さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

意外に絢爛のスーパーウェルター カリブの鬼才に挑む輪島さんの命運は?

2020-04-24 07:12:16 | 海外ボクシング



本来、伝統階級とはいえないはずが、人材の豊富なクラスに挟まれて、必然的に豪華絢爛な顔ぶれが揃うことになった、という感じのスーパーウェルター級。
マガジンによるエントリー、一回戦の組み合わせは以下の通り。


トーマス・ハーンズvsフェルナンド・バルガス
ジュリアン・ジャクソンvsウィルフレッド・ベニテス
テリー・ノリスvsロナルド・ライト
輪島功一vsマイク・マッカラム



ハーンズをここに置くのか、と最初は思いましたが、まあ納得出来る話。
悪く言えば「ボロを出さずに」通り過ぎた、となりますが、減量苦から解放され、なおかつ後年のミドル級時代ほど、力入れて打たずともパンチが効いた、という印象が残り、体格やリーチ、スピードも生きていた。
端的に「良いとき」だったかもしれません。

戴冠戦は、史上最年少の三冠王、カリブの神童ベニテスとのビッグマッチ。





後述しますが、この頃のベニテスは三階級目ながら充実期にあって、ハーンズ以外で誰が行っても難しかっただろうと思います。


動画貼るまでもないけど、WBA王者デュランとの、事実上の統一戦。
ハーンズのとこだけ早送りしてるみたいやなあ、と当時思ったものです。





あと、画質はいまいちですがフレッド・ハッチングス戦。
ミドル級に転じる直前、減量はすでにきつかった模様ですが、まあ強い。
当時、対戦交渉があった元WBA王者、三原正がリングサイドで観戦していて、その強さに改めて唸った、という話もありましたね。






対するはヒスパニックのバッドボーイ、フェルナンド・バルガス。
出始めの頃の印象は鮮烈でしたが、段々分厚く、重く見えるようにもなって、その辺は気になるところでした。
ウィンキー・ライト、クォーティーに勝っていますが、トリニダード、デラホーヤ、モズリーには敗れています。
強敵と多く闘った、という見方で良いとは思いますが、ただ、史上ベスト8の選手かな、というと...微妙にも思いますね。

これはビッグネーム相手に勝った、上昇期の試合。ガーナのバズーカ砲、アイク・クォーティー戦です。
言うまでもなく強敵、それも洒落ならんレベルの相手ですが、堂々と打ち合っております。これは素晴らしいですね。





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続いては、みんな大好き、強打一本勝負のジュリアン・ジャクソン。
「ハンマーパンチ」なんて異名は今時じゃないですが、本当にそんなイメージです。
この人はミドル級で長くやった印象ですが、強敵相手との対戦はこちらが多かった、ということでしょう。納得です。

とりあえずハイライト動画。これ、数年前に見つけたやつですが、見たことなかった若手時代の試合も入ってました。
負けた試合、マッカラム戦、マクラーレン戦、クインシー・テイラー戦などは入っていません。
マッカラム戦は後ほど。白仁鉄戦、テリー・ノリス戦は入ってます。ノリス戦勝利の星は大きいですね。





...まあ、ご覧の通り、ということで(笑)。
ミドル級に転じたころ、すでに左目は視力が以下略だったそうで、しかしドン・キングと契約を結び直すと表明したとたん、世界王座決定戦(対ヘロール・グラハム戦)出場の許可がWBCから出た、という、もういかにもタコにもな経緯だった、と...まあそれを含めずとも、強い相手と闘った、という点で、このクラスでのエントリーは妥当でしょう。



ただ、対するのが、相手として最悪というか...カリブの神童ウィルフレッド・ベニテス。
17歳で強豪アントニオ・セルバンテスを攻略し(スーパーライト)、僅か一週間かそこらの練習でレナードと渡り合い(ウェルター)、このクラスではデュラン、ハーンズと熱戦を繰り広げた。
この、これぞ天才肌、という男が、実は一番落ち着いて、充実していたのが、このクラスにいた時だと思います。

