50年ぶりの電話

　　

• 昼前、電話のベルが鳴った
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• 050・・・
• 放っておこうかと思ったが受話器を取ってしまった
• 「前川です」
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• 「どちらの前川さん？」
• 私の名前を確かめたあと「むかしお世話になった前川です」
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• 質問を繰り返し話を聴いて行くうちに少しづつ思い出して来た
• 当時　ニューヨークやヨーロッパには会社の事務所があったが
• そこに所属しながら単身で新規の取引先を開拓して行く営業マンがいた
• 当時私は海外を統括する部署に居り海外に出かける担当者と連絡を取っていたが
• ある時、上司から海外に出かける営業マンに簿記を教えるように言われた
• 単身海外へ出かけ商売をするのはいいがお金の管理はキチッとしなければならない
• そのため簡単な経理処理を教えることになり、2週間ほどお互い時間を合わせながら勉強した
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• その後前川さんは海外で商売を続け、時々日本に帰ってきた時に顔を合わすことがあり
• 私のことを「先生」「先生」と呼んでいたが、その後私もあちこちへ移動し顔を合わすこともなかった
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• ある人と話していて私の名前が出て懐かしくなって電話してきたという次第
• 50年以上ぶりで、話をして行くうち少しづつ話が繋がって行き30分以上話していた
• 先輩であることは分かっていたが、改めて歳を聞くと今年90歳
• 杖はついているそうだが元気そうだ
• 来年は、はじめての年賀状を送ってみよう