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エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会

2019-01-11 23:31:18 | コンサート、演奏会


昨年の12月8日、「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」を聴きにエリザベト音楽大学のセシリアホールに行きました。
フルートの専攻生達がオーケストラを形成していて、今回は30回記念で歴代の専攻生達も出演し大規模な編成になりました。
通常のフルートのほかにアルトフルート、バスフルート、コントラバスフルートが登場し、アルト、バス、コントラバスとなるにつれて大きさが大きくなっていきます。
フルートがヴァイオリン、アルトフルートがヴィオラ、バスフルートがチェロ、コントラバスフルートがコントラバスに該当し、フルートでヴァイオリン属の楽器四種類のように凄く高い音から凄く低い音まで網羅してオーケストラを形成していたのがとても興味深かったです


-------------------- エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会 --------------------



1.「オラトリオ「ソロモン」HWV67より「シバの女王の入城」」 (G.F.ヘンデル)

1曲目はフルートオーケストラのメンバー13人で演奏しました。
明るい雰囲気の演奏で始まり楽しそうな曲でした。
手前の二人だけで吹く時と全員で吹く時がありました。



2.「5本のフルートのための協奏曲 ロ短調 Op.15 No.4」 (J.B.ボワモルティエ)
第1楽章 アダージョ 第2楽章 アレグロ 第3楽章 アレグロ



演奏前のチューニング(一斉に音を鳴らして音程を調節すること)の様子です。







このコンサートは昨年11月7日の「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」でチラシを配っていたコンサートのうちの一つです。
写真一番左はその時に演奏されていた善村早紀さん、同じく写真前列右から二人目は佐田晴菜さんです。




指揮の万代恵子さんが右手を構えたところです。




第一楽章は悲しい始まりで、向かって右側のうちの二人が演奏していました。
続いて左側のうちの二人が演奏し、こちらも悲しげでした。
そして全体での演奏になり、やはり悲しげでした。
また左側と右側が交互に呼応するように演奏する場面がありました。




第二楽章は速めの演奏で始まりました。
第一楽章より明るくなりましたが少し寂しげでもありました。
最後は風が吹くようなメロディで終わりました。







第三楽章は明るくなります。
左側のフルートが音色をリードして右側のフルートが続く場面がありました。
かなりリズミカルなのが印象的でした。
「タンタンタンタタン」が何度も続いて音階も変わっていった時の雰囲気が良かったです



3.「アンダンテとロンド Op.25」 (A.F.ドップラー)
Flute solo 1st 熊谷美保 2nd 宮本美佐穂



ソリスト(ソロ演奏者)の二人はエリザベト音楽大学の卒業生です。




穏やかな演奏で始まりました。
宮本美佐穂さん(写真左)が演奏し、その演奏をフルートオーケストラが支えます。
熊谷美保さん(写真右)が続いて二人で演奏し、それをバックが支えます。
この形での演奏が何度か続きました。




速い演奏になった場面があり、二人のソリストの吹き方が強くなりました。
「ピーロロロー」と強く吹いていてどこか寂しさも感じる音色でした。
やがてとても穏やかな演奏になり、安らぐ音色でした。







一度演奏が止まったので楽章が変わったのだと思います。
次は速い中に悲しさも感じる音色の演奏で始まりました。
やがて明るい音色になり、楽しそうで華やかさがありました






4.「小組曲」 (C.ドビュッシー)
第1楽章〈小舟にて〉 第2楽章〈行列〉 第3楽章〈メヌエット〉 第4楽章〈バレエ〉



第一楽章はフワフワとした始まりで、ワクワクする音色でした。
そして穏やかで、時折強く吹いてもいました。
いくつもの音があるので奥深かったです。




第二楽章は明るい始まりでずっと明るい楽章でした。
強く吹いて迫力が出る場面もありました。




第三楽章は穏やかな雰囲気の演奏で始まりました。
低音のフルートが音を厚くして、ドラマチックな音色になっていました
かなり穏やかでさらにドラマチックな音色が続くのがとても良かったです




第四楽章はスキップしているかのような始まりでした。
右側のフルートがメインのメロディを吹き、左側のフルートが短く音を出して音の土台を作っている場面がありました。
やがて速い演奏で明るい雰囲気になりました。








4曲目の後、5曲目の準備をしている間にソリスト二人へのインタビューがありました。

大学時代に印象的だったことという質問で、熊谷美保さんは大学3年でソウルで演奏したこと、宮本美佐穂さんは大学1年時にフルートオーケストラ創設者の大代啓二さんが一番怖い時代だったことと答えていました。
また二人は二年前までフルートオーケストラの指揮、指導をしていたとのことです。



