柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

大手スーパーの葬儀屋さん

2009年08月26日 | 世の中
最近大手スーパーが葬儀に参入して話題になっていますね。

スーパーが直接葬儀社を運営する訳でなく、葬儀を受け付ける窓口に
なるんですね。

他にも同じように異業種が窓口だけしている処はありますね。

皆、「今までの葬儀と違う」「明確な価格」などなど言ってますけど。
実際に施行するのは、町の葬儀社なんですよね。
スーパー側の設定条件はあるのかも知れませんが、葬儀レベルの設定はないと思いますよ。
「この技量じゃ、うちの名前で葬儀してもらっちゃ困るなー」みたいな。

この町の葬儀社のしてきた葬儀に、皆さんは「ノー」と言っていましたよね。
「どの葬儀も同じスタイル」「価格は祭壇中心で中身が見えない」「不当な価格設定」・・・
そうです。いわば流れ作業でお客様不在の葬儀だった訳です。

町の葬儀社が全部、悪い葬儀社ではありません。
本当に良心的な価格で、お1人お1人の葬儀を大切にしてきた葬儀社も
沢山あるんですよ。
でも、そうじゃない処も沢山あったから
みんなが「そんな葬儀は嫌だ!!」と言っているんじゃないでしょうか?

でも、今回の大手スーパーのように「窓口だけは私のところ」
葬儀は「町の葬儀社です」って言うのは、どんな葬儀社でもいいんですよね。
スーパーの募集で集まった葬儀社が、スーパーの出した条件を飲めば
提携できる訳です。

葬儀社の気質や、仕事レベルは問題じゃない・・・てことです。

それって、今までと一体何が変わったのでしょうか?


最近、スーパーやコンビにでお弁当が300円を切って売っています。
消費者には喜ばしい事?
って言ってますけど。本当そうなんですか?
なんか、騙されてません?

そのお弁当を作る業者さんは、利益を最小限にして、もしかしたら儲け無しで
トントンで仕事を取っているんじゃないでしょうか?
仕入れ業者も同じでしょう。

仕事って会社に利益がなきゃ、正常な商売は出来ないでしょう。
働く人も報酬が上がらないでしょう。
皆が潤うようになるには、儲け無しで仕事しちゃダメでしょう。

本当に300円未満で、正当な食材で、働く人にも利益が出てるんでしょうか?

ほんの少し前ですよね。
商品を安くしないと売れないから
儲けを出す為に悪いと解っていても偽造をしていたのは。
それも、食品関係が多かったですよね。

そろそろ、物の本質を見ないと
消費者は、何処までも騙されて、馬鹿にされるのかも知れませんよ。

私、すっかり、しっかり、オバサンですかね。
文句ばっかり言って。


香典返しのアンケート

2009年08月25日 | 香典返し、返礼品
一般の方々に香典返しのアンケートもとりました。

香典を頂くと、わが国の習慣として「お返し」があります。
よく、考えると不思議ですね?
これが「気遣い」なのでしょうが。

私は若い人にお祝いをあげるとき
「お返しは無しね。心からのプレゼントだからね」と念を押します。
が・・・
大抵は何がしかのお返しが届きます。
若い世帯にはお返しは大変じゃないかと思うんですが。

香典もお返しが当たり前になっています。

今は香典を渡すと、その場でお返しをするところが多くなりました。
この場合は、香典額に関係無く、一律にお返しをしてしまいます。
現状では2500~3000円くらいの品です。
香典の1万円までは、このお返しだけで済ませます。

それ以上の香典を頂いた方には
後日49日法要等にあわせて、いただいた香典額から1万円を差し引いた
金額の約半返しの品を送ります。

葬式時に一律で返すお返しを「即日返し」と呼びますが
この印象をアンケートで聞きました。



Q、お葬式のときに「一律に返される香典返し」は不快ですか?

1 不快です        10%
2 不快ではありません  90%

でした。


これも意外でした。
即日返しをしていない地域も多いのに。
このアンケートは関東全県で行なっています。
東京でも後にお返しする方法が多いと思うのですが?



