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エリザベト音楽大学、広島大学 JOINT CONCERT ~大学院修了前のフルート専攻生3人による~

2019-01-18 22:50:01 | コンサート、演奏会
昨年の12月21日、「JOINT CONCERT ~大学院修了前のフルート専攻生3人による~」を聴きに広島県広島市のエリザベト音楽大学のザビエルホールに行きました。
フルートの専攻生三人によるコンサートで、朴美瑛(ぱくみよん)さん、佐田晴菜さんはエリザベト音楽大学の大学院生、青木友里さんは広島大学の大学院生です。
このコンサートも昨年の11月7日に「エリザベト音楽大学 院生アンサンブル「ライツェント・グランツ」」でチラシを配って告知していたコンサートの一つで、特に佐田晴菜さんは私が昨年の秋からクラシック系のコンサートをよく聴くようになるきっかけとなった「一楽章f未完成 FLUTE VIOLIN CONCERT」で演奏されていた方なので今回のコンサートも聴いてみようと思いました。


1.Flute trio
 6つのソナタより 第3番 (J.B.db ボワモルティエ)



(写真左から朴美瑛さん、青木友里さん、佐田晴菜さん))

明るい曲で優しい音色でした。
先に青木友里さんが吹いて他の二人が続く場面がよくあり、その呼応の音色も優しく穏やかでした。

楽章が変わると少し曲調が変わり混沌を感じました。
最後の楽章では明るく陽気な雰囲気になり、踊っているようでした
短い音を弾むように吹いていました。



2.フルート・ソナタ (F.プーランク)(solo:佐田晴菜)
 


(青木友里さんと佐田晴菜さん)

一楽章
「ピーロローロロー」というメロディが印象的でした。
何度か登場し、荒野を眺めているような少し寂しさを感じる音色でした。

二楽章
悲しい雰囲気の演奏で始まりました。
フルートの高い音色に悲しさを感じました。
ピアノと呼応する場面があり、どちらも力強くそして悲しさもありました。

三楽章
凄く速い始まりでした。
フルートが短い音を力強く吹きます。
フルートもピアノも楽しそうで凄く引かれました
突然ゆったりとした演奏になる場面があり、緩急が印象的でした。



3.シンフォニッシェ・カンツォーネ (S.カーク=エラート)(solo:朴美瑛)



(朴美瑛さん)

この曲もピアノありの演奏でした。
低音から高音まで音の高低の動きが大きく、音の大きさも大小の変化が大きい曲でした。

凄く高い音で力強くなる場面があり、そこから今度は低音になります。
そして陽気な雰囲気になり、どんどん引かれるようになる曲でした。
またフルートだけになる場面もあり、音が踊っているようで上手かったです



4.Flute trio
 妖精の絵
 Ⅰ.ダフニスの嘆き Ⅱ.エルフの踊り Ⅲ.パンの森 Ⅳ.妖精たちの踊り (D.チェスノコフ)



演奏前に楽譜をめくっているところです。
演奏が始まる前のこの時間は独特な緊張感と静けさがあります。

「Ⅰ.ダフニスの嘆き」
少しもの悲しい始まりで高い音がとても綺麗でした。
佐田晴菜さんの高い音に他の二人が低い音で合わせる場面がありました。
やがて悲しい雰囲気になり音も弱めになりました。

「Ⅱ.エルフの踊り」
佐田晴菜さんがピッコロになり、他の二人はフルートでした。
ピッコロの音色がとても高くて弾んでいました。
フルートの二人はピッコロより低い音で合わせていました。
そして佐田晴菜さんがいつの間にかフルートに持ち替えていて、この持ち替えの速さに驚きました。
音色が優しく、高い音で穏やかでありながら弾んでいました。




(青木友里さん演奏前トーク中)

「Ⅲ.パンの森」
青木友里さんの独奏で始まり、朴美瑛さんが続きます。
佐田晴菜さんも続き三人での演奏になります。
これらをゆったりとした高い音を中心に演奏していました。
低い音からドレミファソラシドと音程が上がるのが何度も続く場面があり、反対に高い音からドシラソファミレと下がる場面もありました。

「Ⅳ.妖精たちの踊り」
佐田晴菜さんが再びピッコロになっていました。
他の二人はフワフワとした演奏をし、まるで泡のような雰囲気でした。
ピッコロの高い音との対比になっていました。
またピッコロは高い音が力強く踊っていて、ピッコロにはそういった音色がとてもよく似合う気がします。



5.Flute duo + Piano
 アンダンテとロンド (F.ドップラー)



(佐田晴菜さんと朴美瑛さん)

ピアノ伴奏がありました。
明るく力強く始まり、「ピーロロロロー」の速い演奏が何度も登場したのが印象的でした。
ピアノの「タン」という演奏に呼応してフルートが演奏する場面がありました。
かなり速くなり、ミステリアスさも感じる音色になります。

