読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

横浜オクトーバーフェスト

2012-04-30 19:42:55 | ウェブ日記


この三連休の初日に行った横浜みなとみらい。
赤レンガ倉庫では「横浜オクトーバーフェスト」というドイツビールのイベントが開催されていました
私はあまり飲まないので中には入りませんでしたが、会場から結構離れた場所でも歓声が聞こえてくるほど中は盛り上がっているようでした



会場内の様子はこんな感じです。
かなりの人がいますね。
ビール好きの人が大集合といった感じでしょうか^^



日本のビール産業の発祥の地である横浜では2003年から「横浜オクトーバーフェスト」が開催されているとのことです。
そして今年は記念すべき10周年
そんなわけで例年は10月に開催されているこのイベントを、10周年の今年はゴールデンウィークにも開催となったようです。
どうもオクトーバーなのにゴールデンウィークに開催?と思ったのですが、10周年と聞いて納得しました。
5月6日まで開催しているので、ビール好きの方は機会があれば行ってみてください
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LEGEND OF THE SEAS(レジェンド・オブ・ザ・シーズ)

2012-04-29 20:39:57 | ウェブ日記
昨日は横浜みなとみらいに行ってきました。
汽車道から赤レンガ倉庫、大さん橋、山下公園というお馴染みの散歩ルートを歩いていた時、大さん橋に豪華客船が停泊しているのが目に留まりました。
それが今回ご紹介するLEGEND OF THE SEAS(レジェンド・オブ・ザ・シーズ)です。


当初は山下公園からこの豪華客船を見ていたのですが、近くにいたおじさんから話しかけられてこの船について話しているうちに、次第に興味が増してきました。
そこで大さん橋国際客船ターミナルまで行って間近で見てみようと思いました。
まずこちらの写真はレジェンド・オブ・ザ・シーズの船尾まで行って撮ったものです。
よく見るとクルーの人がこちらを見ています^^


ネットで調べてみたら、レジェンド・オブ・ザ・シーズはどうやらアメリカの船とのことです。


レジェンド・オブ・ザ・シーズなので、日本語にすると「海の伝説」となります。
何だかいかにもな名前ですね^^


客室数もかなりありそうだし、だいぶ大きな客船という印象を受けました。


ところで客船の船尾には望遠鏡のようなものがあったのですが、近くにいた子供がお父さんに
「あれ大砲じゃないの!?」
と聞いていたのがなかなか面白かったです(笑)
たぶんこれは漫画「ONE PIECE」の影響だと思います。
海賊船や軍艦がたくさん出てきますしね。
お父さんは笑いながら「軍艦じゃないんだからそんなの付いてないよ」と言っていました。


こちらは船頭から撮った写真です。
こうして見るとやはり大きな船だなと思います。
「飛鳥Ⅱ」より一回り大きい感じがしますね。
普段は見かけない船を見ることができてラッキーだったと思います
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第145回天皇賞(春) まさかの結末!!

2012-04-29 18:05:00 | スポーツ
先ほど行われた第145回天皇賞(春)(京都競馬場、芝3200m、GⅠ、18頭)の結果は以下のとおりです。

1着 ビートブラック
2着 トーセンジョーダン
3着 ウインバリアシオン
4着 ジャガーメイル
5着 ギュスターヴクライ

11着 オルフェーヴル

というわけで、単勝1.3倍の断然の一番人気に支持されたオルフェーヴルがまさかの大惨敗
勝ったのは単勝14番人気の大穴ビートブラックでした
この結果は本当に驚きです。
ビートブラックは2番手追走から2周目の3コーナーで先頭に立ち、そのまま最後の直線でも後続の追い上げを振り切っての優勝です。
勝ちタイムは3分13秒8。
ディープインパクトが持つレコードタイム3分13秒4に0.4秒差に迫る優秀なタイムでした。
2着トーセンジョーダンに4馬身の差をつけていて、この馬がこんな激走をするとは思わず本当に驚かされました。

