今年最初の小説レビューとなります。
今回ご紹介するのは「聖夜」(著:佐藤多佳子)です。
-----内容-----
少し早い、俺たちだけの聖夜。
そのオルガンは、特別な音で鳴った。
18歳の少年が奏でる、感動の音楽青春小説。
-----感想-----
※「聖夜」の再読感想記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
この作品は「音楽小説」です
高校三年生の主人公・鳴海一哉がオルガン部で活動していく中でぶつかる困難や両親との心のわだかまりなどを描いています。
一般に漫画では、「音楽漫画は成功しずらい」と言われています。
理由は単純で、「音が聞こえないから」。
なので、そういった意味でこの作品はどうなのだろうと思って読み始めたところ。。。これが予想以上に面白く、サクサクと読めました^^
音楽用語は分からなくても、物語は十分楽しめました。
文体がさっぱりしているのも作品タイトルに合っている気がして良かったです
鳴海の母親は鳴海が小学5年のときにドイツ人と駆け落ちして家を出ていってしまい、それがトラウマとなって鳴海はひねくれてしまいました。
オルガン部に所属している鳴海は部長を務めているのですが、後輩から何か聞かれたときにも素直ではない言動が目立っていました。
そのオルガン部、文化祭で部員それぞれが何か曲を弾こうということになります。
鳴海が選んだのはオリヴィエ・メシアンの『「主の降誕」から「神はわれらのうちに」』という曲。
ここが音楽小説の特徴的なところで、こういった曲の名前が出てきます。
しかし私はその方面は素人なので、どんな曲なのかは見当がつきません。
それでもその辺は分からなくても問題はなく、きっとすごい曲なんだろうと思いながら読んでいきました。
Youtubeで探してもそれらしいのが見つからなかったですし、「神はわれらのうちに」がどんな曲なのかは謎のままです。
鳴海は文化祭での演奏に向けてこの曲と向き合っていくのですが、この曲を理解しようとすると母親のトラウマが脳裏をよぎり、なかなか上手くいきません。
「神はわれらのうちに」は、かつて母親が弾いていた曲でもあったのです。
結局文化祭には、真に曲と向き合ってはいないものの表面上は弾ける状態で望むことになるのですが…
ここでまさかの事態がおきます。
たしかに鳴海はひねくれた性格ではあるのですが、あの展開は予想外でしたね。
意図的に周りを困らせるようなことをするのは、心の寂しさから来るのかなと思いました。
そんなこともあり、文化祭におけるオルガン部は散々な結果になりましたが、ここから鳴海の心にも変化が起きます。
深井という音楽の趣味の合う友達も出来て、それまでずっとひねくれていた鳴海が少し素直になった気がします。
「神はわれらのうちに」も、もっと深く向き合おうと決心し、そしてタイトルにある「聖夜」へと向かっていきます
鳴海が万感の思いを込めた演奏が、最後は物語を優しく彩ってくれたかなと思います
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
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今回ご紹介するのは「聖夜」(著:佐藤多佳子)です。
-----内容-----
少し早い、俺たちだけの聖夜。
そのオルガンは、特別な音で鳴った。
18歳の少年が奏でる、感動の音楽青春小説。
-----感想-----
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この作品は「音楽小説」です
高校三年生の主人公・鳴海一哉がオルガン部で活動していく中でぶつかる困難や両親との心のわだかまりなどを描いています。
一般に漫画では、「音楽漫画は成功しずらい」と言われています。
理由は単純で、「音が聞こえないから」。
なので、そういった意味でこの作品はどうなのだろうと思って読み始めたところ。。。これが予想以上に面白く、サクサクと読めました^^
音楽用語は分からなくても、物語は十分楽しめました。
文体がさっぱりしているのも作品タイトルに合っている気がして良かったです
鳴海の母親は鳴海が小学5年のときにドイツ人と駆け落ちして家を出ていってしまい、それがトラウマとなって鳴海はひねくれてしまいました。
オルガン部に所属している鳴海は部長を務めているのですが、後輩から何か聞かれたときにも素直ではない言動が目立っていました。
そのオルガン部、文化祭で部員それぞれが何か曲を弾こうということになります。
鳴海が選んだのはオリヴィエ・メシアンの『「主の降誕」から「神はわれらのうちに」』という曲。
ここが音楽小説の特徴的なところで、こういった曲の名前が出てきます。
しかし私はその方面は素人なので、どんな曲なのかは見当がつきません。
それでもその辺は分からなくても問題はなく、きっとすごい曲なんだろうと思いながら読んでいきました。
Youtubeで探してもそれらしいのが見つからなかったですし、「神はわれらのうちに」がどんな曲なのかは謎のままです。
鳴海は文化祭での演奏に向けてこの曲と向き合っていくのですが、この曲を理解しようとすると母親のトラウマが脳裏をよぎり、なかなか上手くいきません。
「神はわれらのうちに」は、かつて母親が弾いていた曲でもあったのです。
結局文化祭には、真に曲と向き合ってはいないものの表面上は弾ける状態で望むことになるのですが…
ここでまさかの事態がおきます。
たしかに鳴海はひねくれた性格ではあるのですが、あの展開は予想外でしたね。
意図的に周りを困らせるようなことをするのは、心の寂しさから来るのかなと思いました。
そんなこともあり、文化祭におけるオルガン部は散々な結果になりましたが、ここから鳴海の心にも変化が起きます。
深井という音楽の趣味の合う友達も出来て、それまでずっとひねくれていた鳴海が少し素直になった気がします。
「神はわれらのうちに」も、もっと深く向き合おうと決心し、そしてタイトルにある「聖夜」へと向かっていきます
鳴海が万感の思いを込めた演奏が、最後は物語を優しく彩ってくれたかなと思います
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「一瞬の風になれ」が有名なので、「青春小説」イメージが強いです
この作品も、高校のオルガン部が舞台ということなので、主人公の成長物語なんだなあ~とは思うものの。。。オルガン部って。。。めずらしい感じがしました
その「神はわれらのうちに」は私も知らない曲ですが。。。きっと聖夜にピッタリの曲なんだろうなあと思います 曲がわかればイメージもふくらみますよね 調べてみたい。。。&読んでみたい作品です
本屋大賞を受賞したので気になっています^^
オルガン部、私も初めて聞きました。
個人個人で練習することもあれば、みんなで集まって他の人の演奏を聴くこともあるようです。
「神はわれらのうちに」は気になるところですね。
いつか聴いてみたいと思います
寒いですね~。でもお天気がよいので、気分は悪くはないですが(^ー^)
これ、私も先日読みました。
すっぽかすという展開は意外でした^^
はまかぜさんと同じく、you-tubeで色々調べてみたものの、どんな曲なのかわからず・・・
知っていたのは、主よ人の望みよ喜びよ、だけでした。この曲は有名で好きです。
ほんと、寒い日が続いていますね。
私はとうとう風邪をひいてしまいました^^;
やはりあの展開は意外でしたよね。
「神はわれらのうちに」は、latifaさんも探してみたのですね。
作品を読んだ限りとても難しい曲のようですし、どんな感じなのか気になるところです。