかなり上手かったです。





第2楽章
ピアノの凄く速い演奏で始まります。
ヴァイオリンもピアノも一気に力強くなり、鬼気迫る雰囲気で表現力が物凄く高いなと思いました
音が「奔流」となって向かって来て圧倒されました。





第3楽章
ピアノの暗い雰囲気の独奏で始まりました。
ヴァイオリンも独奏で演奏を始め、こちらも暗い雰囲気でした。
かなり激しい演奏をしてから、ヴァイオリンとピアノでどことなく寂しそうな雰囲気の演奏をしました。
ピアノは泡がフワフワ浮かんでいるような、夢見心地な演奏をしていました。





第4楽章
雄大な雰囲気で始まり明るさがありました。
ヴァイオリンが演奏し、ピアノが同じ音色を演奏しての掛け合いがありました。
ピアノの独奏があり、物凄い力強さで上手かったです。




トークで、フランクの曲はピアノ演奏が非常に高難度のため演奏出来る人が限られていると言っていました。
日本で演奏するのはこの日が初めてとのことでした。
ヴァイオリンソナタと言えど、ピアノソナタなのではというくらいピアノの活躍する曲とのことです。



2. P.チャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34



ロシアの作曲家チャイコフスキーによるこの曲は、昨今のロシアによるウクライナ侵攻の国際情勢で、演奏して良いものか悩んだとのことです。
しかし曲に罪はないので変更せずに演奏したとのことで、それで良いのではと私は思いました。
第二部の1曲目と対照的に2曲目は短めの曲でした。
タララ、タララ、タララという軽快な音色をピアノの伴奏の中でヴァイオリンが演奏した場面が良かったです



アンコール  岩井俊二:花は咲く



第二部が終わった後「一応アンコールを用意してきました」と言っていて、曲数も多く長い時間の演奏会になっていたこともあってか、照れくさそうに言っていたのが面白かったです。




サビの部分がとても伸びやかで気持ちが安らぎました。
3月11日の東日本大震災と、ウクライナへの祈りの両方を想って選曲したのではと思いました。


「音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~」、楽しませて頂きました。
私の投票した「ヴィヴァルディ:四季より「春」」は惜しくも12位でベスト10入りはなりませんでしたが、演奏されたどの曲も興味深く聴かせて頂きました。
そして7月22日には第2回、11月26日には第3回のコンサート開催が決まっているとのことで、ぜひまた聴きに行ってみたいと思います。
次はどんな魅力的な演奏になるのか、今から楽しみです



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン 木村紗綾

15歳で単身チェコに渡り、プラハ音楽院に学ぶ。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
チェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミー修了。
これまでに指揮者大植英次氏を初め、広島交響楽団やチェコにてオーケストラと多数共演。
2020-21年度チェコ国立ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団アシスタント・コンサートミストレスを歴代最年少で務める。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者として活動する他、ソロ・アンサンブルなど国内外で幅広く活動を行っている。


ピアノ 重野友歌

母親の手ほどきによりピアノを始め中学校卒業後に渡英。
メニューイン音楽院を経て英国王立音楽大学に全額特待生で入学。
首席で卒業した後ドイツに移り、ハンブルグ国立音楽演劇大学で大学院修士と国家演奏家資格をどちらも最優等で取得。
2018年よりアメリカ、マイアミ大学フロスト音楽学校にてケヴィン・ケナーの下、博士課程に在籍。
2020年、日本に帰国。
リカルド・ヴィネス国際コンクール日本人初優勝をはじめ、国内外でのコンクールで数々の賞を受賞。
ソロのみならず、妹 文歌とのピアノデュオ・カントゥス、国内外のアーティストとのアンサンブルにも力を注いでいる。
全日本ピアノ指導者協会演奏会員。
エリザベト音楽大学非常勤講師。
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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~


重野友歌さん出演のコンサート、演奏会
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~


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「IZAYOI ~古城を照らして~ -川上統門下作曲作品発表会より-」

2022-02-12 13:13:35 | コンサート、演奏会


(「IZAYOI ~古城を照らして~」演奏後、お互いの健闘を称えるフルートの九鬼みつ実さん(写真左)とエレクトーンの明神あみさん)

2021年2月28日、広島県の「広島市東区民文化センター スタジオ1」で行われた「Little Ideas Vol.1 -川上統門下作曲作品発表会-」を聴きに行きました。
川上統さんは広島市のエリザベト音楽大学で専任講師をしておられ、大学内外に門下生を抱えていて、その方々が作曲した作品の発表会が行われました。
私は出演者の一人、エリザベト音楽大学生の明神あみさんとツイッターで縁があり、「こういった発表会があるので良かったらどうぞ」とご紹介頂き、興味を持ち足を運んでみました。
全部で15演目ありましたが、発表会の方針として比較的関係者向けでもあったので、今回は写真使用のご許可を頂いた明神あみさん出演の演目をクローズアップしてご紹介します





(広島市東区民文化センタースタジオ1の様子。暖かな色合いが良かったです


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プログラムに掲載の曲紹介

「IZAYOI ~古城を照らして~」
作曲:明神あみ
フルート:九鬼みつ実
エレクトーン:明神あみ

十六夜(いざよい)は わづかに闇の 初哉(はじめかな) (松尾芭蕉)

満月の十五夜の翌日が十六夜。
僅かながら、暗闇に向かって月が欠け始める。
不知夜月とも言われ、十五夜より遅れて現れ、一晩中照らすことから夜を知らない月とされる。
そんな十六夜の月明かりに照らされて、古城だけが浮かび上がって見えている。
この古城は、戦いの時代と平和の時代を見つめてきた。
いつ出るか、いつ来るか。
今も昔も変わらない十六夜の月と城。
この2つのイメージを掛け合わせて作った曲となっている。
今回コラボレーション楽器としてフルートを使用した。
生楽器の魅力を引き出せるよう、電子音の設定に試行錯誤した。
生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。
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(Youtubeで公開されている「IZAYOI~古城を照らして~」のエレクトーン演奏)




(川上統さんのトークで、明神あみさんは門下生ではないですが、よく面白い曲を書くので発表会に出ないかと声を掛けたとのことでした。)

冒頭、とても不穏に演奏が始まりました。
音色がとても日本的な和の雰囲気で、最初は「月夜」とともに、月に照らされる夜の神社も思い浮かびました。
やがて和の雰囲気の音色が激しくなり、凄い迫力で鬼気迫る演奏になります。
それらの不穏さ(妖しさ)や鬼気迫る雰囲気から、大河ドラマ「独眼竜政宗(伊達政宗)」のオープニングテーマに通じるものがあると思いました。

エレクトーンによる「太鼓」を叩くような音色もあり、さすがに1台で何百種類もの音を出せる楽器だと思いました。
フルートも和の雰囲気の曲によく合い、相性の良さを感じました。
プログラムに掲載の曲紹介に「生音と電子音のコラボレーションの可能性をお伝えできればと思う。」とありましたが、エレクトーンとフルートの組み合わせはとても面白いと思いました





(九鬼みつ実さん、明神あみさんともにエリザベト音楽大学の当時2年生で、若くして良い演奏をしておられ楽しみな人達だと思いました。)

エレクトーン、フルートともにかなり上手い演奏だと思いました。
不穏さ(妖しさ)、迫力、さらには神秘も感じる音色に聴き入りました
フルートが入ると和の雰囲気がよりパワーアップし、きらびやかさも感じて妖しさに華を添える響き方になって良いなと思いました。
このエレクトーン/フルートのユニットでコンサートを開催し、この曲を弾いてほしいと思う魅力がありました。





「IZAYOI ~古城を照らして~」のエレクトーンとフルートによる演奏、素晴らしかったです。
何百種類もの音を出せるエレクトーンの特徴を生かして不穏で妖しい和の雰囲気の作品世界を作り、そこにフルートが入って妖しさを際立たせていて、息の合った良い演奏だと思いました。
当時から約1年経った今、さらに演奏力が上昇しているのではと思います。
新型コロナウイルスによる混乱が続いてはいますが、またいずれコンサートや演奏会でお目にかかれる日を楽しみにしています



明神あみさん、九鬼みつ実さん登場の演奏会
音大生支援協会スペシャルコンサート 第6回 広島公演


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エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第23回定期演奏会

2022-02-06 15:31:50 | コンサート、演奏会


(組曲「展覧会の絵」演奏後、花束を受け取った指揮者の宗貞啓二さん(右)と大森義基さん。)

