柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

大事な物の保管場所

2020年09月28日 | 終活セミナー
大事なものはどこにしまっていますか?

私は銀行の貸金庫を利用しています。


大事な書類や高価な物を家の中に置くのは
しまい場所に、気を使います。

心配のあまりに、凝った場所にしまいすぎて
いざという時に見つけられず
大慌てした経験があるんです。

東北の震災がきっかけで
銀行の貸金庫を借りました。

貸金庫のいい点は
安全な保管場所で地震や火災、盗難にも自宅より安心できます。

プライバシーが守れます。
中身を知られずに保管できますし
家族にも内緒でしまっておけます。

銀行が開いている時間なら
いつでも何度でも出し入れが自由です。

貸金庫の中にいれられるものは
契約証書、権利書、遺言状その他の重要書類
貴金属、宝石などの貴重品
手形、小切手、公社債券その他の有価証券
預金通帳・証書、印鑑類
思い出の品や手紙
等です。

私は日常的に使う通帳や銀行印は
貸金庫では却って面倒なので、家で保管しています

費用は銀行によって、又金庫の大きさによって違いますが
半年払いだと1万円から3万円くらでしょうか。

貸金庫は意外と利用されていて
空きがないと借りれないことがあります。

私の場合も、大きめのしか借りれなかったので
費用は年額で3万5千円ほどですが
大事なものは貸金庫へ、と決めているので
あちこち探さなくてもよくなり
借りて良かったと思っています。

子供に合鍵を預けてあるので
私がいなくなっても、
その中を見れば大事なものはすぐに見つかります。

財産の一覧表や
家にある通帳や保険証書のしまい場所を一覧にしたものや
パスワード一覧表などを
入れるのもいいかもしれませんね。

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多死時代の死に場所

2020年09月25日 | 老後
2025年問題をご存知かとますが
団塊世代とよばれる人たちが2025年に75歳を迎え
後期高齢者人口が2200万人になると言われています。

国民の4人に1人が後期高齢者という割合です。
この状況が2040年頃まで続くと言われています。

日本が今まで経験していない医療、介護、社会保障など
多くの問題を抱え始めるのが2025年ということです。

国民の意識調査では
あなたの望む死に場所は?の問いに「自宅」
あなたはどこで最期を迎えると思いますか?の問いに「病院」
と答える人が多かったのですが・・・

現在の状況を見てもコロナ対応ですら病院数は足りず
本来診るべき患者さんの診察にも大きな影響が出ています。
2025年から増大する終末期の患者さんに対して、
受け入れる病院の増加は見込めず
医師や、看護師の数も足りません。
もともと病院は患者さんに治療をするところであり
看取りの場所ではないのです。

介護施設も介護士待遇などの問題もあり
介護士は常時不足しています。
すでに入所している高齢者の介護、看取りでも大変でしょう。

そうなると
本来、高齢者が望んでいた「自宅」が最期の場所という
選択が多くなってくるはずです。

今は高齢者所帯が多く
自宅で迎える終末期の介護役は配偶者というわけです。
当然、配偶者も高齢ですから、家族や親戚、
ケアマネージャ、ヘルパー、訪問診療、訪問看護師、薬剤師など
多くの手助けが必要になってきますし
チーム体制で自宅の介護、看取りをサポートしてくれます。

お一人暮らしの方でも、家族がいない方でも
同様なサポートが得られるので自宅で最期を迎えることは可能です。

でも、私たちは人の死に慣れていないので
病院のように医師や看護師がいない自宅での看取りは不安だらけですよね。

考えてみれば
私の祖父母や、それ以前の人たちは
ほとんどが自宅で亡くなっていました。

お産も死も家の中での出来事だったのですから
治療が必要でなくなり、人生の最終段階を迎えた人を
自宅で看取る覚悟が必要になりますね。

延命措置の希望では大半の人が
「自然に逝きたいから延命措置は不要」と希望しています。
人生の最終段階を迎えた人に必要なのは
治療ではなく見守ることでしょう。
気持ちを掛ける事でしょう。
これは、家族だからこそできることですね。

でも、その知識も心構えも持ち合わせていない私達です。
高齢者や重篤な病人を抱える家族は
人の死に行く過程を学ぶ機会を持ちたいものですね。






孫のハロウィンは骸骨と狼男

2020年09月20日 | 私の半径100メートル
孫の大好きな散歩コースに
コストコがあります
目的地のおもちゃ売り場から離れません。
お目当てはこの骸骨人形「スケルトンバンジョーディオ」です。