これが戴冠戦、英国のモーリス・ホープ戦。三階級目でも平然、マイペースに運んだ挙げ句、一発で仕留めます。





続いて中南米のスター対決、ロベルト・デュラン戦。「ノー・マス」事件からの名誉回復を図るデュランを、見事に空転させます。




この試合ぶりは、まさにメイウェザーの先駆ではないか、と思うほど。
微妙な距離の調整、アングルの変化、相手の心理を読み切ったようなクリンチの駆使により、相手の攻撃を空転させ、小さいヒットを重ねていく。
時には敢えて、打てそうな位置に自分の顔を持っていき、打たせておいて外すような場面も。
これを他ならぬデュラン相手に15ラウンズやり抜いて、ご覧の通り、平然。この時、なんと弱冠23歳。

もちろん、キャリア全体の安定感では比較にもなりませんが、この一試合だけでいえば、その「天才度」はメイウェザー以上だ、と思います。
出来ればフルラウンド見て貰いたい試合ですね。



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90年代、P4P上位をチャベス、ウィテカーらと争ったのが「テリブル」テリー・ノリス。
スピード抜群、強打を連打して、鮮烈、豪快な勝利を何度も見せてくれました。

ジュリアン・ジャクソンに喫した逆転KO負けは痛かったですが、ジョン・ムガビを初回に沈め、復帰戦のレナードに圧勝、そして長期政権へ。
ただ、強敵相手との試合が多かったとはいえ、打たれたら打たれたぶん、きっちり効くし、時には倒されてしまう、という試合があったのも事実でした。

こちらは初の戴冠試合、ハグラーに善戦して名を上げた「野獣」ジョン・ムガビ戦。





結果知って「えー、ジュリアン・ジャクソンに倒された選手が、ムガビに勝ったんか」と驚きました。
この時は、そういう見方だったのです。


こちらはレナード戦。これはもう、皆さんよーくご存じの試合。
ただ、画質の良いのがあったんで、一応ご紹介。お時間あるときに、ゆっくりと。
そういえばこの試合、WOWOW開局間もない頃の放送で、解説は「二郎さん」だったなぁ...。




この後、チャベスとの激戦で名を上げたメルドリック・テイラーを一蹴したり、天才ドン・カリーに事実上「引導」を渡したりと、その強さは目覚ましいものがありました。
キャッチウェイトでチャベス戦、なんて話が一時持ち上がったときには「そんな無茶な。チャベスが壊されてしまう」と思うようになっていたくらいで。
その後、倒されたり変な負け方したり、ごちゃごちゃした後、キース・ムリングス戦で「限界」が来た、というところでしたが、ベストの時期は本当に、傑出して強かった。その印象はやはり強烈です。


対するはロナルド・ウィンキー・ライト。
ガードを掲げた防御は、堅牢さが全面に出たもので、闘い方も地味ながら実力は一級品のサウスポー。

ミドルに上げて以降も頑張ってましたが、このクラスではやはり、デラホーヤに連勝したシェーン・モズリーに連勝(ややこしい文章ですみません)した二試合が大きいですね。




地味なわりに、強敵相手と良いカードがどんどん組まれるなあ、という印象もありましたが、強打者ではない代わりに、闘い方自体が正直というか、右リードで突き放し、崩し、距離が詰まっても打ち合いを辞さず、という具合で、見ていて感情移入しやすい選手でしたね。
その上、レベルも高く、防御も堅実なので、強敵相手と多く闘えた。確かにベスト8に値すると思います。


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そして、遂に出ました、我らが「炎の男」輪島功一。
「マガジン、輪島さん入れちゃいましたよ」と、長年の輪島ファン、ワジマ原理主義者みたいな友人に笑いながら言ったら、ちょっと本気で怒られました(笑)。

まあ冗談はおいて、時代の違いもあり、見た目の印象だけで言えば、だいぶ見劣りするような気もします。
ただ、好調時の試合ぶりは、攻防の切り換えやフェイントの巧さなどが冴えていて、マット・ドノバン戦などは出色の出来。
アルバラード、柳済斗との再戦で見せた、多彩な左による崩しなども、体格面の不利を逆に利したとも言える、技巧派ファイターの本領発揮でした。