5.「動物の謝肉祭」 (C.サン=サーンス)
Piano solo 1st 若狭南美 2nd 藤岡真子
ナレーション 松浦美音



歴代のフルートオーケストラ同窓生が登場し、一気に人数が増えました。




ピアノソリストが二人登場し、こちらは大学四年生の若狭南美さんです。




こちらは大学二年生の藤岡真子さんです。




チューニングは筆頭格の演奏者が指揮を執ることから、何度か指揮を執っていたこの方はかなりの実力者なのではと思います。




この曲は「ナレーションの後に少し演奏」が繰り返される面白い曲でした。
そういった形の曲は初めて聴きました。




第1曲〈ライオンの威風堂々たる行進〉

ピアノがリズミカルに演奏していました。
フルートも全体で演奏し、重厚感がありました。
ピアノもフルートも派手で迫力ある演奏になったのが印象的でした。


第2曲〈めんどりとおんどり〉
第3曲〈ロバ〉

〈ロバは〉はあっという間に過ぎ去るような凄く速いピアノで、ピアノの演奏のみで終わりました。




第4曲〈カメ〉

ナレーションでは「カメのおじいさん」という言葉があり、若狭南美さんは静かめに演奏し、藤岡真子さんは穏やかさの中に重厚感のある演奏をしていました。


第5曲〈象〉
第6曲〈カンガルー〉

〈象〉はピアノもフルートも重厚感があり、〈カンガルー〉は穏やかな演奏でした。




第7曲〈水族館〉

寂しげな演奏で始まり、ピアノの音がどんどん下がっていく場面がありました。


第8曲〈耳の長い人物〉

ナレーションでは「ラバの酔っ払い」という言葉があり、不穏な演奏で始まりました。
凄く高い音と凄く低い音の差が印象的でした。




第9曲〈森の奥のカッコウ〉

暗い森のような音(低い音)とカッコウの音(フルートの高い音)が印象的でした。


第10曲〈大きな鳥かご〉

ナレーションでは「鳥のお母さん達」という言葉がありました。
一人のフルート奏者が立ち上がって演奏を始め、とても速い演奏でした。
ピアノも続き、リズミカルで高めの音が印象的でした。




第11曲〈ピアニスト〉

ピアノの二人が力強い演奏をし、この曲はピアノの練習をしている様子を表現しているとのことです。


第12曲〈化石〉

ナレーションでは「マンモスの骨」という言葉があり、
とても賑やかな演奏で始まりました。
力強く、ずっと明るい曲でした。




第13曲〈白鳥〉

ナレーションでは「白鳥の王女」と言っていて、フルートとピアノの穏やかな演奏が印象的でとても安らぐ音色でした




第14曲〈フィナーレ〉

ナレーションの「生き物はみな、それぞれの命を生きる」という言葉が胸に染み込んできました。
良い言葉だと思いました。

ピアノもフルートも凄く速い演奏で、フルートは短い音をずっと出していてピアノは迫力がありました。





「動物の謝肉祭」の演奏後、フルートオーケストラ創設者の大代啓二さんの挨拶がありました。




そして大代啓二さんの指揮でアンコール曲「小夜曲(セレナーデ)」(モーツァルト)の演奏になりました。


「エリザベト音楽大学 フルートオーケストラ 第30回記念演奏会」、素晴らしい演奏会でした。
フルートでオーケストラを形成できるのが驚きでした。
30年前に大代啓二さんによって旗挙げしたフルートオーケストラが今日まで続き、大勢の人が聴きに来る演奏会としてしっかり根付いているのは凄いことだと思います。
ぜひこの先もずっと続いていってほしいです



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出演者


顧問/指揮/指導 万代恵子


フルート・ピッコロ
久都内愛(院2) 佐藤香菜(4) 初本みなみ(3)
浦田奈々(2) 山形志歩(2) 福田侑季乃(1) 網本彩音(1)


アルトフルート
善村早紀(院1) 梶井美那(4) 織田かれん(1)


バスフルート(C管)
佐田晴菜(院2) 飯盛麻帆(2)


コントラバスフルート
朴美瑛(院2)


フルートオーケストラ同窓生
赤木由紀 石澤千賀 五十川佳子 稲葉由紀 大代啓二
大野良枝 大橋香織 川本真利江 熊谷美保 佐古萌
下田薫 ジェラルド・ハシント 菅敬子 瀬村香里 竹下直美
谷川ひかる 谷口千穂 俵山紗織 寺田葉月 徳永千寿
長門昌世 中村睦子 西川恵 西本由香里 根石照久
根来梨恵 野村亜理佐 花田彩夏 浜田珠希 日高愛
平野美恵 藤井智子 堀江絹子 松浦美音 松浦伸枝
宮原律 宮本美佐穂 森陽子 山本紫 和崎聖子


フルートソリスト
熊谷美保 宮本美佐穂


ピアノソリスト
若狭南美(4) 藤岡真子(2)
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若狭南美さん出演のコンサート、演奏会
エリザベト音楽大学 「Trio Riviere ~トリオ リヴィエール~」コンサート
若狭南美さん 卒業記念ピアノリサイタル
エリザベト音楽大学 2018年度卒業演奏会
島村楽器広島パルコ店 バイオリン弾き比べコンサート


※「コンサート、演奏会記事一覧」をご覧になる方はこちらをどうぞ。
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