一方、オルフェーヴルはスタートしてから後方に下げ、道中は後方3番手でじっと待機。
これは前走の阪神大賞典での暴走を意識してのことだと思います。
ひとまず折り合いはついているように見えました。
しかしここでレース展開が思いもよらぬ形になります。
先頭を走るゴールデンハインドとビートブラックが後続を大きく引き離して逃げる形になったのです。
この2頭と3番手を走るナムラクレセントとの差が約10馬身。
そこから後続までの差がさらに約10馬身。
オルフェーヴルがいる後方3番手から先頭までの差は20馬身以上あったと思います。
これには私が見ていたウインズ銀座のお客さんからもどよめきが起こりました。
あんなに離れていて届くのかとみんな心配になったのだと思います。
それでも抜けた実力を持つ昨年の三冠+有馬記念を勝った馬、きっと勝ってくれるはずだと思っていました。
しかし。。。
2周目の坂の下り、直線手前の最終コーナーで池添騎手の手が妙にグイグイと動いているのを見て嫌な予感がしました。
手応えが悪いように見えて、これはもしかしてやばいのか?と心配になりました。
そして最後の直線、カメラが切り替わったとき、一層お客さんからどよめきが上がることになりました。
この時点で先頭はビートブラックで、オルフェーヴルはかなり後方、そして大外に持ち出していました。
さらにここから驚いたのが、オルフェーヴルが全く伸びなかったこと。
とても三冠全てを勝った馬とは思えないような感じで、これには見ていて絶句することになりました
そのまま見せ場のないままゴールイン。
まさかまさかの11着という結果になりました。

後方でうまく折り合っていたはずなのに最終コーナーで手応えが悪く見えたことから考えると、馬の気持ちに問題があるような気がします。
前走の阪神大賞典の暴走から歯車が狂ってしまった感じですね。
ひとまず本来の実力はこんな惨敗をするような馬ではないので、もう一度しっかりと立て直してほしいと思います。
この敗戦で凱旋門賞挑戦も白紙になるかも知れませんが、今はそれより本来の強いオルフェーヴルの姿を取り戻してもらうことが先決です。
これで終わるような馬ではないですし、もし宝塚記念に出てくるようなら再び期待したいと思います。
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改札にて

2012-04-28 22:04:51 | ウェブ日記



というわけで、今日から三連休です
初日の今日は横浜みなとみらいに出掛けてきました。
大さん橋で「LEGEND OF THE SEAS」という初めて見る豪華客船に遭遇したりと、なかなか面白いものを見られました
後でそれらの記事を書こうと思います。

そんな中、今日最後に印象的だったのが、駅の改札でのこと。
みなとみらいでの散策を終え、夕ご飯に寄りたいお店があったので隣駅の横浜駅に移動して改札を出ようとしたときのことでした。
私の前にいたおばさんが切符を改札に入れ、ほぼ改札を出ていくところだったので私もSUICAを当てました。
しかし次の瞬間
おばさんが急に立ち止まり、切符が出てこないことに焦って改札の中で色々動き回り始めたのです
私は呆気にとられ、その場で立ち往生することになりました。
既にSUICAを改札に当てているため、この場を離れるわけにもいきません。
おばさんは完全にパニック状態で、改札を行ったり来たりしていました。
私はこの時、ある懸念が頭に浮かんでいました。
SUICAを当ててからこれだけ時間が経ってしまうと、もしかして改札を通過できなくなってしまうのではないか?
ましてこのおばさんは改札の中で行ったり来たりしている、誤動作でおかしくなっているかも知れない。。。
そうなると駅員さんに事情を説明して改札を出られるようにしてもらわなければいけないなと思ったりしていました。
とその時、おばさんの旦那さんが戻ってきて「何やってるんだ!」と声をかけてきました。
旦那さんが怒り気味におばさんを連れていき、その場は一件落着。
私は恐る恐る改札を歩いてみたら無事に通過することができ、ホッと一安心しました。

