柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

「葬儀は愛だ!」 と感じた訳

2013年05月29日 | お葬式
葬儀社の社員さんに研修や講演をするようになって8年がたちました

家族葬や直葬が増えている中で、多くの葬儀社の方が
これからは葬儀規模は小さくなり、家族葬が中心になると
見ています

それが今の現状に沿った、葬儀形態の変化と考えています

義理の会葬は入らない
高齢社会になり、会葬に来る人もいない
親戚も高齢で声を掛けたら迷惑がかかる
故人を知る人だけで送れば十分

葬儀社の方も、一般の方々にまた業界向けに
この発信をしています

私は葬儀の現場に出ているときに
遺族と会葬者の方々の思わぬ出会いや、出来事に
遭遇し、そのときのご遺族の表情や会話を
見聞きしました

だからこそ、葬儀での出会いは
遺族にとって大切な故人の思い出になると確信しているのですが
どうして他の葬儀社さんからは
この人との繋がりの重要さを感じて頂けないのか?

その疑問をずっと持っていました

最近、その答えがなんとなく解ったような気がします


ご遺族との接し方
接している時間
会葬者との接点の持ち方などが他社とは違っていたのでは?
と感じるようになりました

ご遺族から葬儀を承ると
先ず、どんな故人だったか?
ご遺族はどんな状況か?
故人を各ご遺族がどう感じていたか?
親戚との付き合いはどうか?
近所、会社との付き合いはどうか?
葬儀への希望の違いはあるか?
誰がどんな言葉をしゃべったか?

などを注意深く聞いていきます

他の社員が担当になったときも
なるべくそれらの情報を聞き出します

自分が担当になると司会進行を担うため
いる場所は指定されますが
他の社員が担当をしたときは、私は式場内を
動きまわりました

葬儀会館にご遺族が到着してからは
なるべく多くのご遺族や親戚と会話をします

いざ葬儀が始まると
式前の会葬者のおしゃべりを聞いて回ります

焼香後の会葬者の会話を聞き、様子を見ます

「この方はご遺族にお引き合わせしたほうはいいのでは?」と
感じたら、お声を掛けます

「どうやら故人と親しいらしい」と感じたらやはり声を掛けます

お子様方やお孫さんのご友人らしい人にも声を掛けます

式の前後にご遺族に挨拶に来られる方にも
注意を払います


会葬者のお帰り時もなるべく玄関でお見送りをします
ほっとして連れ立って帰る会葬者は、色んな会話をしています

お手伝いの方にも受付の様子をお聞きしながら会話をします

式後のご遺族には遺族ケアの会をしてましたので
式後3年位は葬儀を含め様々なお話を聞く機会がありました



このように思い起こすと
普通の葬儀式を行う中で、葬儀社として
いるべきポイント以外の場所に
私は立っていたのではないか?と気付きました

年齢的にも、物怖じせずに声を掛けられたことも
いい結果を生みました

葬儀があるからこそ
思わぬ出会いがあり、普段では感じない絆や愛情を
遺族は感じています

この体験がなくても葬儀は終えることができます
また、体験をしなければ、それほど人との関わりが
有難いと思うこともないでしょう


葬儀社の方に、ご遺族のこのような「思いもよらない体験」を話すと
大いに共感はしてくれるのですが、自分たちが遭遇したことはないようです


あるフリーライターの方が
一人娘に葬儀の負担をかけないように
葬儀社と直葬、散骨の契約をしたそうです

お母さんが亡くなったとき
1人娘さんは家族とお母さんを見送るのだと思いますが
仕事仲間の友人からお母さんの仕事ぶりを聞いたり
学生時代の友人から若い頃のお母さんを語ってもらったり
一度も会ったことがない人達から二度と聞けない
お母さんの話が、最後の最後に聞けたら
この娘さんは、別のお母さんを知ることができ
母を支えてくれた友人の存在をきっと感謝するのではないか・・・と
考えてしまいました

お母さんは娘の負担をなくすために選んだ葬儀です
このお嬢さんはお母さんの希望した直葬、散骨をしてあげられたことに
満足はするでしょうが
先の体験をすることはないでしょう

葬儀の形を選ぶのはご自分たちですが
別れる意味を知り、葬儀は家族葬や直葬だけではないと
知らせてあげたいと、思います

そのために、いまこそ葬儀社の皆さんに
葬儀の中から、人の絆を見つけて欲しい! と伝えようと思います





稀有なご縁で・・・今の私が

2013年05月22日 | sibatanoriko?
平成10年の7月、見知らぬ人から携帯に連絡が入りました
「急いでお目にかかりたいのですが?」

その方の電話から事が始まりました
「空いている葬儀会館を利用して葬儀社を新規で立ち上げたい」
「そこをあなたに任せたい」
某電鉄のグループ会社の専務という方からの電話です

その葬儀会館には難問が山積みでしたが
詳細はともかくとして
その専務の努力の結果、翌月に新しい葬儀社は設立をします

私が選んだ葬儀スタッフ4名+清掃の方1名
グループ会社から来られた社長と経理の方1名
総勢8名でオープンの広告を撒く間もなく
オープニングのセレモニーもないまま
極、地味に地味にこの葬儀社は開設しました

