読書日和

お気に入りの小説やマンガをご紹介。
好きな小説は青春もの。
日々のできごとやフォトギャラリーなどもお届けします。

「三月」大島真寿美

2017-12-30 23:39:16 | 小説


今回ご紹介するのは「三月」(著:大島真寿美)です。

-----内容-----
平穏で地味に見えても、それだけですむ人生なんてない。
同窓会の案内がきっかけで二十年ぶりに連絡を取り合った六人の女性。
犬と暮らす失業中の領子、娘との関係に悩む明子、元恋人の死に夫が関わっていたのではと疑う穂乃香……
深い感動が胸を打つ、終わりと始まりの物語。

-----感想-----
「モモといっしょ」
領子に則江(あだ名はノン)から電話がかかってくるところから物語が始まります。
則江は領子に「同窓会に行ってきて」と言い、領子は「なぜ一緒に行こうよではなく行ってきてよなのか」と訝しがっていました。
領子達は40歳で、短大卒業後20年ぶりの同窓会が開催されることになりました。
電話の中で則江は旦那と上手くいっていないことを言いかけていて、どう上手くいっていないのか気になりました。

則江は最近森川雄士(ゆうし)の夢をよく見ています。
森川は領子達より二つ年上で短大時代に知り合った別大学の人で、領子達が短大を卒業して一年か二年した頃に自殺しています。
ただし則江は自殺ではなく殺されたのかも知れないと思っています。
当時領子達と仲の良かった穂乃香が森川と付き合っていたのですが、穂乃香は森川の死後栃田弘光という男と結婚していて、則江は穂乃香が森川、栃田と三角関係になり、森川が邪魔になって殺したのではと妄想めいたことを言っていました。

領子は編集の仕事をしていますが年明け早々の先々月、会社の倒産により職を失いました。
さらに彼氏とも6年前に別れています。
ただし失業していることも彼氏と別れたことも誰にも言わず、見栄を張っていました。
これは失業していることは特に誰にも言いたくないだろうと思います。
領子と則江は高校時代からの付き合いで、領子は電話をしているうちに則江には失業と失恋をしたことを打ち明けていました。
40歳になってもそんな友達がいるのは良いなと思います。

領子は森川のことだけでなく家庭のことでも思い悩む則江のために、則江の住む東北に行くことを決断します。


「不惑の窓辺」
語り手は明子です。
明子は征治という7歳上で石油会社の宣伝部に勤める人と結婚します。
その時征治には舞衣という小学四年生の娘がいて、明子は継母になります。

明子にはカンペーという2歳上の従兄弟がいます。
明子はカンペーのことが好きで、かつてはカンペーのお嫁さんになりたいと思っていました。
しかし弁護士になったカンペーは別の人と結婚してしまいます。

ある日明子は、中学生になった舞衣が電話で明子のことを「あいつ」と言っているのを聞いてしまいます。
明子はこの家族は危ういのではと思います。

そんな時、領子から電話があったのが二日前のことでした。
領子は則江が「森川雄士は本当は自殺ではなかったのではないか」と言っていたことを伝えます。
明子は「関係ないノンが引っ掻き回すことなのか」と言っていて、これはそのとおりだと思いました。
20年近くも経ってから自殺ではないのかもと騒がれても、遺族は困惑してしまいます。

また、森川はカンペーの友達とありました。
領子、則江、明子とつながっていった話の中で、段々と当時の友人関係が分かってきます。
そしてカンペーも森川は自殺ではないかも知れないと思っていたとあり驚きました。

明子はカンペーのことが好きでしたが、当時カンペーは小沼花と付き合っていました。
領子からの電話のことでカンペーに電話した明子は小沼花のことを思い出し、小沼花にも電話をかけます。


「花の影」
小沼花が語り手です。
神戸から短大に入学した花に最初に声をかけてくれたのが則江で、花は則江に感謝しています。

明子から電話がかかってきて、花は一緒にノンのところに行こうと誘われます。
領子が則江のところに行くことを決断してから、どんどん他の人へと話がつながっていくなと思いました。

カンペーの本名は成島寛一(かんいち)とあり、花はかつてカンペーのことが好きで、花が短大卒業後に地元の神戸に帰ってからしばらくの間二人は遠距離恋愛で付き合っていました。
やがて阪神淡路大震災が起こり、花の姉が亡くなってしまいます。
家も半壊して避難所に身を寄せる中、カンペーが東京から来て「東京での暮らしは何とかするから家族で東京に来て」と言いますが、花は「そんなに簡単に何とかなるものではない」と怒りカンペーを遠ざけます。
そして二人は別れてしまいました。
「震災によって顕わになった、弱さと未熟さが、花から寛一を遠ざけた。」とありました。
追い詰められた精神状態ではかけられた言葉に過剰反応して罵倒したりしてしまうことはあると思います。


「結晶」
語り手は穂乃香です。
穂乃香に則江から電話がかかってきます。

穂乃香は附属校からエスカレーターで短大に入りました。
現在は栃田弘光と結婚して広島に住んでいます。

則江が穂乃香も領子達と一緒に東北に来てと誘いますが、穂乃香は乗り気ではないです。
穂乃香は短大時代から社会人になってからの約三年間森川雄士と付き合っていました。
森川はプロのダンサーを目指しているため就職はしないと言っていました。
いずれアメリカにダンス修業をしに行くかも知れないとも言っていましたが実現する気配はありませんでした。
穂乃香は森川の発言を信じていませんでしたがしばらくは付き合うのを続けていて、傍目にはとても発言が信じられないような人物でも好きの気持ちがあるとすっぱり別れるのは難しいのだろうなと思います。

やがて穂乃香達の短大の同級生の美晴が短大卒業後、専門学校に通って英語を磨いてから演劇を学びに渡米します。
この美晴の渡米に、発言だけで実際に渡米する気配のなかった森川雄士は動揺します。

そして穂乃香は森川の死に夫の栃田が関わっているのではと思っています。
則江と電話をしているうちに、栃田と今のまま何も聞かずに暮らしているのは良くないと思い、森川自殺当時のことを聞く決心をします。
さらに穂乃香も領子達と則江のところに行くことにします。


