38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

高校生、冬の農業実習。

2009年12月25日 | 農と暮らしの日記
寒い日にはこれ、麦踏み。
今日は西条農業高校から助っ人4人組である。朝一番の仕事をこれにした。準備運動的に。「踏んでいいんっすか!」って、誰もがそう思う。僕も最初は「ほんまかいな」と、こわごわ踏んだ。だけど、踏んだほうがいいようなのだから、踏むしかない。隣に玉葱が定植したばかりで、「これは踏んじゃいけないんすよね」って、そりゃそうだろ。踏んでいいのは麦だけ。不思議だ。

やってるうちに、「両足じゃダメなん?」。
僕が見本を見せたのは、1条の上を左右の足を交互に「綱渡り」みたいに出して踏むやり方だったのだが、2条分を左右の足でふつうに歩くみたいに踏んでいくほうがやりやすいと気づいたらしい。そういえば真もそれに気づいてそうしてたっけ。「オッケー、オッケー、どっちでもやりやすいほうで」。そう、踏みさえすればいいのだ。片足だろうが両足だろうが、逆立ちして手で踏もうが、僕はどちらでもかまわない。



高校生の助っ人、夏に続いて二度目の農業実習。
夏のこと(8月7日)はこんなふうに記事に書いてある。このときと同じ生産科学科の2年生だけれど、メンバーは変わっていて、今回は野菜を専攻しているグループだという4人。

朝9時頃から、まずはうちの経営の説明。
ほとんど仕上がっている野菜セットを素材に、いま出荷している野菜の種類のこと、野菜セットが経営の核であること、野菜セットの出荷の仕方(リサイクルの段ボールを使うこととか)、などなどを手を動かしながら話す。

そのあと小学校横の畑へ。
まずは冒頭の麦踏み。4人いるから一人5列分くらいを往復で踏んでもらい、その前後に周りの畑の見学。冬野菜の様子、夏の畑の終わった様子、そしてまた、夏の畑の終わったところに春の豌豆を不耕起で播いて芽が出ているところなどを見てもらう。

そして、いよいよ肉体労働。
夏の畑の片付けを、人数いるときやるしかない!という感じで。オクラの枯れ木をみんなで引き抜き、茄子・ピーマンは誘引紐をほどいて支柱を抜いて、それを20本1束に結えて……というところまで、ほんと人数いると楽々。

帰ってスーパーに出す人参の袋詰め。
2本1組を198円で出すので、400gかちょっと過ぎくらいの目方になるように2本を組んでもらいながら袋詰め。これもちょっとやり始めたら目方の間隔がわかるようになるんだろう、ぱっと手に取った2本の組み合わせがぴったり目方に合うようになってきているようすがおもしろい。

で、午前の部を終了して昼ごはん。
それぞれ弁当を持ってきていて、うちも渚と真が終了式で戻ってきたから、こちらはこちらで昼ごはん。みんなでかい弁当箱だ。僕も食べていたな、この頃は。ま、いまも食べてますが。



午後の部は別の畑でレタス類の植え付け。
これも4人いると速い速い。あまりに速いので、苗を追加でとりにいって、どんどん植えてもらう。そのあと、里芋の防寒。茎を僕が鎌で刈り、そこに隣の田んぼから稲わらを被せていってもらう。これも一人ではなかなか着手しにくい、億劫な作業だけれど、4人プラス僕で、あっという間に完了。

時間が少しあったので、里芋と人参の収穫。
収穫はやっぱり農作業の中でもおもしろい部類の筆頭格なのだろう、始めたら止まらない。夏に同級生たちが草とりしてくれた人参を、いまは彼らが収穫。よかったよかった、つながって。

15時終了、帰宅。
記録などしてもらっているうちに先生が迎えに来て、実習終了。今日は僕もいろいろ勉強になった。彼らの質問が、いい。

「セットのお客さんがみんないっぺんにいなくなったらどうするんですか」。
答え「そうなると困るけど、セットのお客さんって、一緒にはいなくならんのよ。たとえば、さっきの人参、倍の値段で全部買うっていう会社があったとして、そのときは倍で売って儲かるかもしれんけど、そこが急に倒産したりしたら終わり。だけど、野菜セットは一人ひとりつながってないから、いっぺんにいなくなるってことがない。それがいいんよ。利幅は少なくてもリスクヘッジできるだろ」。

「農薬使ってないっていっても、うそつけるんじゃないですか?」
答え「いまは農薬使ってないって言うためには、認証っていうのがいるんよ。だからうそはつけない。法律で決まってるから。でもうちはいろんな野菜作ってるから、いちいち認証とってたら手間も金もかかって大変だから認証はとってない。その代わりに、個人のお客さんが中心だから畑の見学してもらったりして、信頼してもらえるんよ」。

一方でこんな話題も。
僕が「みんなは農業しようとかは思ってるん?」。「いやー」。「定年退職してからとかだったら……」。僕「定年退職とかって、そういうのはもうなくなるよ。退職して年金暮しとかいうのはもう終わるんよ。老後の金はいまから自分で稼がんと」。



クリスマス当日の金曜。
朝:6時前頃から子どもたちが騒ぎだす。サンタが来てくれたから。
午前:ごはんのあと、市街出荷・納品。9時に上記の実習開始。昼ごはん。
午後:13時から実習は午後の部。15時、みんなで帰宅して記録など。先生が迎えにきて終了。
夕方:明朝出荷ぶんの収穫、荷作り、18時終了。



<本日の野菜セット>例
人参・金時人参、里芋・じゃが芋・さつま芋、大根・抜き大根、蕪、白菜、水菜、キャベツ、などから。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする