読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

大晦日

2014-12-31 13:31:40 | ウェブ日記
今日は12月31日、大晦日。
2014年最後の1日です

毎年「今年は早かったな」と思うのですが、今年は特に早かったなと思います。
あっという間に暮れも押し迫った大晦日まで来てしまいました。

今年は序盤が不調で、そこから段々と復調していった1年でした。
ひどく落ち込んで苦しい時期があったのですが、よく立て直せたと思います。
11月の初めに埼玉県に引っ越してからは新たな環境での生活が始まりました。
約2ヶ月ほど経ち、そこそこ新生活にも慣れることができて良かったです
来年は今の状態をキープしつつ、そこからステップアップしていければと思います。

また今年はかなり小説を読んだ一年でもありました。
一年で90冊近くも読んだのは初めてです
引っ越すまでは行きの電車、帰りの電車など読書をしやすい環境が揃っていたので積極的に読んでいました。
おかげでこの一年で今まで気になっていたものの読む機会のなかった小説をかなり読むことができました。

というわけで、2014年もあとわずか。
私の実家では毎年恒例の、年越しそばを食べて紅白歌合戦を見ての年越しになると思います
皆様よいお年を

「夢見るレシピ ゲストハウスわすれな荘」有間カオル

2014-12-30 16:36:20 | 小説
今回ご紹介するのは「夢見るレシピ ゲストハウスわすれな荘」(著:有間カオル)です。

-----内容-----
ここは東京の下町、山谷と呼ばれるかつてのドヤ街。
日雇い労働者が姿を消し、いま安宿を求めて訪れるのは、外国人旅行者と留学生たち。
家族とはうまくいかないし恋も不調、自分を抑えて生きてきた、そんな千花が故郷を飛びだし辿り着いたのは、マイペースなオーナーと、しっかり者の翔太が経営するゲストハウス「わすれな荘」。
個性豊かな住人たちとの賑やかな日常に、千花の心もほぐれていく。
でもみんな、それぞれに事情を抱えているようで……。
とびきり温かで美味しい、ひと冬の物語。
オリジナルレシピ付き。

-----感想-----
主人公は壁坂千花。
秋田県出身の26歳で、実家を出て東京にやってきました。
千花が降り立ったのは東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅。
私はこの駅で降りたことはないですが、ひとつ手前の入谷駅には「酉の市」で鷲神社に行く時に降りています。
なので三ノ輪の描写に出てきた東京らしからぬひっそりとした雰囲気というのもよく分かります。
大規模なビルが立ち並ぶ都心の中心街とは違う、これこそが下町というものです。

兄夫婦が子どもが生まれたのをきっかけに実家に来て同居することになり、千花は母親に色々嫌味を言われ実家を追い出されてしまいました。
そして千花は「胸の奥で燻っていた不満と諦めが、これはチャンスだと囁いた。もう26。いや、まだ26。やり直せるかもしれない」と心の中で思っていました。
日本の首都、東京での暮らしに希望を持っていました。

しかし、恋人だと思っていた東京在住の下澤剛史に電話をかけたら冷たくあしらわれ失恋し、希望も一気に萎んでしまいました。
そんな状態で、すっかり沈んだ気持ちで三ノ輪の街を彷徨っていました。
転んだ千花が荷物をぶちまけてしまった時、海老原翔太という人が助けてくれました。
翔太は「わすれな荘」というゲストハウスでオーナーの代わりをしています
ゲストハウスはホテルとは少し違い、ハウスでの共同生活になるものの全室個室ではあります。
ご飯は基本自由で、みんなで何かを作って食べたりもします。
千花も「わすれな荘」にしばらく滞在することになり、狭い三畳の部屋での滞在が始まります。

他に「わすれな荘」に滞在しているのはベトナム人のクオン、神戸から来ている西条歌穂、ドイツ人のオリバーとヤン、ネパール人のスディール。
そして管理人の橋島大樹と、管理人に代わって「わすれな荘」を管理している海老原翔太で、合計8人です。