「三月」
領子、則江、明子、花、穂乃香の5人が則江の住む東北で再会します。
語り手は則江で、夫の喜美彦、娘の亜美、奈美と暮らしているとありました。

則江は喜美彦に疑いがあります。
誠実そうな外見をしていますが喜美彦には別の面があると思っています。
そして口では子煩悩だと言いながら実際には子どもの面倒を見ないなどの日頃の言動から則江は喜美彦に失望し、家族とは何なのかと考えています。
やがて喜美彦の浮気が明らかになると、喜美彦は悪びれた様子もなく「浮気ではなく本気だ」と言っていました。

5人で話している時に花が言った「人生って何が起こるか分からない」という言葉は印象的でした。
順調に行くとは限らず、驚くようなことや呆然とするようなことが起きることがあります。


「遠くの涙」
語り手は見晴です。
夢を叶えて演劇を学ぶために渡米した見晴でしたが実際には現地の学校では全く上手く行かず挫折してしまいます。
見晴は渡米後則江とずっとメールで連絡を取り合っていて、演劇留学が上手く行き現在はニューヨークでフリーの演劇プロデューサーとして働いていると嘘のメールをしていました。
現在見晴は日本料理店の雇われマネージャーをしています。
見晴は見栄を張っていて、これは気持ちが分かりました。
自身の挫折はなかなか周りに言いたくないだろうと思います。

見晴が渡米すると森川から頻繁にエアメールが送られてくるようになり、たまに見晴も返信していました。
そして森川は自殺する直前にもエアメールを出していて、死後に見晴のもとに届きます。
届いたエアメールにはダンスで成功できない苦悩が書かれていて、その苦悩を見て見晴は自身の姿を重ねます。

話の後半、東日本大震災が起きアメリカにいる見晴は驚きみんなを心配します。
領子、則江、明子、花、穂乃香の5人が則江の住む東北で再会していた時に起きたので5人がどうなったのかとても気になりました。


「モモといっしょ」の冒頭で領子に則江から電話がかかってきてからどんどん話が広がっていきました。
徐々に短大時代のつながりが明らかになっていき、ついに則江のところに5人集まるという流れが良かったです。
私も40歳になっても友達で集まれたら良いなと思います。


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全日本フィギュアスケート選手権の結果に思うこと

2017-12-25 19:02:03 | ウェブ日記
昨日まで行われた全日本フィギュアスケート選手権で女子シングルは宮原知子選手、男子シングルは宇野昌磨選手が優勝しました。
それぞれ上位三人は次のとおりです。

女子
優勝 宮原知子(19)
2位  坂本花織(17)
3位  紀平梨花(15)年齢制限により五輪出場資格はなし

男子
優勝 宇野昌磨(20)
2位  田中刑事(23)
3位  無良崇人(26)

そして平昌オリンピックの代表は次のようになりました。

男子
宇野昌磨
田中刑事
羽生結弦

女子
宮原知子
坂本花織

2枠しかない女子の2人目を誰にするかが難航したようですが、今回の全日本で大活躍した坂本花織選手が選ばれました。
勢いがあるので期待したいと思います。

かつて「本田真凜選手が世界ジュニア選手権で優勝」の記事で取り上げた本田真凜選手(16)は7位と振るわず、オリンピック代表にはなれませんでした。
その本田真凜選手がかなりバッシングされているようなので、今回記事を書こうと思いました。

まず本田真凜選手は2016年の世界ジュニア選手権で優勝、今年の世界ジュニア選手権でも2位になり、頭角を現します。
オリンピックシーズンでもある2017~2018シーズンはシニア初挑戦の年で、本人もオリンピック代表の座を手にしたいと言っていました。

しかし時を同じくして、マスコミ、特にテレビによる過度な本田真凜選手特集が始まります。
シニアではまだこれといった実績を残していないのに、まるで当然オリンピックに出場できるだろうという感じの報道ぶりがまず反発を招いているようです。
そして他の強豪には触れずに本田真凜選手だけを取り上げる「ゴリ押し」も反発を招いているようです。

マスコミがゴリ押しで無理やりブームにしようとすると、現代はネットが発達して人々がすぐに繋がることができ、ゴリ押しもすぐに見破られるので、必ず反発を招きます。
マスコミ側の人達はこれを理解することができず、ゴリ押しによる無理やりなブーム作りに走ってしまっているように見えます。

加えて、本田真凜選手自身の「練習嫌い」という問題もあるようです。
濱田美栄コーチがこの練習嫌いに手を焼き、苦言を呈したりもしています。
これがマスコミのゴリ押しへの反発と合わさり、「大して練習もしないような選手をゴリ押しするなんてふざけるな!」となっているのだと思います。

ちなみに私は本田真凜選手を「実力もないのにゴリ押しされている選手」とは全く思っていなくて、確かな実力のある選手だと思います。
トリプルアクセル以外の5種類の3回転ジャンプを全て飛ぶことができ、表現力にも優れ、全体的にレベルの高い選手だと思います。
ただし練習嫌いが災いし、シニア初挑戦の今年はシニアの壁に跳ね返されてしまいました。

例えば今回の全日本で優勝した宮原知子選手は故障明けの今は別としても、元々凄く練習熱心な選手として知られています。
世界選手権でも表彰台に上がれる実力や、滅多に大崩れしない高い安定感は、日々のしっかりとした練習が支えています。

また全日本2位の坂本花織選手は、今年の世界ジュニア選手権で本田真凜選手が2位、坂本花織選手が3位で一緒に表彰台に上がっています。


写真はWikipediaより

加えて2016年の全日本フィギュアスケートジュニア選手権では優勝が坂本花織選手、3位が本田真凜選手で敗れています。
このことから本田真凜選手にとって坂本花織選手は実力的にそう差はなく、簡単に倒せるような相手ではないことが見て取れます。

