読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

秋の雨

2016-09-26 20:48:05 | ウェブ日記
梅雨前線に対して「秋雨前線」という言葉があるように、また「秋の長雨」という言葉があるように、秋になる9月は雨が降りやすくなる時期でもあります。
言葉のとおり今年の9月は雨の日がかなり多くなっています。
私は晴れの日のほうが好きなので雨の日ばかりの日々は憂鬱です。

特にここ二週間くらいは雨の日か曇りの日ばかりで晴れの日をあまり見ていないです。
何日もすっきりしない天気の日が続くのはまさに梅雨のようです。
そして一日ずっと降っているわけではなく、降ったり止んだりを繰り返しています。
なので雨が止んだタイミングで近所のスーパーに出かけたりしています。

また気まぐれに降ったり止んだりを繰り返しているのは晩秋に降るという時雨(しぐれ)を思わせるものがあります。
雨が止んだと思って外に出てもしばらくするとまた降ってきます。
なので傘は常に持つようにしたほうが良いです。

例年10月の中旬頃になると気候が安定するようになります。
9月が雨ばかりなだけに早く晴れの日が増えてほしいです。
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「バッテリー」あさのあつこ

2016-09-18 18:48:06 | 小説


今回ご紹介するのは「バッテリー」(著:あさのあつこ)です。

-----内容-----
「そうだ、本気になれよ。本気で向かってこい。ーー関係ないこと全部すてて、おれの球だけを見ろよ」
岡山県境の地方都市、新田に引っ越してきた原田巧。
天才ピッチャーとしての才能に絶大な自信を持つ巧の前に、同級生の永倉豪が現れ、彼とバッテリーを組むことを熱望する。
『これは本当に児童書なのか!?』
ジャンルを越え、大人も子どもも夢中にさせたあの話題作が、ついに待望の文庫化!

-----感想-----
佐藤多佳子さんの「一瞬の風になれ」、森絵都さんの「DIVE!!」と並び「三大青春スポーツ小説」と呼ばれる三作品の最後の一つ、「バッテリー」をついに読み始めました。
「バッテリー」は少年野球を題材にしていて全六巻で構成されています。

主人公は4月から中学一年生になる原田巧。
少年野球のピッチャーをしています。
3月の終わり、巧と父の広、母の真紀子、弟の青波(せいは)が「おろち峠」という場所で車を降りて一息ついている場面から物語は始まります。
電気メーカーの営業の仕事をしている広はこの春転勤になり、家族は広島と岡山の県境にある新田という市に引っ越すことになりました。
おろち峠のふもとに新田市があり、そこに母方の祖父(真紀子の父)の家があり、家族はそこで暮らすことになります。

祖父の家に行ってからは色々なことが分かりました。
巧は4月から新田東中という中学校に通います。
野球部は昨年の県大会のベスト8が最高でしかも主力の三年生が卒業し、今年の力はかなり落ちるとのことです。
しかしこの時の父との会話で巧は「勝ってあたりまえのチームで全国大会に出るより、原田がいたから行けたって言われるほうが、おもしろいじゃないか」と言っていて、この巧の自信は凄いなと思いました。
小学校を卒業したばかりとは思えない不遜さを見せています。
また祖父は井岡洋三といい、新田高校を率いて甲子園出場春4回、夏6回を成し遂げた高校野球の物凄い監督だったことが明らかになります。
14年前に監督を辞めてから新田高校の甲子園出場はなしとあり、その指導力の凄さが伺われました。
父も母も巧にこのことを教えておらず、巧は自分で調べて祖父が高校野球の凄い監督だったことを知りました。
なぜ父も母も野球少年であり甲子園出場を目指す巧にこのことを言わなかったのかが気になりました。

祖父の洋三について、「父さんと母さんが結婚するとき、じいちゃんに反対されてな」や「おまえは、じいちゃんと暮らしたことがあるんだぞ。青波が生まれたときだ」など、昔のことを話し始めた広に対し、巧は次のように冷めたことを言っていました。
「いや、大人ってさ、知りたいことは何も教えてくれないくせに、なんで関係ないことばっか、しゃべるのかなって思ってさ。おれ、ランニングに行くよ」
これは印象的な言葉でした。
知りたいこと(祖父の洋三が高校野球の凄い監督だったこと)を何も教えなかったのは、広は巧に「わざと黙ってたわけじゃない。もう、ずいぶんむかしのことだし、今のおまえに関係あるとは思わなかったんだ」と言っていましたが、実際には何らかの知ってほしくない理由があるのではと思いました。
そして「なんで関係ないことばっか、しゃべるのかな」については巧が幼い頃から成長を見てきた「思い出」がそうさせるのだと思います。
巧自身は小さい頃のことで覚えていなくても父の広は巧が洋三と暮らした時期があることなどをしっかりと覚えていて、洋三にまつわることで「高校野球の凄い監督だった」以外のことなら巧に色々聞かせたくなるようです。

