今回ご紹介するのは「砂漠」(著:伊坂幸太郎)です。
-----内容-----
入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン……。
学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎ行く日々を送っていく―。
伊坂ワールドを堪能できる傑作長編!
-----感想-----
今月初の図書レビューとなります
「読書日和」では今まで、毎月一冊は図書レビューを書いてきました。
今日は10月31日なので、その記録が途切れる危機だったのです(笑)
この本自体は何日も前に読み終わっていましたが、レビューは後回しになっていました
何とか危機を回避できて良かったです。
さて、「砂漠」。
この場合の砂漠は、社会のことを指しているようです。
社会とは砂漠のように何もなく、そこをひたすら歩かなければならないというような文がありました。
たしかにこの先何十年も働かなければいけないのは、砂漠を連想させるかも知れませんね。
何をもって、砂漠とするか。
それは人それぞれの考え方にもよります。
かつて綿矢りささんの「蹴りたい背中」を読んだときは、学生生活の方が砂漠として扱われていました。
高校一年時の夏休みが、「どこまでも続く暇の砂漠」と表現されていたのです。
どちらの作品も、砂漠=終わりなき苦痛という感じなのは同じです。
この作品は「蹴りたい背中」と違い比較的学生生活が楽しいので、読んでいてあからさまに砂漠という感じはしませんでした。
実際、主人公たちが今居る場所はオアシスですし。
主人公の語り口が淡々としているのは、作者的に砂漠を意識しているのかも知れませんね。
それと今回は、「プレジデントマン」という男が登場します。
夜な夜な仙台市内を歩く通行人に「大統領か?」と声をかけて襲撃することからこの名が付きました。
作中のある人物は、「きっとアメリカ大統領が、世界中が反対しているのに戦争を起こしていることに腹を立てているに違いない」と予想しますが、果たして。。。
そして伊坂作品の傾向として、こういった謎の人物が登場するときは、いずれ主人公たちの前に現れるというのがあります。
今回もいずれプレジデントマンが現れるのでは?と期待しながら読みました。
また、この作品では「なんてことは、まるでない」というフレーズがたくさん使われました。
これも伊坂作品の特徴で、作品によって印象的なセリフやフレーズが出てくることがあります。
今回は各エピソードの随所でこのフレーズが出てきて、一ヶ所だけ「まるでないのかよ!」と突っ込みたくなるような場面がありました(笑)
これは伊坂さん、してやったりなのではと思います(^-^)
作品全体としては、大学生たちのちょっと変わった青春ストーリーだと思います
最近読んだ伊坂作品は読み応えのあるものばかりだったので、それらに比べると物足りない印象もありますが、なかなか面白かったです。
伊坂さんが青春小説を書くとこうなるのか、と思いました。
私的には普段のサスペンス調の物語の方が合っている気がしますが、作品の幅が広がったのは良いことだと思います。
今後の伊坂作品にも期待しています
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-----内容-----
入学、一人暮らし、新しい友人、麻雀、合コン……。
学生生活を楽しむ五人の大学生が、社会という“砂漠”に囲まれた“オアシス”で超能力に遭遇し、不穏な犯罪者に翻弄され、まばたきする間に過ぎ行く日々を送っていく―。
伊坂ワールドを堪能できる傑作長編!
-----感想-----
今月初の図書レビューとなります
「読書日和」では今まで、毎月一冊は図書レビューを書いてきました。
今日は10月31日なので、その記録が途切れる危機だったのです(笑)
この本自体は何日も前に読み終わっていましたが、レビューは後回しになっていました
何とか危機を回避できて良かったです。
さて、「砂漠」。
この場合の砂漠は、社会のことを指しているようです。
社会とは砂漠のように何もなく、そこをひたすら歩かなければならないというような文がありました。
たしかにこの先何十年も働かなければいけないのは、砂漠を連想させるかも知れませんね。
何をもって、砂漠とするか。
それは人それぞれの考え方にもよります。
かつて綿矢りささんの「蹴りたい背中」を読んだときは、学生生活の方が砂漠として扱われていました。
高校一年時の夏休みが、「どこまでも続く暇の砂漠」と表現されていたのです。
どちらの作品も、砂漠=終わりなき苦痛という感じなのは同じです。
この作品は「蹴りたい背中」と違い比較的学生生活が楽しいので、読んでいてあからさまに砂漠という感じはしませんでした。
実際、主人公たちが今居る場所はオアシスですし。
主人公の語り口が淡々としているのは、作者的に砂漠を意識しているのかも知れませんね。
それと今回は、「プレジデントマン」という男が登場します。
夜な夜な仙台市内を歩く通行人に「大統領か?」と声をかけて襲撃することからこの名が付きました。
作中のある人物は、「きっとアメリカ大統領が、世界中が反対しているのに戦争を起こしていることに腹を立てているに違いない」と予想しますが、果たして。。。
そして伊坂作品の傾向として、こういった謎の人物が登場するときは、いずれ主人公たちの前に現れるというのがあります。
今回もいずれプレジデントマンが現れるのでは?と期待しながら読みました。
また、この作品では「なんてことは、まるでない」というフレーズがたくさん使われました。
これも伊坂作品の特徴で、作品によって印象的なセリフやフレーズが出てくることがあります。
今回は各エピソードの随所でこのフレーズが出てきて、一ヶ所だけ「まるでないのかよ!」と突っ込みたくなるような場面がありました(笑)
これは伊坂さん、してやったりなのではと思います(^-^)
作品全体としては、大学生たちのちょっと変わった青春ストーリーだと思います
最近読んだ伊坂作品は読み応えのあるものばかりだったので、それらに比べると物足りない印象もありますが、なかなか面白かったです。
伊坂さんが青春小説を書くとこうなるのか、と思いました。
私的には普段のサスペンス調の物語の方が合っている気がしますが、作品の幅が広がったのは良いことだと思います。
今後の伊坂作品にも期待しています
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