さらに1学年下でまだジュニアの紀平梨花選手は、今回が初出場の全日本でトリプルアクセルを3回も飛んで全て成功させ、大いに大会を盛り上げ3位に入る大活躍をしました。
オリンピックシーズンの全日本での大活躍、年齢制限で五輪出場資格がないこと、そしてトリプルアクセルを飛ぶ姿に、2005年全日本フィギュアスケート選手権での浅田真央選手の姿が強烈に思い浮かびました。
演技を見るとトリプルアクセル以外も技術力、表現力ともに優れていて、今後が楽しみな選手です。

こういった強豪達がしっかりと練習をして全日本に臨んでくるのですから、コーチから練習嫌いに苦言を呈されている現状では、全日本で優勝してオリンピック代表の座をつかむのは厳しかったと思います。
それでも本田真凜選手はまだ16歳で、4年後でも20歳です。
時間はかかるかも知れませんがぜひ今回の敗戦から気持ちを切り替えて、4年後のオリンピックを目指していってほしいです。
全体的なレベルの高さに磨きをかけ、グランプリシリーズや全日本、世界選手権で活躍する姿を見てみたいです。
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第62回有馬記念

2017-12-24 17:43:00 | スポーツ
本日行われた競馬の第62回有馬記念、結果は次のとおりです。

1着 キタサンブラック  2分33秒6
2着 クイーンズリング  1馬身1/2
3着 シュヴァルグラン   ハナ
4着 スワーヴリチャード  クビ
5着 ルージュバック   1馬身1/4

というわけで、このレースが引退レースのキタサンブラックが見事有終の美を飾りました
引退レースでの堂々たる勝利、素晴らしいです。
今や押しも押されもせぬ競馬会のスターホースとなったキタサンブラック、最後までスターホースとしての存在感を発揮してくれました。

キタサンブラックはこれまでに2015年の菊花賞、2016年の天皇賞(春)、ジャパンカップ、2017年の大阪杯、天皇賞(春)、天皇賞(秋)の6つのGⅠレースを制していました。
そして今回の有馬記念制覇でGⅠ 7勝目となりました。
これはシンボリルドルフ、テイエムオペラオー、ディープインパクト、ウオッカ、ジェンティルドンナに並ぶJRA(日本中央競馬会)の史上最多タイ記録です
さらに有馬記念制覇によって通算獲得賞金が約18億7000万円になり、テイエムオペラオーの約18億3500万円を抜いて史上最高額になりました。
大きな故障もなく三年間走り続けこれだけの大活躍をし、まさに名馬だと思います。

私は今回の有馬記念、本命◎キタサンブラック、対抗〇スワーヴリチャードと予想していました。
スワーヴリチャードが3着以内に入れなかった時点でキタサンブラックとスワーヴリチャードを軸にした三連複を買っていた私の馬券は木っ端みじんでした
しかし見事キタサンブラックが有終の美を飾ってくれたので満足しています。

私がキタサンブラックを応援するようになったのは2015年の有馬記念からでした。
歌手の北島三郎さんが馬主をしていることでも知られ、菊花賞を勝った勢いで臨んだ有馬記念で3着に健闘していて、これは来年も活躍しそうだなと思いました。
迎えた翌年の天皇賞(春)はゴールデンウィークで実家に帰省した時にテレビで見ていて、大激戦の末ハナ差で見事勝利したのが凄く嬉しかったです

キタサンブラックがGⅠで勝つと、北島三郎さんが「まつり」を熱唱していました。
今年は体調不良によりGⅠ勝利時に歌うことはなかったですが、引退レースの今回は歌うことを示唆していたので、最後に見事勝利して歌うことになり良かったと思います。
人馬ともに、今まで競馬を見ていなかった層への競馬の普及に貢献していると思います。

最後に勝ってくれて本当に良かったです。
ゆっくり休んで、第二の馬生を歩んでほしいと思います。
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第62回有馬記念 予想

2017-12-23 22:08:00 | スポーツ
明日行われる競馬の第62回有馬記念。
グランプリ、ドリームレースとも呼ばれ、普段は競馬を見ない人も有馬記念では大勢の人が馬券を買い盛り上がることで知られています。
出走馬は次のとおりです。
  
                       斤量 騎手       前日単勝オッズ    
1枠1番 ヤマカツエース   牡5歳 57kg 池添        27.3  6番人気
1枠2番 キタサンブラック  牡5歳 57kg 武豊        1.8  1番人気
2枠3番 クイーンズリング  牝5歳 55kg ルメール      39.4  8番人気
2枠4番 ブレスジャーニー  牡3歳 55kg 三浦        52.1  11番人気
3枠5番 トーセンビクトリー 牝5歳 55kg 田辺       124.0  15番人気
3枠6番 サトノクロニクル  牡3歳 55kg 戸崎        59.0  12番人気
4枠7番 シャケトラ      牡4歳 57kg 福永       27.5  7番人気
4枠8番 レインボーライン  牡4歳 57kg 岩田        47.0  10番人気
5枠9番 サクラアンプルール 牡6歳 57kg 蛯名        64.7  13番人気
5枠10番 シュヴァルグラン   牡5歳 57kg ボウマン      7.2   3番人気
6枠11番 ルージュバック   牝5歳 55kg 北村        43.3  9番人気
6枠12番 サトノクラウン   牡5歳 57kg ムーア       10.7  4番人気
7枠13番 ミッキークイーン  牝5歳 55kg 浜中        19.0  5番人気
7枠14番 スワーヴリチャード 牡3歳 55kg Mデムーロ     5.0   2番人気
8枠15番 カレンミロティック  騸9歳 57kg 川田        160.5  16番人気
8枠16番 サウンズオブアース 牡6歳 57kg Cデムーロ    111.3  14番人気


注目は今回が引退レースとなるキタサンブラックです。
2015年の菊花賞、2016年の天皇賞(春)、ジャパンカップ、2017年の大阪杯、天皇賞(春)、天皇賞(秋)の6つのGⅠレースを制しています。
昨年は年度代表馬にも選出され、今や押しも押されもせぬ競馬会のスターホースとなりました。
歌手の北島三郎さんが馬主で、通常のGⅠ勝利馬よりもメディアに取り上げられることが多く、今まで競馬を見ていなかった層への競馬の普及にも貢献していると思います。

前走のジャパンカップでは3着に敗れていますが、この時は次走の有馬記念を見据えてか、軽めの調教で臨んでいました。
結果は1着シュバルグラン、2着レイデオロ、3着キタサンブラックでした。
しかし今回は強めの調教を積んでしっかり身体を作って臨んでいることから、有終の美を飾ると見てキタサンブラックを本命◎にします。

対抗○にはスワーヴリチャードです。
休み明け初戦でさらに古馬と初対決となったアルゼンチン共和国杯が圧巻の強さでの圧勝でした。
2分30秒0の優勝タイムも優秀です。
休み明け2戦目の有馬記念は上積みがあること、余裕のある中6週のローテーションに好感が持てること、順調に調教を積んでアルゼンチン共和国杯時よりさらに強くなっていそうなことから、3着以内に入る可能性が高いと予想します。

馬券はキタサンブラックとスワーヴリチャードを軸にした三連複を買ってみようと思います。
軸:2番キタサンブラック、14番スワーヴリチャード
相手:
1番ヤマカツエース 29.8倍   
4番ブレスジャーニー 108.3倍
6番サトノクロニクル 62.3倍
8番レインボーライン 48.9倍
10番シュヴァルグラン 6.5倍
12番サトノクラウン 15.4倍
13番ミッキークイーン 19.6倍

有馬記念は小回りのトリッキーなコースで、2着や3着にとんでもない人気薄の馬が突っ込んできて波乱の結果になることがよくあります。
なので3着以内の可能性が十分あるシュヴァルグラン、サトノクラウンに加え、突っ込んでくる展開があり得そうな馬を他に5頭選んでみました。
また、有馬記念といえば「世相馬券」なので、世相馬券も買ってみようと思います。
先日選ばれた今年の漢字が「北」なことから、2番キタ(北)サンブラック、11番ルージュバック(北村騎手騎乗)のワイド(15.6~17.5倍)にします。
もしこの8通りの買い方でどれが当たっても元を取れるようにするなら、オッズが低い三連複のシュヴァルグランとの組み合わせだけ他より多めに買う方法になるかと思います。

年末のドリームレースということで、多くの人がそれぞれの馬に夢を託して応援すると思います。
私的にはやはり2015年の有馬記念から応援するようになったキタサンブラックの有終の美が見たいです。
どんなレースになるのか、明日を楽しみにしています
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「スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」

2017-12-17 13:51:21 | 音楽・映画


今回ご紹介するのは映画「スター・ウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」です。

-----内容-----
世界的な人気を誇る『スター・ウォーズ』シリーズの新たな3部作の第2章。
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』後のストーリーが展開する。
『LOOPER/ルーパー』などのライアン・ジョンソンが監督と脚本を担当し、前作に引き続きデイジー・リドリー、ジョン・ボイエガやマーク・ハミルらが出演。
レイがルーク・スカイウォーカーから知らされる真実や、ダース・ベイダーになろうとするカイロ・レン、レジスタンスたちの新ミッションなど見どころ満載。(シネマトゥデイより)

-----感想-----
※「スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

昨日、映画「スターウォーズ エピソード8 最後のジェダイ」を観に行きました。
お昼過ぎに映画館に行ったのですが、昼間の時間帯のチケットは売り切れていて夕方の時間帯も残り少なく、改めて人気の高さを感じました。
開場前にはスターウォーズを見に来た人達の行列ができていました。

映画が始まり、壮大なオープニング音楽とともに銀河をバックに物語がどんな状況から始まるかの説明文が流れると、凄くワクワクした気持ちになりました。
エピソード8では銀河系の支配を狙う最高指導者スノーク率いるファースト・オーダーにレイア・オーガナ将軍率いるレジスタンス(反乱軍)が劣勢に立たされています。

冒頭の銀河を舞台にした艦艇、戦闘機入り乱れてのファースト・オーダー対レジスタンス(反乱軍)の撃ち合いのシーンが大迫力であっという間に物語に引き込まれていきました。
このシーンは「エピソード3 シスの復讐」の冒頭を思わせるものがあり、その迫力に凄くワクワクしました。
まるで自身が戦闘機に乗っているかのような臨場感があります。
この大迫力の撃ち合いからフィン達の重要任務の話やレイとルーク・スカイウォーカーの話に展開していく流れが美しく、ワクワクしながら見ていました。
「エピソード7 フォースの覚醒」で負った重傷から回復したフィンはローズというレジスタンスの整備士と知り合い、レジスタンスの命運がかかる重要任務のためにドロイドのBB‐8を連れて一緒に行動します。
カジノの国での緊迫感がありながらも時に笑いのある二人の立ち回りが面白かったです。
BB‐8も大活躍しました。

カイロ・レンはやはりレイのことを知っていました。
予想以上に詳しい生い立ちまで知っていたのが驚きでした。
「お前の両親のことも知っている」と言っていて、語られたレイの両親は予想外なものでした。
さらにレイもカイロ・レンの生い立ちを詳しく知っていました。
二人はフォースでつながり、別々の場所に居ても話せるようになっています。
なのでレイは話をするうちにカイロ・レンから直接聞いたり、フォースで感じ取ったりしながら生い立ちを知ったようです。
このフォースによるつながりはレイがカイロ・レンによってフォースの暗黒面(ダークサイド)に引き込まれてしまう気がして見ていてハラハラしました。

レイは伝説のジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーにフォースを教えてくれと頼みますが、最初ルークは断ります。
また、「レイアからの頼みです。ファースト・オーダーと戦うためにあなたの力が必要」と言っても「私はこの島で死を待つのみ」と言っていて、全く協力してくれる気配がなかったです。
なぜルークがこんなに頑なになってしまったのかとても気になりました。
それでもレイは諦めずに立ち去ろうとするルークについて行きます。