葬儀が終わって香典帳を見ながら
あの人ならこんな品がいい、とか
あそこは、子供が多いからこの品、なんて言いながら
お返しを選ぶ環境も時間も無いのかもしれません。

考えてみれば
葬式の後に、残るのは高齢者が多く
それも1人住まいが多い。

子供たちはすぐにも仕事に戻らなければならず
休みごとに、実家に帰るのも難しい世の中です。

まして1人残った者が
法事の支度、仏壇や位牌の支度
墓の手配、そして役所やその他の手続をこなすのです。

前もって対応できれば、1つでも仕事は済ませておきたいと
思っても不思議ではありませね。

即日返しが周りに無いからっと言って
「この辺では、皆さん後のお返しですよ。
即日のお返しは無いですね」・・・なんていってる葬儀社も多いでしょうね。

でも人々の意識は
「葬式のときに一律で返される香典返しは不快でない」と90%の人が思ってることを認識した方がいいと思いますよ。

葬儀社は思い込みが多いとアンケートは教えてくれました。

アンケートから見える返礼品

2009年08月22日 | 香典返し、返礼品
明日も一般の方達への「葬儀セミナー」に出かけます。

多くの皆様に、葬儀の話を聞いていただき
自分たちが出す「お葬式」の知識を得ていただきたいと思っています。

そして、セミナーは一般の方の意見を伺う良い機会でもあるので
皆さんからアンケートを頂くようにしました。
そうしたら、とても興味深い答えが出てきたので
思い切って関東地区でアンケートをとってみました。
600人が対象です。

アンケートの内容は葬式で頂く返礼品の事です。

私は葬儀の返礼品はとても重要視しています。
葬儀費用の中でも料理や返礼品の金額は大きいのです。
一例をあげれば
横浜で会葬に来られた方全員に600円位の品物を渡します。
香典のお返しを、その場でする事が多いので2500円くらいの品物も
一緒にお渡しします。
50人の会葬者があれば概算ですが
(600円+2500円)×50人=155,000円
の費用が掛かります。

葬儀社はこの金額で喪主に品物を売っている訳です。

そこで関東地区600名のアンケート調査の結果は

Q1、お葬式で頂く品の印象は?   
       ①期待はしていない  47.7%
       ②使わないものが多い 15.7%
       ③香典金額に適当である12.5%
       ④すぐに使える    11.0%
       ⑤割高感がある     8.8%
       ⑥品物を見るのが楽しみ 2.8%
       ⑦その他        1.5%

なんと、①と②の合計は69.7%です。
「葬儀の品はろくなものが無い」と言われているようなものです。
この事実を、葬儀社も返礼品業者ももっと心に留めるべきです。

遺族の人たちも、納得して返礼品を選んでいるわけではありません。
「限られた、欲しくないもの」から選んでいます。

この数字を承知で、まだこんな返礼品を売り続けるのでしょうか????

Q2、頂いて困る品物は?      
①ショッピングバッグ
       ②ハンカチ
③ハンドタオル
④お茶
⑤砂糖

Q3、頂いて嬉しい品物は?     
①お茶
②洋菓子
③海苔
④コーヒー
⑤削り節

ここから見えるのは、
お茶が「貰って困るも品物」と「嬉し品物」の両方に挙がっています。
実は「ハンドタオル」も同じ様に挙がっています。
「嬉しい品物」の6位です。
これは「美味しいお茶」「良質なタオル」を貰った人は嬉しいが
「不味いお茶」「変なタオル」を貰った人は
ずーと「葬式のお茶やタオルは使えたものじゃない」と思い続けるのです。

いいお茶やタオルを貰えば、「嬉しい」に変わるかもしれませんよ。
ただし、それしか選べないのであればやはり嫌がられるはずです

葬儀社が必要以上に「返礼品で儲けよう!」と思う限り
これら答えは変わらないでしょう。

嬉しい品の上位は大半が食品です。
そろそろ、葬儀の定番と言われる品から本当に喜ばれる品物に選定し直しましょう。
   

              

