柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族を亡くした人と葬儀社へ 葬式を考える

2009年05月28日 | お葬式
今日のブログも長くなってしまいました。
ごめんなさい。
でも、大事なことを書きました。
辛抱して呼んでください。


先日も葬儀の番組をやっていました。
葬儀の勉強をしましょう・・・みたいな内容です。
病院で死ぬと葬儀社がすぐにきます。
そうしたら、こう対応しましょう。
葬儀の日程は通常、死んだらその日に自宅安置
次の日が通夜、その翌日が告別式です。
葬儀の費用は全てを含むと230万くらいが平均です・・・

これは、これで勉強になるのかも知れませんが、「こういうもんです」といわれれば、「そうなんだ、そうしなきゃいけないんだ」と視聴者は思ってしまいますね。

反対に、葬式なんてお金を掛けなくてもいいんです。
こんなに安く出来ますよ。
火葬だけなら20万円ですよ。
これで十分お別れが出来るんですよ。お金を掛けるのは葬儀社の上手い話に乗っているだけですよ!

こんな番組も多いんですね。


私そう長くはないけど、死を見つめて生きていきました。
今、人の死がとても軽く扱われている気がしてなりません。

死んだら、これくらいお金がかかるのは、しょうがないと
それを納得する人も大勢いますが、今は「お金をかけすぎよ」という声が多いのも事実です。

今まで、葬儀を担ってきた葬儀社の「ぼったくり葬儀」に人々が
葬式をいらないと判断してしまったのですね。

家族の死を迎えた時、
すぐに葬式をして、故人の姿、形を一時も早く消しさることが
当たり前になっています。
そこにお金をかけることがいけないと、人々は判断を下しています。

その判断に何かが欠けているような気がしてなりません。
「お葬式にお金をかけない」
「葬式なんて必要ない」
「火葬だけすれば、それでいい」
そう思っている人たちには、テレビやマスコミから伝えられている
葬式=お金をぼったくるものだ!
という言葉だけを鵜呑みにして、そう判断しているのではないかしら?

何十年も一緒に暮らし、愛されていると感じたり
誰よりも頼りに出来ると感じたり
束縛されていると感じたり
心の中に土足で入り込まれたと感じたり
でも苦しいときに、そっと手助けしてくれたり
愛しい、と嫌いの繰り返しであっても絆が切れないのが、家族です。

その人が死んで、もうどんな接点も持てないとわかったとき
愛も、嫌悪も含めて思い返しながら別れて欲しいと思うのです。
お葬式の準備をしながら
「どんな人だったのか?」
「何をしてもらったのか?」
「どんな迷惑を受けたのか?」
反対に
「どんなに迷惑かけたのか?」
そんな事を思い出して欲しいのです。

遺影写真を探す・・・・これは重要な行為です。
忘れていた故人との気持ちの関わりを鮮明に思い出させてくれるのが写真です。

たんすの中の洋服も、いつも持っていた愛用品も・・・
みんな、故人との別れを鮮明にするものです。

その時間が欲しい。
そしてその中『最後にこうしてあげたい!』と言う思いが出るのは当たり前のことなのです。

それがお金がかかることでも「そうしてあげたい」と思ったらきっとするでしょう。
そのお金の掛け方は、悪いことではないのです。
お金がかかるか、かからないかではないはず。

自分達が亡くなった家族にしてあげたい!気持ちが大事。

でも、今の風潮は、家族が亡くなれば
「火葬だけすればよい」と
それで十分だ、お金など掛ける必要はない、と。

簡素、という意味も、
家族を送る、という意味も勘違いしています。

【故人との関わりを思い起こした中で
そうしたいと思うことさえ、気付かせてあげられない】
今の風潮が、私は悲しいと思うのです。

家族の死を、真剣に考える機会のない人々が大半で
その人たちを受け入れて葬儀をすすめるのが葬儀社です。

その葬儀社がただ、高い・安い だけでけしか
葬式の話が出来ないなんて・・・・
本当に葬儀を担う者として意識がなさ過ぎます。

葬式宗教も同じ目線で判断されてます。

お布施が高い?だからお寺はいらない・・・ではないはず。
お布施の問題は金額だけをこだわりすぎで
金額を提示しているお寺のほうが少ないのではないでしょうか?