物語は以下のように構成されています。

Step1 ブイヤベースの包容力 ―レシピ ブイヤベース
Step2 ジャガイモは飢饉の他になにを救うか? ―レシピ バインミー
Step3 紅白クラムチャウダー対決 ―レシピ マンハッタン・クラムチャウダー
Step4 激辛料理は涙を隠して活を入れる ―レシピ エマダツィ
Step5 夢見るソウルフード ―レシピ きりたんぽ鍋

作品タイトルが「夢見るレシピ」なだけあって、どの章も料理の描写が出てきます。
みんなで作ったり食べたりしているのは読んでいて心が温まって良いものです
ブイヤベースには欠かせないソースだというルイユソースは、たぶん食べたことはあるものの名前は知りませんでした。
「マヨネーズに似た、だがマヨネーズよりも濃いオレンジ色のソース」とのことです。

ベトナム人のクオンはかなり料理が得意で日本語も上手なのですが、日本語の使い方に面白いところがあります。
以下、クオンと翔太のやり取りです。

「ワタシはこうやって原型のブイヤベースが好きデス。日本の鍋に似てますね。みんなで箸を突き合うのがいいデス」
「箸を突き合うじゃなくて、鍋を突き合う、な」
「こりゃ、一本取られたね」
「取ってねーよ」

このコントのようなやり取りが何度かあってなかなか面白かったです^^

オーナーの橋島大樹の初登場は衝撃的でした。
千花が最初ゴミと間違ったほどで、ボロボロの黒いコートを着て庭にうずくまっていました
管理人の仕事もせずに外を歩き、毎日ホームレス達と飲んでいるとのことです。
その橋島によると「わすれな荘」の正式名称は「ゲストハウス・ブリッジアイランド」で、玄関先に置いてあるわすれな草の大きな鉢が看板代わりになり、それを外国人客が「わすれな荘」と間違って読んだのが始まりで、それが口コミで広まっていき「わすれな荘」と呼ばれるようになったとのことです。

都会の人間関係は、ある程度距離を取ることが礼儀だと誰かが言っていた気がする。過干渉(パーソナルスペース)に気をつけて、と。
千花が抱いたこの気持ちはよく分かります。
都会では田舎のような近所付き合いもあまりないですしね。

「ジャガイモは世界の飢饉を救った食べ物だ」というのは知りませんでした。
痩せた土地、寒冷地など、条件の悪いところでも育つジャガイモは、いろいろな国で飢饉から人々を救ったとのことです。
たしかにジャガイモは炭水化物がそれなりに含まれていて良い食べ物なんですよね

ジャガイモ料理では千花が作った「秋田名物だまっこ鍋」が印象的でした。
水菜やネギなどの野菜と一緒に丸めたジャガイモ団子が浮いています。
本来はきりたんぽの原型であるお米を潰して丸めた団子を入れるそうですが、この時はジャガイモ団子で代用していました。
ジャガイモ団子もきりたんぽと同じく秋田の地方に伝わる食べ物で、茹であがったジャガイモをすり潰して片栗粉を混ぜて一口大に丸めていっていました。
この鍋はとても美味しそうでかなり食べてみたいと思いました

フライドポテトの描写では「ただ細長く切って揚げて塩を振っただけのジャガイモが、ホクホクとしてとても美味しい」とあり、とても共感しました。
ホクホクしていてさらに塩が効いていてほんとに美味しいんですよね

ちゃんと自分の気持ちを伝えることは大切だ。
我慢して心の中に溜めて澱になってしまう前に、きちんと相手に伝えることが。

千花のこの思いもよく分かりました。
たしかにそのとおりだと思います。

三ノ輪がかつては「山谷(さんや)」というドヤ街だったというのは知りませんでした。
ドヤは宿を逆にした言い方で、日雇い労働者が集まる安宿エリアとのことです。
その名残で今もこの辺りには安いホテルや旅館が連なっているようです。

ビッグマムと呼ばれる、本名マーガレット・ブラウン・中山という「わすれな荘」の常連の人が立ち寄った時に、悩む千花に言った言葉も印象的でした。
「泣かないで。千花はとても素敵な女の子。最初から順風満帆に行くことは難しいわ。人生はトライ&エラーの繰り返しよ」
何事も上手く行くとは限らないし、むしろ上手く行かない場合のほうが多いんですよね。
ほんとトライ&エラーの繰り返しだと思います。
ビッグマムは他にも
「遠慮と謙虚を行動力や勇気がないことの言い訳にしてはだめ。今できないことは将来できるようになればいいのです」
とも言っていて、これも良い言葉だなと思いました。