やがてルークから語られる、カイロ・レン(ルークの弟子の頃の名前はベン・ソロ)との間に何があったのかの真相は驚きのものでした。
かつて「エピソード3 シスの復讐」でオビ=ワン・ケノービがフォースの暗黒面に堕ちた弟子、アナキン・スカイウォーカー(ダースヴェイダー)を倒すと決意した時のような歴史が繰り返されました。
ルークはスノークによってフォースの暗黒面に引き込まれたベン・ソロの説得に失敗し、二人は訣別の時を迎えます。
ルークは「ベンの中に広がっていたフォースの暗黒面は想像を遥かに超えていた」と言っていました。
またレイのフォースの素質について「これほどの逸材は私が見た中で過去にただ一人、ベン・ソロだけ」と言っていて、やはりカイロ・レンは前作では精神不安定な印象がありましたがフォースの素質は抜群に高いのだなと思いました。

マスター・ヨーダの登場は嬉しかったです。
ルークの背後に緑色の小さな姿が浮かび上がった時心の中で「おお!」と歓声を上げました。
かなり年をとったルークのことを「若きスカイウォーカー」と言っていて、さすが約800歳まで生きたヨーダだと思いました。
ヨーダのひょうきんな言動が面白かったです。
ルークの島にあるジェダイの大切な書物を「カビ臭い書物など忘れてしまえ」と茶目っ気たっぷりに言っていて、少ない登場でしたが抜群の存在感でした。
そしてルークは自身が書物を燃やそうとしてヨーダに「ジェダイを終わらせる時が来たのです」と言っていたのに、いざ燃やそうとすると躊躇います。
さらに躊躇うルークを尻目にヨーダが燃やすと凄く慌てていて、本当はジェダイの何もかもを嫌いになったわけではないのだと思いました。
「レイの期待には応えられない」と弱気なルークにヨーダが「失敗も話してあげればそれで良い。失敗こそが重要」と言っていたのが印象的で、ジェダイとて完璧ではないのをヨーダはしっかりと受け止めているのだと思いました。

レイア率いるレジスタンスの幹部アミリン・ホルドはとても印象的でした。
意識不明の重体になったレイアの代わりにレジスタンスの指揮を取るのですが、ファースト・オーダーに対する戦い方が弱腰に見え、好戦的なエースパイロット、ポー・ダメロンは「もっとマシな指揮をしてくれ」といったことを言い不信感を募らせていました。
しかし弱腰と思われたホルドは最期が凄かったです。
まるで神風攻撃のようでした。
その最期は、この人は弱腰なのではなく常に味方を無駄死にさせずに生き残らせようとしているのを強烈に感じる場面でした。

カイロ・レンとレイ、そしてファースト・オーダーの最高指導者スノークの三者には意外な展開が待っていました。
そこからカイロ・レンとレイに新たな戦いが始まります。
カイロ・レンは「ジェダイもシスも反乱軍も全て滅びるべき」と言っていて全ての破滅を求めています。
レイは一時はカイロ・レンを説得しようとしましたが聞き入れてはくれず、放っておけば破滅をもたらすのは確実でもはや戦うしかないです。

ホルドの最期はレジスタンスの好戦的なエースパイロット、ポーの意識を変えます。
ルークとカイロ・レンの戦いになった時、「俺たちも行こう」と言うフィンに「違う、ルークは俺達を逃がそうとしてるんだ」と言い冷静に退却の判断をしていました。
レイアがポーに求めていたのがまさにこれです。
どんなに勇敢なパイロットでも味方の犠牲も厭わず突っ込んでいくのでは駄目で、指揮を取るには全体の戦局を見て時には退く勇気も必要ということだと思います。
冷静に退却を判断するのは今までのポーにはなかったことで、その姿を見てレイアもポーの成長を感じていました。
退却の際にレジスタンスのみんなが将軍であるレイアを見た時、「なぜ私を見るの?彼(ポー)に続いて」と言っていました。
この場面を見て「エピソード9」ではポーが次期将軍になっていそうな気がしました。
そして退く勇気を身につけたポーと対照的にフィンは命を捨てる覚悟でファースト・オーダーのキャノン砲を破壊するために特攻していきました。
ホルドの最期が強烈に思い出されるシーンでした。

ルークとカイロ・レンの戦いでカイロ・レンが勝ち誇って「レジスタンスはここで終わり。そしてジェダイもここで終わりだ」と言った時のルークの言葉が良かったです。
「素晴らしい。お前の言葉は”全て間違っている”。レジスタンスは今日新たに誕生する。そして俺は”最後のジェダイ”ではない」
若きレイをジェダイと認め未来を託す言葉でした。


今作は終始ファースト・オーダーに対しレジスタンスが劣勢で追い詰められていて、「エピソード5 帝国の逆襲」を思わせるものがありました。
そして物語は後半で大きく流れが変わりカイロ・レンとの新たな戦いになっていきます。
とても面白かったのでレイが次作でカイロ・レンとどう向き合うのか、物語がどんな結末になるのか注目しています。
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16年前の全盛期と現在の全盛期

2017-12-14 19:35:02 | ウェブ日記
「浜崎あゆみ surreal」youtubeより


近年、浜崎あゆみが全盛期が過ぎ落ちぶれたと揶揄されています。
なるほどたしかに、浜崎あゆみはとうに全盛期を過ぎています。
これはファンであってもなくても、2000年前後の全盛期を見たことのある人なら共通で思うことだと思います。

では今現在第一線で活躍している、全盛期を迎えている歌手やグループに、全盛期浜崎あゆみのような凄みを持つ人はいるのでしょうか。
私にはいないように見えます。
冒頭の動画は2001年のコンサートで「surreal」という曲を歌っている時のもので、物凄く鬼気迫る雰囲気があり凄味を感じます。
現在第一線で活躍している歌手やグループにこの凄味を感じることはないです。