無理せずに、でもこんなに良くしてもらったら
「このくらいは包まないと」言うのが本来でしょう。

お布施を先に払う必要もないと思うけど。

私が「この方、お寺さんの言葉で救われている」とか
「仏壇の前の念仏にすがっている」なんて場面は多く見てきました。

そんなことを話してあげられる葬儀スタッフが少なすぎなのです。

葬儀社の役目は、
葬儀の何たるか、を教えて差し上げるのも大事なことなのです。
お客様のニーズは、私たちが提供する物から
生まれて来る、だから本当に家族を亡くした人の為になる物を提供しないといけない。
その物がどんな風に役にたつのかを教えないと。

最近の葬儀を報道しているテレビを見て、
葬儀社の役目を、つくづく思うのです。






榊原・嶌のグロバルナビ

2009年05月25日 | 葬儀の世界
5月23日のBS-TBSの番組「榊原・嶌のグローバルナビ」に
燦ホールディングスの古内社長がゲスト出演していました。

1時間の番組ですが、大部分が古内社長との対談でした。
今の葬儀事情と傘下の公益社の内容を紹介していました。

公益社には葬祭ディレクターが177人いるそうです。
私が始めて公益社に伺ったのは、10年くらい前でしょうか。
日本一の葬儀社の社員研修が知りたくて
面識もないのに、電話で見学を申し込みました。
驚いたことに即決で了解して頂けたのです。

研修内容や研修センター内をご案内していただき
設備と、システムの素晴らしさに感動しました。

そのとき対応してくださった部長から
「遺族ケアはこれから取り掛かりたい
あなたの方が先にされています」とそれだけは褒めていただきました。
当時、私は葬儀社として遺族ケアの会を行っていたのですが
国内では他になかったと思います。
葬儀スタッフが仕事の合間に、行なっていた小さな遺族会でしたが
毎月必ず開催しました。

その数年後に、公益社は遺族ケアの「ひだまりの会」を立ち上げました。
私が先に歩んだ数年間など、足元にも及ばない素晴らしい
実績を上げています。
公益社は遺族ケアを充実させ「ひだまりの会」は葬儀業界では遺族ケアの第一人者となりました。

そのほかにエンバーミングも積極的に行なっています。
聞きなれない言葉ですが
ドライアイスを使用せずに遺体を長期に保存できる方法です。
遺体の血液を処理しますので、感染症の危険もなくなります。
そして、事故などで傷ついた遺体や、病気で見る影もなく衰弱した遺体を
生前の見慣れた状態に修復が出来ます。
この長期保存、感染防止、遺体修復は
「遺族が故人と一番いい状態でお別れを出来るようにする」のが目的です。

エンバーミングは火葬をするから必要ない・・と
簡単に言い切ってしまえるものではありません。

番組ではそんな事は話していませんが・・・
チョット、皆さんにエンバミングの本来の目的を知ってもらいたくて。

ところで、番組を見ててビックリしました。
女性の葬祭ディレクターが登場するのですが
彼女がまだ学生の頃に一度会ったことがあるのです。

当時大学生だった彼女から私がいた職場に電話がかかってきました。
卒論の為に取材できませんか? ということでした。

なにを聞かれたのか、はっきりと思い出しませんが
長々と葬儀の話をしました。
その後お礼の手紙を頂いたので、とても印象が強かったのです。
そこには卒業論文に「これからの葬儀業界の・・・・・」を書きたいが
中々整理しきれないでいたが、今回の話で大変参考になったし非情に
心を打たれた、とありました。