親の介護

2009年08月18日 | 私の半径100メートル
前回、ブログを書いてからあっと言う間に1週間が過ぎました。

その間に、色々な出来事がありました。

先日から主人が母と住むことになり、別居が始まりました。

この1ヶ月、母は入院をしていましたが、去年の冬から
3回目の入院です。

それ以前は、2年に1回の割りで入院することがありましたけど
この1年で、確実に回数が増えています。

縁あって、仕事に一段落ついた主人が母の世話を買って出ました。

我家はビルの2階が住いです。
何度か母を連れてきましたが、階段の上り下りは相当にきつかったようです。

そこで近くに住いを用意して、母の退院と同時に引越しを決行。

私は家で留守番をしています。

暫くは、主人も私も犬も2軒の家を行ったり来たりの状態になります。

急に住いが変わって、母が動揺するかと心配しましたが
今のところ快適に暮しています。

一番ダメージを受けているのが、犬のようです。

主人のもとに行くと、夜も寝れない様子で
一晩中、ウロウロしています。

主人はもともと、炊事は得意なので心配していませんが、
なれない洗濯機で、毎日洗濯をしているようです。

自分で出来る間は、頑張ってみるそうです。
手に負えなくなったら、そのときは他にお願いするつもりです。
頑張り過ぎないように・・・そう思っています。

母が退院してきた日に、私の父がお墓参りに行って
転んで軽い怪我をしました。
私の両親も、この半年で随分と年をとった気がします。

私は私で、月に何回か親の元へ通っています。

親の介護をするようになって、お互いを労わりあう関係が
私たち夫婦にも生まれてきました。

何処でも、親の介護の話が聞こえてきます。
親を看たい気持ちはあっても、現実に出来る人は多くはないでしょう。
また、看る為に自分の人生を変えなくてはならない人もいます。

納得してできる私たちは、幸運なんですね。

介護される身に、自分がなるのもそう遠い話ではありません。
子供たちのためにも、老後を安心して迎えられるようにならないと。

もうすぐ選挙ですが、しっかりと一票を投じなければなりません。


葬儀のお茶はまずい?

2009年08月11日 | 香典返し、返礼品
各地域で「葬儀セミナー」をします。

参加者は50代以上の方が多いのですが
時折、若い方もお見えになります。
あら、どうして?・・・と不思議に思うこともありますが
どなたも、熱心な方ばかりです。

先日、セミナーの始まる前に聞こえてきた会話です。
『葬儀でよく貰うお茶、不味くて飲めないのよ』
『そうそう。美味しくないのね』

私が葬儀社で担当していた時も、よく言われました。

何故、葬儀の返礼で頂くお茶は不味いものが多いのでしょう?

原因の1つは仕入れ価格です。
葬儀社が仕入れをする時、価格の安い方に走りがちです。
まあ、商売ですからそれは当然なんですが。

でも、お客様から「まずい」と言われては
商売にならないでしょう。
それが商売になっちゃうのが「葬儀社」なんですね。

どんな品物でも、お客様は買うからです。
気に入らなくても、文句も言いません。

葬儀の打合せ時に、返礼品も決めます。
葬儀社が差し出したカタログからしか選べません。

「これしか無いの?」と思うでしょう。
そして「仕方ない」と遺族は思うのです。

お客様から断られることが無いから
平気で粗悪な商品を売ってしますのです。

もし、お客様が「こんな商品しか無いのなら、他の葬儀社にします」
と、断る人が出てきたら葬儀社の考えも変わります。

でも、家族葬が増えてきた今日この頃。
お返しが無くてもいい葬儀すら出てきました。

「30人分位なら、自分でも支度できる」
と考える遺族があっても不思議ではありません。

葬儀社が自ら「こんな事をするよりよい商品を出して
お客様から満足と信頼をいただきたい」と返礼品の選定を
変えてくれれば、一番なんですが

原因の2つ目は、葬儀社自身が実際の返礼品のお茶を試飲してません。
だからどんな味なのか知らないのです。
実はとても美味しいお茶も多いのですよ。
でも試飲してないので、それも知りません。