どうやらこのおばさんは改札の「出口」を「入り口」と勘違いしていたらしく、切符が出てこないことに焦ってパニックになったようです。
出口なので当然切符は出てきません。
私は当初このおばさんが何をしたいのかさっぱり分からず、呆気に取られていました。
しかし戻ってきた旦那さんが「出口なんだから出てくるわけないでしょ!」と怒っている声が聞こえてきて察しがつきました。
なるほどそういうことかと。

この出来事で思ったのは、人間がパニックになるとどうにもならないということと、目の前で謎の行動をされるとこちらも呆気に取られることがあるということです。
おばさんはほんと、相当焦っていて必死だったのだと思います。
私も無事に改札を出られるかの懸念は頭に浮かんだものの、このおばさんが「出口」を「入り口」と勘違いしているだけということには考えが回りませんでした。
とにかくおばさんの謎の行動が理解できず、呆気に取られていましたね
なので次にそんな場面に遭遇したらこちらもすぐに察しをつけて、「ここは出口なので大丈夫ですよ」と声をかけてあげるようにしたいなと思います。
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いよいよゴールデンウィーク!

2012-04-27 23:11:34 | ウェブ日記
いよいよ明日からゴールデンウィークですね♪
今年は最大9連休の人もいると思います。
私はまず明日から3連休で、その後2日間は会社に行き、その後は4連休となります。
9連休ならとても嬉しいのですが、まあ仕方ありませんね(^_^;)

みなさんはゴールデンウィーク中はどこかに出かけるのでしょうか。
私はひとまず後半の4連休は実家に帰省しようと思います。
なので東京にいる間に出かけるとしたら明日からの3連休です。
天気的にも明日、明後日は晴れるようなので、どこか出かけたいところだなと思います。
散歩しながら初夏の雰囲気の写真を撮るのも良さそうです(^_^)
というわけでまずはゴールデンウィーク前半の3連休、楽しんで過ごしたいと思います♪
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小沢氏、無罪判決

2012-04-26 22:36:11 | ウェブ日記
今日、陸山会事件を巡って強制起訴されていた民主党の小沢氏に対して無罪判決が言い渡されました。
ただその判決内容は「黒に近いけど、確実ではないので無罪」という感じのようです
とはいえ一応「無罪」となったことで、小沢氏の陣営は勢い付いているとのこと。
そうなるとほぼ間違いなく「消費税政局」に小沢氏陣営も強く乗り出してくることになると思います。

以前「消費税政局」の記事で書いたように、現在野田総理がやろうとしていることは2009年の衆議院選挙の前に民主党が言っていたことと明らかに違っています。
あの時消費税について「4年間は議論の必要さえない」と言っておきながら、今は上げる気満々で議論しています。
小沢氏や小沢氏に近い人達はこの強引な消費税増税に反発していて、無罪判決が出た以上反発を強めてくるのは必至の情勢です。

そこで野田総理がどう対応するかですが、ここはやはり強引な消費税増税を改め、慎重になるべきだと思います。
今の野田総理は消費税増税を急ぐあまり、国民のほうを見ていないように見えます。
国民無視で消費税増税に突き進んでいくのは納得いかないし、民主党が2009年衆議院選挙の前に言っていたことと今やっていることが全然違うことについて、国民に対してきちんと説明すべきです。
「国民の生活が第一」「国民のみなさんが主役の政治」
あの選挙の前にしきりにアピールしていたこれらの言葉について、野田総理をはじめ民主党の方々はよく考えてほしいと思います。
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初夏

2012-04-25 22:30:55 | ウェブ日記
昨日の東京は初夏の陽気となりました
最高気温も25度近くまで上がり、昨日の朝はこの春初めてとなる薄着で家を出ました。
薄着でも駅に向かって歩いていて寒いとは感じなかったし、いよいよ初夏を意識する時期になってきたなと思います。
気付けばデザートにアイスを食べるようにもなってきました。