将来のある方からの手紙だったので、今でもとってあります。
だから、番組に彼女の名前が出た時に、すぐに思い出だしました。

あの子が、この世界で頑張っているんだ、と
とても嬉しくなりました。
でも、残念ながら顔は覚えていなくて初対面みたいでしたが。

色んな意味でいい番組でした。
でもBSだと、あまり見た人はいませんね。




葬儀の仕事7

2009年05月22日 | 葬祭スタッフ
葬儀の仕事も7回目です。
チョットしつこいかな?と気が引けますが
もう少しだけ、お付合いください。

葬儀の後には、集金があります。
請求書をお持ちしますが、葬儀前に出した見積書との
違いを説明しないといけません。

人数による増減が多少はありますから。

この説明をしないと
「見積より高いじゃないの!
だから葬儀社は信用ならないって言うの!」と
あらぬ誤解を招きます。

葬儀の中のトラブルは説明不足が殆どです。
葬儀は非日常の出来事なので「ご存じない」を前提に
話さないといけません。

葬儀後の「遺族の仕事」も説明すべきことです。

最近はご夫婦だけで暮している家庭が多いでしょう。
配偶者がなくなれば、お1人暮らしです。
そんなに世事に詳しくないですよ。
法事の仕方も、位牌や仏壇の用意もわかりません。

お墓が無い人は、墓地を探すところからはじめます。
49日に納骨したいな・・・て思っても
墓地を見つけて、墓石を建てるのに
早くて1ヶ月半くらいはかかります。
葬儀後すぐに取り掛からないと間に合いません。

こういう情報は、なかなか入りにくいでしょう。

そのほかにも役所手続きが無い人はいません。
「知らなかった」で後から困る人もいます。

葬儀社はこのあたりまでサポートしてあげるべきです。

最近では、葬儀後の遺族の心のサポートをする会社も出てきました。
遺族会やカルチャー教室、コンサートや勉強会なども盛んです。
葬儀社は友引の前日の午後と、友引の日の午前中は
ホールが空いているところが多いので、そこを利用します。

葬儀社は年中無休の24時間対応なので、定休日がありません。
葬儀の予約も出来ません。
仕事がないからと言って、急に休めません。
仕事は急に入ってきますから。

葬儀が無い日は、倉庫や備品の片付けや洗車
又、ポスティングに動いたり
会社の会議、社員の勉強会に当てます。

夏休みもお正月休みもないので、交代で休みます。

何より一番大変なのは
やはりご遺体の扱いでしょう。
綺麗な状態ばかりではありません。

孤独死が急増しています。
発見されたご遺体を警察へ運ぶのは葬儀社の仕事です。
「おくりびと」の中にもそんなシーンがありましたね。

自死も事故も多いです。

大変だけど、高収入でしょう?と言われますが
それは一昔前の話です。
大手の葬儀社はそうかもしれませんが
全国の葬儀社の8割以上は10人以下の零細企業です。

担当を持ちディレクター資格もあるのに
家庭を持った男性が手取り25万円に満たないところもあります。

でも、意外と転職はしない。
結局、この仕事に意義を感じているのでしょう。

介護の世界も同様ですね。
こんな世の中ですから一概には言えませんが
もっと適正評価が必要ですね。




葬儀の仕事6

2009年05月19日 | 葬祭スタッフ
初七日法要後の会食が終わると、喪主は親族を見送ります。
故人にお線香を手向けて帰り支度が始まりますが
喪主は返礼品、供物、花束などを親族に手渡してお礼をします。
喪主の多くは、この手順を知りません。
担当者が側にいて、お手伝いをします。

親族との挨拶は、そう簡単には済みません。
長話になる事もありますが、喪主にとっては親族の様子から
葬式を無事に終了した「達成感」を感じる時間でもあります。
先に挨拶を終えた親族のお見送りは、他のスタッフがします。
車の移動や手配、荷物の積み込みを手伝います。
二日間ですっかり親しくなった子供たちやご年配の方と
少しの間、歓談したりします。
このときに、親族から褒めていただけたりすると
クタクタになっていても又、元気が頂けるものです。