ビッグマムは「赤いクラムチャウダー」を作ってくれました。
これは初めて聞いた料理で、クリーミーな白いクラムチャウダーがボストン風なのに対し、トマトベースの赤いクラムチャウダーはマンハッタン流とのことです。

千花が働くことになった浅草の和雑貨店の店主、滝川源治郎も良いことを言っていました。
「アルバイトじゃなく社員を募集しているのは、本当の仲間が欲しいからだ。俺は日本中から集めてきた、日本のよき伝統を広めたくてこの店をやっている」
本当の仲間が欲しいというのが良いなと思いました。
日本のよき伝統の和雑貨を一緒に広めていってくれる真の仲間がほしいということです。

千花は絵を描くのが得意でイラストレーターになりたいという夢があるのですが、母親は千花が絵を描くことに反対でした。
「絵が上手くたっていいことなどなにもない」と露骨に千花を否定している様子が描かれていました。
たしかに絵よりも勉強ができたほうが良いという親の気持ちは分からなくもないのですが、千花がお洒落することにも反対、絵を描くことにも反対でことごとく反対してばかりで、これでは千花が窮屈だろうと思いました。
この母親は千花にとって呪いの呪文のような存在になっていて、現在の千花のビクビクしがちな性格の造形に大きな影響を与えたのではと思います。
物語の後半は千花が母親の呪縛を解き放ち一歩を踏み出せるかが大きな焦点になっていました。

日本のラーメンについて「千花は知らなかったが、日本のラーメンはインスタントも含め外国人に人気だった。帰国する外国人がカップラーメンの箱を持っていることは珍しくない」とありました。
ラーメンは分かるのですが、カップラーメンのほうもそこまで人気とは意外だなと思いました。
日本の国民は普段そんなに意識していなくても、外国から見ると日本のカップラーメンはすごく美味しいということだと思います。

ネパール人のスディールがクオンにかけられた言葉に激怒したことへの千花の考えも印象的でした。
そこに悪気はなくとも、正論は時に人の心を抉る凶器になる。
これはまさにそのとおりです。
悪気はなくても、何気なくかけた言葉が相手を怒らせたり心に重大なダメージを与えたりすることってあると思います。

千花はくよくよと考えて悩んでしまうところがあり、そこは私と似ていました。
神経をすり減らしやすいタイプでもあり、千花もあれこれ悩みながら生きていくのはなかなか大変だと思います。
それでも最後は勇気を出して一歩を踏み出せていて良かったです。


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帰省

2014-12-29 23:24:12 | ウェブ日記
昨日埼玉県の実家に帰省しました
前日に「第5回俺フェス」を見に渋谷まで行っていて帰りが遅くなり、さらに昨日は帰省の前に東京で用事があったため、朝が慌ただしくなりました。
まさかの3時間睡眠で昨日は結構眠かったです

今回は1月4日までの滞在になります。
やはり実家に居ると洗濯などをしなくて済むのですごく助かっています。
また1月1日には妹夫婦が赤ちゃんを連れてくるので会うのが楽しみです

お正月は毎年恒例のお雑煮も楽しみにしています
どの家でも「わが家」のお雑煮に勝るものはないのではと思います。

そんなわけでお正月を楽しみにしつつ、年の瀬の残り二日間を過ごしていきます。
暮れも押し迫ってくるとどこかソワソワとした気持ちになりますね。
ゆっくり過ごして疲れのない状態で新年を迎えたいと思います

第5回俺ふぇす

2014-12-28 23:46:01 | ウェブ日記
昨日は「第5回俺ふぇす」を見に渋谷の「WOMB(ウーム)」というクラブに出掛けました。
「俺ふぇす」とは毎年12月末に行われる日本最大の和楽器フェスタです
私は12月13日に行われた『吉永真奈さんのコンサート「雪月花」』を見に行った時、「俺ふぇす」の存在を知りました。
その時に貰ったパンフレットによると、「俺ふぇす」のコンセプトは「自分達の芸を求道する、いわゆる俺サマ的な考えを抱く若手邦楽家を中心としたアーティストが集うフェスティバル」とのことです。
吉永真奈さんも出演されるとのことだったので見に行ってみようと思いました。