私が意識する初夏は青空の下に新緑が生い茂り、道行く人も春より少し薄着になり颯爽と歩いている感じです。
昨年のこの時期に行った明治神宮で、まさに初夏の雰囲気を感じることが出来ました。
以下にその時のフォトチャンネルをご紹介します。



この時の明治神宮は本当に初夏の雰囲気に満ち溢れていて、私が今までに見た中で最高に良い雰囲気になっていました
青空に映える生き生きとした新緑が最高です
今年もまたこの素晴らしい景色を見てみたいなと思います
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野田総理、TPP交渉への参加表明の見送りを決定

2012-04-24 22:24:51 | ウェブ日記
野田総理が環太平洋経済連携協定(TPP)をめぐり、30日の日米首脳会談での交渉参加表明を見送る方針を固めたとのことです。
アメリカとの事前協議が難航していることに加え、民主党内に根強い反対論があるのが理由とのことです。

これは見送りを決定してくれて良かったと思います。
今のまま拙速にTPPに突き進んでいくのは日本にとってプラスになるとは思えないです。
そのあたり、以下の動画に興味深い議論があるのでご紹介します。

2011.11.11 参議院予算委員会でのTPP集中審議


この動画は以前「TPPを巡る報道」という記事でご紹介していますが、今回はその時とは違う箇所に焦点を当ててみます。
注目してほしいのは、動画の28:30頃から登場するパネルについてです。
このパネルは「TPP」と「ASEAN+6」等の他の貿易協定を比較したもので、パネル下部の日本のグラフを見ると、TPPよりASEAN+6のほうが経済押し上げ効果が高いのが分かります。
この点、野田総理から国民に対して詳しい説明がないんですよね。
なぜわざわざ経済押し上げ効果が低く、さらにISD条項という厄介な問題のあるTPPに入ろうとするのか。
TPPにおいて、何か「ASEAN+6」以上に素晴らしいメリットがあるのならそれを国民に説明してほしいです。
今のまま、詳しい説明を避けてTPPに進んでいくのは日本の国益上望ましくないのではないかなと思います。
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「かわいそうだね?」綿矢りさ

2012-04-22 21:08:26 | 小説
今回ご紹介するのは「かわいそうだね?」(著:綿矢りさ)です。

-----内容-----
同情は美しい、それとも卑しい?
美人の親友のこと、本当に好き?
彼氏が元カノを居候させだしたり、美人の親友にいつも隣に並ばれたり、女ってほんとに厄介。
デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな”女子”の世界!
誰もが心に押し込めている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。

-----感想-----
やはり綿矢さんの小説は、読み手の心を揺らしてくるなと思います。
グラグラというよりはズドンッ!と強烈に打ち込んでくる感じで、読んでいてとても動揺することがあります。
しかし不思議と読む手は止まらず、どんどん作品に引き込まれていく、そんな感じです。

まずは表題作の「かわいそうだね?」について。
主人公は樹理恵という28歳の百貨店の服飾ブランドで働く女性です。
彼女には隆大(りゅうだい)という彼氏がいるのですが。。。
なんとこの隆大が、とある事情により元彼女であるアキヨを隆大の家に居候させると言い出したのです
当然樹理恵はこれに猛反発。
隆大と樹理恵は喧嘩になります。

「いや、愛しているのはもちろん君だけ。アキヨを愛しているわけではないけれど、あいつはいま、俺しか頼れる人間がいない。おかしなことを言ってると分かってる。けど、ごめん」
「理由はどうであれ、私は元彼女を自分の家に居候させようとしている男性とは、これ以上付き合えない」
「おれがアキヨを助けるのをどうしても許せないのなら、申し訳ないけれど、おれは樹理恵と別れる」