私は浜崎あゆみの真骨頂は、人の心の暗い部分を歌詞に描き出すところにあると思います。
愛や恋について歌うこともありますが、私が当時引かれたのは断然こちらでした。

「居場所がなかった 見つからなかった 未来には期待できるのか分からずに」(A Song For XX)
「良い人って言われたって どうでも良い人みたい」(Boys&Girls)
「人は悲しいもの 人は悲しいものなの 人は嬉しいものだって それでも思ってて良いよね」(End roll )
「いくらどうでもいいなんて言ったって 道につまづけば両手付いてる 守ってる そんなものだから」(surreal)

歌姫と呼ばれ明るい雰囲気を持ちながらもこういった暗さでハッとさせるのがあゆの魅力であり凄さでした。
出会い、愛、恋だけ歌っているわけではありませんでした。
冒頭の「surreal」は16年も前の映像なのに、この後浜崎あゆみを超えるような凄味を持つ人が現れていないのはとても寂しいです。

たしかに浜崎あゆみは全盛期を過ぎましたが、人間なら誰しも衰えるものです。
そしてどんなに揶揄しても全盛期当時のことまでなかったことにはできないです。
私は衰えた人を揶揄するより、新しい世代から凄い人が出てきてくれたほうが楽しいです。
JPOPが勢いをなくしている近年、浜崎あゆみのような凄味を持つ人を待望しています。
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90年代後半~00年代初頭のJPOP音楽

2017-12-12 19:35:27 | ウェブ日記
「SPEED My Graduation」Youtubeより


昨日、SPEEDとモーニング娘を中心に90年代後半~00年代初頭のJPOP音楽を聴いていました。
いくつか動画を見ていくと、どの動画も「この時代の音楽は良かった。今とはレベルが違う」というような内容のコメントがあるのが印象的でした。

多くの人が言うように、当時の音楽は凄くハイレベルでした。
まず90年代後半はまだ小室ファミリーの全盛期が続いていた頃で、安室奈美恵、globe、華原朋美など歌唱力自体が高い人達がミリオンセラーを記録する大活躍をしていました。
今では考えられないことですが当時は同じ年にミリオンセラーがいくつも出ていました。
さらに97~98年頃になるとGLAY、SPEED、宇多田ヒカル、浜崎あゆみ、モーニング娘(この5つの勢力は全てがミリオンセラーを出しています)などが台頭します。
小室ファミリーに対抗してこれらの強豪がひしめき合っていたのがあの時代の真骨頂だと思います。
そして私の中学生時代はSPEEDの音楽とともにありました(高校時代は浜崎あゆみです)。

SPEEDの「White Love」、「My Graduation」、「ALIVE」などはまさしく神がかった良い曲だと思います。
歌唱力自体が高く、さらに四人揃った時に作り出される場の空気には引きつけられる魅力があり、これこそアーティストだと思います。
My Graduationの「人はいつか旅立つ 幼かった昨日の私にさよなら」や「あなたと過ごした青春 輝きはずっと色あせない」の部分は特に好きです。
こういった曲とともに10代を過ごせて良かったと思います。
当時は意識していませんでしたが、音楽的に物凄く良い時代を生きていたのだなと思います。
20年くらい経っても心に残り続ける音楽があって良かったです。
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「先生! 、、、好きになってもいいですか?」

2017-12-10 17:50:02 | 音楽・映画


今回ご紹介するのは映画「先生! 、、、好きになってもいいですか?」です。

-----内容-----
「俺物語!!」などで知られる人気漫画家・河原和音の大ヒット少女コミックを、生田斗真&広瀬すず共演で実写映画化。
「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「心が叫びたがってるんだ。」などのヒットアニメを手がけてきた岡田麿里が脚本を担当し、「僕等がいた」でも生田とタッグを組んだ三木孝浩監督がメガホンをとった。
弓道部に所属する女子高生・島田響は、クールで生真面目だが実は生徒への愛に溢れる世界史教師・伊藤貢作に恋をする。
生まれて初めて誰かを好きになった響は、伊藤に対し自分の気持ちを率直にぶつける。
伊藤はそんな彼女に惹かれながらも、教師という立場から一歩を踏み出せずにいたが……。(映画.comより)

-----感想-----
「鋼の錬金術師」を観た後、まだ時間があったのでもう1つ映画を観ようと思い、その日の上映一覧を見た時にこの作品が目に留まりました。
全くタイプの違う映画で、「鋼の錬金術師」がシリアスな展開が多いファンタジー映画なのに対し、こちらは高校を舞台にした恋愛青春映画です。



島田響(ひびき)が南高校に入学するところから物語が始まります。
響は河合浩介、千草恵と仲良くなり、部活は恵とともに弓道部に入ります。
私も高校時代は弓道部だったのでこれは親近感を持ちました。



弓道部での活動は響達が二年生の時代に詳しく描かれていました。
伊藤先生への想いで心に迷いがある時、的に矢が当たらなくなっていた描写は心情が凄くよく分かり、迷いのある状態では型も崩れ、矢も当たらないです。
自校の体育館が工事のため、一時的に南高校の弓道場を間借りしている北高校の弓道部部長、藤岡勇輔に心の迷いを見抜かれていました。



二年生になったある日、恵が関矢先生という人を好きになり下駄箱にラブレターを入れますが、何と間違って伊藤先生の下駄箱に入れてしまいます。
伊藤先生のことを毛嫌いしている恵は響にラブレターの奪還をお願いし、響が伊藤先生のところに取りに行きます。
これをきっかけに少しずつ、響は伊藤先生のことを意識するようになっていきます。



何気なく窓の外を見て伊藤先生がベンチで寝ているのを見つけたシーンでは、響のおっとりとした雰囲気がよく表れていると思いました。
そして広瀬すずさんは何かとお騒がせすることもありますが、やはり可愛らしいなと思います。
常に活発な恵と浩介に対し、響は「うん……」のようにおっとりとした受け答えをしていることが多いですが、たまに大胆な行動に出ることがあります。
この時は授業が始まっているのにベンチで寝ている伊藤先生を起こすため、2階から英語の辞書を投げつけていました。
お腹に命中して伊藤先生は起きましたが、後で辞書を響に渡した時、「お前な…当たりどころが悪かったら死んでたぞ」と言っていて、これはそのとおりだなと思います