最後にご遺族が荷物をまとめられて
帰られるので、これもお手伝いをします。
ご遺族が帰られてから
ご自宅に届ける荷物を車に積み込んで担当者が
お届けします。

供花、供物、自宅用の返礼品、弔電、飾りつけた愛用品などです。

ご自宅に運び込み、遺骨や位牌、遺影写真を飾りつけ
お参りできるようにセットしします。

喪主様にお届けした品物を確認していただき
今後のするべきことを伝えます。
49日法要、位牌の支度、香典返し、諸手続きの説明などです。

看病、臨終、通夜、葬儀、火葬、初七日、会食と
気の張ることばかりが続いたご遺族は、お疲れなので
大切な説明だけして、早々に引き上げてきます。

式場では急いで後片付けがされています。
もし通夜が入っていれば、すぐに支度を始めなければ間に合いません。

葬儀終了後のご親族を追い立てずにお見送りしながら
次の葬儀の支度に駆け回る事は、日常茶飯事です。

担当者は、返礼品の総数を確認したり、請求書の内訳を再確認します。

一つの葬儀をお受けすると、葬儀スタッフはあうんの呼吸で動き回ります。
あるスタッフが、告別式の朝、こんな話をしました。
通夜を終えて自宅に着いたら、くたびれてコートを着たまま
つい横になって寝込んでしまったそうです。
午前4時に目が覚め、慌ててお風呂に入り
それから、告別式のナレーションを作っって、何とか間に合ったそうです。

この話を聞いていた同僚は皆、その状況が理解できました。
担当者はそのご家族にとって、一番いい別れの場を作ることに夢中になります。

チョット、粋がってない?
と言われそうですが、葬儀を職業にした人は、
基本的に優しい人、人の為に役立ちたい人が多いのです。

葬儀社によって、担当者が一貫せずに分業だったり
仕事内容が違ったりはしますが
とても、大変な仕事です。

でも私は、こんなに一所懸命になれる仕事をもてて
しかも、その場でお客様の反応がすぐにいただけるなんて
とても幸せな職業だと思っています。

「葬儀の仕事にプライドを持ちなさい。
あなた方は、それだけの仕事をしています」

これは私の口癖でした。

葬儀社は不透明で不要な葬儀価格はつけるべきではありません。
が、しかし、スタッフの仕事には価格をつけて請求すべき物で
十分のその価値があると思います。


葬儀の仕事5

2009年05月17日 | 葬祭スタッフ
火葬場に同行する葬儀社が増えました。
火葬場での遺族の気持ちは起伏が激しくなるものです。
私はこれにも、担当者が同行するのが一番良いと思っています。
ずっと関わってきた者が一番遺族の状況がわかるはずですから。
火葬炉の中に入るときには、諦めながらもすがりたい思いがあります。
そのときの対応は、ずっと付いてくれていた担当者なら
そっと肩を支えてくれるだけで、言葉が無くても遺族には頼りがいがあるものです。

この場は、ただ案内すれば良い、お茶を出せば良い・・というものではないのです。
親族、親しい方がご一緒ですから入り込んではいけませんが
そっと見守る位置にいなくてはなりません。
ですから、控え室に入っても担当者は必ず側に控えています。

これって、実はしていない葬儀社の方が多い。でも葬儀の仕事に携わるものとしてこのブログを読んで、そうして欲しいことです。
これらの事を含めて、葬儀の仕事と胸張ってほしいものです。
チョット、余談というか、苦言になってしまいましたが・・・

火葬後に拾骨への案内、車輌への案内をします。
そして、通常は初七日法要に向います。

葬儀が終了した式場では、別のスタッフが片付けをしています。
用具の撤収、供物の区分け、返礼品の区分け、遺族にお返しする物のまとめ
室内の清掃をして
次の初七日法要の支度をします。
法要後は会食になりますので、料理の支度もします。
葬儀社だけでなく、各業者さんが一緒に動いてくれます。
この間約2時間位でしょうか。

外現場であれば、お借りした台所、トイレ、外回りも清掃し、ゴミも全て持ち帰ります。トラック2台くらいの荷物があります。

火葬場から、到着時間の連絡が入ると清塩、手水の支度をして
ロウソク、香炉に火をいれて待機します。

導師をお迎えし、まずご案内をします。
遺族の車輌が到着し、位牌、遺骨、写真をお預かりし祭壇へ収めます。
ご親族をお迎えしてご案内をします。

全員が席に着いていただくまでが、又一苦労です。
皆さんいつも、席順で遠慮が多くて時間がかかります。
私はこの時間は出来るだけスムーズに事を運びたいと思うのです。
遺族も親族も、一番疲労が濃くなります。
故人が生の体から白骨になってしまい、諦めがつきますが
同時に脱力感もともない、心身ともに疲れてくるのです。
このときに、いつまでたっても全員が揃わないと
一番先に着席している遺族は、又気遣いをしなくてはなりません。
スムーズな着席には、スタッフの誘導力が必要です。

