漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

球形の季節

2013年01月27日 | 読書録
「球形の季節」 恩田陸著 新潮社刊

を読む。

 東北の小さな地方都市を舞台としたホラー。以前に読んだ、同じ作者の「六番目の小夜子」と印象が似ている。学校を舞台にした青春小説の形をとったホラーで、最後が曖昧なあたりも。
 最後が曖昧すぎて、どこか投げっぱなしのような印象になるのは、作品が推理小説のように「はい、これが答えです。小説はここでおしまいです」という風にしたくなかったからだと思うけれども、単なる雰囲気ものになってしまいそうな危うさもある。