2020年2月24日、広島県広島市のエリザベト音楽大学セシリアホールで行われた「サクソフォンラージアンサンブル 第23回定期演奏会」を聴きました。
ラージアンサンブルは規模の大きなアンサンブル(演奏グループ)のことで、ソプラノからバスまでサクソフォンだけで広範囲な音域をカバーし、音にオーケストラのような厚みがあります。
当時の2月は新型コロナウイルスの脅威が中国地方にも押し寄せ、コンサートや演奏会にも影響が出始めていましたが、この演奏会は何とか無事に開催することが出来ました。
大好きな曲の一つである「展覧会の絵」が登場するということでとても興味があり、ぜひ聴きに行きたいと思いました



1. H.ヴィラ=ロボス/ブラジル風バッハ第1番

編曲:宗貞啓二
指揮:大森義基



(1曲目演奏前。1曲目はサクソフォンだけで演奏しました。)

一楽章
どろどろとした始まりで、少し緊迫感がありました。
やがて凄く明るくて安らぐ音色になり、気持ちも安らいで行きました
音に厚みがあり、低音の支えで高音が引き立っていました。


二楽章
ゆったりと雄大に始まりました。
アルトサクソフォンが凄く甘い音色で演奏する場面が印象的でした。
音がこちらに向かって迫って来るような場面があったのも印象的でした。


三楽章
とてもリズミカルに始まり、雰囲気が良かったです。
そのリズムが演奏を変えて、緊迫感も出て行きました。



2. M.ブルッフ/コル・ニドライ 作品47 ソリスト:宗貞啓二

編曲:宗貞啓二
指揮:大森義基




(サクソフォンに加えてハープ、パーカッション、コントラバスも登場しました。)



(ソリストの宗貞啓二さんが登場しました。長年サクソフォンの指導をされていて、今回の定期演奏会は宗貞啓二さんの退官記念演奏会でもありました。)

暗くゆったりと始まりました。
ソリストもアルトサクソフォンでの演奏を始め、もの悲しそうでした。

ソリストの音色が明るくゆったりしたものになると、今度は速くもなり、音に緩急がありました。
サクソフォンのアンサンブルはゆったりとした音色で支えていました。

ハープもゆったりと入り、全体が高音でゆったりとしました。
とても安らぐ曲で良かったです



(演奏が終わり、拍手を受ける宗貞啓二さん。)



3. A.ウェーベルン/緩徐楽章



(左からフランスのジャン・ピエール・バラグリオリ(Jean pierre BARAGLIOLI)さん(ソプラノ)、カナダのウィリアム・ストリート(William STREET)さん(アルト)、アメリカのリチャード・ディーラム(Richard DIRLAM)さん(バリトン)、日本の宗貞啓二さん(テナー)。)

ここから「インターナショナル サクソフォンカルテット」の4人が登場しました。
最初に宗貞啓二さんのトークがあり、自身の退官記念演奏会に際し、3人が自費で来てくれたとのことでした。
また20年くらい前から年に一度コンサートをしているとのことで、国籍もバラバラのカルテットが20年も続くとは素晴らしいなと思いました

「緩徐楽章」はゆったりとした曲で、とても安らぐ音色で伸びが良かったです。




(向かって左からソプラノサクソフォン、アルトサクソフォン、バリトンサクソフォン、テナーサクソフォンの布陣は他のサクソフォンカルテットでも見たことがあり、調べてみるとこの並びになることが多いようです。)



4. F.ロセ/バラバルシグリオリ

ソプラノサクソフォンの非常にファンキーな独奏で始まりました。
全体がとても面白い音色でした。
最後の「風」が吹くような音が印象的でした



5. C.メーシー/夜の歌

ややミステリアスに始まり、ソプラノサクソフォンがとても目立っていました。
ゆったりしつつ音色が派手だったのが印象的でした。



(演奏終了後、4人それぞれに花束が渡されました。)



6. M.ムソルグスキー/組曲「展覧会の絵」

編曲:M.ラヴェル・宗貞啓二
指揮:大森義基




(「展覧会の絵」の演奏前。物凄い人数が揃いました



(宗貞啓二さんの指揮で演奏が始まりました。インターナショナルサクソフォンカルテットのメンバーも演奏に加わっています。)

「展覧会の絵」は「プロムナード」と呼ばれる、展覧会に展示されている絵から絵へと歩く際の間奏のような演奏が何度も登場する特徴があり、冒頭にも登場します。
桐本萌絵さんという、かつて2019年2月の「新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第47回広島」で広島交響楽団との共演を聴いたことのある人による、ソプラノサクソフォンのソロ演奏で始まりました(全景写真の前列向かって一番左)。
そのプロムナードの迫力が凄かったです

音色がミステリアスになった時、チェレスタ(電子オルガンのような見た目の楽器)の低音での演奏が良かったです。
指揮が「バンッ!」と区切って演奏を終わらせたのも印象的でした。

次のプロムナードはとてもゆったりしていました。
アルトサクソフォンが演奏を先導し、ソプラノサクソフォンなどが続いていました。

とてもミステリアスな音色になり、雰囲気に引き込まれました。
バスサクソフォンやアルトサクソフォンが特に活躍していました。

次のプロムナードは桐本萌絵さんが主導し、全体が凄い迫力になっていました。

陽気な演奏になり陽気な雰囲気のまま終わり、今度は低音だけによる暗い演奏になりました。
やがて全体の迫力が増し、凄く派手で重厚感もありました。

次のプロムナードは甲高く寂しそうな音色でした。
低音の演奏も登場し、暗い雰囲気でした。

凄くコミカルな演奏になり、直前のプロムナードとの差が印象的でした。
スピードも速く、あっという間に終わりました。

ショッキングな音色で次の演奏が始まると、ソプラノサクソフォンの人がソロ演奏で主導し、かなりの速さでとてもリズミカルでした。
そこから一気にゆったりとした演奏になり、最後は力強く終わりました。

今度はとても明るくスピーディーに始まり、迫力もありました。
一気にゆったりしたかと思うと、不気味さも現れていました。

とてもゆったりとした安らぐ音色になります。
そこから一気に迫力とスピードのある演奏になり、凄さに引き込まれました。

大迫力の音色になり、「展覧会の絵」で最後に登場する「キエフの大門」の場面になります。
有名な重厚感のあるメロディの演奏が凄く良く、聴いていて涙が滲みました。
やがて「キエフの大門」の中で万を持してドラマチックできらびやかな雰囲気の「プロムナード」のメロディが登場し、演奏の終わりへと向かいました





(今回の定期演奏会で指揮をされた宗貞啓二さん、大森義基さんに花束を渡す場面。写真の一番右に写っているのは前年度に卒業された進正裕さんで、神奈川の大学院に進学されましたがこの日のために駆け付けてくれたようです。)







(3年生の梅本舜也さんによって、間もなく卒業して旅立つ4年生達への感謝の言葉が述べられていました。)




(アンコールに際し、宗貞啓二さん挨拶中。またこの当時2年生だった廣瀬奏一朗さんと田中啓悟さんは昨年11月に「Quatuor D’hommes 1st Recital」を開催し、聴かせて頂くという音楽の縁がありました



アンコール:ハチャトゥリアン/仮面舞踏会

日本ではフィギュアスケートの浅田真央さんが現役時代に演技したことでも知られている、迫力とミステリアスさを持つ曲です。



ダブルアンコール:J.マティシア/デヴィルズ・ラグ

サクソフォンラージアンサンブル定期演奏会ではアンコールが一度では終わらない特徴があります。
ダブルアンコールの曲はサクソフォンラージアンサンブル設立以来愛されてきた曲とのことです。
凄く陽気な演奏をしていて、楽しい気持ちになって演奏会が終わりました



サクソフォンラージアンサンブル、楽しませて頂きました。
プログラムの最後に物凄い人数で演奏した「展覧会の絵」が特に印象的で、音の厚みと迫力がまさにオーケストラで、サクソフォンは音色に柔らかさがあるので聴き心地も素晴らしかったです
宗貞啓二さんが挨拶で「少子化の時代の流れでサクソフォン専攻の入学生がかなり少なくなった」と言っておられ、さらに新型コロナウイルスも発生し、一般層に開放で大規模な演奏会を行うのはなかなか難しいかもしれないです。
しかしとても良い演奏会だと思うのでこれからもぜひ続いていってほしいと思い、いずれまた聴きに行けるようになってほしいと思います