ことに柳済斗との再戦は、出来ればフルラウンドで見て貰いたいです。
この試合運びの巧さと、一度KO負けした相手を怖れぬ果敢さは、一見の価値あり、です。
CSフジでの放送は最近はないようですが、DVDソフトも出てますし、出来れば高画質で。

とりあえず動画。しかし、凄いハイライト作ってる方がいるんですね。






で、対するは人呼んで「カリブの鬼才」「ミスター年齢不詳」マイク・マッカラム。
80年代中量級黄金カルテットの4人と比べても、時期によっては強かったんじゃないか、という気もしたくらいの、底知れぬ存在感を持つ技巧派でした。

クロンク・ジムでトレーニングしていた頃の様子については、ハーンズ、マクローリーよりもマッカラムが一番強かった、という証言があるといいます。
実際の年齢がわからない(公表されているより5~6歳上?)とか、その試合ぶりも、強打ジャクソンを「技」で切り崩したり、ドン・カリーをスター選手の座から蹴落としたりと、鮮やかな勝利を重ね、いよいよ打倒ハグラーか、と思われた矢先、技巧派カランベイ戦で意外な敗北を喫したり、どうにもつかみ所のない印象がありました。
後年、ミドルやライトヘビーで、ジェームズ・トニーやロイ・ジョーンズを相手にしたときも、その辺の雰囲気、得体の知れ無さは生きていたように思います。


見た限りではこれが生涯ベストの試合でしょうか、ジュリアン・ジャクソン戦。
強打の挑戦者相手に引かず、巧さで押し返し、好機を得たら怒濤の猛攻。見事です。





出世試合といえばこれになるんでしょうね、ドン・カリー戦。
ウェルター級統一王座を失い、トップ戦線への再浮上を期したカリーと息詰まる攻防を繰り広げ、最後は奈落の底へ叩き落とす。
カリーのファンだった私は、この結果を知って、目の前が真っ暗になったものです。





2回終盤、マッカラム左アッパーの好打があり、しかしガードが甘くなったところを、カリーが右クロスで叩く。
この攻防ひとつとっても、世界のトップ同士とは凄いものだと、今更ながら感心します。
3回開始時、あのマッカラムの表情が青ざめています。

しかし3、4回、カリー優勢、マッカラムが食い下がり、という流れで迎えた5回、マッカラムの「死神の鎌」がカリーを捉えます。
カリーはこの後、WBCタイトルを一度は獲りますが、ほどなく陥落し、期待されたハグラー戦を闘うことなく、ノリス、マイケル・ナンらに敗れ、リングを去ります。
その「運命」を決めた男、マッカラムはこのクラスにおいて、単なる結果以上の濃密な記憶を残した存在だと思います。

しかしカリー、なんであのパンチ食ったかな、といまだに思いますね。
左ボディが来ると思って飛び退いたら上に来て、スウェイが間に合わなかったのでしょうが...巧い人が時々、早く物事を見切り過ぎることはあるものですが、それにしても、と悔やまれます。
お前が悔やんでもどうにもならんぞ、というツッコミが聞こえてきますが、そこはどうかご容赦を...。



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一応、対戦すれば、ということですが、ハーンズがバルガスを迎え撃ち、強烈なKO勝ち。
好調時のベニテスが、ジャクソンの強打をかわしきる。
ノリスとライトは打ち合いになり、ライトのプレスにノリスが耐えきって強打の効果で抜け出す。ノリス。
輪島さんとマッカラムは、残念ながら輪島さんの健闘及ばず、左のヒットが重なって、TKOでマッカラム。

準決勝、ハーンズとベニテスは実際の結果のとおり。
ノリス、マッカラムはノリスが先行、マッカラムがボディで追い上げ逆転、というところか。
決勝はハーンズ、マッカラム。難しいがクロンクでのスパーの内容は、けっこう一方的だったらしい、ということを加味して、マッカラムで。
もちろん試合となれば別ですし、充実期のハーンズ強打爆発、となる可能性もあるでしょうが...。