こんな感じで、険悪ムードの話し合いが行われたのですが、最後は樹理恵が折れて、居候を認めることになりました。
これは彼氏の家に元彼女が居候していることで思い悩む、樹理恵の心の葛藤を描いた物語。
本当に心の迷い、怒り、時としてアキヨへの同情などの「揺れ動く気持ち」が丁寧に描かれていて、読んでいて私も一緒にムカッとしたり切なくなったりしました。
そんな男とは別れてしまえば良いのにと職場の後輩からアドバイスされたりもしましたが、これがそうもいかないようです。
樹理恵は隆大のことが好きで、上の会話では「これ以上付き合えない」と突き放したものの、どうしても別れるという決断は出来ませんでした。
別れるくらいなら…と妥協する形で居候を認めた樹理恵の弱さにリアリティがありました。

にしてもこの隆大という男は決して悪い男ではなく性格も良いのですが、とんでもない決断をしたものだなと思います。
こちらも思い悩んだ末に、元彼女を居候させるという結論になったようです。
何というか、性格の良さが裏目に出た決断のように思います。
どうしても見捨てられなかったようですが、現彼女の気持ちを考えるとこの決断は大問題ですね

この作品の見せ場はやはり、隆大の家に乗り込んでの修羅場ですね。
恋愛の葛藤を描いた展開だからいずれそうなるんだろうなと思いました。
この修羅場は結構怖くてページを捲るのが躊躇われました
樹理恵が強い決意を持って隆大の家の前にやって来た場面など、この次のページから愛憎劇が始まるのかと怖くなりました。
とても張り詰めた空気で、読んでいるほうもドキドキしました。
問題の居候している「アキヨ」、この女もかなりの曲者でしたね。
最後は樹理恵の怒りが大爆発です。
衝撃の修羅場で怖い展開なのですが、綿矢さんの文章は「読ませる」力があるので、かなり興味深く読んでいくことができました。
主要登場人物3人それぞれの駄目な部分が描き出されていて、なかなか生々しい心の迷いや駆け引きのある物語だったなと思います。


続いて、「亜美ちゃんは美人」という作品。
私が強烈に引き込まれたのはこちらの作品でした。
心の機敏を丁寧に細かく捉えていて、まるで「蹴りたい背中」を初めて読んだときのような、ものすごく心に訴えてくるものがありました。
これは素晴らしい良作だと思います

さかきちゃんは美人。でも亜美ちゃんはもっと美人。さかきちゃんは目を閉じて心のなかでつぶやく。亜美、たぶん私、あなたのことがきらいだよ。

さかきちゃんと亜美ちゃんという、二人の女の子を中心に進んでいく物語。
冒頭の舞台は高校の入学式。
式のとき、さかきちゃんのすぐ前に亜美ちゃんがいて、その亜美ちゃんが話しかけてきたのをきっかけに、友達になっていった二人。
さかきちゃんは美人だけれど、亜美ちゃんはもっと美人。
亜美ちゃんと並んでいると、注目を集めるのはいつも亜美ちゃんで、さかきちゃんは霞んでしまいます。
さかきちゃんはそんな亜美ちゃんのことが嫉ましく、好きになれません。
でも亜美ちゃんのほうはさかきちゃんが大好きで、他のどの友達よりも、さかきちゃんのことを大事に思っています。
この二人の「温度差」がとても印象的で心に迫るものがありました。
亜美ちゃんに話しかけられてもどこかそっけないところがあるさかきちゃんに対して、常に嬉しそうにさかきちゃんに話しかけていく亜美ちゃん。
亜美ちゃんに悪気はないのだけれど、さかきちゃんは複雑な心境なんだよ。。。
友達というより、「友達を演じている」に近い状態なのではと思いました。

