柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

ホスピタリティ=接遇 じゃないからね

2017年08月17日 | 葬儀の世界
ホスピタリティを接遇と考えている人がたくさんいます。

たしかにお客様に対して接遇は大切ですが、ホスピタリティはもっと広範囲での考え方です。

「お客様の満足」から、更に上の気持ちを持っていただくことを示しています。

「感動した」「ここにきてよかった」「人にもこの素晴らしさを伝えたい」と思っていただくことです。


社員が働く上で何が喜びになるか?と聞き出すと

「お客様に喜んでいただいた時」と答える人が圧倒的に多いのです。

仕事に喜びがあるなら、やりがいも当然あり、会社が望むそのものですね。


「これをしたらお客様にもっと喜んでいただけるだろう」と気づいても

多くの会社はそれを自由にできない空気があります。

社員が勝手に動けない規則や環境です。

「一人で勝手なことをして」「1人がそんなことをしたら、皆がやらなくちゃならない」

現場でやる気を損なわせる言葉を何度聞いたことか。


ここに必要なのは、会社の経営方針です。

会社は本来、何を目的に企業をしているのでしょう?

商品をお客様に売って、利益を出し、社員に給料を払います。

お客様が喜んで買っていただけるように商品の開発は当たりまえの事

良い商品であるなら、後はお客様が買う動機や、買った後の対応を良くしていく必要があります。


それを行うのはお客様に接する社員です。

たとえ「こうしてあげたい」と感じても「余計なこと」と言われるようならしなくなります。

しなくなるということは、「してあげたいこと」を感じないようにすることです。

何も目にしないようにしている社員に新しい気づきは生まれません。

「一般的な」「事務的な」な対応をします。


他でしているのと何ら変わらない対応なら

商品の差さえなければどこも買ってもいいのです。

しかし次回、お客さんが自社を選んでくれることは疑問です。


本来、会社は、お客様の満足を得て、売上をあげることを目的にしています。

ということは、会社が社員に自社の経営理念をしっかり理解させ

そのために、何をすべきかを行動指針としてしめし

そこに即した社員の判断を、その場で社員自身に任せることができれば

社員はお客様のためにいろいろと考えます。

社員はお客様に喜んでいただき、褒めてほしいからです。

私も含め、社員が喜ぶ姿ややりがいを経験しているので太鼓判を押しますよ。


「この会社に入って、この会社と共に自分自身も成長していきたい

そのためにはお客様に喜んでいただく工夫をしよう」

と社員に思ってもらうことが必要です。


社員が会社を愛せるということは

会社が社員を愛しているという実態がないとできません。


「どんな手段を使ってもうちだけ儲かればいい

社員に良い給料を払えば文句なく、無理してでも働く」

社員にとって数字だけが課せられで、評価もそこだけであれば、やがて疲弊していきます。

仕事が辛くなり、会社を辞めていき、いつも人手不足で、更に過酷な仕事環境になります。


いつも対応がよく、社員がイキイキして、社会貢献もする良い会社と

世間から評価されれば、採用にも人が集まってきます。

評判の良い会社は社員には自慢の会社となります。


こういう経営がホスピタリティ経営といい、サービス産業が発展してきた時代の最強の経営と言われています。

私も本当にそうだと思います。


私は葬儀業界しかしりませんが

こここそ、商品で勝負するところではない気がします。

葬儀社はまだ未成熟なサービス産業だと思っています。

宗教儀式を施行するだけでお客様が喜んでいただけないと、気づいているなら

価格を安くすることが、いい葬儀社ではないと、気づいているなら

お別れしたい人が来れない葬儀がおかしいと、気づいているなら

ホスピタリティをもっと考えてみませんか?












◆エンディング産業展にて講演◆
今年もエンディング産業展にて講演をさせていただきます。
葬儀社の次世代経営を支えるホスピタリティ・サービスとは
日時 2017/08/24(木)12:30~13:30
会場 エンディング産業展 東京ビッグサイト東5ホール
費用 受講無料
【エンディング産業展ホームページ】
http://www.ifcx.jp/
【セミナー詳細】
https://drive.google.com/…/0B9UVOUd7vqZVZ0ZNNTA3SVdVQ…/view…
【申し込み】
http://www.ifcx.jp/seminar/
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身近な人を見送ったあなたに いちばん大切なこと

2017年08月07日 | 悲しみのケア
今年の4月に出版した
「身近な人を見送ったあなたに 一番大切なこと」
という本があります。

私の3冊目の本です。

今日、PHP出版社からメールをいただきました。

柴田先生のご著書『身近な人を見送ったあなたにいちばん大切なこと』ですが、
アンケートはがきが続々と集まっており、
「本を読んでとても癒された」「これを読んだほうがいいと親族からプレゼントされた」等、
感動の声をいただいております。
皆さん共通して、息を引き取られた日にちを必ず書いて下さっていたのが印象的でした。
この本が世に出て、本当によかったとみなさん仰っておられました。