私は葬儀社にいた頃は、仕入れる時に必ずお茶の試飲をしました。
そしてお客様と打合せをする時には、返礼品のお茶を飲んでいただきました。

ブランデーケーキやクッキーも食べていただき
タオルは直接手にとって頂きました。

品数が多いばかりがいいのではありません。
500円の価値がある品質か?も大事です。
お茶以外で定番の「タオル」も品物が悪すぎです。

私が業者さんに求めた事は必要以上に安価でなくてよいから
商品に責任を持って欲しいと強調し
もし、クレームが出た時はすぐに担当者と謝罪に同行してもらいました。

皆さんも、葬儀の打合せをする事になったら
きちんと品物を確認しましょう。

前持って葬儀社を選ぶ時には、返礼品もどんなものを扱っているのか
チェックしましょう。

遺族の方が出したお金で買った返礼品が
「どうせ良くない商品」と思われているのはとても残念ですね。

先日のセミナーで他の方からあった一言です
「歯磨きセットを貰ったんですよ。なんだか嬉しかったですねー」

7つのデス・ケア ⑦喪のケア

2009年08月08日 | 葬儀の世界
7つのデスケアも最後になりました。

(7)喪のケア
 遺族のグリーフ(死別の悲嘆)は四十九日が過ぎたから、一周忌が過ぎたから、三回忌が過ぎたから、と皆が同じように回復するものではない。
グリーフプロセスは人によって異なる。
 遺族のグリーフワークの第一歩は死の現実を受け入れることである。このためにはきちんとした葬式、四十九日などの法要は有用である。
 そして悲しみを充分に表出することである。大切な人を喪ったのだから遺族が嘆き悲しむことは極めて自然な人間的なことである。葬式のみならず、遺族が悲嘆を表出することを阻害してはならない。
 死者を忘れることが回復なのではなく、遺族が死者を心の中できちんと価値あるものとして位置づけること、つまり死者との人生をいい思い出として位置づけることが重要なことである。
 法事の援助、本位牌の手配、仏壇の手配は、とかく葬祭業者の営業行為になりがちであるが、遺族の喪の仕事であるグリーフワークを援助するものとして必要なこととの認識が必要だろう。
 例えそれが簡易な仏壇であろうと、遺族は毎日その前で死者を想起し、対話できる。自分が一人ではないことを認識する。そのための有用な道具となりうるのである。
 ケアとはその人の身になって行うサポートである。遺族はそれぞれ抱える問題はさまざまである。その個別の遺族の身になって、どのような個別のケアを提供できるかが問われるであろう。故人の尊厳、遺族の人格を尊重し、その人の意思に沿った、そしてその人のために有用なケアを提供することこそ、これからの葬祭業に求められることであろう。(葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



これからは私の意見です。

葬儀の担当になると、最低でも3日間は遺族とお付合いをします。
葬儀の準備をするには、遺族から故人の人柄や、生活観や家族との関わりや
色々な話を聞き出します。
葬儀の打合せで見積書に書いてある事しか聞かないのでは
より良い葬儀は出来ません。
自然と家族の想いも感じ取ってきます。
それを踏まえて葬儀の準備をするのなら、遺族にとって葬儀場は
当然心地よい空間となるのです。
遺族が担当者に信頼を寄せてくださった時、葬儀スタッフとしての遣り甲斐も感じます。その関係が出来たなら葬儀が終わっても、遺族が気になるものです。
位牌や仏壇や法事のお世話で足しげく通ううちに、伝わってくるのが遺族の
悲嘆なのですね。
私たちは、医者でもなければカウンセラーでもありません。
立ち入った事はできないけれど、遺族の話を聞いてあげる事はできるのです。
また、声をかけて差し上げることも出来るのです。
それだけでも、大きな効果があります。
痛む心を抱えている時に、優しい一言は安心や癒しを与えます。
故人の話を一緒にしてくれる人って、そうはいないものです。
遺族は感嘆や悲しみを、簡単には打ち明けませんから。
悲しんだ現場を見ていた担当者なら、安心して話がしやすいのかも。

葬儀社は喪のケアをするには最適の距離にいます。
「葬儀が終わったのに、声をかけたら迷惑だろう」なんて思い込まずに
遺族を接して欲しいものです。
いつまで?
そうですね、私は遺族から返事が返って来ている間は続けます。
年に1、2回でもいいんです。
そのうちに元気になると、自然と疎遠になるものです。
そうなれば、もう役目は終えたナーと思っています。

忙しくてそんな時間はない・・・・
そう言われてお終いの様な気もしますが・・・
葬儀社は毎日、仕事をしている訳ではありません。
絶対に暇な時があるものです。
1遺族に電話をして「お元気ですか、チョット気になって」と話すのに
10分あったらOK ですよ。
1時間あれば6人に電話が出来ます。
もっと簡単なのは、ハガキです。
裏面に「夏ですね!暑さに負けないで下さいね!」と書いて送るだけで
気遣いを感じさせます。
ただし、印刷したものではダメですよ。自筆です。

葬儀スッタッフが「そうしたなー」って思ったら
この仕事に遣り甲斐を感じている証拠じゃないかしら・・・ね!