会食時に入ると、この脱力感が安堵に変わってきます。

お膳を前にして、喪主様の挨拶や献杯などをご案内して会食が始まったら
担当者は喪主にその後の流れを説明して退出します。

会食時間は担当者のスタッフの食事時間でもあります。
そして、会食が終了間じかになると
親族をお送りするために、喪主様は気ぜわしくなる為
又、お手伝いに伺います。


葬儀の仕事4

2009年05月13日 | 葬儀の世界
葬儀告別式の日は
様々な確認から始まります。

霊柩車、マイクロバス、ハイヤーの確認を怠ると
万が一、手配ミスがあった場合
出棺が出来ません。

火葬場は受付時間が厳しく
少しの遅れが多大な迷惑をかけることになります。

実際に過去、手配の時間を間違え
朝の確認でそれが判明し、大騒ぎになったことがあります。
もちろん、事務所内だけで、お客様には微塵もその影は見せませんが。

そんな訳で、確認をとった後は
火葬場へ持参する荷物や書類を確認します。

ご親族控え室の掃除、式場内の掃除
ご遺体の点検、返礼品の準備、受付の支度を終える頃
ご遺族やご親族がお見えになります。

指揮中に読み上げる弔電の順番とフリガナの確認をします。
火葬場へ同行される方の人数も確認しますが
これが中々、大変な作業で出棺直前まで決まらないこともあります。

火葬場に同行されると
その後の初七日法要、会食に移行するので
お膳数にも影響が出ます。
余聞に余るのもよくないのですが
足りない方が、一大事になります。

供物の処理の仕方や
自宅に置く返礼品の数も再確認。
お花入れの時に納める物の確認。
お別れ時に一般の方をお誘いするかの確認などを
式前に行ないます。

お手伝いの方が見えると
出棺前に香典の集計を終え、喪主に手渡す説明や
食事の説明などをします。

ご親族もお手伝いの方も、通夜を無事に過せたので
安心感が見受けられ、私たちも和やかな接し方で務めます。

導師が来られ、担当者と打合せをし
式が始まります。

式が始まって、花入れが始まる頃には
車輌が揃っています。
もし、どの車でも遅れて未到着なら
式の終了も加減しなくてはなりません。
棺を持っていざ霊柩車に・・・と移動したら
霊柩車が無かった!では、話になりませんから。

花入れは、親族の席を片付けて広さを確保する所から始めます。
なるべく音を立てずに、スピーディーに行ないます。
花を摘みますが、乱暴にしてはいけないし
かといって、時間がかかるのも困ります。
一般の方の誘いがけも
しつこい誘いはせずに、でも満遍なく声をかけます。
人数が多いときは、人の列を調整したり
棺の向きを変えたりします。
その場の判断で、臨機応変が基本です。
喪主挨拶、乗棺、各車輌への誘導
会葬者の誘導、

乗り遅れた人はいないか?
人数確認をし、喪主から伝えられた人数と食い違えば
すぐにお膳の追加を手配します。

火葬場にはスタッフが同行し、他スタッフはお見送りをします。
無事に向われた後に、会葬者をお見送りします。
このときに、返礼品の渡し忘れがないか?
忘れ物がないか?をチェックし
希望者にはタクシーの手配をします。

葬儀の仕事3

2009年05月10日 | 葬儀の世界
通夜は午後6時頃から始まりますが
葬儀社は朝から準備は始まります。

看板の設置は式場前だけではなく
道路の案内看板もあります。

式場までの道案内看板です。
これは不要に思う人もい多いのですが
車で来場される方には、とても重宝な看板なのです。
それだけに設置場所には気を使います。

受付の準備。
遺族や導師控え室の準備。
お絞りやお茶の準備。
そして、式場内の準備があります。

親族席の順番やイスの向きは担当者にこだわりを持つ人がいます。
式の流れや、会葬者の流れが大きく左右されるからです。
また、故人らしさを感じさせる工夫にもこだわりがあります。
打合せで、故人の人柄や、家族の思いを良く受け止めていればいるほど
何とか、良い別れの場を提供したいと思うものです。