最初の対面では
5メートルくらいの距離を保っていましたが
2回目はすでに足の骨を触ってました。

3回、4回と対面するたびに興味も増し
音楽に合わせて手拍子、小躍りしています。

実はこの子は非常に憶病で
可愛いぬいぐるみにも、時間をかけないと触れないので
この反応は親も驚くものでした。

そんなに欲しいなら!と
いつも留守番役のじいじは
「買ってこい!」宣言を発令。

数日後、孫の家を訪ねたじいじは
その不気味さと大きさにびっくり。

「どうしてあれが欲しいのか?」と首をひねっていました。

家にいる間中
2体の骸骨が目を光らせ、首を振り振り
バンジョウで陽気な演奏を続けています。

コストコのおもちゃ売り場には狼男もあります。
狼男は2メートルくらいの大きさで
怖いうなり声をあげます。


孫は始めは怖がって逃げていたのですが
すっかり骸骨とお友達になれたせいか
狼男も好きになり始めました。

孫なりに考えて
その場所を確保するため
スケルトンバンジョーディオを
箱にしまおうと一人で悪戦苦闘し
どうしてもしまいきれずに
諦めたようです。

子供の感性は大事にしたい、と言っていた娘も
家をお化け屋敷にしないで!と嘆いていました。
早くハロウィンが終り普通の居間に戻したいそうです。

相続トラブルはどの家にも種があるものです。

2020年09月16日 | 葬儀後の相談いろいろ
最近、私の周囲で相続トラブルの話をよく聞きます。

男性の平均寿命は81.41歳
女性の平均寿命は87.45歳

ということは
相続人は50代から70代になり
高齢になってから高額なお金を手にする訳です。
長年の抑え込んでいた家族関係の積み重ねが
相続時にトラブルを生み出すということも多くあります。

父親が先に亡くなり、残った母親がいる場合の相続って
すんなりと決まるようですが
その母親が亡くなった時の相続争いをよく耳にします。

母親が子供の一人に肩入れしていた
母親の財産を管理していた子供が使い込んでいた
母親に独断で遺言書を書かせていた
親の仕事を継いでいる、又は同居していて引き継ぐ資産が特別に多い
母親から口約束でお金を借りていた。
などなど

母親に直接、財産の確認はしにくいし
兄弟姉妹が管理していると、関係にひびが入りそうで
「どうなってるの?」とも言いにくですものね。

でも、親が亡くなると
「遠慮のない言い分」が飛び出してきます。
肉親だけに揉めると
顔も見たくないと話合いを放棄する人もいますが
これでは解決にならず、ずるずると引きずるだけです。
その後に関係が修復することは先ずありません。

トラブルが長引きそうなら
弁護士に相談するのも一案です。

相続は税理士さん、と思い込んでしまいそうですが
揉め事の法的手段は弁護士さんの方が明るいです。

費用を心配する向きもありますが
先ずは相談して見積もりを取ることから始めましょう。
法律家から見た有利、不利の見通しも判断の材料になります。

私が知る限り
ほとんどの相続トラブルは
素人判断で揉めているケースばかりで
心労も、愚痴も大きくなるばかりです。

親は「自分が死んだら、子供たちが何とかするだろう」と
思い込んでいますが
身近で話を聞く限りそんなに簡単に事はすみません。

生前に遺言書、又はせめてエンディングノートに
親の希望や、その理由を示しておく必要がありますね。



子供がいない人は誰を頼りますか   私がエンディングノートを作った理由

2020年09月12日 | エンディングノート
終活セミナーにはお子さんがいない方も参加されています。

将来の対処を伺うと
まだお元気なせいか
「そんなに困ることはない」とのイメージを抱いているようです。
いざとなったらご兄弟や甥、姪を頼るつもり、と答える方も多いですね。
ご親戚なら誰でもいい訳ではなく
意中の人を決めているようですが
そのことを伝えて、了解まで得ている方は殆どいません。
まだ元気だからその時期ではないと、思っています。

人は一人では生きていけません。
先日、エンドオブライフケアの勉強会で
人の死への過程は、人の誕生の逆をたどる、と教えてもらいました。

人は生まれた時は
食事は少量で成長と共にだんだん増えていきます。
睡眠時間は一日中寝ていたのが、だんだん少なくなり起きている時間が多くなります。
活動範囲は人の手をかりないと何もできない赤ん坊から
やがて、自立した動きができるようになります。

人が死に向かう過程は、その逆で
食事がだんだんとれなくなり
睡眠が徐々に長くなり
だんだん一人では動けなくなります。

事故などの突然死でない限り
自分で何でもできていたのに
やがて人の手を借りなければならなくなるのが人の老いです。
もし、認知症状が出ればもっと早くから手助けが必要になります。