新規立ち上げが決まったとき
「柴田さん、経験者を入れたらどうか?」と専務から相談がありました

実は私が集めたスタッフは
葬儀の派遣会社に2年勤めた男性1人
葬儀相談を1年経験した男性1名
葬儀アシスタントを4年経験した女性3名
葬儀初体験の女性1名でした


でも既存の葬儀社を作るつもりはなかったので
全てお断りしました

経営陣としては失敗できない新規事業だったのですから
どんなに不安を感じたでしょうか

でも、この専務は
「解った。君に任せる」といって下さいました

葬儀を支えてくれる関連業者も
価格も
ちょっと変わった見積書も
宣伝広告も
葬儀マニュアルも
社員の管理体系も、給料体系も
ユニフォームも
接遇の方法も
遺族ケアも

本当に何から何まで一任してくださったグループ会社の専務
専務からの報告をそのまま了解して下さった当事のグループ会社の社長
専務からの意向をそのまま実行してくれた葬儀社の社長

そして私と一緒に同じ目線で学んでくれた葬儀スタッフの力も欠かせません
とにかく、言った通りに考え行動してもらえたので
想いがそのまま現実のものになったのです
このときの全員の一致団結は、ものすごい力でした
(自己満足でしょうが、小さな葬儀社だけど日本一素晴らしい葬儀スタッフがいて
質の高い葬儀をしている!と本心思っていました・・・)


その後、会社は時代や成長と共に変わっていきますが
当初、与えられた状況から
私は“シバタイズム”と言われる葬儀社の取り組みを考え出すことができたのです
そして、それが私の基礎となり、多少なりとも、皆さんのお役に立っています



葬儀社が始まると専務は毎日のように様子を見にこられました
「自分も手伝う」と、おっしゃって、宿直まで経験されました
搬送車を見てビックリしたのは、運転を専務がされていたことです



今日、この専務の葬儀が行われました
退職されて、まだまだお元気だと思っておりましたのに・・・

会社を離れると、死亡通知も届かないことがよくあります
私には忘れがたい方でしたので
ご家族から連絡を頂き、とても感謝しています


ご本人にお目にかかって
「本当にお世話になりました。有難うございました」
とお伝えしてきました


この稀有なご縁は、天からの授かりものに違いありません









第6回の事前相談セミナー終了しました

2013年05月15日 | お仕事



『お客様の希望通りにすることが葬儀社の勤めかと思っていましたが
私達から提案することが大事なのですね』

『お客様にこんな葬儀ができるのだ!という具体的なイメージを持ってもらうのが
大切なのですね』

『当たり前なことは何一つ無いのだ、と気づきました』

『長時間だったのに、興味深くて集中して受講できました』

今回のセミナーで聞かれた感想です


体調がベストではなかったにも関わらず、満足度も80%以上を頂け
ホットひと安心です


今回は司会業の第一人者の方が、ご参加くださいました
お仕事の幅を広げるためだそうですが
さすがロールプレイングも群を抜いてお上手でしたし
講義の傾聴力の一際目立っていました

「事前相談セミナー」はもはや葬儀社だけが必要なのではないことが
6回のセミナーを通してはっきり見えてきています


皆様お疲れ様でした

16日間のお休み、明日から仕事です

2013年05月12日 | sibatanoriko?
4月27日から5月12日まで、完全休業をしていました
こんなに長期休暇を取ったのは、初めてです!

4月29日に娘の結婚式がありました
昨年、入籍を済ませていましたが
けじめとして、代々木八幡神社で結婚式を行ない
そのあと、青山で披露宴をしました

結婚式は娘夫婦が準備して、私達は言われるがままに
役目を果たしただけです



前日までリハビリ施設にいた祖母も、この日は車いすで参列してくれました

この日の為に、仕事を調整し、遠方から駆けつけて下さった方達に
心から「有難い」と思いました

娘も終焉の両親へのメッセージの中で
「結婚式では変なことするな!そしたら俺は途中で帰るからな!
と、言いていたお父さん
何もしないよ・・・と言っていたけど全部してしまいました・・・
ごめんなさい!
私は何の力もない普通の子です
でもお父さんやお母さんが多くの人との繋がりを大事にしているので
私にも多くの人が縁を持って助けてくれています
だからこれから二人で頑張っていけます!」
と伝えてくれました

セレモニー嫌いな父親への謝罪からはじまり
涙を誘うというより、時に爆笑のメッセージでしたが
育ってくれたなー、とニコニコ顔で聞いていました
後から聞いたら、父親は何故かずっと天井を見上げていたそうです


とにかく無事に結婚式が終わり
翌日から、我慢していた体調不良が一気に爆発

一歩も歩けない日が続いてしまいました

実は数か月前から、持病のリウマチの異変が始まっていました
何となく違和感や痛みを覚え、騙し騙し日々を過ごしてました

絶対的な威力を持っていた薬が効かなくなったようです
寝ても覚めても体の節節が痛くて動かせず
発病当時の状態を思い出しました

人は勝手なものです
あんなに薬の有難さを感じていたのに
いつの間にか普通に動けるのが当たり前で
薬に助けられているのをすっかり忘れてました
感謝がなければ、体も薬も怒ります

無理を強いて数年を過ごしてしまいました

再度入院して、他の薬を処方していただきましたが
今回は即効と言う訳には行かず
じわじわと効果が出てきているようです

長い事、休養をしてしまい御迷惑をかけた先もあり
とにかく明日から少しづつ仕事を開始します

正直、ベストコンディションとは言えないのですが
何とか動けるようになりました

明日は、なんと例の「第6回 事前相談」の6時間半セミナーです

痛みや不便さを知って、また得たものもあり
体調が万全でない分、何か他の面で伝えられそうな気がしています

今更ながら、アシスタントの助けが有難いと痛感しています

明日はどんな方たちとお目にかかれるでしょうか?
楽しみです