花屋さんが設営に入り
遺影写真が出来上がり
礼状や会葬の返礼品も届いてセットが始まります。

故人、ご親族が到着されると控え室へ案内し
喪主には礼状の確認や花札の確認をしていただきます。
依頼された供花が全て揃っているか、名札の字に間違いがないか
受注リストと照らし合わせをします。
供花のトラブルは葬家を巻き込むトラブルになりやすいので慎重に行ないます。

次いで、親族、受付等のお手伝いの方、がお見えになり
それぞれに説明をしてまわります。

式の前に親族に前もってしき次第を説明し、
先に受付を済ませてもらいます。

導師が到着され担当は式の細かい打合せをします。
喪主に声をかけて、お寺様へ挨拶をしていただいたり
お手伝いの方への挨拶も促します。
喪主は始めての事で、急に人が集まり、次から次へと
ことが流れて行くので、挨拶すべき事柄を見失いがちです。
そこを上手くフォローするのが担当者とスタッフの腕です。

担当者も喪主以上に大忙しです。
式の流れを確実に把握している人の采配が全てを決めるからです。

料理屋さんがスタンバイし会葬者数とのバランスを考えるのも
大切な役目です
会葬者に料理が足りるように・・・と遺族の要望があれば
追加のタイミングも計りますが、遺族に了解を得てからの決定が必要です。
式中に小声で確認をとることもあります。

親族に限らず、体のご不自由な方やちいさなお子さんへの気配りもします。
会葬のお客様は「葬儀に不慣れな方」と想定して
戸惑いのないように順路案内や、説明をします。

受付、返礼品の引渡し、会食室の状況も何度も確認をします。

私は初めに打合せをさせて頂いた者が担当をして
葬儀全般を取り仕切るのが一番だと思っていますので
司会進行も担当者が行ないました。

式中に故人紹介をするナレーションも
家族から伺った話から作り上げるのですが
前夜に自宅で作成したり
間に合わない時は、通夜の準備の合間に作っていました。

苦労した甲斐があって
ご家族からは高い評価を頂いていたので
スタッフは皆、頑張っていましたね。

通夜を終えて
喪主とご一緒に導師をお見送りして
やっとご親族の会食です。

その合間に、式場を片付け会葬返礼品の数量をチェックします。
喪主に報告し、翌日の打合せを行います。
この打合せが綿密でないと
翌日の告別式は、モタモタ、ダラダラしてしまいます。

6時から7時が通夜
7時から9時頃までが親族会食
担当者は告別式の手配と火葬場の準備をして帰宅は10時を過ぎます。


葬儀社の仕事 2

2009年05月07日 | 葬儀の世界
通夜が始まる前にする事はまだまだあります。
死亡届けを代行する葬儀社が多くなりました。
死亡届と火葬申請書を提出し、火葬許可書を受取ります。
火葬するには火葬許可書が必要です。

故人の体を保持する為には24時間以内にドライアイスの交換を行ないます。
旅支度や納棺も通夜前には済ませます。
映画の「おくりびと」のようなマネは中々出来ませんが
ご家族の方と一緒に清拭をし、足袋、手甲、脚絆、帷子、草履、すげ笠、杖などを
身につけるお手伝いをします。
その時にラストメイクも施します。
出棺の時まで、綺麗な状態を保てるように、遺体のチェックは
何度も行ないます。

ご家族から打合せ時に伺った故人の人柄や生い立ちや趣味から
その方らしい葬儀を準備します。
最近では愛用品を飾ることも多くなりましたし
故人の紹介をするナレーションや映像を用意するところもあります。
これらは殆どが社員の手によって作られます。
看板や遺影写真、礼状も自社作成する葬儀社が増えました。

式場の設営、控え室の準備、館内の清掃も社員の仕事です。

最近では家族葬などが多くなり、葬儀の規模も小さくなりましたが
準備の行程は、大きくても小さくても変わりません。

日本の葬儀社の8割以上が就労者が10人以内の規模といわれています。
少ない人数で、ほぼ1日の間にこの準備をしますが
同じ日に葬儀を行なっていることもありますし
新たに故人のお迎えを依頼されることもしばしばあります。