そんな二人が、ついにやっと本当の「友達」になれたのは、大学生になってからでした。
二人は別々の大学に進んだものの、さかきちゃんのことが大好きな亜美ちゃんは、さかきちゃんの大学にやってきて一緒のサークルに入ろうとしました。
大学のサークルではそういうことも可能なようです。
ここでも亜美ちゃんのことが疎ましかったさかきちゃんですが、仕方なく、一緒に山岳同好会に入ることにしました。
さかきちゃんの心境に転機が訪れたのは、大学二年生の夏休み、山岳同好会のみんなで霧が峰に登ったときのこと。
ここでさかきちゃんは同好会の先輩から呼び出され、告白を受けます。
その直後、さかきちゃんは自分の気持ちの変化に気付きました。

あ、そうか、と自分の気持ちの変化に気づいて、さかきちゃんは恥ずかしくなった。
自分自身が満たされれば、亜美への嫉妬もなくなるんだ。

これは醜い、醜いんだけれど、でもそのとおりです。
自分が満たされたことで、ようやく嫉妬の気持ちから開放されたさかきちゃん。
さかきちゃんと先輩が恋人になったことを涙を流して感激してくれた亜美ちゃんの描写を見たとき、私はさかきちゃんが嫉妬の気持ちから開放されていて本当に良かったと思いました。
せっかく喜んでくれているのに、「この女…」と嫉妬の気持ちがあって疎ましく思われたままでは、あまりに切ないではないですか。

ついに本当の友達、親友になった二人の最後の舞台は、社会人になってからです。
なんとここでは予想外にも、亜美ちゃんの人生に暗い影が待っていました。
およそ亜美ちゃんには似つかわしくない、とんでもなく悪そうな男に惚れてしまい、しかも結婚まで考えていて、それまで歩んできた人生とは全く違う方向に行こうとしていました。
しかもその男、とても乱暴な態度とぞんざいな言葉使いで、とても亜美ちゃんのことを好きそうには見えないのです。
なぜ亜美ちゃんはそんな男に惚れてしまったのか?
親友として二人の結婚を止めるべきではないのか?
高校の友達や大学の友達と話し合いながら、さかきちゃんは考えます。
最後の展開は読んでいて胸が苦しかったですが、でも圧倒的に引き込まれる物語で、一行一行切迫した心境で読んでいきました。
本当に綿矢さんの文章は、心を揺らします。

きっとあれで良かったんだろうと思います。
さかきちゃんは親友として亜美ちゃんのために考え、そしてある場面で全てを悟り、答えを出しました。
高校時代は嫉妬心から亜美ちゃんのことが疎ましかったさかきちゃんが、最後は大好きになってくれていたのが、私はとても嬉しかったです


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ひとまず危機回避

2012-04-21 20:24:47 | ウェブ日記
20日に閣議決定が噂されていた人権救済機関設置法案。
昨日がその20日だったのですが、閣議決定されることはなく、どうやら見送られることになったようです。
ひとまず危機回避となり、本当に良かったです。

今回閣議決定が見送られたのはメール、FAX、電話等で法案への抗議が殺到したこと、それから昨日は前田国交相、田中防衛相の二人の大臣への問責決議案の提出があったこと、この二つが影響しているのではと思います。
特に問責決議案が可決された影響は大きく、しばらくは人権救済機関設置法案の閣議決定どころではないかも知れませんね。

とはいえ油断はできません。
諦めずに虎視眈々と法案成立を狙っているでしょうから、引き続き民主党の動きをよく見ていたほうが良さそうです。
菅直人前総理が退陣の直前に駆け込みで朝鮮学校無償化の指示を出したように、民主党とは「そういう政党」なのです。
これを忘れてはいけません。
人権救済機関設置法案も成立を諦めるはずがなく、政権与党でいる限り必ず成立を狙いに来ます。

人権救済機関設置法案、この名前だけ聞くともっともらしい法案のように聞こえますが、その実態は紛れもない「言論弾圧法案」。
日本を中国や北朝鮮のような言論弾圧国家にしないためにも、法案成立には断固反対します。
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