真紀子が洋三に「巧ってね、本当に人に頼み事をしないの。頼るのが嫌みたい。相談さえしないの」と言っていました。
非常にプライドが高く不遜な態度を取る場面が何度も出てくるのでこれは納得です。
また、巧がリトルリーグに入りたがっていたのを真紀子が「野球させたくなかったから」という思いで反対して諦めさせたことも分かりました。
どうも広も真紀子も巧を野球から遠ざけたがっているようでやはり何かあるなと思いました。

ランニングの帰り道、道に迷った巧は永倉豪と出会います。
豪も4月から中学生になり巧と同い年とのことですが、同級生の中でかなり背が大きい巧よりさらに背が大きく体格もがっしりしている豪の姿に巧は驚きます。
豪は新田スターズという少年野球チームで県大会にも出場していて、巧がホワイトタイガースというチームで中国大会の準決勝まで行ったことを知っていました。
ポジションはキャッチャーで、巧が「キャッチャーなんだろ。おれの球、受けてみる?」と言ってみたことから二人は投球練習の約束をします。
巧は自身の剛速球をキャッチできる豪に、豪は巧の圧倒的な球の威力に、それぞれ驚くことになります。

巧の弟の青波は未熟児で生まれてきてずっと体が弱く、体調を崩すことがよくあります。
しかし野球に打ち込む兄の巧の姿を見て青波も野球をやりたがるのですが、母の真紀子が「体が弱いのだから絶対駄目」と猛反対するのに加え、巧も「お前には無理だ」と決めつけまともに取り合おうとしませんでした。
巧に「無理だ」と言われるたびに青波は「そんなことない!」と反発していてその姿が印象的でした。

常に不遜な態度を取る巧ですが豪と話している時に初めて年相応の反応をする場面があり、巧と豪は仲良くなりそうな気がしました。
また巧が「ガキっぽいな」と言った時の豪の反応は興味深かったです。

「ガキっぽいな」
「なんで、ガキだといけんのんじゃ」
「原田の球がすごいのは、ようわかっとる。けど、すごい球を投げても、ガキはガキじゃろ。もう少しで中学生になるガキ。そういうことじゃろ」

ガキに対する豪の指摘は良いと思いました。
巧はガキと思われるのが嫌なようですが、客観的に見て小学校を卒業したばかりの12歳はどう見ても子供でありガキです。
豪は自分が子供だということをきちんと分かっていてそこが巧より大人だと思いました。

「野球は一人ではできない」という言葉が三度に渡って出てきたのは印象的でした。
洋三、豪、そしてかつて洋三率いる新田高校で甲子園に出場した稲村という社会人の三人がこの言葉を言っていました。
この「野球は一人ではできない」は何かと傲慢さのある巧に足りない考えだと思います。
巧は自分の投げる球に絶対の自信を持っていますが、それを受け止められるキャッチャーがいなければ投手として試合に出ることはできないのです。

野球少年達の物語に親の思いが割って入っているのが印象的でした。
豪の母、節子は「野球は中学に入るまで」と決めていて、豪には中学に入ったら勉強をたくさんさせ、家がやっている病院を継いでほしいと考えていました。
しかし巧と出会ったことで豪が「原田がいるのにいっしょに野球をしないなんておかしい」と言い中学校でも野球をやると言っていることに困り、巧に「豪に野球をやめるように言ってほしい」と頼んできました。
「野球をやっても将来につながるとは思えないが、勉強なら将来につながるし、病院を継ぐための土台が作れる」と、一応は子どもの将来を考えているようですが、とにかく野球をやめさせるという考えありきのため、豪の気持ちを完全に踏みにじっているのが問題だと思います。
勉強は無理やりさせてもあまり身にならないと思いますし、本人をうんざりさせてしまうと思います。

巧がキャッチャーについて「永倉じゃないとだめだ」と言う場面も印象的でした。
最初は豪のことを馬鹿にしたような態度を取っていましたがいつの間にか全幅の信頼を寄せていることが分かりました。
また巧は心の中で豪に「かなわねえな」とも言っていて、常にふてぶてしい巧がそんなことを言うのはかなり珍しいと思いました。
態度はふてぶてしくても、豪の面倒見の良さや周りのことを常に見ている気配りを認識できる子ではあるようです。

本格的にバッテリーを組むことになった巧と豪は間もなく中学一年生になります。
二人が新田東中学校の野球部でどんな活躍をしていくのか楽しみにしています


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「水族館ガール3」木宮条太郎

2016-09-17 17:21:39 | 小説


今回ご紹介するのは「水族館ガール3」(著:木宮条太郎)です。

-----内容-----
赤ん坊ラッコが危機一髪!?
アクアパークから海遊ミュージアムへ出向中の恋人・梶良平の帰りを待ちわびる嶋由香。
しかし、梶は出向終了後、すぐに内海館長から長期出張を命じられてしまう。
由香もアクアパークの新プロジェクトリーダーに任命され、再びすれ違いの日々に。
しかしそこには館長の深謀遠慮が…。
ラッコやマンボウ、イルカたち、人気者も大活躍のお仕事ノベル!