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プロフィール 2020年2月時点

指揮者紹介

宗貞啓二
サクソフォンを水野昱子、石渡悠史、故大室勇一の各氏に師事し、1975年国立音楽大学を武岡賞を受賞し卒業。
同年読売新人演奏会、皇居内桃華楽堂新人演奏会に出演。
在学中、第42回毎日音楽コンクール第1位入賞。
1976年渡仏、フランス国立ボルドー音楽院にてサクソフォンをJ.M.ロンデックス氏に、室内楽をR.ペレ氏に師事、いずれも一等賞を得て卒業。
ボルドー市栄誉賞を受ける。
現在、エリザベト音楽大学、洗足学園音楽大学の各講師。


大森義基
1991年昭和音楽大学を特別賞を受賞し卒業。
在学中に第7回日本管打楽器コンクール入賞。
1992年渡仏、翌年パリ・レオポールベランコンクール第1位入賞。
1994年パリ国際音楽コンクール第2位及び審査員特別賞受賞。
同年、フランス国立セルジーポントワーズ音楽院を審査員全員1位の主席で卒業。
これまでにソロアルバム「ヴァカンス」「ア・ラ・パリジェンヌ」「ミント」「ナイチンゲールとバラ」をリリース。
サクソフォンを市川豊、故大室勇一、宗貞啓二、ジャン=イヴ=フルモーの各氏に支持する。
現在昭和音楽大学、エリザベト音楽大学、桜美林大学芸術文化学群音楽専修の各講師。


エリザベト音楽大学サクソフォン・ラージアンサンブル

学部生4年 岡田 咲姫  金本 理久  桐本 萌絵  坂本 さくら  谷本 百衣  廣本 穂乃
学部生3年 梅本 舜也
学部生2年 田中 啓悟  廣瀬 奏一朗
チェレスタ 室川 桃子
ハープ   松本 彩
コントラバス 能見 義史  村上 和音
パーカッション 小川 裕雅  高山 桃奈  藤野 真奈美  向井 沙世  吉永 有紗

賛助出演 相川 真美  植川 緑  魚本 由貴  打明 茉奈穂  牛尾 杏里  宇津 優輔
     岡 恵里奈  岡本夏奈  小田 桃子  垣内 加純  梶谷 知世  加藤 和也
     川上 由佳  菊地 ユカリ  岸本 和宣  木山 亜希子  久保田 麻里  黒木 久美子
     小早川 香織  小林 千津  進 正裕  新宅 理恵  住田 郁子  武島 利奈
     立畠 響介  谷川 智宏  椿 義治  原口 茜  平井 千香子  深川 絹代
     福間 修人  藤井 佳樹  藤川 あゆみ  溝下 万裕佳  前田 基成  前田 悠貴
     増田 結子  宮田 麻美  森山 葵  諸富 絵梨香  柳瀬 萌  山田 美和
     山本 愛子  李 愛梨         
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エリザベト音楽大学 サクソフォンラージアンサンブル 第22回定期演奏会


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アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~

2022-01-10 13:39:52 | コンサート、演奏会


(左からピアノ重野友歌さん、ファゴット白井薫さん、コントラバス原田一平さん、ヴァイオリン木村紗綾さん、ヴィオラ松本麗さん、チェロ向井真帆さん、ホルン西本葵さん、クラリネット馴田洸奈さん)

1月8日、広島県広島市のゲバントホールで行われた「アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~」を聴きました。
それぞれが異なる管弦鍵盤楽器8人によるアンサンブル(演奏グループ)で、新年になって初めて聴く演奏会となりました
年末年始休みを機に新型コロナウイルスが感染再拡大していますが警戒を厳重にして無事に開催して頂けて良かったです。
とても楽しみにしていた演奏会で、新年初めて聴くに相応しい強力なプログラムの演奏を楽しませて頂きました



1. G.F.ヘンデル=J.ハルヴォルセン:パッサカリア



(左から木村紗綾さん、松本麗さん)

ヴァイオリンとヴィオラの2人で演奏しました。
それぞれがピッチカート(指で弦をポロンポロンと鳴らす演奏)で掛け合う演奏が迫力と切れがあって良かったです。
冒頭から小刻みに弦を刻む演奏がよく見られ、緊迫した雰囲気がありました。
時折ゆったりになることもあり、そんな時はどこか悲しそうな雰囲気になっていました。
2人で静かめのピッチカートになった場面も良く、ヴァイオリンがピッチカートの中心となりヴィオラは三味線のような音色を出してそれを支えていました。
終盤は2人でとても緊迫した小刻みの演奏になり凄い迫力でした。





(左から白井薫さん、木村紗綾さん)

1曲目の後に木村紗綾さんと白井薫さんのトークがありました。
白井薫さんが2曲目を「1曲目とは打って変わって、どちらかと言うとふざけた曲」と紹介し、さらに「ばかばかしい曲と思って聴いてください」と言うとお客さんから笑いが起きていました。
木村紗綾さんは3曲目の「ます」について華やかなメロディーが続く曲と紹介し、さらに「今日は多種多様な曲が続くので最後までお楽しみください」と言っていました。



2. C.ニールセン:セレナータ・イン・ヴァノ



(左から向井真帆さん、原田一平さん、白井薫さん、西本葵さん、馴田洸奈さん)

チェロ、コントラバス、ファゴット、ホルン、クラリネットという珍しい組み合わせの5人で演奏しました。
ゆったりとコミカルな雰囲気で始まりました。
それぞれの楽器の音がとても引き立つ曲で、各楽器の個性を楽しみました。
最後までゆったりな曲調が続いて行き、いたずらっぽく夢見心地な雰囲気がとても良かったです。

私はこの演奏会を知った時から、クラリネットの馴田洸奈さんが非常に気になっていました。
エリザベト音楽大学在学時、まだブログ記事には出来ていませんが間近で演奏を聴いたことがあり、上手い人だなと思いました。
この人が中心メンバーで登場するコンサートや演奏会をぜひもっと聴いてみたいと思っていた矢先の2020年早春、新型コロナウイルスに見舞われました。
コンサートや演奏会の開催がほとんど不可能になり、大学時代最後の1年間は演奏を聴くことが出来ず、とても悔やまれました。
その人がまさかこのアンサンブルに登場するとはと驚くとともに、再び演奏を聴けることがとても嬉しかったです
プロフィールを見ると精華女子高等学校出身とあり、「響け!ユーフォニアム3 北宇治高校吹奏楽部、最大の危機」(著:武田綾乃)という高校の吹奏楽部を舞台にした小説に登場する全国大会金賞常連の強豪校のモデルになっているのを思い出しました。
馴田洸奈さんが在籍した時代も金賞受賞とあり、やはり小説に書かれている通りなのだなと改めて思いました。
現在は東京の大学院に在学中とのことですが、今回のようにたまに広島のコンサートや演奏会に登場してくれると嬉しいです



3. F.シューベルト:ピアノ五重奏曲「ます」イ長調 D.667



(演奏前のチューニング(音合わせ)の様子。左から木村紗綾さん、重野友歌さん、松本麗さん、原田一平さん、向井真帆さん)

一楽章
短い音での始まりが印象的で引き込まれるインパクトがありました。
ヴァイオリンとピアノが目立っていて、ヴァイオリンが明るい演奏をしてピアノが宝石のきらめきのように演奏することが何度もありとても良かったです


二楽章
ヴィオラの独奏で始まりました。
二楽章でもピアノが宝石のきらめきのように他の楽器の演奏に「ふし」を付けた場面が何度もあり、そのきらめきの音色の表現力が素晴らしいなと思いました。
そしてピアノが目立つ場面もあり、軽やかにスキップしているかのようでとても上手かったです。





三楽章
ヴィオラとピアノでゆったりと始まり、それをチェロとコントラバスが支える中でヴァイオリンも入って行きました。
明るく安らぐ音色が続いて行き、ヴァイオリンとピアノは同じメロディの掛け合いを繰り返していて、明るく軽やかな雰囲気が良かったです。
ピアノのゆったりしていながらも一つ一つの音が弾んでいる音色も良かったです。


四楽章
冒頭はヴァイオリンの目立つ聴いたことのある音色で始まり、その響きに引き込まれました。
ピアノが冒頭の演奏をし、音がとても弾んでいて華やかでした。
さらにはヴィオラ、チェロ、コントラバスも冒頭の演奏をしていて、次々と繰り返されて行くのが印象的でした。
最後は全体でとても激しい演奏になりました。