高校を舞台にした恋愛青春映画なので、高校の敷地内、特に校舎内でのシーンが多かったです。
高校生が先生を好きになるのは、中学生の私が教育実習の先生を好きになったことがあるくらいなので、比較的よくあるのではと思います。
ただし教師と生徒という立場上、教師は特定の生徒に好意を持ってはならないとされています。
仮に両想いだったとしても、世間が許さずにバッシングする風潮があります。



伊藤先生役の生田斗真さんは今まであまり演技を見たことがなかったのですが、今回見て上手いと思いました。
静かで気だるげで、それでいてよく面倒を見てくれる一面もある伊藤先生の姿は、独特な「間」が漂っていて、響はそこに引きつけられたのかも知れないと思いました。
物語が進んでいくと響は伊藤先生に「好きになってもいいですか?」と想いをぶつけますが、伊藤先生は自身の「教師」という立場を理由になかなか振り向いてくれません。



この作品は恋愛青春映画らしく、誰かを好きになる人が多く、そして「告白」をする人が多いのが印象的でした。
浩介は美術の中島先生のことが好きで告白しますが、「子供には興味ない」と言われ相手にしてもらえません。
中島先生は伊藤先生のことが好きで告白しますが、断られてしまいます。
そんな時、伊藤先生が他の生徒よりも明らかに気にかけている響を見て嫉妬を燃え上がらせ、響と二人になった時を狙って強烈な言葉を浴びせます。
中島先生役の比嘉愛未さんは演技力が高かったです。
しゃべり出す前から響に嫌味を言うのが分かるくらい怖い雰囲気が出ていてゾッとしました

そんな中島先生に浩介が「響のこと、苛めないでやってくれませんかね?」と言う場面はとても印象的でした。
そして中島先生の嫌な一面を見ても依然として好きな気持ちが変わらず、なおも告白をしようとする姿を見て浩介は心の底から中島先生のことが好きなのだなと思いました。
この想いは成就してほしいと思いました。



文化祭で響達のクラスはウェディングの仮装をすることになり、男子はタキシード、女子はウェディングドレス姿になります。
この日は響と伊藤先生にとって運命が大きく変わる一日でもありました。



文化祭当日の屋上で、花嫁の仮装をした響が伊藤先生に「いつか結婚したいです」といった内容のことを言う場面があります。
私の右隣で見ていた若い女性グループが明らかにキャーキャー言いたいのを堪えながら観ているのが伝わってきて面白かったです。
記事内の一番最初の写真の真ん中の場面で、まさしくキャーキャーな場面でした。
そしてこの日を境に、「伊藤先生と2年の島田響が恋愛関係」という噂が先生にも生徒にも、学校中に広まってしまう事件が起き、二人は窮地に立たされます。
「教師と生徒が付き合ってはいけません」という「倫理」との、避けては通れない対決になったなと思いました。

全ての責任を一人で負い、高校を去ろうとする伊藤先生に浩介が「お前はこのままで良いのかよ。響の想いはどうなるんだ!」と熱いことを言っていました。
ふさぎ込んでしまった響に恵も「響はこのままで良いの?想いを伝えなきゃ!」と言っていました。
最後どうなるのかとても気になりました。


私は爽やかな青春小説が好きで、青春映画とも相性が良いようです。
今回は原作も知らず、全く前情報がないまま観てみたのですが楽しく観ることができました。
青春のきらめきは良いものだと改めて思いました
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「鋼の錬金術師」

2017-12-09 17:58:51 | 音楽・映画


今回ご紹介するのは映画「鋼の錬金術師」です。

-----内容-----
2001~10年に「月刊少年ガンガン」で連載され、テレビアニメ版も大ヒットを記録した荒川弘の人気コミック「鋼の錬金術師」を実写映画化。
物質の構成や形状を変化させて新たなものに作り変える「錬金術」が存在する世界。
幼い兄弟エドワードとアルフォンスは、死んだ母を生き返らせたい一心で錬金術最大の禁忌である人体錬成を行なうが失敗し、その代償としてエドワードは身体の一部を、アルフォンスは身体全てを失い鎧に魂を定着させた姿になってしまう。
数年後、国家錬金術師の資格を得たエドワードは、失った身体を取り戻すため、絶大な力を持つという「賢者の石」を探す旅に出る。
主人公エドワード役を実写版「暗殺教室」シリーズにも主演した「Hey! Say! JUMP」の山田涼介が務め、ヒロインのウィンリィ役を本田翼、エドワードたちの良き理解者である若き士官マスタング役をディーン・フジオカがそれぞれ演じる。
監督は「ピンポン」の曽利文彦。(映画.comより)

-----感想-----
「何かを得ようとするならそれと同等の代価が必要」これが錬金術の基本である「等価交換の法則」です。

エドワード・エルリックとアルフォンス・エルリックのエルリック兄弟は、幼くして母親を亡くしてしまいます。
父親は行方知れずで母親と三人で暮らしてきたエルリック兄弟にとって、母親の死は受け入れがたいものでした。
二人はもう一度母親に会いたい一心で、錬金術の禁忌「人体錬成」を行って母親を蘇らせようとします。



「水35L 炭素20kg アンモニア4L 石灰1.5kg リン400g 塩分250g 硝石100g 硫黄80g フッ素1.5g 鉄5g ケイ素3g その他少量の15の元素」
これが科学によって明らかになった、大人一人分として計算した場合の人体の構成成分です。
錬成陣を描き、陣の中に人体の材料を置き、いよいよ人体錬成を行おうとした時、弟のアルフォンスが「本には”絶対にやってはいけない”と書いてあったのに、大丈夫なのかな」と不安を漏らします。
しかし兄のエドワードは「大丈夫だよ。それに、もう一度母さんに会いたくないのか?」と言い、アルフォンスも「会いたい」と言い、二人はついに人体錬成に踏み切ります。