今は元気であっても
病によっては1日で動けなくなったり
判断が出来なくなることがあり得ます

その時に誰に
医師との相談や介護の選択や
お金の管理や
日常生活に必要なあらゆる行為を任せますか。

エンディングノートをみて
「こんな深刻なことまで考えたくない」という方がいますが
少なくても家族がいない、子どもがいない方は
エンデイングノーとを書くときに
そこまで考えるきっかけをつかんで欲しいのです。

例え親孝行な子供達に囲まれていても
中心になって動いてくれる子を決めておくと
問題が起きにくくなります。
何故なら子供によって親への想いが同じとは限らず
意見の違いは生じるものです。

介護や認知症の対策として
そこを考えてもらうためにアクティブノートを作りました。


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死への導き「お迎え現象」

2020年09月07日 | 
親友の愛犬が突然、亡くなりました。
年をとり耳が聞こえなくなっていましたが
前日まで普通に過ごしていたそうです。

近くの写真屋さんの愛犬も昨日亡くなったと聞きました。
のろのろとお散歩をしているのを覚えています。

どのワンちゃんもみんな高齢でした。
我家の愛犬も、明日死んでも仕方ないほど老いています。

家族にとっては人の死も、ペットの死も、変わらない悲しみです。

そんな時に
13歳の少女が亡くなる前に
「以前飼っていた愛犬が夢に出てきて
『大丈夫だよ、僕がいるのは安全で安心な場所、一緒にいるよ』
と言ったような気がする」と医師に話した。
という記事を見つけました。

病院の医師や看護師さんは患者さんから
このような話しを聞くことが多く
死の数日前に、すでに亡くなっている身内の人が現われる
「お迎え現象」の聴き取り調査をしているところもあります。

故人だけでなく、亡くなったペットが来たという話もよく耳にします。

私の伯母は亡くなる1年くらい前から
「死んだ両親や家族が来た」
「あれは夢だったのかしら?でもはっきりと覚えている」
と私に話してくれました
それから叔母は何度もその体験をしています。

最後に聞いたのは「昨日は家族が全員この狭い部屋に集まってきたのよ。
話が楽しくてね、ワハハ、オホホと笑いながら一晩中話したのよ」
そのメンバーは、全員故人です。
「あんなに楽しかったのにすみ子だけがいなくてね。どうして来なかったのかね」
まだ、健在だった私の母の名を出したのを覚えています。

当時は、伯母が元気だったので、これは「お迎え現象」ではないと
私は思っていましたが
今思い起こすと、やはり一人住まいの伯母を心配して
祖父母や叔父が少しずつ、お迎えを繰り返していたのではないか
と思えるようになりました。

母の介護をしているときにも「誰かの夢を見た?」と
時々、探りを入れてみましたが
母は殆ど夢すら見なかったようです。

実際に死が近くなったころは
会話もできないくらい寝ているばかりだったので
「お迎え現象」があったのかは不明です。

高名な医師や学者の方々が
この世の中で科学で解明できることは「ほんの一握り」
だから、あの世を否定していない方が意外と多いと聞きました。

私には説明する言葉もありませんが
お迎え現象によって、死が怖くなくなる人がいるなら
素敵な事だと思いませんか。





母の口癖  見えない、聞こえない、書けない

2020年09月03日 | エンディングノート
まだ元気だった母がよく言っていた口癖です。

「今日はなんだか、よく見えないの」
「耳も聞こえにくい」
「字も上手に書けないのよ」

私から見るといつもと変わらない母なのですが
このセリフ、本当によく言ってました。

母に限らず年を重ねると
このような困り事が出てきます。

眼鏡をかければ、字が小さくても読めるはず
と思い込んでいた私ですが
今になってやっと、「見えない」現実が解りました。
焦点を合わせることが困難になるのです。

私が気が付いたのは他にもあります。
声も出しにくくなり、
言葉が出にくくなる、のですが


そこで私は新聞記事や広告の文章を
声を出して読む試みをしています。
これをすると
発声も活舌も良くなります。

葬儀の現場にいた時から
記事を声を出して読むことは実践していました。

葬儀の司会をしていると
目に入る文章を間違いなく発言することは
とても大事な要素なのです。

コロナ渦では人と会うことも
おしゃべりも極端に少なくなります。

どうぞ新聞や広告の文章を
声高らかに読んでみてください。


また、もし親にエンディングノートを書いてもらいたいと
考えている方は、
親御さんと会話をしながら聞き取って
代筆してあげてください。

エンディングノートを書くつもりがない方でも
お喋りしているうちに本音がきこえてきます。

高齢で認知が垣間見えても
本人の意思が結構聞けるものです。


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