建国記念の日、上野の東京都美術館で開催中の「ハマスホイとデンマーク絵画展」を見てきました。デンマークというのは、私にとってまったく未知の国だったこともありますが、それにしても初めて見る絵にただただ驚きでした。
“ハマスホイ”も初めて聞く名だな、絵は見たことあるな、という感じでしたが、ハンマーズホイのことですね。Wikiにはハンマーズホイの名で書かれてあるので、ご興味ある方は参考になさってください。
クラナッハがクラーナハ、ヘップバーンがヘプバーンなど、どうも古い名前で馴染んだ世代では、こうした表記にやや違和感がありますが、今回は展示にならって、ハマスホイで統一いたします。
展覧会のメインはもちろんハマスホイですが、前半に展示されているのは、ハマスホイ(1864〜1916)と同時代のデンマーク絵画ですが、これが素晴らしかった!
ゴッホより少し後の時代の画家が多いので、印象派の影響を受けて、絵の中に光が満ち溢れているのが特徴です。ただ、その光は印象派に多い南仏の柔らかい光線ではなく、北欧独特の長い影ができる光です。
どの絵も一見、色数が少ないように見えるのですが、淡いピンクやブルー、クリーム色などが交錯して重ねられており、見る角度によって色が変わるメタメリックカラー風になっています。
ななな、なんだ、これは?
こんな複雑な色調は見たことないぞ!
特に室内画の光が秀逸で、フェルメールのものとも違う……北欧の光としか言いようがないものでした。
展覧会の後半の展示はメインのハマスホイですが、静謐な絵というよりは、内側から溢れ出る情熱が静かに迸るものを感じました。
特に初期の作品はたっぷりとした筆跡が残っていて、それが晩年近くになってくると、塗り方が薄くなり完成度も増していきました。
室内画の魅力というのは、扉の先や窓の外の世界にいったい何があるのだろう? と、想像させるところにあると思うのですが、まさしくハマスホイの作品はそのような魅力に溢れたものに違いありませんでした。
この展覧会、先週の日曜美術館で紹介されたらしく、けっこうな入りでした。
後半の混雑は必至ですので、ご興味のある方はお早めに。あ、それから2月19日と3月18日の第3水曜日はシルバーデイで、65歳の人が無料になるので館内は大混雑が予想されます。一度、この日にあたって大混雑に遭遇したので、65歳以下の方は他の日をオススメいたします。
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