柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

死が怖い?是非この映画を見てください

2017年09月27日 | 
映画「生死」の紹介です

いきたひと読みます。

名も無き四児の母が、夫の生き様・死に様をホームビデオで撮ったドキュメンタリー

●プロローグ
●第1章 看取った人達
●第2章 臨命終時
●第3章 心医
●第4章 受け渡されたもの
●エピローグ





子供の体内記憶
から始まって
私の死への追求は今も続いています

もちろん
そこに看取りもあります。
何故生きるのか
どう生きたらいいのか?

いつも、いい時期に、偶然に
目の前に現れる情報があります。

監督とのトークセッションもあるので
私も見に行きます。

母の介護が始まりました

2017年09月07日 | 私の半径100メートル
7月1日に母が老人ホームへ入所しました。

父が亡くなってから7年
車いす生活でしたが、独りで頑張ってくれました。


長男の見守りとヘルパーさんや訪問のお医者様、看護師さんの
お世話にもなりました。

しかし、物忘れと判断力が徐々に低下し
1人で過ごす夜に不安が募ってきました。

母から横浜のホームを見学したい、と申し出があり
早速、五月の連休に見学。
私の家から車で5分の場所です。
以前から、母を呼ぶならと、探していたホームです。


部屋の様子を見たり、食事もごちそうになり
気に入った様子に一安心


2か月後に連絡があり
とりあえず1か月の入所をお願いしました。


子供たちの考えでは
もう一人住まいは無理になってきた
夜中に幻覚を見て「すぐに来て」と電話することも多くなり
車いすから落ちて動けなくなり大慌てしたこともありました。

入所の連絡が来てからは
子供たちが全員揃ったところで
再度母に入所の確認をとりつけての決断でしたが


実際には入ったその日から
「早く帰る」「帰して」の一点張り
日ごとにその思いが激しくなりました。


ホームに入いると誰もが通る道、と聞いていましたが
思っている以上に大変なことでした。


私自身の為にも、母とのやり取りを整理しておきたいと思っています。








妻の体にドライアイスが・・・・

2017年09月04日 | 悲しみのケア
ご遺族との茶話会での出来事です。 

遺族会に初めて参加された男性は参加申し込みの時に
切々と自分の気持ちをメールで寄せてくださいました。

妻を失い、毎日が悲嘆にくれる日々。
苦しい、悲しい、
誰に話すこともできない
どうしたらいいのか、解らない・・・

そんなお気持ちでお越しになりました。

当日は早くからお見えになり
私の到着を待ってくださいました。

他のご遺族や私たちスタッフと話をするうちに
少しずつ心が落ち着いてくるのが見えてきました。

その時に出たお話です。

妻がなくなって自宅に安置した時に
まだ妻の体は温かかった。
それなのに葬儀社の人はあんなに沢山のドライアイスを体にのっけていた。

せめてもう少し体の温かみが無くなるまで
待ってもらえないものか・・・と


ご遺体は死後一時間から腐敗が始まります。
私が葬儀現場に出ていた時にも、いち早い遺体の処置に徹していました。

どんなご遺体でも感染症の危険があると想定しての対応が必要だったからです。
私たちは遺族と職場の人の安全を守る立場にあるので「多分大丈夫」は通用しないのです。

でも、故人に触った時の冷たさは、悲しみを更に深くするのも事実です。

葬儀社の責任者になってすぐに、ドライアイスを使わない方法を探し始めました。
いくつかの遺体保存剤の使用経験を経て,それなりの感想を持っています。

最終的に選んだ遺体保存剤は二酸化塩素のドムスでした。

この効用についてご意見はいろいろありますが
データー上の殺菌効果はかなり高く
各県警の鑑識課で扱われているものです。
私自身が実際にドライアイスなしで何年も使用した結果から
今でもこの商品を選んでいます。

「私たちはドライアイスを使用しません」
「ご家族が体に触れた時、冷たいと悲しくなられるので…」
「少し塩素の匂いがしますが、これはご主人のお体を最後まで守る薬剤を使用しているからです」
「できる限り安全なお体の処置をしていますので、どうぞご主人に触れてあげてください」

こういう説明は、ご遺族にはとても大切なのです。
私たちの考えや主旨が伝わることで、故人を大切にしていることを感じていただけるからです。
故人を大切にしてもらえることは、口にこそ出しませんが
遺族にとっては大きな慰めだからです。

葬儀社としては
葬儀式を無事に終わればいい、だけでないはず。


火葬されるまでは故人の体が存在することに
大きな意味があるのです。

その体を目で確かめて
手で触れて確かめて
まるで聞いているかのように話しかけて



その後に
顔も手も足もなくなり、骨となった故人を見て
もう触ることができない
話しても聞こえない

そうか、死んだんだね。もう帰ってこないね。

と悟られる気がします。

遺体の保存重視で
ドライアイス以外の商品を選んでいる葬儀社さんも
多くいると思いますが
まだ温かみのある体の存在も意味深いことを
あわせて知って頂ければと思います。


遺族会に来られた男性は 死後数か月たっていても
その冷たさを忘れていませんでした。
この感覚を誰かに訴えたかったのでしょうね。

後日、この方からメールが届きました。
「思い切って伺い、本当によかった。
こんな会があったんですね。
私もグリーフの勉強がしてみたくなりました。
そして皆さんのお役に立ちたいと考えています」

他の人をケアするお気持ちが出て来たようです。
まだ現役の方ですが「絶対にまた行きます」
と言ってくださいました。

お待ちしています!