ところが、人体の材料を全て揃え「等価交換の法則」で成功すると思われた人体錬成は失敗してしまいます。
エドワードは精神世界のような場所で「真理」と呼ばれる存在と対峙し、人体錬成の代償として左足を奪われてしまいます。
さらにアルフォンスは体全部を奪われてしまいます。
「真理」との対峙から元の世界に戻ってきた時、エドワードは左足を失う重傷を負い、アルフォンスは存在自体がなくなっていました。
それだけの代償を払って錬成されたのは人の形をしていない不気味なものでした。
何としてもアルフォンスを取り戻そうとしたエドワードはもう一度「真理」と対峙しますが、取り戻せたのはアルフォンスの魂だけで、今度は右腕を奪われます。
右腕と左足を失い血まみれの状態で、エドワードは部屋にあった鎧にアルフォンスの魂を定着させます。
錬金術の禁忌「人体錬成」を行った代償はあまりに大きく、エドワードは右腕と左足を失い、アルフォンスは鎧の姿になってしまいます。

やがてエドワードは史上最年少の12歳で国家錬金術師の資格を取得し、アルフォンスとともに「賢者の石」を探す旅をするようになります。
賢者の石は「等価交換の法則」を無視してあらゆるものを作り出すことができる絶大な力を持っていて、エドワードはこの石の力を使ってアルフォンスの体を取り戻そうとしています。



映画の冒頭は山田涼介さん演じるエドワードが賢者の石を持つ悪徳神父を追いかけるところから始まります。
イタリアの街を舞台に撮影されたこのシーンはスピード感と迫力が印象的でした。
悪徳神父は賢者の石を使って次々と攻撃をしかけますが、人体錬成の禁忌を犯して「真理」と対峙した結果錬金陣無しでも錬金術が使えるようになったエドワードも果敢に応戦します。
劣勢になった時、二人を追いかけてきた鎧の姿のアルフォンスが助けてくれました。
エドワードはついに悪徳神父を捕まえますが、騒ぎを聞きつけた軍東方司令部の「焔(ほのお)の錬金術師」ロイ・マスタング大佐達が現れます。



ロイ・マスタング大佐はディーン・フジオカさん、リザ・ホークアイ中尉は蓮佛美沙子さんが演じていました。
エドワードは悪徳神父との戦いで街を破壊したことで連行され、マスタング大佐に説教されます。
佐藤隆太さん演じるマース・ヒューズ中佐、小日向文世さん演じるハクロ将軍も登場しました。
ヒューズ中佐はエルリック兄弟の良き理解者としての良い人の雰囲気が出ていてとても良かったです。
ハクロ将軍も良い人の雰囲気があり、アルフォンスの体を取り戻す手がかりになるかも知れない「ショウ・タッカー」という錬金術師のことを紹介してくれます。
しかしハクロ将軍には裏の顔がありました。
そして本田翼さん演じる幼馴染のウィンリィ・ロックベルもやってきて、悪徳神父との戦いで右腕の義肢、「機械鎧(オートメイル)」を壊してしまったエドワードに怒っていました。
ウィンリィは腕の立つオートメイル技師で、エドワードの右腕と左足のオートメイルを作っています。



エルリック兄弟とウィンリィは「綴命(ていめい)の錬金術師」ショウ・タッカーを訪ねます。
ショウ・タッカーは人語を話す合成獣(キメラ)の研究をしている国家錬金術師で、二年前に一度だけ人語を話すキメラを生み出すことに成功しています。
大泉洋さんが演じていて、かなり上手いと思いました。
キメラの合成がなかなか上手く行かず、このままでは国家錬金術師の資格が剥奪されるかも知れなくて困っている様子が上手く演じられていました。
ショウ・タッカーは二年前に奥さんに出て行かれ、現在は娘のニーナと犬のアレキサンダーと暮らしています。
一見良い人に見えますが、ショウ・タッカーも裏の顔があります。
原作の有名シーンの、エドワードに人語を話すキメラの真実を見破られた時の



「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」のセリフも聞くことができました。
国家錬金術師の資格を維持するため、人の道に外れた恐るべき錬金術を行っている真の姿がありました。



物語が進んでいくとともに、ホムンクルス(人造人間)と呼ばれる謎の存在がエドワード達の前に現れることになります。
左からグラトニー、ラスト、エンヴィーです。
悪役としての活躍が目立っていたのがラストで、かつて軍で賢者の石を生成していて現在は隠れて暮らしているドクター・マルコーを見つけ出して殺害したり、軍内部の恐るべき秘密に気づいたヒューズ中佐を襲撃したり(最後にとどめを刺したのはエンヴィー)、マスタング大佐に重傷を負わせたりしていました。
妖艶な雰囲気を漂わせた演技力が凄く高く、一体誰が演じているのかが気になりました。
そして映画の最後のエンドロールにラスト役は松雪泰子さんとあり、こういった役をやるイメージがなかったので驚きました。

映画の終盤はオリジナルの物語で、裏でホムンクルスと通じていたハクロ将軍がホムンクルスを裏切り、自らの野望のために賢者の石を使ったことで大混乱が起きます。
その混乱の中で、アルフォンスやホークアイ中尉に大混乱の足止めをしてもらっているうちにエドワードとマスタング大佐でホムンクルスと対決します。
ホムンクルスは賢者の石から作られた人造人間で、体内に核として賢者の石を持っています。
殺されても賢者の石の力ですぐに蘇る恐るべき人達です。
ホムンクルスとして登場した三人が誰によって生み出されたのか、どんな目的で動いているのかがほとんど描写されないまま物語が終わったので、もしかしたら続編を作るのかも知れないと思いました。


私は原作が好きですが、今回は原作度外視で事前情報がほとんどないまま、誰がどの役をやるのかも知らずに観に行きました。
原作度外視で観ると楽しめるかと思います。
もし続編を作るならラストが言っていた「鋼の坊やは大事な人柱候補だもの」の詳しい内容などが描かれると思うので、どんな描かれ方をするのか観てみたいと思います。
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