クラブに着いたのは18時50分頃で、吉永真奈さんの出演時間19:10~に無事間に合いました。
そして吉永真奈さんが登場して演奏が始まりました。
目白庭園赤鳥庵(せきちょうあん)でのコンサートが和室で着物だったのに対し、今回はクラブハウスでの演奏ということでドレスでの登場でした。
演奏も座っての演奏から立っての演奏になっています。
箏を弾く手の動きが早く、残像になっているのが分かると思います。



一曲目の「Rain」、二曲目の「篝火」の演奏が終わって次の演奏が始まるまでの間に調弦をする様子。
一つの箏でいくつもの曲の調弦をしていたのでなかなか大変そうでした。



三曲目の演奏ではアメリカを拠点に活動している清貴(きよたか)/KI-YOさんという歌手の方をゲストに招いていました。
「The Only One」という清貴/KI-YOさんの曲を箏とキーボードで演奏し、清貴/KI-YOさんが歌っていました。
この方、かなり歌が上手かったです
調べてみたら全米にその名を轟かす活躍ぶりで物凄い実力派という印象を受けました。

キーボードは高藤大樹さんという、吉永真奈さんのプロデューサーをしている方。
この方は「flumpool 」という紅白歌合戦にも出場したバンドのライブサポートもしているので、テレビで見たことのある方もいるかも知れません。
「flumpool」は以前書いた映画「君に届け」のレビューの中で、主題歌の紹介で登場しています。



盛り上がった雰囲気の中、どんどんライブは進んでいきました
トークの時もどっと笑いが起きる場面が何度もあり、かなり良い雰囲気でした^^



4曲目の「Arabian night」では津軽三味線の兄弟ユニット「吉田兄弟」の吉田健一さんがゲストとして登場。



吉田健一さんの津軽三味線の生演奏は初めて見たのですが、これは物凄い迫力でした
まさか津軽三味線であんなに迫力のある演奏をするとは思わず、凄さに衝撃を受けることになりました。
ちなみにフィギュアスケートの織田信成選手が吉田兄弟の曲を使用して演技をしていたことがあります。
津軽三味線、箏、キーボードでタイミングを揃えて一斉に迫力のある弾きをした時なども聴いていてかなり惹き込まれました。

最後に五曲目「五橋の舞」の演奏があり、終了となりました。
「五橋の舞」はアップテンポの明るい曲でまさにクラブでの演奏にピッタリだと思いました



吉永真奈さんは1階のステージでの出演だったので、終了後は2階のステージの様子を見に行ってみました。



「新・日本流音楽団 まほろば」という和太鼓が印象的なユニットが演奏を行っていました。



最後は「ORSスペシャルバンド」の演奏が行われました。
写真は準備中の様子。
後ろに表示されているのは「クラウドファンディング」で投資してくれた人達の名前のようです。



「ORSスペシャルバンド」の演奏には吉永真奈さんも出演されていました。
津軽三味線、中棹三味線、和太鼓、尺八、箏、十七絃、胡弓(こきゅう)など、和楽器が勢揃いです
この時の会場の一体感はかなり良かったです


というわけで、「俺ふぇす」、楽しませてもらいました
やはり生の演奏が一番だなと思いました。
気になっていたイベントに行くことができ、良い年の瀬の1日になりました

冬休み

2014-12-27 23:10:14 | ウェブ日記
昨日は仕事納めでした。
仕事納めらしく職場にはどこかソワソワとした雰囲気がありました。
最後は寿司やオードブルなど、食べ物が色々用意されて納会が行われました。

そして今日から年末年始の休みに入りました。
今年は12月27日から1月4日までの9連休です。
初日の今日はまず服を買いに行きました。
冬物のカジュアルシャツで良いのがあったので購入してきました。

