水を満々と湛えた田んぼ。
といえばその通りだけれど、いちおう、ここは就農以来、畑として使っている。明け方頃からの大雨で、年に一度か二度、とくに梅雨末期には恒例の浸水。今年は3月にもみぞれまじりの雨で畑が水に浸かった、その同じパターンで、小学校横の畑はこのように田んぼ状態に。
写真の田んぼは秋作に備えて何度か耕耘を済ませたところ。
だから、何もまだ作付けはないから被害もないといえばない。のだが、この1枚と右隣の1枚がこの区域のうちの畑の最下部(棚田状になっているので)で、画面左上のほうで水路がオーバーフローし(上記の3月の写真の畑がその最前線)、そこからさらにあふれた水が画面の右下方向に、畦を超えて次々に流れ込んでくる。必然的に、いちばん下の畑に水がたまってしまうことになる(この田んぼは水の余っている時だけ水をもらえるというところなので、常設の排水路がない)のだが、水が流れ込むままにしていたのではそこにある野菜が水没してしまうので(オクラ、とうもろこし、トマト、いんげんなど)、今日は緊急避難的に畦を鍬で切って、隣(というか下)の田んぼ(稲作中)と別の田んぼ(休耕中)に少しずつ排水させてもらった(入ってくる水の何割かだと思う)。
ここを本来の田んぼとして使っていたら、どうなっていただろう。
田んぼはこういう大雨のときに貯水池の役割を果たすと言われていて、近年、減反政策もあって畑作に転換されたり、都市部では住宅地に変わったりして、地域全体としての保水能力が落ちていることが、突発的な大洪水の一因とされる。けれど、ふだん田んぼになっているところに大雨の水が流れ込んだとしたら、ある程度は(畦のぎりぎりまでは)水を貯められても、それ以上はオーバーフローしてしまう。
一方、うちのように畑として使っていればどうか。
畦の高さは変わらないから、日常的には水が入っていないぶん、大雨時の貯水の余力は水田の状態よりも大きいはずだ。ただ、物理的にはそうでも、畑として使っているわけだから、貯水池としての役割を果たすため、ということで畦ぎりぎりまで水を貯めておく、というのはかなり厳しい選択になる。そこで得られる防災上の(あるいは下方の田畑の被害を軽減する)利益と、自分の農業経営の不利益とを、大粒の雨に打たれながら勘案することになる。
で、まあ、今日の洪水は自分の利益をかなり優先した。
ある程度うちの畑に水が貯まるのは仕方ないとしつつ(そういう土地を自分が借りているのだから)、下のほうへも少しずつは水を流して、水路のキャパシティの限界を広く薄く負担しあうかたちなら、この程度の大水は大きな被害なくしのげるだろうという判断で。おそらく、周辺からも、うちの圃場が貯水池としてそれほど大きな犠牲を払うことは期待されていないだろうし。このあたり、実はよくわからない。地域の稲作の長年の慣習といったことについては、それに精通する必要性が小さい(稲作を僅かしかしてないから)こともあってかなり疎い。
画面中央、やや上部にやはり水没した畑が見える。
ここは昨日、ゆうき生協のイベントで多くの参加者のみなさんに大豆を播いてもらったところ。畝を立てずに播いてあるから、完全に水没している。鳥よけに被せた寒冷紗も流されるほどの水の勢いで、とりあえず下方の畑に水が抜けていくようにはしたけれど、雨は降り続いているので、播いたばかりの種(豆)は発芽の前に窒息し、腐ってしまうのではないだろうか。幸い、豆の発芽は早いから、ダメかどうかはすぐに結果がわかる。ダメならダメで、畑が乾くのを待って播き直しである。週末までは傘マークだから、時期的に間に合えばの話だが。
*
月曜、明け方から大雨、昼前後にあがって一時は強い日差し。夕方からまた雨、夜に大雨。
朝:5時半頃から収穫少し、6時半頃からごはん。
