佐藤愛子先生の「九十歳。何がめでたい」、あっという間に読みました。
母に「面白い」とすすめられて読みましたが、そんな斬新なことを書いてあるわけじゃなく、誰でも何となく思っていることを、この人らしくハッキリとズケズケ言ってるのが痛快というわけでしょうね。
ある章では、バイオリニストの高嶋ちさ子の「ゲーム機バキバキ事件」のことを、「母親だから怒りに火がつく、怒るなと言っても無理だ」と言っています。
さらにビーフカツに異物が混入していて、それを廃棄したところ、別の業者が横流しした話を「昔はそんなんいっぱいあった」と書いてあります。
うーん、それって違うだろうけど・・・。
子どものゲーム機バキバキ(わたしもされた)くらいならまだしも、廃棄物の横流しは違法行為です。ダメに決まってるけど、大正生まれの佐藤愛子先生は、本来食べられる食べ物が廃棄される勿体なさを嘆いておられました。
なんというか、世間が言う「正論」の声がいちいちうるさい、と言ってるワケですね。まあ、なんかあると色々騒ぎになる世の中ですから。
考えてみると、自分が若い頃と今とでは、許されていたものと許されなくなったものがいっぱいあります。歳いくと、そのギャップになかなかついていけなくなる。
90歳にはまだ遠い私ですが、そのあたりはちょっとだけわかります。
昔は酔っ払い運転なんか、地方じゃ当たり前だったし、未成年の飲酒だってそうだった。日野さんのビンタだって、良いわるい別にして昔だったら取り上げられなかった話です。
ただ、現実に酔っ払い運転で家族を失う人がいたり、体罰が教育にならないばかりか、トラウマになる子がいたら、それはキビしくせざるを得ないのは当然です。
それにしても愛子先生、御歳93歳にして未だ豪の者ですね(笑)。