五楽章
最後まで明るく軽やかでした。
五楽章のみならず、全楽章通して明るさや軽やかさが目立ち、とても心地良く聴いていられる音色の曲でした





(3曲目終了後、休憩中のゲバントホール。老若男女問わず幅広い層の人が聴きに来ていました。)





(トークをする木村紗綾さんとサポートをする重野友歌さん)

4曲目の前に木村紗綾さんのトークがありました。
最初に3月12日に行うコンサートの紹介がありました。
演奏する曲を昨年11月~今年2月までのお客さんへのアンケート結果で決める(上位の曲を演奏)という、通常のコンサートとは違う珍しい試みをするとのことです。
今回のプログラムに挟まっていたチラシに3月12日コンサートのチラシもあり、投票用のアンケート用紙も付いていたので、私もコンサートに行けるかはまだ分からないですがヴィヴァルディの「四季」より「春」で投票してみました。
中学校時代の卒業式で流れたのが思い出され、毎年春になると聴きたくなる厳かな気持ちになる曲です

4曲目のベートーヴェンの七重奏曲の紹介もありました。
6楽章まであり40分くらいある曲とのことでした。
昨年の春くらいから演奏したいと思っていたとのことで、七重奏の演奏が可能なアンサンブル・プリエールの結成によってついに実現となりました。



4. L.V.ベートーヴェン:七重奏曲 変ホ長調 Op.20



(演奏前のチューニングの様子。左から木村紗綾さん、松本麗さん、向井真帆さん、原田一平さん、白井薫さん、西本葵さん、馴田洸奈さん。
4曲目出演の女性陣はドレスの衣装替えがあり雰囲気がガラッと変わりました


一楽章
この曲はピアノ以外の全員での演奏となりました。
ヴァイオリンが演奏して他の楽器が続く掛け合いの演奏、さらにヴァイオリン以外の楽器が演奏してヴァイオリンが続く掛け合いの演奏がありました。
そこからはクラリネットとヴァイオリンがかなり目立っていて、軽快な雰囲気の演奏が続いて終わりました。




(白井薫さん、西本葵さん、馴田洸奈さんの演奏の様子)


二楽章
クラリネットを中心にゆったりと始まり、伸びやかな音色のクラリネットを他の楽器が支えていました。
その後ヴァイオリンがクラリネットの演奏をして他の楽器が支えていました。
ホルンとクラリネットで短い音を連続させる緊迫した演奏があったのが印象的でした。
クラリネットが束の間独奏になり、音がフワーッと浮遊しているようで上手いと思いました。
ヴァイオリンが目立ち、音が高音から低音まで変化が大きくこちらも不穏さとダイナミックさの表現が上手いと思いました。




(機材との位置関係で見えずらいですが、木村紗綾さんと松本麗さんの演奏の様子)


三楽章
ヴァイオリンを中心に軽快に始まりました。
最後まで楽しそうな雰囲気の楽章でした。


四楽章
ヴァイオリンとファゴット&クラリネットの掛け合いがありました。
私はクラリネットに「滑らかな音色」、ファゴットに「ファンキーな音色」という印象を持っていて、その二つがコンビを組んだ音色をはっきりと聴き取ることが今まであまりなかったのでとても新鮮でした。
良いハーモニーになっていると思い、そんな音色が聴けるのはアンサンブルならではの良さだと思います。
その後はヴァイオリンの非常に速い小刻み演奏が目立っていて、終盤に少し不穏にチェロとコントラバスが演奏した場面も印象的でした。




(向井真帆さん、原田一平さんの演奏の様子。コントラバスはいかに大きな楽器かがよく分かるのではと思います。)


五楽章
ホルンで始まり、今まで聴いてきたコンサートや演奏会でホルンがソロで先陣を切る演奏は聴いたことがなかったような気がし、こちらも新鮮に感じました。
チェロがかなり目立つ場面があり、軽快な音色で良いと思いました。


六楽章
少しミステリアスな全体での演奏で始まりました。
この楽章でもヴァイオリンとクラリネットがかなり目立っていました。
ホルンの「タータータタター」という演奏の後に他の楽器が続く演奏が4回もあったのも印象的で、回を重ねるごとにホルンのメロディが始まると「再び盛り上がるな」とワクワクした気持ちになりました



アンコール

ヨハン・シュトラウス1世:ラデツキー行進曲



(アンコール時の挨拶の様子)




(アンコール演奏時。ピアノの重野友歌さんも再登場し、この日初めてフルメンバーでの演奏になりました








ラデツキー行進曲は明るい雰囲気のとても盛り上がる曲で、聴いていると気持ちがワクワクしてきます。
お客さんからは手拍子が巻き起こり、私も一緒に手拍子していました





(アンコール終了後)

アンサンブル・プリエールの第1回演奏会、楽しませて頂きました。
新年になって初めて聴く演奏会がこの演奏会で良かったと思う素晴らしい演奏会でした。
3曲目と4曲目に大曲を揃えて、素晴らしい音色で胸いっぱいになったところにアンコールのラデツキー行進曲で軽快な気持ちにする構成も秀逸で、今年もクラシックのコンサートや演奏会をたくさん楽しんで行きたい気持ちになりました
ぜひ次回も開催され、再び演奏を聴けることを願います



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン 木村紗綾

広島市出身。
15歳で単身チェコに渡り、プラハ音楽院に学ぶ。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位、併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
チェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミー修了。
これまでに指揮者大植英次氏を初め、広島交響楽団やチェコにてオーケストラと多数共演。
2020-21年度チェコ国立ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団アシスタント・コンサートミストレスを歴代最年少で務める。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者として活動する他、ソロ・アンサンブルなど国内外で幅広く活動を行っている。


ヴィオラ 松本麗

千葉県出身。島根県育ち。
桐朋女子高等学校音楽科、桐朋学園大学音楽科を卒業。
在学中に成績優秀者によるstudent's concertに出演。
同大学、大学院を卒業。
在学中にヴィオラ科に転向。
これまでにヴァイオリンを須貝万紀、高旗健次、長谷川夕子、田澤明子、故名倉淑子、ヴィオラを故岡田伸夫、室内楽を山崎伸子、磯村和英、各氏に師事。
現在、都内のオーケストラにエキストラとして出演するなど、フリーランスとして活動している。


チェロ 向井真帆

広島県廿日市市出身。
愛知県立芸術大学音楽学部を卒業。
同大学大学院博士前期課程修了。
在学中、ドイツのケルン音楽大学へ留学。
第11回ベーテン音楽コンクール全国大会第1位。
第10回セシリア国際音楽コンクール室内楽部門第3位。
第22回さくらぴあ新人コンクール廿日市市教育長賞受賞。
これまでにチェロをマーティン・スタンツェライト、花崎薫、H.C.シュヴァイカー の各氏に師事。
現在広島を拠点にソロ、アンサンブル、オーケストラの客演など幅広く演奏活動を行っている。
エリザベト音楽大学非常勤副手。
あきクラシック実行委員会委員。


コントラバス 原田一平

広島県出身。
くらしき作陽大学音楽学部音楽学科卒業。
東アジア音楽芸術教育連盟設立大会記念演奏会に出演。
コントラバスを石川徹、徳原正法、樋口誠、渡辺彰考の各氏に師事。
第21回日本クラシック音楽コンクール弦楽器部門第4位。
現在、瀬戸フィルハーモニー交響楽団コントラバス奏者。
ジャパン・アカデミーアンサンブルソロイスツ主宰。
あきクラシック実行委員会委員。
四国大学短期大学部音楽科非常勤講師。


クラリネット 馴田洸奈

12歳よりクラリネットを始める。
精華女子高等学校在学中、全日本マーチングコンテスト、全日本吹奏楽コンクール金賞受賞。
クラリネットを橋本眞介、武田忠善、伊藤寛隆の各氏に師事。
室内楽を赤坂達三、万代恵子、金子恵の各氏に師事。
大植英次プロデュース威風堂々クラシック in Hiroshimaソロコンサートにてソリストとして出演。
フィリップ・ペロー氏のマスタークラスを受講。
エリザベト音楽大学卒業、現在国立音楽大学大学院修士課程1年次在籍中。


ホルン 西本葵

広島音楽高等学校を経て東京音楽大学を卒業。
在学時、特別特待奨学生として奨学金を得る。
第27回中国ユース音楽コンクール金管部門最優秀賞。
第34回ヤマハ管楽器新人演奏会金管楽器部門へ出演。
第89回日本音楽コンクールホルン部門入選及び岩谷賞。
小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトⅩⅣ・ⅩⅥに参加。
サボルチ・ゼンブレーニ、ヨハネス・ヒンターホルツァー、クリストフ・エス各氏のマスタークラスを受講。
これまでにホルンを佐々田裕美、宮本辰彦、水野信行の各氏に師事。