-----感想-----
※「水族館ガール」のレビューをご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「水族館ガール2」のレビューをご覧になる方はこちらをどうぞ。

書店で「水族館ガール3」が発売されているのを見つけ、帯に「NHKで連続ドラマ化」とあるのが目に留まりました。
主人公である由香役は松岡茉優さんとあり、これは適役だなと思いました。

今作の冒頭、梶は海遊ミュージアムへの出向からアクアパークへ戻るのかと思いきや、出向が延長になります。
一方由香は、内海館長の発案した「もう一歩プロジェクト」のリーダーに名乗りを挙げます。
「もう一歩プロジェクト」とは「現状に満足することなく、それぞれが改善意欲を持ち、自分にとっての『もう一歩』を目指す」というものです。
梶の帰りを待ちわびていた由香は梶が帰ってきた時に成長した姿を見せたいと思いリーダーに名乗りを挙げたのですが、正式に内海館長からリーダーに任命された直後、梶の出向が延長されたことを聞きショックを受けます。
またリーダーが海獣グループの嶋由香ということで、副リーダーには魚類展示グループで由香と年の近い今田修太が任命されました。

内海館長と出向の延長が決まった梶が話す場面で興味深い話題が出てきました。
内海館長によると最近、アクアパークの母体である千葉湾岸市に日本を代表する大企業が頻繁に接触しているとのことです。
中でも主なのが二社あり、一つが博通エージェンシーという業界トップの広告代理店、もう一つが鹿成建設という日本最大級の総合建設会社です。
博通エージェンシーは悪名で有名な広告代理店「電通」がモデルだと思います。
ニ社とも東京へのオリンピック誘致が決まった直後から接触してきていて、誘致決定以降、東京湾岸の再開発が超大型プロジェクトとして騒がれ始めたためとのことです。
水族館は再開発の中核施設の一つと考えられていて、博通エージェンシーや鹿成建設はノウハウがないため、そのノウハウを手に入れるためにアクアパークに接触してきています。
アクアパークを買収して自分達の傘下にしてしまおうと考えているのではと思いました。
この動きについて内海館長は「アクアパークを一部の人のオモチャにはしたくない」と言っていて反発していました。
この動きに対抗するため、内海館長はアクアパークと海遊ミュージアムが姉妹館になることを目指しています。
海遊ミュージアムは水族館のことをよく理解している「ウェストアクア」という民間企業に出資してもらってタッグを組んでいて、アクアパークもそうしようという作戦です。
東京湾岸再開発の利権のことしか考えていない博通エージェンシーや鹿成建設の傘下にされるより余程良いという考えだと思います。
この「ウェストアクアとタッグを組み海遊ミュージアムと姉妹館になる」という目的達成のため、海遊ミュージアムに出向している梶は最前線で極秘裏に交渉する仕事を頼まれます。

由香は6月上旬に瀬戸内海洋大学で行われる海洋学国際シンポジウムに行くことになります。
水族館勤務三年目を迎えた由香にこういった経験を積ませることと、有給休暇をほとんど取っていない由香に出張にくっ付けて有給を取らせるために、岩田チーフが気を使ってくれていました。

物語の中盤から由香はラッコの臨時担当になります。
梶の極秘交渉の仕事と由香のラッコ担当の仕事がそれぞれ進んでいきます。
由香の一瞬の不注意からラッコの赤ちゃんがどんどん死に向かっていく場面は緊迫していました。

また今作でも頑なに由香への恋愛感情を認めない梶が面白かったです。
どう見ても梶も由香のことを意識しているのは明らかなのに「いや、俺があいつを心配しているのは好きだからではなく仕事で失敗しないか心配だからだ」のようなことを心の中でよく言っていました。

今作でシリーズ三作目となりますが話の展開からまだ続編が出そうです。
今作では「~ではないか」という表現を多用しているのが目につき、文章力に少し難があるような印象を持ちました。
そこを改善するとより良くなるのではと思います。


※「水族館ガール4」のレビューをご覧になる方はこちらをどうぞ。

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秋の空と秋の風

2016-09-10 21:03:23 | ウェブ日記
早いもので9月に入りました。
今年の夏はよく分からないうちに過ぎていってしまったなと思います

8月上旬の終わり頃、東京への出張から戻ってくると、夜にコオロギが鳴くようになっていました
セミと同じように秋の虫にも登場する順番があり、7月初めのうちから鳴いている虫もいます。
その中でもコオロギは登場するのが遅く、8月になって「立秋」を過ぎて晩夏になった頃から泣き声を聞くことが多いです。

また8月下旬頃から、昼間外を歩くと猛烈な暑さの中でも吹く風に秋の気配を感じる日が出てくるようになりました。
日差しは強烈でも風には少し爽やかさがあり、秋が近いことが予感されました。

9月に入ると明らかに空が秋の空だなと思う日が出てきました。
昨日と今日が特にそうでした。
爽やかな青空で空が高く、雲は入道雲ではなく筋雲が出ています。
まだ昼間は外を歩くとすぐに汗ばむような暑さですが、それでも真夏の頃に比べれば多少過ごしやすくなってきています。
本格的に秋の爽やかな気候になる日々を楽しみたいと思います。
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