どちらも、お待たせすることが出来ないので
休みの予定が入っていても、急遽出社になる事は日常茶飯事です。

初めての経験で不安になられているご家族から度重なる問い合わせもあります。
ご家族は、簡単な質問でも必ず担当者に問い合わせをしてきます。
どんなに忙しくても、担当者が直接対応する事は
ご家族のより一層の安心と信頼を獲得することです。

葬儀は会館ばかりではなく、自宅や寺院など外の現場もあります。
この場合の準備は道具の搬入や設営が更に増え
時間の制限もあり、より忙しくなります。

このような準備を終えて通夜を迎えます。





葬儀社の仕事 1

2009年05月06日 | 葬儀の世界
お客様からの電話で、葬儀の仕事は始まります。
亡くなられた方をお迎えにいくのです。

出社している時間ならすぐに出動できますが
夜間の場合は、1時間位の猶予が必要です。

葬儀社の社員は通常、交代で夜勤をします。
24時間体制なので会社に泊り込むか、自宅待機で電話を受けます。
故人の搬送には2名が関わりますので、お客様から搬送以来があると
準待機の人にすぐ連絡を入れ、出社してもらいます。
夜勤の勤務者は当然ですが、搬送時に呼ばれる者も
帰宅後、電話がすぐ取れるような状況でいる必要があります。
当然、外出もお酒を飲む事もできません。

男性社員が夜勤をしますが、人数が少ない会社では週に2回、3回と
夜勤をしなくてはならない会社もあります。
最近では女性も夜勤に入る葬儀社もあるようですね。

病院から自宅か葬儀社に故人を安置します。
お布団に安置して、遺体の処置を行い
お参りが出来るように枕飾を準備します。
その後に、葬儀の打合せに入りますが
もし夜中の搬送なら
葬儀の形式やお寺様の有無、希望の葬儀日程などを聞いて
一度、引き上げてきます。
この間、2時間から3時間はかかります。

今は夜中の打合せは避けるようになりました。
お寺に連絡も取れませんし、火葬場の予約も取れないのです。

それにご家族は、これまでの看病で疲れていますし
家族の死で、動揺もしています。
状況によっては、ろくに寝ていない、食事をしていない
・・・そんなこともありえます。
少し休憩する時間を差し上げる気配りも大切なのです。

午前中に葬儀を担当する者が改めて伺い、本格的な打合せをします。

この打合せが、葬儀社にとっては一番重要な仕事になります。
いかに、ご家族の要望を聞き取り、ご家庭の問題点を見つけて
適切なアドバイスをするか。
「見積もりが高額なら、良い社員だ」なんて言っている葬儀社は
これからは生き残れません。
この時間に、ご家族から信頼を勝ち取る社員が優秀な社員なのです。
綿密な打合せは、後のトラブルを生みません。

打合せが終わると、葬儀社に飛んで帰ります。
大抵は翌日の通夜になるので、葬儀に必要な物を発注します。
まず、火葬場の予約確認。
霊柩車、マイクロバス、ハイヤーの手配。
お寺への挨拶と必要事項の連絡。
役所へ提出する書類作成。
遺影写真の手配。
棺、骨容器の手配。
祭壇、花の手配。
看板類の手配。
料理、返礼品の手配などなど。

その間に
供花、供物の注文が入りだします。
故人の会社や町内との連絡。
会葬者からの問い合わせも入ります。

供花や供物はとても神経を使います。
まず、電話で供花の依頼がきます。
葬儀社から注文書を依頼者に送ります。
依頼内容の書かれたファックスが送られてきたら、再度確認の電話を入れます。
その時に名前の字の確認、請求先の確認をします。
今度は、供花の発注を花屋さんに出します。
花屋さんから確認の電話が入ります。
供花、供物の字の間違いは、大きなトラブルを招きます。
最大の注意が必要です。