ファゴット 白井薫

広島県出身。
愛知県立芸術大学にて音楽学をヴァイマール・フランツリスト音楽大学にてファゴットを学ぶ。
ファゴットを岡崎耕治、水間博昭、フランク・フォルストの各氏に師事。
音楽学を原田宏司、安原雅之の元で学ぶ。
ドイツにてカメラータ・テンポラリス等に客演。
2016年、卒業論文として「アルノルト・シェーンベルクの音楽劇《幸福の手》ーーその歴史的意義について」を執筆。
愛知県立芸術大学在学時より指揮者、ソリストとしての活動や、演奏会の企画、楽曲解説の執筆など、多岐にわたる活動を行っている。


ピアノ 重野友歌

広島県呉市に生まれる。
母親の手ほどきによりピアノを始め中学校卒業後に渡英。
メニューイン音楽院を経て英国王立音楽大学に全額特待生で入学。
首席で卒業した後ドイツに移り、ハンブルグ国立音楽演劇大学で大学院修士と国家演奏家資格をどちらも最優等で取得。
2018年よりアメリカ、マイアミ大学フロスト音楽学校にてケヴィン・ケナーの下、博士課程に在籍。
2020年、日本に帰国。
リカルド・ヴィネス国際コンクール日本人初優勝をはじめ、国内外でのコンクールで数々の賞を受賞。
ソロのみならず、妹 文歌とのピアノデュオ・カントゥス、国内外のアーティストとのアンサンブルにも力を注いでいる。
全日本ピアノ指導者協会演奏会員。
エリザベト音楽大学非常勤講師。
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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達
音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~


向井真帆さん出演のコンサート、演奏会
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019


馴田洸奈さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会
エリザベト音楽大学 大学祭2019


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広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達

2022-01-08 20:41:25 | コンサート、演奏会


(全演目終了後。左から若松成さん(ピアノ)、谷崎友美さん(ピアノ)、木村紗綾さん(ヴァイオリン)、瀬川泰代さん(ピアノ)、吉川絢子さん(ピアノ)、中川詩歩さん(ソプラノ))

昨年の11月28日、広島県民文化センターホールで行われた「広島プレミアムコンサート~海外から凱旋した広島のアーティスト達」を聴きました。
よく演奏を聴く広島出身ヴァイオリニストの木村紗綾さんが出演されるということで興味を持ちました。
「ORIZURU国際平和音楽祭」という催しの一つとして行われたコンサートで、コンサート名にあるとおり海外で活動しているアーティストが出演されました。
声楽、ヴァイオリン、ピアノの演奏があり、初めて訪れるホールでしたが非常に響きも良く、それぞれの演奏を楽しませて頂きました




(広島県民文化センターホールのステージ。非常に響きの良いホールでした



1. 中川詩歩さん(ピアノ伴奏:吉川絢子さん)

1. ヘンデル:オペラ「リナルド」よりLascia ch’io pianga(私を泣かせて下さい)
2. ドビュッシー:マンドリン
3. フォーレ:夢の後に
4. サティ:ジュ・トゥ・ヴ

コンサートの最初に登場したのがソプラノの中川詩歩さんで、1曲目の「Lascia ch’io pianga(私を泣かせて下さい)」が非常に印象的でした。
タイトル日本語訳の「私を泣かせて下さい」からは想像もつかないような安らぎを感じる音色で、一気に歌唱に引き込まれて行きました。
どの曲も安らぎや軽快さが感じられ、歌詞は外国の言葉でも音色に魅力があり、様々な雰囲気が伝わってきて聴き入っているうちにあっという間に終わった気がします。



2. 瀬川泰代さん

1. ライネッケ:左手のためのピアノソナタ
2. 吉松隆:タピオラ

瀬川泰代さんは右手に病を患ったのを機に左手一本で演奏するピアニストになったとのことで、どんな演奏になるのかとても気になりました。
その演奏は「片腕の演奏には片腕ならではの良さがある」とはっきり感じるものでした
独特のダイナミックさ、立体感があり良い演奏だと思いました
片腕での演奏用のピアノソナタもこのコンサートで初めて聴き、クラシックの新たな奥深さを知りました。



3. 木村紗綾さん(ピアノ伴奏:谷崎友美さん)

1. スメタナ:わが祖国より
2. フバイ:カルメン幻想曲

木村紗綾さんのヴァイオリン演奏は何度も聴いていますが2曲とも初めて聴く演奏でした。
スメタナの「わが祖国より」はゆったりと叙情的な音色になることもあれば激しい音色になることもあり、変化の豊かな曲でした。
「カルメン幻想曲」は、木村紗綾さんの演奏ではワックスマンのカルメン幻想曲を聴いたことがありますが、フバイのは初めて聴きました。
2曲とも木村紗綾さんの特徴の「音の切れの鋭さ」が発揮され、それが叙情的であったりミステリアスであったりといった作品世界とよく合い、切れの良い音色に魅了されました。



4. 若松成さん
(全てショパンの曲)

1. ノクターン
2. ワルツ
3. 舟歌

どの曲もショパンらしい繊細さや可憐さが出ていて良かったです。
ピアノから出てくる繊細な音や可憐な音を聴いていると気持ちが穏やかになって行きました。
ショパンのピアノ曲には独特なロマンチックさがあるなと改めて思い、これからの演奏会でも様々なピアノ曲を聴いてみたくなりました。


今回は気楽に雰囲気を楽しもうと思い曲名以外は何もメモせずに聴いていましたが、その中で木村紗綾さんが挨拶時に「大勢の人の前で演奏出来ることが嬉しい」と言っておられたのは印象的でした。
新型コロナウイルスの問題でなかなか思うようにコンサートを開催出来ない時期が続いていたので重みのある言葉でした。
昨年秋頃からは比較的コンサートを開催出来るようになっているので何とかこのまま維持されてほしいです。
クラシックの音色に気持ちが明るくなったり救われたりすることもよくあり、今回出演された方の演奏もまたどこかで縁あって聴けると良いなと思います



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演奏者プロフィール

中川詩歩《ソプラノ》

エリザベト音楽大学演奏学科声楽専攻および同大学院修士課程修了。
パリのエコール・ノルマル音楽院にて最高課程高等コンサーティスト科ディプロムを審査員満場一致の首席にて取得し卒業。
またトゥール地方音楽院や多数のマスタークラスにてバロック声楽を学ぶ。
これまでに升田裕子、益田遙、林裕美子、波多野睦美、Anne-Marie Rodde、Nina Uhari、jerome Correas、Noemi Rime、Claire Lefilliatre 各氏に師事。
これまでにペルゴレージ「スターバト・マーテル」バッハ「ヨハネ受難曲」、ヘンデル「メサイア」、モーツァルト「レクイエム」、メンデルスゾーン「エリア」などのソロやアンサンブルなどを数多く行う。
フラワーフェスティバル開会式「花ぐるま」演奏、新進演奏家育成プロジェクトにて広島交響楽団と共演、マツダスタジアムにて国歌歌唱、韓国にてInternational Music Expo出演、パリ中央室内楽団と共演。
欧米、アジアなど世界各地で演奏。
ウィーン国際音楽ゼミナール、スイス・アローザ国際音楽講習会、ベルリン、ルクセンブルク、フランス各地にて著名な教授陣のもとマスタークラスに参加。
第19回大阪国際音楽コンクール歌曲部門Age-U部門第2位。
第21回九州音楽コンクール声楽一般部門審査員特別賞受賞。



瀬川泰代《左手のピアニスト》

安田女子高校、エリザベト音楽大学、同大学研究生を経て、2018年タレントミュージックマスターコース(イタリア)ディプロマ取得。
2020年グラーツ芸術大学大学院 コンサートピアノ科(オーストリア)を満場一致の最優秀の成績で卒業。
高校3年時に局所性ジストニアを右手指に発症を機に左手のピアノ曲を専門に学ぶ。
エリザベト音楽大学卒業後、演奏活動・国際ピアノコンクール受験は左手だけでの取り組みである。
2017年 City of Vigo国際ピアノコンクール2位(スペイン)、2018年Val Tidone国際コンクールSilvio Bengalli 4位(1位なし、イタリア)、Nuova Coppa Pianisti国際コンクール3位、現代音楽賞(イタリア)、2019年Primavera Pianistica コンクール2位(ベルギー)などこれまでに12の国際ピアノコンクールで受賞。
2018年館野泉氏が審査委員長を務める左手のピアニストのための公開オーディション(石川県)最優秀賞受賞。
14ヶ国で演奏活動を展開。
ルーマニア国立バカウ交響楽団、広島交響楽団、オーケストラ・アンサンブル金沢と左手のためのピアノ協奏曲を共演。
ソリストとしてエヴメリア国際音楽祭、いしかわ・金沢 風と緑の楽都音楽祭に出演。
2021年東京2020パラリンピック聖火リレー全国集火式広島県代表に選出されたことにより県知事表敬訪問、「広島県の火」集火・出立では出立宣言と被爆ピアノ演奏を行う。
これまでに、平本恵子、濵本恵康、横山幸雄、池場文美、アンドレアボナッタの各氏に師事。



