柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

新型コロナ死亡者の火葬がようやく改定されました

2023年01月09日 | お葬式
今まで新型コロナに感染した遺体の取り扱いにおいて国の指針は納体袋使用、防御服着用、葬儀の実施が可能かどうかなどの検討を促すことなどを規定してきました。
これは2020年7月に出されたものです。
2020年3月には志村けんさんがコロナ感染で亡くなり、看取りも葬儀も火葬も立ち会えず、遺骨になって初めて家族のもとへ帰る、というショッキングなニュースを見て新型コロナがいかに恐ろしい感染症であるかを見せつけられました。
感染発症からまる3年がたち新型コロナウィルスの解明も進み、正しい感染予防をすれば看取りや葬儀、火葬の立ち合いに何の問題もないことがわかってきました。すでに世界保健機構では「遺体からのコロナ感染例はない」と報告書が出て、世界の葬儀はコロナ前の葬儀に戻っているそうです。
そして厚生労働省の指針はここへきてやっと納体袋不要などの規制が大幅に緩和されました。

これまで、国内の葬儀社や火葬場の対応は国の指針をもと故人と遺族のに別れの場に極端な規制を強いてきてしまいました。
その結果、大切な家族との別れをいとも簡単に、そして事務的にすませることが当たり前になりました。
そこに故人への尊厳や遺族の悲嘆を癒す配慮は見受けられません。
新型コロナ感染者以外の葬儀も同様に簡略化されています。

死者を葬る仕事に携わっている限り、葬儀社以外の人々も自分の仕事に責任を持つべきです。
葬儀は「人の心」に触れる仕事です。たとえ指針が出ていたとしても新しい情報を得て、それが正しい情報であるなら率先して変えてほしいと思います。葬儀社の中には以前から現況で実施される葬儀や火葬に苦言を発していたところも多くあります。
仕事としての知識を持たずして、仕事として一番大事にしなくてはならない「人の心」をも見ずにいるのはいかがなものでしょう。

国の対応が遅れ、この数年で残念な葬儀をした家族はどう感じるのでしょうか。



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