久しぶりのブログアップです。
先週の土曜日、六本木の新国立美術館で開催中の「ルードヴィッヒ美術館展」に行ってきました。
この美術館、私はこの展覧会で初めて名前を聞きましたが、20世紀になってから、ケルン市民有志のコレクターによって出来たミュージアムらしいですね。
20世紀のドイツは戦争があって東西に分断され、さらにそれが統一された経緯があります。
それだけにコレクションはなかなかアグレッシブ。
私にとってはドイツ表現主義やロシア・アバンギャルドなどは苦手な分野で、正直よくわからない作品が多いのですが、ルードヴィッヒ美術館のコレクションは凄いと感じました。
それにしても20世紀のアートは過激で破壊的です。
キュビズムの代表としてピカソやブラックの作品が並べられていましたが、穏やかなブラックに対してピカソは攻撃的です。
『神様のレッスン』と『発達障害、治った自慢大会!』ペアでどうぞ。
いや、まさにピカソの生涯と同様、破壊神!
つきあった女性、結婚した女性たちの人生を壊してきたピカソですが、それと同様にここまで芸術を破壊した画家というのは、ピカソをおいてほかにありません。
上のパンフ右上の作品『アーティチョークを持つ女』、本物のぶっ壊れ方…本当にすごいですが、いやはや歳を重ねるごとに苦手になってきたな。
そんなピカソコレクションですが、その中で展示されてあった陶芸はほっとする作品でした。ピカソにとって絵画は戦いであり、陶芸は癒しであったのかもしれません。
ピカソの代表作「ゲルニカ」は戦争をモチーフにした作品ですが、20世紀というのはある意味戦争の世紀であり、おそらくはそれによって人類史上最も人が多く亡くなった時代です。
ルードヴィッヒ美術館は創立の背景が、まさに戦争の時代。
そんなこともあって、コレクションの多くにそんな時代背景が漂います。
戦争の時代の展示を過ぎ、アンディ・ウォーホルのポップアートや、ボイスの弟子たちによるモダンアートのコーナーになると、ぐっと明るさを増してきます。
ふと周りのギャラリーを見渡すと、若いカップルが多いですね。
そう…ある意味、モダンアートというのは格好良さが信条です。
モダンアートは意味を色々求めて考えるより、それを見ることによって自分がアーチストになった気持ちになることが肝心です。
ルードヴィッヒ美術館展を見て、アーチストの気持ちになったあとは東京ミッドタウンでウインドウショッピングをするもよし、どこか洒落たカフェで食事をするのも良し。
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