吉川絢子《ピアノ》

エリザベト音楽大学、同大学院修士課程を首席、総代で修了。
6年間続けて特待生としてザビエル奨学賞受賞。
同大学院博士後期課程修了、博士号(音楽)を取得。
フランス、スイスにてマスタークラスを修了。
これまでに広島交響楽団、チェコ・フィルハーモニー弦楽四重奏団、ドビュッシー弦楽四重奏団と共演。
エリザベト音楽大学付属音楽園講師、比治山大学短期大学部非常勤講師、安田女子大学、安田女子短期大学非常勤講師。
東広島市音楽普及啓発事業登録アーティスト。



若松成《ピアノ》

名古屋市出身。
2003年東京芸術大学音楽学部付属音楽高校卒業。
2008年ハンガリー国立リスト音楽院卒業、修士課程修了ハンガリー国家演奏家資格取得。
2017年ドイツ国立カールスルー音楽大学ソリストディプロマコースを首席で卒業ドイツ国家演奏家資格取得。
これまでに服部浩美、播本枝末子、青柳晋、ジョルジュ・ナードル、ソコライ・バラージュ、バラニャイ・ラースロー、ケヴィン・ケナー、アンジェイ・ヤシンスキー、ベルンド・ゲツケ、ペーター・アイヒャーの各氏に師事。
2004年ヌエバ・アクロポリス国際ピアノコンクール(イタリア)最高位、併せて古典派特別賞。
2014年エンニョ・ポリーノ国際ピアノコンクール(イタリア)最高位など、ヨーロッパ各地の国際ピアノコンクールで優秀な成績を修め、東ヨーロッパからドイツ、イタリア、フィンランドに至るまでヨーロッパ各地で広く演奏活動を展開する。
日本でも精力的に演奏活動を行っており、2007年宗次ホール・オープニングコンサートの一環としてリサイタルを行い、2011年まで同ホールにて毎年ソロリサイタルを開催する。
2012年、2013年フィンランド国内12の都市にてコンサートツアーを行い好評を博す。
2017年9月にドイツより帰国、名古屋、広島を中心に演奏活動、コンクール審査、後進の指導にあたっている。
全日本ピアノ指導者協会会員、日本クラシック音楽コンクール、ブルグミュラーコンクール、ピティナピアノコンペティションG級、特級審査員。



木村紗綾《ヴァイオリン》

広島市出身。3歳よりヴァイオリンを始める。
安田女子中学校卒業後、15歳で渡欧し、プラハ音楽院に首席入学。
第50回コツィアン国際ヴァイオリンコンクール第1位、第38回チェココンセルヴァトワール・ギムナジウム国際コンクール第1位、第2回ヴィッラフランカ・ディ・ヴェローナ国際コンクール第1位、併せて聴衆賞を受賞するなど国内外のコンクールで入賞。
ドヴォルジャーク音楽祭にて指揮者、ヤロスラフ・クルチェク氏とバッハのヴァイオリン協奏曲を共演。
2016年よりチェコフィルハーモニー管弦楽団オーケストラアカデミーに在籍し、プラハの春音楽祭、スメタナ音楽祭など国内外の演奏会、ツアーに多数出演し、2018年修了。
2017年イタリアで開催されたインターハーモニー音楽祭ではコンサートミストレスを務める。
2011年度ヒロシマ平和創造基金ヒロシマスカラシップ奨学生、2016年より大植英次氏プロデュース威風堂々クラシック in Hiroshimaにてコンサートミストレスを務め、チャリティコンサートなどソリストとしても多数共演。
第54回文化庁委託事業新進演奏家育成プロジェクト オーケストラシリーズにて広島交響楽団と共演。
現在チェコフィルハーモニー管弦楽団、プラハ交響楽団などの客演奏者として活動し、2020年秋よりチェコ ピルゼンフィルハーモニー管弦楽団アシスタント・コンサートミストレスに歴代最年少で就任し、国内外で活動中。



谷崎友美《ピアノ》

広島音楽高等学校卒業。
エリザベト音楽大学を4年間学費全額免除の特別奨学生として通い首席で卒業。
同大学院在籍中、ヒロシマ・スカラシップ、エルネスト・ゴーセンス奨学金を得て渡独し、国立フォルクヴァング芸術大学修士課程を修了。
帰国後、エリザベト音楽大学修士課程を修了と共にセシリア賞受賞。
ドイツ、広島でソロリサイタルを行う他、伴奏、室内楽などにも取り組んでいる。
現在、エリザベト音楽大学非常勤副手、付属音楽園講師。
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木村紗綾さん出演のコンサート、演奏会
威風堂々クラシック in Hiroshima 2018
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
安田女子中学高等学校 第8回復興支援チャリティーコンサート
一楽章f未完成 Violin & Cello Duo Concert
木村紗綾さん ヴァイオリン・サマーコンサート
ひろしま美術館 ミュージアムコンサート(出演:木村紗綾)
CHRISTMAS IN PEACE CONCERT 2019
新進演奏家育成プロジェクト オーケストラ・シリーズ 第54回広島
木村紗綾さんオンラインヴァイオリンリサイタル ~クラシックで満ち満ちて~
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル
アンサンブル・プリエール 第1回演奏会 ~広島ゆかりの若手演奏家が紡ぐアンサンブルの調べ~
音のマリアージュ Vol.1 ~あなたが決める名曲コンサート~


谷崎友美さん出演のコンサート、演奏会
エリザベト音楽大学 2018年度卒業演奏会
第52回福山音楽祭府中エリア特別演奏会 木村紗綾ヴァイオリンリサイタル


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第九ひろしま2021  Freude(フロイデ)コンサート

2021-12-26 19:43:00 | コンサート、演奏会


12月19日、広島県広島市の広島サンプラザホールで行われた「第九ひろしま2021  Freude(フロイデ)コンサート」を聴きました。
ベートーヴェンの交響曲第9番(合唱付き)が演奏されるということで興味を持ちました。
フロイデとは「歓喜」という意味で、交響曲第9番第4楽章で歌われる「歓喜の歌」から来ているようです。
日本の年末と言えばベートーヴェンの交響曲第9番がよく演奏される印象があり、広島でもやっていると知って嬉しくなりました

演奏プログラムは次のとおりです。


第1部「実力派ソリスト達による至高の響演」
■モーツァルト:歌劇「後宮からの逃走」K.384『序曲』『さあ戦いだ!』
■モーツァルト:歌劇「フィガロの結婚」K.492『序曲』『もう飛ぶまいぞ、この蝶々』『恋とはどんなものかしら』『とうとう嬉しい時が来た』

「合唱団員必見!?マエストロ・下野や指導者たちによる第九ひろしま ここだけトークショー」

第2部「ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』」





(第九ひろしまの開演前。開演後の第九合唱時は、正面奥に数十人布陣するエリザベト音楽大学の学生による合唱団が活躍しました。)

会場内にはテレビカメラも入っていて、後日テレビやラジオの番組でも放送される大きなコンサートでした。
中国放送(TBS系列)の横山雄二さんと河村綾奈さんの両アナウンサーがコンサートの司会をされていました。

第1部はコンサートに出演する4人のソリスト(ソロ歌唱者)を中心とした演奏が行われました。
モーツァルトの歌劇にスポットを当て、全部で6曲演奏されました。
「後宮からの逃走」の『序曲』はオーケストラのみの演奏、『さあ戦いだ!』はテノール升島唯博さんが歌唱しました。
「フィガロの結婚」の『序曲』はオーケストラのみの演奏、『もう飛ぶまいぞ、この蝶々』は久保和範さん、『恋とはどんなものかしら』は彌勒忠史さん、『とうとう嬉しい時が来た』は種谷典子さんが歌唱されました。