この繰り返しが通夜の直前まで続きます。
大きな葬儀になると200基以上の供花が短時間に入りますので
事務所内は大騒ぎになります。

打合せをした者がそのまま担当になるのであれば
ご家族の些細な胸のうちも良く解り
発注1つでも、その意思を反映することが出来ます。
お好きな花や色合いを加減したり
祭壇の花と供花、焼香用具を同系色にしたり
写真の背景を故人らしくしたり・・・

実は、葬儀社の社員の仕事を少しわかってもらいたくて
今回から、仕事内容を書いてみようと思っています。

葬儀社は「商品価格」が高いと、よく言われます。
確かに以前は価格設定が不適切でした。
しかし社員の労力を計上しないままきているのも
この世界なのです。

不適切な祭壇や訳の解らない価格は是正すべきですが
社員の労力には価格をつけて、きちんとした請求をすべきだと思います。

そのためには
どんな仕事を、どのようにしているのかを知ってもらうのが一番です。






遺品処理の会社

2009年05月05日 | 葬儀後の相談いろいろ
人が死ぬと、その人が使っていた物は遺品と呼ばれます。

遺品は一体どうなるのでしょう?

家族や親しい間柄なら、形見として譲り受ける物もありますけど
日常使っている品から貰い手があるのは、ほんの一部です。

大多数の品物は処分することになります。

一緒に住んでいた場合でもその品数は多いものです。
まして1人住まいであったなら、おそらく気の遠くなる量です。

自宅なら多少時間がかかっても大丈夫ですが
借家や、アパートでは早めの片付が必要です。

今はゴミの種別が大変で簡単には捨てられません。
この種分けだけでも大仕事です。

その大変な遺品整理をしてくれる専門業者さんがいます。

一般の産業廃棄物業者さんとは少し違っていて
仏壇やご本人が使っていた布団など、捨てるには抵抗がある物は
焚き上げて供養をしてくれます。

又、孤独死で発見が遅れると畳が汚れたり
部屋全体に臭いが残ってしまいます。
この清掃や脱臭もしてくれます。

そして必要があれば、部屋のお清めも行なってくれます。

他人任せで気が引ける、という方もいるでしょうが
思い入れがあればあるほど、事は進まず
心にかかる負担も大きい物です。

こういう業者さんの中には遺品処分だけでなく
荷物を他の家に引越しさせてたり
リサイクルに出してくれたり
リフォームも頼めたり
大家さんにアパートの鍵の返却もしてくれる所もあります。


人は死んでしまえば、それでお終い!という訳にはいかないのですね。


皆さん、年をとるごとに
少しづつ物の整理をしていきましょうね。
見られたら、恥ずかしい物ってありますよね!


巻き爪

2009年05月02日 | sibatanoriko?
どうして、年をとると
体のあちらこちらに、ガタがきてしまうのでしょう?

この数ヶ月、足の親指が痛くて。

どうやら巻き爪のようです。

よーく、見てみると
爪が通常より丸くなっています。
爪の両端が指の肉に食込み始めています。

まだ初期だと思うのですが
これが結構痛いのです。

ズキン、ズキンと親指が脈打っている感じです。

そういえば、母も巻き爪で治療を受けていますし
娘も以前に治療を受けました。

変なところばかり、似てしまいます。

インターネットで調べたら
巻き爪の悩みは、多いんですね。

古い話ですが
近所のおばさんが巻き爪を病院で手術しましたが
「とても痛い!」うえに治らなかった、と聞きました。
いつも杖をついて歩くのも大変そうでした。

私の母はドイツの療法で
爪の中に薄い金属板みたいなものを入れて
爪の丸くなるのを矯正してました。

聞くだけで痛そう・・・ですが
治療はぜんぜん痛くないそうです。
そして効果はあったようです。

今は高齢になり治療にも行かなくなりました。

母の爪は今では殆ど円形になっていますが
痛みはないそうです。

ふと、近くのビルを見上げたら
「フットケア」の看板が目に入りました。

すがる思いで尋ねてみました。

そうひどくも無いので
まずは爪の両端にコットンを挟み込む方法を
教えてくれました。

それ以来、毎日コットンを細く切って
爪の食込んでいる場所に挟んでいます。

お陰で今は痛みが遠のいています。

サテ、これから私の爪はどうなっていくのでしょう。
自分の体でも、中々、思い通りにならないですね。