小暮満寿雄 Art Blog

ダジャレbotと間違われますが、本職は赤坂在住の画家です。作品の他お相撲、食やポリティカルな話も多し。右翼ではありません

坂の上の雲~二百三高地

2011-12-12 09:47:27 | Weblog
3年めになる「坂の上の雲」もいよいよ日本海海戦が近づき、昨日はあの二百三高地でした。

今回の放送では主人公の秋山兄弟は話のスミに追いやられ(正岡子規は死去)、
まるで高橋英樹の児玉源太郎が主人公みたいでしたが、
高橋英樹さん、さすがに貫録十分ですね~。

私は大河ドラマ「国盗り物語」の信長役からのファンですが(年齢がわかる)、
先日も「鶴瓶の家族に乾杯」に出ていて気さくな素顔を見せていました。

演技にバリエーションがある方ではないのですが、
”役者は一にガラ”という言葉がぴったりくる、
出ているだけで存在感がにじみ出るタイプの役者さんですね。


さて、いたずらに旅順要塞の正面攻撃を繰り返し、
死屍累々と戦死者を出す乃木将軍に代わって指揮をとり、
203高地確保を成功させる今回のエピソード・・・。

これは「坂の上の雲」以外にきちんとした記録がないそうで、
坂本龍馬同様、司馬遼太郎の創作という説もあるそうですがね~。

28センチ砲の援護射撃を命令する児玉に
「味方の兵士を撃つことはできない」と盾突く参謀長。

これに「貴様らの無為無策は多くの兵士を殺したではないか!」と大喝する児玉源太郎ですが、
ドラマでの彼の怒りはまことに正論であり、
負ければロシアの奴隷となる、この時代の苦悩をあらわしています。

二百三高地の頂上を盗り、旅順港が一望できることに歓喜する日本軍のシーンは、
年のせいか緩くなった涙腺を刺激されましたが、それにしてもこの時代の日本というのは、
「まことに小さな国が・・」のセリフに象徴されるように、
本当に小さな国だったのだと思いました。


私が子供の時分くらいでも「日本は貧乏だから」「日本は小さな国」だなんて、
親に言われて育ったもので、
実は日本が大国であることを知ったのは、
学生時代にはじめてヨーロッパでバックパッキングを経験した時でありました。

砲火の中、日の丸がひるがえるシーンが多々あるのは、
左っぽいスタッフの多いNHKとは思えませんでしたが、
同じ局内でも色々な人材がいるのだなと思った次第です。

司馬遼太郎が「坂の上の雲」の映像化に慎重だったのもわかる気がしますが、
これはNHKじゃないと映像化できませんな。
感服です。


写真は「山形山水図屏風」の新しい部分、庄内日本海です。
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2 コメント

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見ていないのですが (お頭)
2011-12-12 10:21:40
>左っぽいスタッフの多いNHKとは思えませんでしたが、
>同じ局内でも色々な人材がいるのだなと思った次第です。

全然見ていないアッシが言うのも何なんですが、
以前の回の中には、明らかに日本を貶めている場面が在ったとか?
ドラマ仕立てですから、ドキュメンタリータッチじゃない訳で。
厳正中立、ってのは有り得ないですけど、
日本が損する雰囲気は無いほうが好いなあ。

あと、特攻隊員も含めて、戦闘犠牲者、
戦争で肉親を無くした方々に思いを馳せると、
馬鹿は出来ないのですが、やっちまいます。
その先人の方々の可也の%の御蔭で、我は在るのに。
歴史に学ばなくっちゃ。
返信する
柄本明の乃木さん (マスオさん)
2011-12-13 08:53:39
お頭さん、おはよ大相撲です!

>以前の回の中には、明らかに日本を貶めている場面が在ったとか?

ほう、私は気づきませんでしたが、どの場面だかわかりましたらご教示くださいませ。

たしかに柄本明の乃木希典は、”乃木大将を貶めてる”なんて声もありますから、
やはりどこかにそんなシーンはあったのでしょうね。
でも、あの乃木大将でも、原作に比べるとだいぶマシに描かれてると思いました。

乃木会館で結婚式をあげた私とすると、個人的に乃木さんをわるく言ってほしくないのですが、
原作の乃木さんは、司馬遼太郎が嫌いな山県有朋よりひどいくらいの書かれよう。
戦が上手だったとは思えませんが、それを言えば西郷どんでも同じことです。

柄本明の乃木さんは、たしかに戦に勝てそうな雰囲気がまったくなく、
高橋英樹の児玉が出てくると勝てそうな感じがする。

柄本明じゃないと児玉が栄えないというバランスを考えると、このくらいは仕方ないかなと思いますけどね。

ただ、部下の報告を乃木さんが寝そべって聞く場面を見ると、
あの乃木大将がそんなだらしないことするワケないじゃん、
なんて思ってしまうことも確かです。


>日本が損する雰囲気は無いほうが好いなあ。

結局そこですよね。
別に中立の必要は物語である以上は必要ありません。

ただ、国威発揚的な作品が今は作りにくいのはたしかな話です。
そんな中では、NHKとしてはよく作ったのではないかと思います。
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