キラー細胞

この地球の宇宙(そら)で、侵略の恐怖が迫る。
飛び立つひとつの地球の命。
向かうところに無数に広がる侵略者の船、船、船・・・。
多勢に無勢とはまさにこのことと知るも、
その間も持たせずに、スーパーテクノロジーの脅威に驚異する。
彼ら侵略者は、たった一つの小さな命を迎えて静寂する。
地球の最高技術の船のモニターがロックサインを表示。
「前方、無数、急旋回上昇、我、迎撃、突入す。ハイパービームオン」
「ロック回避、バリヤー煙幕、特異点ロック、ハープスタート、ゴー！」・・・
・・・地上より小さな船がこれまた無数飛来する。
「各、乱れて迎撃せり・・・・」小さな星をめぐって邪悪なものたちが入り乱れて争う。
そこに、突然、縦もなく横もなく、空間のない巨大な光が現れる。この世界との次元を異にした物体である。
それは、
さまざまを停めて、静寂にして邪悪をことごとく瞬時滅していく。
侵略の巨大な船もなすすべもなく、ただ静寂に消滅してしまった。

極限に追い込まれ、なす術を持たない者がとる心の盾は、
勇む気という矛となり、その先は、無理矢理として対するものに放たれる。
心の持つ極限への不思議な力は、絶望という特異点を突き貫き、邪悪を瞬時撃ち滅ぼす。
次元を異にしても、心という気は、神通のひとつをもってして、正義に伝わる。

身体のなかにも正常を保つ仕組みがあるように、
世の中にも秩序を守る仕組みがあるように、
宇宙(そら)にもそれらは常にめぐってある。

ゼロから混沌として整然とゼロとなる。浄化という法であるためである。