やがてゆったりとした演奏になり、朴美瑛さんとピアノだけになります。
次に佐田晴菜さんとピアノだけになり、朴美瑛さんもまた加わります。
そして明るく力強くなり、かなり引かれるメロディでした



6.フランチェスカ・ダ・リミニの主題による幻想曲 (P.タファネル)(solo:青木友里)



(青木友里さん演奏前トーク中)

ピアノは不気味な始まりで、フルートは高い音で明るめの演奏をしていました。
フルートがとてもゆったりとした音色になり、ピアノは優しく包み込むような音色になります。
フルートがとても高い音で伸びやかな演奏をする場面があり、青空の草原のようでした。




(ピアノの桐原裕子さん)

ピアノの独奏があり凄く速く力強い演奏でした。
フルートも始まりこちらも凄く速い演奏で、短い音を連続で出していました。
ピアノも短い音を連続で出し、その音の雰囲気にドキドキしました。
最後は凄く速いまま陽気な雰囲気になり、フルートの音が踊っていました。



7.Flute trio + Piano
 4つの小品
 Ⅰ.Bells Ⅱ.Games Ⅲ.Music Box Ⅳ.Dances (L.モイーズ)



(佐田晴菜さん演奏前トーク中)

「Ⅰ.Bells」
とても穏やかなピアノで始まり神秘的な音色でした。
フルートは力強く始まり、一度穏やかになり、また力強くなり緩急が印象的でした。

「Ⅱ.Games」
ピアノはフワフワした雰囲気で、フルートは明るかったです。
ピアノにフルート三人が呼応する場面もありました。
やがて全体がフワフワとしとても良い音色でした




(三人で演奏中)

「Ⅲ.Music Box」
少しミステリアスな音色で始まります。
フルートがドラマチックに響く場面がありました。
凄く力強くなる場面もあり、さらにゆったりと海を泳いでいるような雰囲気の場面もありました。

「Ⅳ.Dances」
明るい始まりでピアノもフルートも楽しそうでした。
朴美瑛さんのソロになり穏やかで優しい音色でした。
そこに青木友里さんが加わり、続いて佐田晴菜さんも加わります。
とても高い音で、穏やかでゆったりとしていました。
ピアノとフルートの呼応が印象的でした。
同じメロディを音階を上げたりしながら繰り返していたのも印象的で聴いていると胸が高鳴りました


アンコールは「くるみ割り人形より 葦笛の踊り」(P.チャイコフスキー)でした。
優しく爽やかな気持ちになる良い曲だと思いました。


三人それぞれソロで弾く曲もあれば二人あるいは三人で弾く曲もあり、様々な演奏を楽しませて頂きました。
青木友里さんの演奏は今回初めて聴き、この方も上手い人だと思いました。
朴美瑛さんも個人に注目して聴くのは今回が初めてで上手い人だと思いました。
何度か演奏を聴いたことのある佐田晴菜さんも上手い演奏をされていて、三人とも良いフルートの演奏者だと思うのでぜひこの先も活躍していってほしいです


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演奏者プロフィール

朴美瑛

エリザベト音楽大学演奏学科卒業、同大学では卒業演奏会に出演。
現在同大学大学院修士課程に在学中。
第3回刈谷国際音楽コンクールフルート部門にて優秀賞受賞。
第22回、第23回KOBE国際音楽コンクールC部門にて奨励賞受賞。
第43回フルート新人演奏会にて優秀賞受賞。
エリザベト音楽大学より数々ののコンクール入賞に対して学長奨励賞を受ける。
これまでに工藤重典、白尾隆、中村めぐみ、万代恵子、宮本美佐穂の各氏に師事。


青木友里

広島大学教育学部第四類音楽文化系コース卒業、広島大学卒業演奏会フレッシュコンサートに出演。
現在、同大学大学院教育学研究科博士課程前期に在学中。
第44回山陽学生音楽コンクール、第12回岡山学生フルートコンクール共に第1位を獲得。
第38回広島市新人演奏会に出演、優秀演奏者に選ばれ、広島プロミシングコンサート2017で広島交響楽団と共演。
第13回 I am a SOLOIST で岡山フィルハーモニック管弦楽団と共演。
これまでに本倉孔子、伊藤公一、岡本弥生の各氏に師事。


佐田晴菜

エリザベト音楽大学を総代で卒業。
同大学で特待生としてザビエル奨学賞を4年間にわたり受賞。
合計5年間で「学士」及び「修士」の2つの学位を取得できる5年プログラム生として、現在同大学大学院修士課程に在学中。
2017年夏にベルリンで開催された音楽祭「ヤング・ユーロ・クラシック」のオーケストラでアルト・フルートの独奏を務める。
日本フルート協会主催第44回フルート新人演奏会出演、優秀賞を受賞。
ジュゼッペ・ノヴァ氏のレッスンを受講。
これまでに、藤井智子、宮本美佐穂の各氏に師事。


Special Thanks ピアノ:桐原裕子
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