漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

天使の歩廊

2010年03月29日 | 読書録

「天使の回廊」 中村弦著 新潮社刊

を読む。

 日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
 本当は、受賞第二作の「ロスト・トレイン」を読みたかったのだが、図書館になかったので(買えよ)、こちらを借りてきて読んでみた。
 依頼者の深層を汲みとった、奇跡のような建築物を設計することのできる建築士の話。連作短編集。丁寧な小説だし、ニヤリとする部分も多いし、かなりおもしろかったが、もうひとひねり欲しい感じもしないではない。悪い意味ではなくて、短編連載もののマンガの原作にぴったりという感じがする。シリーズものとして、長く続ければ、別の世界が見えてきそうだ。