トークショーでは「交響曲第9番」や「第九ひろしま」の興味深いことを話していました。
指揮の下野竜也さんが初めて第九を聴いたのは1985年の鹿児島県の「県民第九」とのことで、第九を指揮したくて指揮者になったとも言っていました。
また「日本三大第九」の一つが広島の「第九ひろしま」とのことで、非常に興味深かったです。
第九は「今年の歩み」を投影して聴くと良いかも知れないとのことで、各楽章についての簡単な説明もありました。
第1楽章は神秘的に始まり、戦っているような闘争の音色があったり、癒しもあったりします。
第2楽章も第1楽章と同じ傾向にあり、第3楽章は祈りの音色とのことでした。
第4楽章は「また来年に向かって行く」とのことで、短い言葉で分かりやすく各楽章の特徴を言っていて流石だと思いました

第2部「ベートーヴェン 交響曲第9番ニ短調Op.125『合唱』」が始まると、気持ちがどんどん研ぎ澄まされて行きました。
会場の広島サンプラザホールは今回初めて訪れ、第1部の時にホールの特徴としてクラシックコンサートには不利な印象がありましたが、交響曲第9番を前にするとそんな印象は消えて行きました。
身が清められる演奏でした。
第4楽章の非常に有名な、多くの人が学校の音楽の授業で習うと思われる「ミミファソソファミレドドレミミレレ」の音色は楽器のみでの演奏の時も、ソリストが目立つ演奏の時も、オーケストラソリスト合唱団全体での大迫力の演奏の時も、常に魅了されました。
全体での大迫力の演奏の後、合唱団のソプラノ中心の神聖な雰囲気の歌唱は聴いていて鳥肌が立ちました。
天から神聖な光が差し込むような音色で、そのまま天国に連れて行かれるかのような境地になりました。


アンコールとして「蛍の光」が合唱されました。
これも鳥肌が立ち、途中で泣きそうになりました。
魂を揺らすものがありました。


ベートーヴェンの交響曲第9番(合唱付き)の生演奏は今回初めて聴きました。
聴きに行って良かったと思いました。
今回はエリザベト音楽大学の1・2年生が合唱団を作ってくれていましたが、新型コロナウイルスの問題さえなければ、希望する一般の人が大規模な「合唱団」となり、第4楽章の合唱を行っていたことも知りました。
ぜひ今度は一般の人も参加する「第九ひろしま」を聴いてみたくなり、来年こそ実現出来ることを心から祈ります



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演奏者プロフィール

指揮 下野竜也

広島交響楽団音楽総監督(2017年4月就任)。
1969年鹿児島生まれ。2000年東京国際音楽コンクール<指揮>優勝と齋藤秀雄賞受賞、2001年ブザンソン国際指揮者コンクールの優勝で一躍脚光を浴びる。
国内では、定期的にNHK交響楽団定期公演に招かれる他、国内主要オーケストラに客演し、コンサート、放送などに登場している。
また、国外ではコンクール優勝後、ローマサンタチェチーリア管、ミラノ・ヴェルディ響、チェコフィル、プラハフィル、シュツットガルト放送響、南西ドイツ交響楽団、オーストリア室内管、ボルドー・アテキーヌ管、ロワール管、コートダジュール・カンヌ管、ストラスブール管、クラコフフィル、シンフォニア・ヴァルソビア、バルセロナ響などを指揮。
これまでに、読売日本交響楽団の初代正指揮者(2006年11月~2013年3月)、同団首席客演指揮者(2013年4月~2017年3月)、京都市交響楽団常任客演指揮者(2014年4月~2017年3月)、同団常任首席客演指揮者(2017年4月~2020年3月)を歴任。
2011年1月、広島ウインドオーケストラの音楽監督に就任し現在に至る。
2002年出光音楽賞、渡邉曉雄音楽基金音楽賞、2006年第17回新日鉄音楽賞・フレッシュアーティスト賞、2007年第6回齋藤秀雄メモリアル基金賞、平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学大臣賞、2014年度第44回東燃ゼネラル音楽賞奨励賞、2016年南日本文化賞・特別賞などを受賞。
鹿児島市ふるさと大使。おじゃんせ霧島大使。
京都市立芸術大学音楽学部指揮専攻教授。
NHK‒FM「吹奏楽のひびき」パーソナリティ。



ソプラノ 種谷典子

広島県出身。
国立音楽大学卒業。
同大学院修士課程オペラ専攻を共に首席で修了。修了時に声楽専攻最優秀賞受賞。
宮内庁主催桃華楽堂新人演奏会にて御前演奏を行う。
新国立劇場オペラ研修所第16期修了。
第24回リッカルド・ザンドナイ国際コンクールにて特別賞受賞。
第16回東京音楽コンクール声楽部門第2位受賞。
文化庁新進芸術家海外研修制度研修員としてイタリア及びスイスにて研鑽を積む。
オペラでは、『フィガロの結婚』スザンナ、『ドン・パスクワーレ』ノリーナ、『なりゆき泥棒』ベレニーチェ等を演じるほか、コンサートでは東京フィルハーモニー交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団等と共演。
ヴィヴァルディ『グローリア』、チルコット『レクイエム』等、ソリストとしても常に高い評価を得ている。
21年二期会『魔笛』パパゲーナで出演。22年『影の無い女』鷹の声に出演予定。
二期会会員



カウンターテナー(アルト) 彌勒忠史

千葉大学卒業、同大学院修了。
東京藝術大学卒業。
イタリア政府奨学生として渡伊。
イタリア国内外劇場でオペラ、演奏会に出演。
平成24年度芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。
演出や執筆など多彩な活動を展開しており、15~18年市川海老蔵特別公演《源氏物語》においては歌唱及び音楽アドバイザーを務める。
16年佐渡裕指揮『夏の夜の夢』オベロン、18年A.バッティストーニ指揮「カルミナ・ブラーナ」出演。
NHKラジオ・イタリア語講座講師。
CD「No early music, No life?」(朝日新聞推薦盤)など多数。
著作『イタリア貴族養成講座』(集英社)、『歌うギリシャ神話』(アルテス・パブリッシング)など。
在日本フェッラーラ・ルネサンス文化大使。
二期会会員



テノール 升島唯博

島県出身。
エリザベト音楽大学卒業。
デトモルト音楽大学、リューベック音楽大学、同大学院修了。
オランダ・オイレギオ国際声楽コンクール優勝。
08年ブレーメン歌劇場とソロ契約を結び『魔笛』モノスタトス、『サロメ』ユダヤ人、ロッシーニ『マホメット2世』セリモに出演する他、ハンブルク州立劇場『アトランティスの皇帝』ハルレキン、ハイデルベルク・オペラ劇場『天国と地獄』マーキュリー、ミュンスター州立劇場『ユリッセの帰還』ピザンドロ、『盗賊』フラゴレット、『夢食い小人』タイトルロール、オイティーン夏季オペラフェスティバル『道化師』ペッペ、『イル・トロヴァトーレ』使者、『ピノキオ』タイトルロールを演じる。
国内では日生劇場をはじめ数々の舞台で活躍。
近年では東京二期会『ばらの騎士』ヴァルツァッキ、『蝶々夫人』ゴロー、新国立劇場『ばらの騎士』元帥夫人の執事、『魔笛』モノスタトスに出演。
二期会会員



バリトン 久保和範

東京藝術大学、及び同大学院修了。
文化庁オペラ研修所修了。
文化庁在外研修員としてニューヨークに留学。
第1回ヴォーチェブリランテコンクール第1位。
兵庫県知事賞受賞。
第6回奏楽堂日本歌曲コンクール第1位併せて木下保賞受賞。
新国立劇場では、開場記念『健・TAKERU』稲置をはじめ、『天守物語』『俊寛』『ドン・ジョヴァンニ』『ピーター・グライムズ』『夕鶴』等出演。
また、東京二期会『フィガロの結婚』フィガロ、『蝶々夫人』シャープレス、兵庫県立芸術文化センター『こうもり』ファルケ、『セビリアの理髪師』バルトロ等のほか、蜷川幸雄演出「仮名手本忠臣蔵」等、ミュージカルにも数多く出演している。
京都市立芸術大学教授。
二期会会員



管弦楽 広島交響楽団

合唱団 エリザベト音楽大学全学科1・2年生
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HiKaRi Library Concert 2021年12月

2021-12-12 15:27:02 | コンサート、演奏会


(ノリノリな演奏を披露するHiKaRiのrio(浦川莉緒)さん)