なんと、嬉しいことでしょう。

私はグリーフの勉強はほんの少ししかしていません。
橋爪健一郎先生に教えていただいたことがあり、それが遺族ケアに引き寄せられたきっかけです。

葬儀後のご遺族と接する中で必要を感じ
「遺族ケアの会」を毎月開き、7年間続けてきました。

その後、コンサルタントになってからは、株式会社コムウエルで遺族会を5年行っています。

コムウエルさんには遺族会を作っていただけたことを大変感謝しています。
遺族会を含め、終活セミナーやカルチャー教室を地域の方々に提供している「ウエルビーの会」は
葬儀社として他社ではできない大きな、大きな社会貢献だと思います。

私はいつも、ご遺族の話を聞く一方で、何も教えてはいません。
今回の出版はご遺族から教えていただたことを本にしたまで・・・

人の縁は不思議なものです。
未熟な私でも、出版の話を頂き、誰かのお役に立つことが出来ました。







葬儀にはホスピタリティが欠かせない

2017年08月06日 | 葬儀の世界
ホスピタリティ・・・・
この学びをすればするほど
昔の葬儀の仕事をしていた頃を思い出します。
でもその時はホスピタリティなどと、知りませんでした。

パートのおばさんが葬儀社の立上を任され
何とか葬儀をやってこれたのは、ホスピタリティの考えだったのです。

家族を亡くして、悲しくて、どうしたらいいかわからなくて
でも、故人のためにはきちんと送りたいし
今後の生活も心配だし、
お金のことも気がかりだし・・・・

そんな思いのご遺族と葬儀をしていく中で
葬儀の施行をすることだけではない気がしていました。

ご遺族は心、感情を持った人たちです。
悲しい中にもこの人達を幸せにする瞬間が作れないか?

ご遺族は「こうして欲しい」などという訳ではありません。
故人、ご遺族の話を聞く中で、私たちは考えたのです。
「こうしたら、喜んでいただけるのではないか?」と

こちらの推測ですが
提案をすることを怖がりませんでした。



何もしなくていい・・・・そう言い続けたご主人
打合せをする中で、玄関に奥様の帽子がありました。

話を聞くと「庭いじりでいつもかぶっていた帽子」とわかりました。
草花を育てるというより、毎年シクラメンの鉢を買っては、育てていたそうです。

奥様の最期の日のために帽子をお借りしました。
式場の一角にシクラメンの鉢をたくさん置いて、真ん中に奥様の写真と帽子を置きました。
式場に来られたご主人は、黙ってその前に佇みやがて写真を撮り続けました。

何もしないで、と言われたご主人ですが
大げさではなく、普通の花の飾りのように
奥様の面影を感じていただけたら、ご主人が少し幸せになるかも・・・

ご主人の様子から「これをしてよかった」と感じました。
その時の私たちはご主人と同様に幸せを感じていたのです。

葬儀の場に「幸せ」という表現はふさわしくないかもしれませんが
思いもしなかったことに心が動いた、良かった、という感覚です。

それを、私はスタッフ全員に伝え、葬儀責任者として皆の提案と協力を称えました。

その当時は、スタッフが「どうしたら喜んでいただけるか」を常に考え
会社としてそれを支援しました。

後で知ったディズニーランド、リッツカールトンの話に
私は自社の中にもその精神があった、と確信したのです。

まだまだ未成熟なホスピタリティでしたが
確実にお客様の評価はよく
社員は自ら育っていきました。

今でもその頃の社員と葬儀力は私の自慢です。
もう今はない昔の話ですが・・・


ホスピタリティ=接遇と思っていませんか?
とんでもありません。

ホスピタリティはお客様に喜びを与え
社員にお客様のために努力した喜びを与えます
その結果として、社員にやる気を起こさせ
お客様満足度を上げ、依頼を増加し収益をあげます

会社は社員のモチベーションを維持するよう
社員と、社会に貢献をし
社員の自慢できる良い会社を作ります。

社会貢献できる会社は誠実な信用できる会社となり
社会から信頼を得ます。


何とかこれをお伝えしたいと講演をします。




◆エンディング産業展にて講演◆
今年もエンディング産業展にて講演をさせていただきます。
葬儀社の次世代経営を支えるホスピタリティ・サービスとは
日時 2017/08/24(木)12:30~13:30
会場 エンディング産業展 東京ビッグサイト東5ホール
費用 受講無料
【エンディング産業展ホームページ】
http://www.ifcx.jp/
【セミナー詳細】
https://drive.google.com/…/0B9UVOUd7vqZVZ0ZNNTA3SVdVQ…/view…
【申し込み】
http://www.ifcx.jp/seminar/
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