7つのデス・ケア ⑥死後の事務処理のケア

2009年08月05日 | 葬儀の世界
(6)死後の事務処理のケア
 一人の社会的生活を営んでいた人が死んだ後の事務処理は、役所の届け
 名義人の変更、確定申告、遺産相続といった手続き、さらには香典返しや挨拶状 の送付…と多岐にわたる。
 これが遺された家族の仕事となる。
 税理士や社会保険労務士の紹介、どういった死後事務があるかの案内
 そうした援助が適切になされれば遺族にとって有益であろう。
 (葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



これらは私の意見です。

このテーマでは何回も書いていますので。今更かな?と思いますが。
実は先日、産経新聞の取材を受けました。
7日の新聞に掲載されるそうです。
多分、何かの記事の一部に紹介されるのではないかと思います。


「愛する家族を失い悲しみに暮れる間もなく、遺族は葬儀の段取りを矢継ぎ早に迫られる。心身ともに疲れ切っていることに気づかず、後に喪失感に打ちひしがれる。葬祭業には、もっと遺族の心情を尊重したケアが必要」
 こう話すのは葬儀コンサルタント、柴田典子さん。
柴田さんは十数年間、葬祭業に携わり、遺族が故人を十分忍ぶことができるようきめこまやかなケアを実施。式場の一角に故人のコレクションやアルバムを置いてその人らしさを出すよう努めたり、遺族と参列者が語り合える時間をとれるよう配慮するなどさまざまなアイディアが評判を呼んでいる。
 さらに柴田さんは、家族や自分自身の死後をどう迎えたいのか、元気なうちに相談する「生前契約」を呼びかける。今後、ひとり暮らしが増え、頼れる身内がいないなどの場合、死後、財産などの処分や各種手続きの進め方を前もって決める需要が見込まれる。
 だが現在、取り扱う葬祭業者はほとんどない。「生前、自分がどんな最期を迎えたいか、それまでの時間をどう過ごし準備するのかを決めたうえで、地元の葬祭業者に相談するのが望ましい」と柴田さんは呼びかける。 


このような記事が掲載されるようです。
取材でお目にかかった記者の方は、先入観を持たずに話を聞いて下さいました。
時々、書き手の方が自分の考えている結論に結びつける為に
聞き出す、と言うか言わせるというか
そんな取材をする方もいるので、少し心配でしたが
素直な記事に仕立てて下さいました。

当日、産経新聞をかってきます。            

7つのデス・ケア ⑤葬式に集まる人のケア

2009年08月03日 | 葬儀の世界
(5)葬式に集まる人のケア
 これまでであれば地域社会の人の仕事であったろう。
 葬式に集まる人の想いを死者に集中させ、共感を自然な形で遺族に寄せられる  ような配慮ができるといいだろう。
 会葬者が「いい葬儀でしたね」というのは、死者の尊厳が明らかになり
 宗教者、遺族、参列者が死者を弔うということで気持ちが一致した葬儀である。
 そういうことができるような時間、空間、サービスの提供にも心が向けられる
 べきであろう。(葬祭ジャーナリスト碑文谷創氏著)



ここからは私の意見です。

今の葬式は会葬に行って、遺族と話をする事は困難です。
少し前までは、自宅や寺院などで盛んに葬儀を行ないましたが
今思いだしても、そこでも会葬者と遺族が話す時間も場所もありませんでした。

遺族はいつも焼香台の向こう側に座っています。
通夜も、葬儀告別式も決められた時間内での行動は規制されています。

会葬者が「いい葬儀でしたね」というのは
会葬に来て焼香をして、棺に花入れをして、出棺を見送っただけでは
出ない言葉でしょうね。

司会者が故人や遺族の様子や言葉を伝えたり
故人からのメッセージがメモリアルコーナーなどで示されたりすれば
少し故人らしさを感じて「ああ、この人の葬式だ」と思うかもしれません。

出棺の時に喪主や親族代表者から
故人にまつわる話が聞けると更に「いい葬式だった」と言える条件が増えそうですす。
たとえ義理で葬儀に来る羽目になっても
遺族の悲しみを感じたり、故人の人柄や温かさを感じる事が出来れば
ただの義理の葬式の無感動さではなくなるはずです。
まして、少しでもご縁があって、多少の付合いがある人ならば
尚更、いい葬式だった・・・と感じるでしょう。

葬儀社側の演出次第、でいい葬式が生まれるしかないのでしょうか?