その帰り道、実家に帰省する時のお土産を買いました。
埼玉県に引っ越してきてから、近所に和菓子・洋菓子の店があったので頻繁に寄ってバラで色々買っていました。
そして全般的に美味しい品が揃っていることが分かりました。
その中で特に美味しかったショコラケーキとどら焼きをお土産にしました。
ショコラケーキは焼き菓子で、しっとりとしていて中にはチョコが入っています。
何度か食べてみて、たぶん実家の家族の口にも合うのではと思いました。

夕方からは、「俺ふぇす」を見に渋谷の「WOMB」というライブハウスに行きました。
「俺ふぇす」とは年末に行われる日本最大の和楽器フェスタで、先日『吉永真奈さんのコンサート「雪月花」』の記事に書いた吉永真奈さんが出演されるので見に行ってみようと思いました。
「俺ふぇす」の詳細は後日書こうと思います。

明日は実家に帰省するのですがその前に用事があり朝から出かけるため、 「俺ふぇす」を見に渋谷まで行くのは直前まで迷いました。
帰ってくるのが遅くなりさらに次の日が朝早いとなると強行軍になりますからね。
ただ既に冬休みに突入しているのだし、恐れるものはありません。
気になっていたイベント、行かずに後悔するより行って楽しもうと思いました。

そして今は帰りの電車の中です。
やはり行って良かったと思います。
年の瀬に迫力ある良い演奏を見ることができました。
こうして冬休みの一日目は慌ただしく過ぎていきました。
明日もあるので帰ったら早めに休もうと思います。

椿屋珈琲店 上野茶廊

2014-12-26 23:06:27 | グルメ
先日、上野にある「椿屋珈琲店 上野茶廊」というお店に行きました
埼玉県から東京に行く場合、上野か池袋が東京への玄関口になる場合が多いです。

メニューを見て値段の高さに驚きました。
コーヒー一杯で900円を超えているのです
超高いコーヒー店だなと思いました



私が注文したのはケーキセット
「椿屋オリジナルブレンド」というコーヒーと、「珈琲シフォン」というシフォンケーキです。
コーヒーはウエイトレスさんが席に来てから入れてくれました。

私はこのコーヒーを見て、ドラゴンボールのセル編で完全体のセルがスーパーサイヤ人2に覚醒したご飯の強さに衝撃を受けている時の台詞が思い浮かびました。

「し・・・信じられん・・・!!こ・・・こんなヤツがこの世に存在するとは・・・。このわたしのパワーが か・・・完全に負けている・・・」



格調高き椿屋オリジナルブレンドコーヒー、一杯930円。
これはどう考えても最初は砂糖もミルクも入れずに飲むべきだろうと思い、ブラックでそのまま飲んでみました。

「し・・・信じられん・・・!!こ・・・こんなコーヒーがこの世に存在するとは・・・。ドトールやスタバやエクセルシオールのコーヒーが か・・・完全に負けている・・・」

ブラックで飲むのが苦手な私が問題なく飲めるくらい、上品な味わいでした
やはり値段が高めなだけあって「コーヒー」にこだわっているのがよく分かる、かなりの美味しさでした
これは完全体のセルも驚愕します。
まあ何だかんだでドトールやスターバックスやエクセルシオールもお気に入りですけどね(笑)
本格的な珈琲店で一息つきたい時と、気軽に立ち寄れるカフェでコーヒーでも飲みながら読書をしたい時と、その時々の心境で行きたいお店は変わります。
ちなみに椿屋オリジナルブレンドコーヒー、ケーキセットなら少しお得になります。

「珈琲シフォン」は、スポンジにフォークを入れるとジュワッジュワッという音がしました。
それだけ生地にスポンジ性があるということですね。
コーヒークリームは程よい甘さで、甘さの中にかすかにコーヒーの苦さもありました。
このコーヒークリームが昔どこかで食べた味に似ているような気がして、ちょっと懐かしくなりました。

というわけで「椿屋珈琲店 上野茶廊」、コーヒーが抜群に美味しくてとても良いお店だなと思いました。
また機会があれば行ってみたいと思います

クリスマスが今年もやってくる

2014-12-24 22:43:18 | ウェブ日記



クリスマスが今年もやって来る~
悲しかった出来事を 消し去るように

毎年12月になるとテレビのCMで流れるこの音楽。
ケンタッキー・フライドチキンのクリスマスCMソ­ング­で、竹内まりやさんの「すてきなホリデイ」という曲です。
動画の3:30くらいからがちょうどCMの音楽の部分です。