12月11日、山口県周南市立徳山駅前図書館の1階スペースで行われた、新感覚音楽ユニットHiKaRi(ヒカリ)のHiKaRi Library Concertを聴きました。
HiKaRiはヴァイオリン、ピアノ、エレクトーンという珍しい編成で毎回多彩な音色を奏でている山口県の音楽ユニットです。
ヴァイオリンのクラシカルさや音の伸びやかさ、ピアノのきらびやかさや繊細さ、エレクトーンのドラマチックさや変幻自在さといった、楽器それぞれの持つ良さが上手く発揮されていて良いユニットだなと思い、6月から毎回コンサートを聴かせて頂いています。
今回はクリスマスソングの選曲をしたとのことで、どんな演奏になるのか楽しみにしていました



1. 「ディズニー」より:プリンセスメドレー(3人で演奏)



(rio(浦川莉緒)さん演奏中)



(RIONさん演奏中)



(KAORIさん演奏中)

気持ちが癒やされる音色で、明るくとてもドラマチックでした
ヴァイオリンのピッチカート(指で弦をポロンポロンと弾く演奏)の後にピアノが続く「掛け合い」の演奏があり良いアクセントになっていました。

今回はピアノがグランドピアノでした。
周南市立徳山駅前図書館では12月11日から1月10日まで「ライブラリーミュージックラウンジ」というイベントが行われ、期間中はグランドピアノが設置されます。
HiKaRiがイベントのオープニングアクトを務め、これはピアノの音色がこれまで以上にパワーアップするなと思いワクワクしました





(1曲目終了後、トークをするKAORIさん。HiKaRiのリーダーで、コンサートの司会進行を担っています。)



(RIONさん)



(rioさん)



2. RIONさん作曲:Dear(ヴァイオリンとエレクトーンで演奏)





RIONさん作曲ということで、さすがシンガーソングライターと思いました。
エレクトーンで始まり、ゆったりとした癒やしのメロディでした。
ヴァイオリンも入り、2人でしばらくゆったりとした音色を奏でます。
その中でエレクトーンが次々と音を変えていて多彩なのが印象的でした。

曲調が変わって軽くスキップしているような雰囲気になります。
エレクトーンはマスカラやトランペットのような音になり、多彩さが一段と際立っていました。
雰囲気がとてもドラマチックで、優雅に伸びる音色が良いと思いました



3. カルロス・ガルデル:ポル・ウナ・カベーサ(ピアノとヴァイオリンで演奏)





(横から見るとヴァイオリンを演奏時にどう構えているかがより詳しく分かります)

タンゴの有名曲で、クラシックのコンサートでもよく演奏されることがあります。
迫力が物凄く、その迫力にどこか悲しみもあってとても引き込まれる音色でした。



4. Shakatak(シャカタク):Night Birds(ピアノとエレクトーンで演奏)





トークで、クリスマスイルミネーションの時期にピッタリと見て選曲したと言っていました。
かなりロマンチックな演奏で、エレクトーンがギターのような音色になった場面が甘く格好良い音色で特に良かったです。
ピアノの音もかなり良く、光の粒のようになっていました



5. 葉加瀬太郎:情熱大陸(3人で演奏)



(毎回思いますが、エレクトーンは両手両足を使っての演奏になるので自在に弾けるようになるのが大変だと思います。)



(同じ横から見た演奏でも、3曲目の時とは弓を持つ右手の角度が違うのが分かると思います。地面に対して水平に近い時が低音、垂直に近い時が高音の演奏で、ヴァイオリンの演奏も奥が深いです。)



(ピアノは今回、グランドピアノが登場したのがとても嬉しかったです。電子ピアノでも十分良い音は出ますが、グランドピアノになると音のきらびやかさが上がる気がします。)

リズミカルなエレクトーンとピアノで始まり、ヴァイオリンも入って行きました。
物凄く盛り上がった演奏になって3人ともノリノリでした。
終盤に音の構成がかなり良いなと思いました。
エレクトーンの「タンタンタンタン」という一定のリズムで作るベース音の上をピアノの硬質できらびやかな音色が走り回り、さらにヴァイオリンはダンスしているような躍動の音色で、3つ合わさって非常に良い音色になっていました。
「新感覚音楽ユニット」HiKaRiの特色がよく出た演奏でした



6. マライア・キャリー:恋人たちのクリスマス(3人で演奏)







とても明るくノリノリで、音が楽しそうでした。
ヴァイオリンの伸びが特に良いなと思い、楽しく伸びやかな演奏でこちらも気持ちが楽しくなりました



7. 桑田佳祐:白い恋人達(3人で演奏)








最初、「聴いたことがあるが何の曲だったか」と思いながら聴き、サビに来たところで「白い恋人達」と気付きました。
とても癒やされる演奏で、上手いなと思いながら癒やしの音色に聴き入りました。



8. 坂本龍一:戦場のメリークリスマス(3人で演奏)







ピアノで始まり、繊細で上手い演奏に引き込まれました。
エレクトーンがシャシャシャと印象的な音で演奏し、それがドラマチックで良いなと思いました。
ヴァイオリンも繊細な演奏で入って行き、3人でとてもロマンチックに誇りも感じる演奏をしていました。
終盤にヴァイオリンが有名な「タ、タ、タ、タ、ターン」という演奏をそれまでより音程を高くした時が良く、ロマンチックさと繊細さで心が神聖になりました。



9. 映画「天使にラブ・ソングを」より:Joyful Joyful(3人で演奏)







明るくノリが良く楽しそうな演奏でした
聴いていてこちらもとても楽しくなりました。
ラストの曲にピッタリだと思い、「演奏が楽しそう」というHiKaRiの特徴にもよく合っていて良いと思いました。


クリスマスムードのコンサート、楽しませて頂きました
後半はクリスマスの曲が次々登場し、エレガントな衣装も相まって非常にムードが高まったなと思います。
明るく楽しい曲がたくさん登場していたのも良く、楽しさは音楽の原点と感じさせるHiKaRiというユニットの良さが凄く発揮されていました
次は来年2月に開催とのことで、またぜひ聴きに行きたいと思います



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演奏者プロフィール

ヴァイオリン【rio(浦川莉緒)】(ヴァイオリニスト)

ソロからオーケストラ演奏はもちろん、クラシックからポピュラーまで幅広いジャンルを手掛ける実力派ヴァイオリニスト。
音楽大学首席卒業。
フランスへ短期留学、数々のコンクールで入賞し実績を残しながら、国内外の著名なマスタークラス等で研鑚を積み演奏活動を始める。
人柄が現れる音色に魅了されるファンも多い。


ピアノ【KAORI】(ヤマハ音楽教室講師)

乳幼児から大人までの幅広い層への総合音楽指導にあたる。
自身もコンクールなどでは実績を残し、現在は生徒から多くの優秀生を輩出するなど、ピアノ指導を通じて音楽育成を行っている。
イベント等での演奏をはじめ、他楽器の伴奏者としても活動し、関係者から高い支持や信頼を得ている。


エレクトーン【RION】(音大生/シンガーソングライター)

3歳で初めて作詞作曲をし、5歳からエレクトーン曲等の作曲をする。
毎年全国各地のコンサートで自作曲を演奏し高い評価を得る。
また、毎年数々のコンクールでの受賞歴を持つ。
ソロ活動としては様々なプロアーティストと多彩なコラボをし、全国各地の多くのミュージシャン、関係者から評価を得ている。
シンガーソングライターとして2020年春、CDデビュー。
2021年春、セカンドアルバム発売。
FM山口『SING&SMILE』を制作。OA中!!
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-----HiKaRiのコンサート-----
HiKaRi Library Concert Vol.27(2021年6月)
HiKaRi Library Concert Vol.28(2021年8月)
HiKaRi Library Concert 2021年10月
HiKaRi Library Concert 2022年4月
HiKaRi Library Concert 2022年6月


-----rioさん登場のコンサート、演奏会-----
エリザベト音楽大学 Autumn Concert
エリザベト音楽大学 第77回定期演奏会
一楽章f未完成 弦楽四重奏コンサート
エリザベト音楽大学 ザ・シンフォニック・エンターテインメント
威風堂々クラシック in Hiroshima 2019
エリザベト音楽大学 2019年度卒業演奏会


-----徳山ゆかりのフォトギャラリー -----
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-----徳山ゆかりの小説-----
「海賊とよばれた男 (上)」百田尚樹
「海賊とよばれた男 (下)」百田尚樹


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。
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