かれーな印度カレーを召し上かれー32
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2日連続の「医食同源」のUPになりますが、本日はかれーな印度カレーを召し上かれーの最終回、どうぞお楽しみくださいませ。
次回の「医食同源」は、イタリア料理のウンチクを書いた「マンマミーア・イタリアン」(全29話)をはじめますので、そちらもよろしくお願いします!
過去の記事で、だいぶ時間が経過した情報もありますが、そのまま掲載しておりますのでご了承いただければ幸いです。
かれーな印度カレーを召し上かれー32
カレーに王道なし、されど王道あり
掲載日:2006年11月15日
まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
時にお客さまがた。近頃、輸入品を中心した水産物が軒並み高くなっているけど、みなさんのところは如何対応してらっしゃるかい?
こいつはあっしイダテンのゲンさんもなかなか頭の痛いところであるんだが、そんな中「食材仕入ドットコム」さんと共に、日々勉強に努めている最中さ。
その証拠に、ほら! 現在、高騰中のマグロだが、ちょっくら売切御免(リンクしてください)を御覧になっておくんな。メバチや畜養の本マグロ、ビンチョウがこの値段、今すぐ買わない手はないだろう? (おっと。売り切れていたら、御免なすって)。それから、今の時期は、メルマガでも配信したホタテやクジラ(リンクしてください)なんぞもオススメだ。
こういった売切御免や特価品のところはマメにチェックしていただけると、きっとコストダウンに繋がるはずさ。この子たちは、あっしら売り手にとっては頭痛のタネだが、お客さんがたにとっては、頭痛解消の特効薬になる良い子ちゃんたちだ。
これから年末にかけて、こういった嬉しい企画が待っているよ。どうぞ、みなさんも「食材仕入ドットコム」の食材で、年末商戦を勝ち残っておくれよ!
シメにはチキンとタマネギのカレー
ご好評をいただいた「かれーな印度カレーを召し上かれー」も、とうとう今回がシリーズ最終回。人さまからは、カレーひと皿でよくここまで話ができるね~と言われるが、実際のトコはまだまだ話はつきないところだ。
東南アジアやアフリカ&ヨーロッパのカレーはもちろん、インドのカレーにしても「アクバル王のカレー」のような手の込んだ宮廷料理には、触れることができなかったのが、ちょっくら心残りさね(この王様のカレーは、鶏肉に松の実やオレンジ、カッテージチーズなどの詰め物をしてグレービーソースで焼いた料理だが、こうした特殊なものはいずれ機会があればお披露目をさせていただくことにしよう)。
そこでカレーシリーズの殿(しんがり)はシンプルに、カレーの2大食材ともいえるチキンとタマネギのカレーを持ってきた。こいつがカレー料理の集大成ってワケじゃないが、お店でも家庭でもサックリ作れる、ほっとする一皿だよ。
どうぞ、試してやっておくんなせえ。
カレーに王道なし、されど王道あり
先日も「カレー番長」として知られる水野仁輔 さんと話したんだが、「カレーに王道なし」ってことで意見が合ったんだよ。よくカレーにうるさい連中が集まると、二日間煮込んで一晩寝かせたカレーが最上であるとか、インドやバングラディシュの友達から教わったレシピだから、一番本格的だ・・・なんて話が出ることがあるけど、そいつはなかなか決められる話じゃねえ。
今まで、この白髪アタマのお喋りに付き合ってくれたご仁ならおわかりだろうが、カレーってえのはあまりに守備範囲が広すぎるんだ。本場のインドに限って話をしたところで、北と南では、使うスパイスもレシピもまるで違う技法を使うから、どれが一番本格的なカレーか、ということすら決めかねるワケさね。
だから煮込んだカレーも旨ければ、今回の「チキンとタマネギのカレー」みたいにアッサリカレーも旨いね、ってコトになるわけさ。
え? ゲンさん、もうまとめに入ったのかって?
それじゃあ、どんなカレーでもOKなのかって?
いやいや、そいつは真っ平御免之助ってもんだ。矛盾したいい方になるが「あれも良いね、これも良いね」では、本当に美味しいカレーに辿り着くことはできない。
それには「美味しんぼ」のカレー勝負ではないが、カレーの定義を自分なりにキチンと持ってないといけないと思うんでさあ。
あえてあっしが考えるカレーの定義を言うならば、
「複数のスパイスをミックスさせ、主菜と一緒に加熱した料理」(書体と色を変えてください。どちらもおまかせします)
ということになるだろう。
漠然としているようだが、実際にこれ以上のことは言いようがない。主菜も融通無碍なら、スパイスの選択肢も自由。加熱時間や下ごしらえも千変万化なカレーという料理だからこそ、定義はシンプルであるべきだと思うのさ。
ゲンさんの「インドカレー5箇条」
ところがカレーという料理のコワいところは、ひとつ間違えると、どれも同じような味になってしまうことだ。もちろん、レシピ通りに作っていれば失敗は少ない。だが、それでは「おお!」というような美味しいカレーは出来上がらない。
使う食材も自由、調理方法も自由にできるはずなのに、同じような味になってしまうのはどういうわけだろう? そいつはスパイスの持つ香りや刺激が、ともすると食材の持ち味に勝ってしまうからに違いないのさ。
有名なシャーロック・ホームズの短編に、「シルバースター号の失踪」という競馬馬が盗まれる話がある。そこには、番をしていた馬丁にアヘンを入りのカレーを食わせて眠らせてる、というエピソードがある。アヘンは独特の匂いがするけど、カレーと一緒なのでわからずに食べてしまうという寸法さ。
これは、味覚オンチのイギリス人だから、アヘンを混ぜてもわからなかったのかもしれないが(これがインド人や日本人だったら、一発で気付かれてしまうだろうがね~)、それにしてもこの話はカレーの持ち味を実によく著わしている一本だと思う。
当たり前の話だが、カレーは刺激が強いことがウリの料理だ。もともとスパイスってえのは、大航海時代に肉の保存や臭みを取り除くために使われた食材だ。使い過ぎれば食材の持っているものを真っ赤に、あるいは真っ黄色に塗りつぶしてしまう。
そこであっしが考える、インドカレーを作る上でのポイントを申し上げよう。ま、カレーに関しちゃ、あっしも素人に毛が生えた程度のもんだが、そんなに間違ってはいないと思う。
おひとつ参考にしておくんなせえ。
1、あまり辛くすると味がわからなくなるので、辛みの2大スパイス、レッドペッパーとブラックペッパーは程々に使う。
2、煮込むカレーにはコリアンダーを多めに入れる。煮込まないカレーには少なくするか、入れないくらいでも良い。
3、過剰にたくさんのスパイスを使わない。できれば、スパイスひとつひとつの特性と香りを理解してから使う。さすれば味と健康効果も倍増すること、間違いなし。あえて基本スパイスを言うなら、ターメリック、レッドペッパー、クミン、コリアンダー(すべてパウダー。特にターメリック、レッドペッパーは欠かしたくない)。あとのスパイスは好みか、レシピに従えば良い。
5、粒スパイスは例外をのぞき、加熱の最初に油と一緒に用いる。
6、最も大切なのは塩加減。スパイスは減塩効果もあるので、身近に使いたいものですな~。
さーて、時間が来やがった。
次回からはイタリアンの特集がはじまるよ! どうぞ楽しみにしておくんなせえ。
(実際の掲載は鍋の特集でした。そちらはおそらく次の冬にUPすることになると思います)。
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