午前:雨が強くなったので先に荷造りを進め、9時半頃から追加の収穫に出たら、上述のような洪水状態。排水路を切ったり用水路に詰まったごみを掃除したり、応急の措置をしてから収穫、11時過ぎに戻り、セット仕上げ。12時半頃から市街に出て出荷、配達。14時過ぎ戻り、昼ごはん。配達中だけなぜか青空が広がる。
午後:再び畑に出たらまた雨。
今後の雨に備えて先ほど応急措置をしたところを確認してから、明朝出荷ぶんの一部収穫。出荷当日の収穫が望ましいピーマンも、雨で重くなって枝が折れそうなものがたくさんあるので、予防的に前日どりして身軽にしてやる。18時戻り、机しごと。19時過ぎから晩ごはん。
<本日の野菜セット>例
小さい人参、新じゃが芋、玉葱・赤玉葱、茄子、ピーマン、胡瓜、トマト類(大玉、中玉、ミニ、調理用から1~2種類)、以上はほぼ全セット共通。その他一部のセットに、青紫蘇、空芯菜、万願寺甘唐辛子。
*
参議院選挙は菅直人新代表の民主党が改選議席を大幅に減らした。
再び衆参は「ねじれ」状態になり、国政の停滞は必至。二大政党制に二院制がなじまないのか、それとも制度ではなく有権者の行動の問題なのか。議員の仕事は政治より選挙だとしかいえない状況になっている。選挙で負ければ責任を問われ、それではと顔を変えれば「選挙で民意を問え」とくる。何もしてないのにこの繰り返し。
一般的な社会で、人々はそうは振る舞わない気がする。
気に入らないリーダーでもその座にいる限りはその社会の一員の義務として協力するし、ダメならダメなりにそのなかでも次善の策を講じようとするように思う。それが、ベストではなくても、自分の属する社会がせめても壊れないようにする、いわば「ムラ」の一員としての保身の術として。国政に関してわが国の人々(自分も含めてだろう、たぶん)は、あまりに「民主主義的」、あるいはナイーブになり過ぎている印象だ。遅れて訪れた青春、ぽい。
といえばその通りだけれど、いちおう、ここは就農以来、畑として使っている。明け方頃からの大雨で、年に一度か二度、とくに梅雨末期には恒例の浸水。今年は3月にもみぞれまじりの雨で畑が水に浸かった、その同じパターンで、小学校横の畑はこのように田んぼ状態に。
写真の田んぼは秋作に備えて何度か耕耘を済ませたところ。
だから、何もまだ作付けはないから被害もないといえばない。のだが、この1枚と右隣の1枚がこの区域のうちの畑の最下部(棚田状になっているので)で、画面左上のほうで水路がオーバーフローし(上記の3月の写真の畑がその最前線)、そこからさらにあふれた水が画面の右下方向に、畦を超えて次々に流れ込んでくる。必然的に、いちばん下の畑に水がたまってしまうことになる(この田んぼは水の余っている時だけ水をもらえるというところなので、常設の排水路がない)のだが、水が流れ込むままにしていたのではそこにある野菜が水没してしまうので(オクラ、とうもろこし、トマト、いんげんなど)、今日は緊急避難的に畦を鍬で切って、隣(というか下)の田んぼ(稲作中)と別の田んぼ(休耕中)に少しずつ排水させてもらった(入ってくる水の何割かだと思う)。
ここを本来の田んぼとして使っていたら、どうなっていただろう。
田んぼはこういう大雨のときに貯水池の役割を果たすと言われていて、近年、減反政策もあって畑作に転換されたり、都市部では住宅地に変わったりして、地域全体としての保水能力が落ちていることが、突発的な大洪水の一因とされる。けれど、ふだん田んぼになっているところに大雨の水が流れ込んだとしたら、ある程度は(畦のぎりぎりまでは)水を貯められても、それ以上はオーバーフローしてしまう。
一方、うちのように畑として使っていればどうか。
畦の高さは変わらないから、日常的には水が入っていないぶん、大雨時の貯水の余力は水田の状態よりも大きいはずだ。ただ、物理的にはそうでも、畑として使っているわけだから、貯水池としての役割を果たすため、ということで畦ぎりぎりまで水を貯めておく、というのはかなり厳しい選択になる。そこで得られる防災上の(あるいは下方の田畑の被害を軽減する)利益と、自分の農業経営の不利益とを、大粒の雨に打たれながら勘案することになる。