遺族と故人の話が出来る葬式はどうですか?
遺族から、歩み寄って「今までお世話になりました」と言われたら・・・
反対に遺族に「ご主人には、大変お世話になったんです」とお礼が言えたら・・・
「あなたのことをこう言ってました」とか
「最後はこんな様子だったんです」とか
「こんな事もありましたね」とか
柩の故人を前にして顔を見ながら、こんな話が出来きる葬式なら
会葬者はきっと「いい葬式だった」と思うでしょう。
「あの人といいお別れが出来た」と思いますよ。きっと・・・

もう何回か提案しています。
お通夜の読経時間を1時間、早めればこの葬式は実現します。

5時~6時・・・親族だけで通夜の宗教儀式を済ませます
6時~7時・・・一般の会葬者が見えたら、柩を中央に出し
        その前で焼香してもらい、遺族はそのそばに立って
        焼香後の会葬者とご挨拶やら思い出話をしましょうよ。
会食室に親族が入って皆さんと声を交わしたり、もいいですよね。

告別式は会葬も少なくなります。
通夜を有効にするのはどうでしょうか?

家族葬・・・困ったことに

2009年08月01日 | 世の中
7つのデス・ケアはチョット小休止。

最近聞いたお葬式の話を書きます。

遠方の友人から「葬式で大変だった」と連絡がありました。

そこは、ご近所付き合いも多く、昔の付合いが今も色濃く残っています。
もう30年ほど前に出した葬式は自宅葬で、それこそ、家の片付から
食事の煮炊きまで、ご近所、友人知人が手を貸し盛大に行なわれたそうです。

その頃のお葬式はどこもこんな感じでしたよね。
でもよく聞く話ですが、家の中に他人が出入りするのは
これまた、色々と大変なことなんですね。

その思いもあり、今の風潮もありで
今回は家族葬にする、と決めたそうです。
家族と故人の兄弟だけと決めました。

家族兄弟は知り合いに葬式をする事を伝えましたが
「今回はご遠慮下さい」が徹底していなかったようです。

と言うのは、隣近所が家族同然の付合いだから
伝えなくても、伝わっちゃうでしょう。
それに家族と兄弟と言われたら、兄弟の家族は?
とか、従姉だけどとても親しいのにとか?
親戚でも迷う人が出てきたそうです。

あちらこちらで「葬式に行ってもいいのか?」と言う声が聞こえてきたら
家族や兄弟は「家族葬で本当にいいのか?」と気にし始めました。

そこで、少しもめたそうです。
でも「家族葬をする」と言う喪主の主張があり
そのまま、決行したそうです。
当日来てしまった人は、そのまま受け入れようという事で。

ごく近くの人達は家族の意思を尊重して
葬式に参列するのを辞めました。

いざ、蓋を開けたら
何十人もの人が御参りに見えたそうです。

そこで身近な人に参列を断った家族や親族は
とても申し訳ない思いをしたそうです。



実はよくある話です。
ここでの問題は、
家族葬が向いている環境かどうか?
家族葬を決行なら、その対策が出来ているかどうかです。

葬儀の打合せに言って、家族や親戚の話を聞いていると
家族より、一般葬のほうがこの家庭にはより良い選択ではないか、と
感じる事があります。
その場合は、遺族の意思に反しても一応のアドバイスをするのが
葬儀社としての姿勢ではないでしょうか。

それでも「家族葬」の意志が固いのであれば
それなりに対応策を提案します。
私なら、先ず訃報を知らせる方法を徹底します。
書面に書いておく位に徹底します。

「このたび、○○が亡くなりました。
生前には大変お世話になり有難うございました。
家族親族で相談した結果、故人が生前より希望しておりました
家族と兄弟での葬式をする事に致しました。
お世話になった皆様方には、大変申し訳ないのですが
お焼香、お香典はご辞退させていただきます。
なにとぞご理解をお願い申しあげます。」

こんな事まで、決めるの?
と思うでしょうが、人の口は様々。
ピシッと言えない優しい人は
とかく相手は曖昧な言い方をしてしまいます。
聞いたほうは、自分のいいように解釈してしまうものです。

また、一番困るのは
意思を尊重したいけど、
焼香には本当に全員行かないの?
もしかしたら、私だけ?
・・・・この不安がとても大きいのです。

家族葬って言われたけど、どうなの?
と私は職業柄、よく友人に質問を受けます。

でも、普通の人が家族を亡くして
「家族葬」をしたいと思うのは今や一般的といえる時代です。

でも、そのときの混乱を察知する事はできません。
それが出来るのは、葬儀に慣れてる葬儀社です。
よく家族環境を見極めて
告知を徹底することです。

徹底すれば混乱も起きず、周囲の理解も得られ
心置きなく「家族葬」が出来ます。