漂着の浜辺から

囁きのような呟き。

巨匠とマルガリータ

2008年06月26日 | 読書録

「巨匠とマルガリータ」 ミハイル・ブルガーコフ著
水野忠夫訳
池澤夏樹個人編集 世界文学全集
河出書房新社刊

を読了。

 ずっと読もう読もうと、それこそ高校生の頃から思っていた作品。新訳を機会に、ようやく読んだ。
 ストーンズの歌にも影響を与えた、ロシア文学の異色作として有名な作品である。ロシア文学ということで、多少読みにくいのかなと思っていたが、全くそういうことはなく、ぐいぐいと読める。ストーリー的には、クリスチャンであるほうがより楽しめるのかもしれないが、たとえそうでなくとも、十分に堪能できる。読んでいる間、ずっと別の次元にいるかのような浮遊感を味わえる。魅力的な場面やオブジェが満載の、風刺に満ちた物語だった。