毎年このCMソングを聴くと「ああ、今年ももうクリスマスの時期なんだな」と思います
引っ越してからは部屋にテレビがない状態になっているのですが、毎年CMソングで「クリスマスが今年もやって来る~」のフレーズを聴いていたのですっかり憶えてしまいました^^
「悲しかった出来事を 消し去るように」が印象的で、昨年や今年はこのフレーズが特に身に染みます。

私的にクリスマスは夏至や冬至と同じで、そこに向かっている時が最も盛り上がります。
気分的にはクリスマスイブが最高潮です
クリスマス当日は穏やかな心境で過ごすことが多いですね。

もうすぐクリスマスイブが終わり、クリスマスになります
子ども達は朝起きたらサンタさんからのプレゼントがあって喜ぶことでしょう
今年もクリスマスがやって来てくれて、気持ちが明るくなりました

「わたしがいなかった街で」柴崎友香

2014-12-23 23:15:46 | 小説
今回ご紹介するのは「わたしがいなかった街で」(著:柴崎友香)です。

-----内容-----
離婚して1年、夫と暮らしていたマンションから引っ越した36歳の砂羽。
昼は契約社員として働く砂羽は、夜毎、戦争や紛争のドキュメンタリーを見続ける。
凄惨な映像の中で、怯え、逃げ惑う人々。
何故そこにいるのが、わたしではなくて彼らなのか。
サラエヴォで、大阪、広島、東京で、わたしは誰かが生きた場所を生きている―。
生の確かさと不可思議さを描き、世界の希望に到達する傑作。

-----感想-----
物語の主人公は平尾砂羽(さわ)。
錦糸町から世田谷区の若林というところに引っ越してきました。
作品内の時期は2010年。
東京に出てきてからは世田谷区若林のアパート一階に三年、墨田区太平のマンションの七階に五年住んでいたとのことです。
「そこから、ここへ」という表現が印象的でした。
以前住んでいた場所が「そこ」で、今居る場所は「ここ」です。
27歳まで大阪の街で暮らしていたともあり、この大阪と世田谷区のことから、主人公は柴崎友香さん自身のことが反映されているなと思いました。

砂羽は健吾という人と結婚していましたが、相手の浮気が発覚して離婚になりました。
その後一年ほどそのまま錦糸町の部屋に住み続けてずるずると時間が流れていき、今はようやく心機一転して新生活が始まったところです。
「とにかくなにをするのも面倒」「引っ越しにまつわる手間を考えることさえも億劫」とあり、これはそうだろうなと思います。
しばらくは喪失感から何もする気にならなかったのだと思います。

砂羽には有子という友人がいて、引っ越し後の荷物整理を手伝ってくれていました。
もう一人、中井という友人もいて、こちらは大阪弁を話す大阪在住の人です。

中井との会話の中で、葛井(くずい)という人のことが出てきます。
砂羽と中井と葛井は11年前の1999年、大阪の本町で開催されていた写真のワークショップで知り合いました。
現在の年齢は砂羽36歳に対し中井は38歳、クズイ31歳です。
その後、中井とは連絡を取ったりしていましたが、葛井とは一度も交流がありませんでした。
そのクズイが5、6年前から外国に行ったきり帰ってこなくて行方不明になっていると、中井から聞かされます。
中井は大阪城でたまたまクズイの妹と会ってそのことを聞いていました。
中井には街中で全く知らない人にもどんどん気軽に話しかけるという特徴があり、その話しかけた相手がクズイの妹だったというわけです。
このクズイの妹も物語のもう一人の主人公として途中から登場することになります。

それと砂羽はiPhoneで海野十三(うんのじゅうざ)という作家の日記の電子書籍を読んでいて、この日記の内容が時折物語に登場します。
1945年、終戦の年の春からの日記が断片的に登場していました。
砂羽は戦争や紛争のドキュメンタリー番組を録画したものもよく見ていて、そういうのに興味があるようです。
ユーゴスラヴィアの内戦や第二次世界対戦の空襲のことも出てきていました。