で、まあ、今日の洪水は自分の利益をかなり優先した。
ある程度うちの畑に水が貯まるのは仕方ないとしつつ(そういう土地を自分が借りているのだから)、下のほうへも少しずつは水を流して、水路のキャパシティの限界を広く薄く負担しあうかたちなら、この程度の大水は大きな被害なくしのげるだろうという判断で。おそらく、周辺からも、うちの圃場が貯水池としてそれほど大きな犠牲を払うことは期待されていないだろうし。このあたり、実はよくわからない。地域の稲作の長年の慣習といったことについては、それに精通する必要性が小さい(稲作を僅かしかしてないから)こともあってかなり疎い。
画面中央、やや上部にやはり水没した畑が見える。
ここは昨日、ゆうき生協のイベントで多くの参加者のみなさんに大豆を播いてもらったところ。畝を立てずに播いてあるから、完全に水没している。鳥よけに被せた寒冷紗も流されるほどの水の勢いで、とりあえず下方の畑に水が抜けていくようにはしたけれど、雨は降り続いているので、播いたばかりの種(豆)は発芽の前に窒息し、腐ってしまうのではないだろうか。幸い、豆の発芽は早いから、ダメかどうかはすぐに結果がわかる。ダメならダメで、畑が乾くのを待って播き直しである。週末までは傘マークだから、時期的に間に合えばの話だが。
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月曜、明け方から大雨、昼前後にあがって一時は強い日差し。夕方からまた雨、夜に大雨。
朝:5時半頃から収穫少し、6時半頃からごはん。
午前:雨が強くなったので先に荷造りを進め、9時半頃から追加の収穫に出たら、上述のような洪水状態。排水路を切ったり用水路に詰まったごみを掃除したり、応急の措置をしてから収穫、11時過ぎに戻り、セット仕上げ。12時半頃から市街に出て出荷、配達。14時過ぎ戻り、昼ごはん。配達中だけなぜか青空が広がる。
午後:再び畑に出たらまた雨。
今後の雨に備えて先ほど応急措置をしたところを確認してから、明朝出荷ぶんの一部収穫。出荷当日の収穫が望ましいピーマンも、雨で重くなって枝が折れそうなものがたくさんあるので、予防的に前日どりして身軽にしてやる。18時戻り、机しごと。19時過ぎから晩ごはん。
<本日の野菜セット>例
小さい人参、新じゃが芋、玉葱・赤玉葱、茄子、ピーマン、胡瓜、トマト類(大玉、中玉、ミニ、調理用から1~2種類)、以上はほぼ全セット共通。その他一部のセットに、青紫蘇、空芯菜、万願寺甘唐辛子。
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参議院選挙は菅直人新代表の民主党が改選議席を大幅に減らした。
再び衆参は「ねじれ」状態になり、国政の停滞は必至。二大政党制に二院制がなじまないのか、それとも制度ではなく有権者の行動の問題なのか。議員の仕事は政治より選挙だとしかいえない状況になっている。選挙で負ければ責任を問われ、それではと顔を変えれば「選挙で民意を問え」とくる。何もしてないのにこの繰り返し。
一般的な社会で、人々はそうは振る舞わない気がする。
気に入らないリーダーでもその座にいる限りはその社会の一員の義務として協力するし、ダメならダメなりにそのなかでも次善の策を講じようとするように思う。それが、ベストではなくても、自分の属する社会がせめても壊れないようにする、いわば「ムラ」の一員としての保身の術として。国政に関してわが国の人々(自分も含めてだろう、たぶん)は、あまりに「民主主義的」、あるいはナイーブになり過ぎている印象だ。遅れて訪れた青春、ぽい。