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ミドル級、怖れていた通り 「拳聖」そっちのけでハグラー特集と化す

2020-04-23 06:33:49 | 海外ボクシング



さて、色々大変になってくるミドル級。
動画紹介に主眼を置いて、出来るだけ簡潔に行こうと...思ってはいるのです、ハイ。


マガジンによる一回戦の組み合わせは、以下の通り。

シュガー・レイ・ロビンソンvsセルヒオ・マルチネス
ゲンナディ・ゴロフキンvsバーナード・ホプキンス
マービン・ハグラーvsエミール・グリフィス
ハリー・グレブvsカルロス・モンソン


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まずは言わずと知れた、元祖シュガー・レイ。
アリやレナードの先駆であり、その時代における超越度が並外れている点で、おそらく史上屈指の存在であろうと。
動画はいくらでもありますが、とりあえず短いのひとつ。
この中に、ジーン・フルマーを沈めた左フック、ボボ・オルソンをみたび下した風車のような連打、ロッキー・グラジアノを昏倒させた右ショート等々、名シーンがしっかり網羅されています。最後は宿敵ジェイク・ラモッタの奮戦により生まれた死闘の様子も。





白黒じゃなくカラーで、画質が良かったら、最近のボクサーと見間違えてしまうんじゃないかというくらい、やっていることに時代の差を感じません。
古今東西、全階級通じて最高のボクサー、と多くが評するのも納得です。
動画はもう、数限りなくありますので、あれこれ見てください。



対するはアルゼンチンの技巧派サウスポー、長谷川穂積なども参考にしていたというマラビージャ・マルチネス。本当に好きな選手なんですけども。
HBOによるダイジェスト集。怪物ポール・ウィリアムスとの二試合はもう、こんなん見たら惚れてまうやろー、の世界ですね。





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ゲンナディ・ゴロフキン。何かと、とかくややこしい現代のボクシング界において、その圧倒的な力で全てを片付けてきた「カザフの石の拳」。
動画は貼るまでもないでしょう。


対するは最多防衛記録のバーナード・ホプキンス。
闘いぶりが地味でダーティーな面があり、ロイ・ジョーンズにも敗れていて、長年評価は低かったが、トリニダードやデラホーヤを下す過程で4団体統一王者になるなど、実績は充分。
ミドル級の王座を失ったあとも、ライトヘビーやキャッチウェイトの試合で、色々大物と対戦してます。
昔の試合からこまめに集められたハイライトの動画。





鮮やかに巧いとか速いという風に見えはしないですが、相手の防御を動かしたり、体勢の崩れを即座に突いたり、色々と小技が巧く、その上にアタマを嫌がらせに使いつつ押し込んで「同時打ち」をしたり、一拍ずらして右を当てたりと、自分のダーティーイメージをも利用しているような面があります。
本当に汚いことをしたこともありますが、その悪評を自分で利するに止め、実際そこまで、毎度毎度酷いことをしているわけでもない。
何かと一筋縄ではいかないボクサーです。

相手を捌いて疲れさせる回りの「省エネ」で持ち味が出るが、自分からあれこれ「仕事」をし続けると、徐々に落ちてきて悪く回る、というのが晩年の傾向でしたが、それはほぼ、ミドル級を去り、ライトヘビーやキャッチウェイトの試合でのこと。
ミドル級で区切るなら、ベストはトリニダードやデラホーヤを下した頃、ですね。


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80年代、不遇のキャリアを乗り越えて戴冠し、ミドル級の帝王として君臨したマービン・ハグラー。
その風格と安定感、技巧と強打によって、黄金の中量級4人の中でも最強の評が一番多かったと思います。

70年代、コンテンダー時代には、ABCによる全米トーナメントがドン・キングによる戦績詐称事件で頓挫するなど、その強さに見合わぬ遠回りを強いられた挙げ句、世界初挑戦でも慎重に闘ったせいでドローに終わるなど、無冠の帝王で終わる可能性もありました。
「奴はお人好しで、左で、黒人だからな」と断じる向きもあったそうです。