日々の中にあることが、ばらばらに外れてきた。
長い間そうだったが、このところ特にまとまらない感じがする。
人と話したり家にいたりテレビを見たり電車に乗ったり、勤務先でパソコンに向かって文字と数字を入力したり電話を受けたり、それから先週のことやおととしのことやもっと前のことを思い出したり、そういうことが自分の一日の中に存在するのは確かだが、それらが全体として現在の「自分の生活」と把握できるような形に組み上がっていなくて、ただ個々の要素のまま、行き当たりばったりに現れ、離れ、ごみのようにそこらじゅうに転がっている。

ここの文章は印象的でした。
それぞれのことをこなしてはいても、「心ここにあらず」のような状態で、地に足が着かない状態で日々を過ごしているのだと思います。

大阪に居る中井から電話がかかってきてそちらの様子が色々伝えられたりもします。
中井は大阪城公園によく行っていて、まるで自分の庭のようになっています。
公園内を縦横無尽に歩き、次々と色々な人に声をかけている様子を見ていると、私もこの公園を歩いてみたくなりました。

砂羽の10年前の回想の中で、「テルミン」というのが出てきて、何なのか気になりました。
調べてみたら1919年にロシアの発明家レフ・セルゲーエヴィチ・テルミンが発明した世界初の電子楽器とのことです。
また、祖父の死の時の回想では音戸(おんど)大橋というのが出てきました。
これは広島県呉市の本土と倉橋島(旧安芸郡音戸町)を結ぶ道路橋です。
祖父は1945年の6月まで広島市の中心部の、原子爆弾の投下目標だったその橋の近くにあったホテルでコックをしていたとのことです。
祖父が爆心地に居たかも知れないと知った時に砂羽が考えていたことは興味深かったです。
「祖父も祖母も死ぬ、祖父は死んで、祖母と母は生き残る、呉の空襲に遭う、母は生き残って成長するがわたしの父と出会わない、偶然がそのどれかを選んでいた場合、わたしはいなかった。別の誰かが、わたしの代わりに存在していたかもしれない」と考えていました。
私も似たようなことを考えたことがあります。
私の祖父は兵隊として太平洋戦争に行っていて、幸い生きて帰ってきました。
ただし紙一重で死にそうな展開になったこともあり、もし死んでいたら私も存在しなかったんだなと思いました。

砂羽は人と話すのが苦手で上手く話せません。
砂羽と同じく契約社員で年が一回り下の加藤美奈は明るくノリの良いタイプなので話すのにも苦労しなくて済みますが、他の人が相手だとどう話していいのか分からず、苦労している様子が描かれていました。

中井が言っていた以下のことも興味深かったです。
「ときどきおれが働かんと暮らしてること、なんか自由な生き方みたいにおもしろがる人おるけど、そういう人はたいがい自分は生活安定してるからな。インテリのジャーナリストみたいなやつらでギャルとかホームレスとかに勝手にファンタジー見いだす人っておるやる。現代社会の歪みの中のナントカって。まあ、珍獣見て癒される的な感じちゃうの」
たしかに、自由な生き方だと面白がる人が自分もやってみるかというと、まずやらないですね。
あくまで自分は安全圏から見ていたいという話で、そこを痛烈に皮肉っています。

物語が進んでいくと、クズイの妹、葛井夏が登場します。
物語の語りも葛井夏になり、もう一人の主人公のようになっていきます。
中井とミスタードーナツで待ち合わせて話していた時、「いちびり」という言葉が出てきました。
これはふざけまわる人、お調子者、出しゃばりといった意味の大阪弁です。
柴崎友香さんの他の作品では「いちびる」という言葉が出てきたこともあったと思います。
こちらは「いちびり」が動詞になった形です。
柴崎さんの作品には知らない言葉がよく出てきて面白いなと思います

中井と葛井夏が話している時、隣の席に座っている女の人が、筆書きの漢数字が並んだ表のようなものを開いていました。
夏はそれが気になってちらちらと見ていました。
その視線に気付いた中井はためらうことなく話しかけて「すいません、あのー、それってなんですか?」と聞いていました。
これが中井の凄いところで、夏は「そうか、気になったら聞けばいいのか」と中井の行動に感心していました。
ちなみに女の人が見ていたのは箏曲(そうきょく)の楽譜でした。
ちょうど先日、生田流箏曲演奏家、吉永真奈さんのコンサート「雪月花」を見に行っていたのでちょっと馴染みがあります。
このリンク先の記事の写真を見ると楽譜があるのが分かると思います。

砂羽が降りて歩いていた「世田谷線の終点の駅」というのも気になりました。
世田谷線を調べてみると「東京都世田谷区の三軒茶屋駅と下高井戸駅を結ぶ東京急行電鉄(東急)の路線」とあり、終点は下高井戸駅とのことでした。

一心寺というお寺も興味深かったです。
砂羽はここに母と墓参りに行ったのですが、ここには墓ではなく、遺骨で作った仏像があります。
10年ごとに収められた十数万人分の骨を砕いて固めた仏像が七体あります。
本来はあと六体あったものの、空襲の時に焼けたとのことです。
人の骨を砕いて固めて作った仏像のあるお寺があるとは知りませんでした。

まだ名前のないスカイツリーも登場していました。
作品内では工事中で、半分ほどの高さまで伸びてきていました。

ちょっと怖いなと思ったのが、髪型についての意見。
砂羽の隣の部屋に住んでいる女の人が砂羽の部屋を訪ねてきたことがあったのですが、その女の人の髪型を見て砂羽は「前髪をきっちり揃えたショートボブという、自分のことをかわいいと思っている女しかやらない髪型だった」と心の中で思っていました。
私は前髪をきっちり揃えたショートボブは可愛らしくて良いのではと思うのですが、同じ女の人から見るとこう見えることもあるのかと思いました

日常の物語ではありますが、読んでいてすごく面白い作品でした。
物語の中心には行方不明のクズイがいます。
クズイを中心に話が回っている印象を受けました。
そして砂羽はかなり色々なことを考えていて、その考えを読むのが面白いです。
色々考えているからこそ物語に厚みが出て、作品の面白さにつながっているのではと思いました。


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朔旦冬至

2014-12-22 21:24:11 | ウェブ日記
今日12月22日は冬至。
一年で最も昼間の時間が短い日です。
そして今年は19年に一度の「朔旦(さくたん)冬至」でもあります。

朔旦冬至とは新月の日と冬至の日が重なる年の冬至のことです。
もともと新月の日は月が新たに生まれる日で縁起が良いと考えられていて、さらに冬至の日もこの日を境に日が長くなることから太陽の復活の日であり、縁起が良いと考えられています
つまり朔旦冬至はダブルで縁起が良く、「ものすごく縁起が良い」というわけです。

そんな19年ぶりのものすごく縁起が良い日、せっかくなので今年は冬至らしいものを食べてみることにしました。
夕飯はかぼちゃコロッケと、コンニャク、にんじん、だいこんの入ったけんちん汁をメニューに入れました。
ほかにはとんかつとコーンサラダです。
かぼちゃを食べると風邪を引かず、コンニャクは一年の間にたまった煩悩の砂を洗い流してくれるとのことです。
ちなみに冬至の日は「ん」の付く食べ物を食べると運気がアップするらしく、よく見ると今日の夕飯には「ん」の付く食べ物が揃っていました
運気がアップして幸運を呼び込めたら良いなと思います

冬の朝日

2014-12-21 12:02:36 | ウェブ日記
私は毎朝6時半頃に起きます。
起きた時、白いカーテン越しに東の空がオレンジ色になっているのが見えます。
この時、空はまだ薄暗く、太陽は出てきていません。

そして身支度をして、7時半の少し前になった頃、部屋に朝日が差し込んできます
カーテン越しに差し込んでくるこの朝日が私は好きです。
夏の日差しとはまた違う柔らかな眩しさです。
朝日が差し込んでくるのを見ると何となく心も晴れやかになります
朝の冷え込みに震える中でも気持ちは暖かくなりますね^^
外を見ると空もすっかり澄んだ青空に変わっています。

冬の晴れた朝は雲のほとんどない澄んだ青空になることが多いので、そんな日は外を歩く時も明るい気分になれます。
一年で最も寒さの厳しい時期が近付きつつありますが、柔らかな朝日と澄んだ青空がこの時期の楽しみです