しかし、英国遠征で戴冠した後は、徐々に最強王者と目されるようになりました。
王座を保持し続けるうち、デュランやハーンズ、レナードらがミドル級に参戦してきたことで、その強さがようやく注目された、というのも事実でしょう。
彼らはそのキャリアの到達点が「打倒ハグラー」である、という見方をされ、その通りに挑戦してきました。
そこで示したハグラーの技量力量は、今更ここで称えるまでもないもの、です。

しかし皮肉にも、ボクシング全体のバランス、技巧の冴えが徐々に「目減り」し、強打や闘志を前面に押し出す試合が増えていったのもこの頃でした。
年齢やキャリアを考えれば当然ながら、ラストファイトのレナード戦は、ハグラーの全キャリアを見渡せば端的に「不出来」なものにも見えます。
むろん、それでも攻略至難の最高峰であり、それに挑んで攻略したレナードの勝利が、偉業であるのも事実ですが。


とりあえず、普通に、誰もが知っているビッグマッチではなく、無冠時代の試合をいくつか紹介したいと思います。
技術レベルの高さと、殺傷本能を併せ持つ若きハグラーには、後の王者時代と同様、いや、それ以上に蠱惑的な魅力があります。
あと、この辺の試合では、一度負けたり引き分けたりした相手に対し、わかりやすく「鬼」と化す傾向も見えますね(笑)。


ユージン・ハート戦。画質の良いのをと探したら、何故かロシア語のコメンタリー。
足で外してカウンターで斬る。「巧いハグラー」がわかりやすく見える試合。




ここまで一勝一分のシュガー・レイ・シールズと第三戦。
世界王者になった後のケイブマン・リー戦と並ぶ「電光石火マービン」の代表的試合。




アルジェリアのルシフ・アマニ戦。ビト・アンツォフェルモに挑んで引き分けたハグラーの「再起」初戦。
これは自分への怒りを相手にぶつけた、という感じか。




ハグラー、生涯最強の宿敵かもしれない、ウィリー・モンローとの三戦目。ここまで一勝一敗で迎えた決着戦。
後にハグラーは「(ボビー)ワッツやモンローと比べたら、レナードやハーンズはアマチュアだ」と発言しています。





ここらへんの試合を見ているから、後年ホプキンスがハグラーやモンソンを防衛記録で抜いた、という話題には、全然関心がありませんでした。
無冠時代のハグラーが闘った試合の中には、ホプキンスがIBFタイトルマッチとして闘ったものよりも、レベルの高い相手とのものがいくらでもある、と見ていたからです。
今回紹介したものを含め、見た限りですが、ボビー・ワッツ、シールズ、モンロー、マイク・コルバート、ハート、ダグ・ドミンゲス、ベニー・ブリスコ、アマニ、マルコス・ヘラルドらとの試合が、それに該当する、と思います。


こちらは世界戦ハイライト。正味8分強。ムガビ戦までです。





ということで、怖れていたとおり、ハグラーの話ですっかり長くなってしまいましたが、対するはカリブのシュガー・レイ、エミール・グリフィス。
ロビンソンの後を引き継ぐようにウェルター、ミドルで戴冠し、MSGのメインイベンターとして活躍した、当時の大スターです。





ルイス・ロドリゲス、ディック・タイガー、ベンベヌーチにカルロス・モンソン、ホセ・ナポレス...そしてあのハリケーン・カーターとの対戦でも知られますが、正直言うとモンソン、ナポレス戦以外、あまりしっかり見たことがありません。
ハイライトであれこれ見るに、なるほどスター性のある華やかなボクシングですね。
時間できたらじっくり見てみよう、と思わせる魅力があります。



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そして出ました「ピッツバーグの人間風車」ハリー・グレブ。今回のマガジン企画の中でも、群を抜く「古さ」です。
試合動画もさすがになく、その破天荒な生き様も、今から語り直されることもあるかどうか。

一番有名なのは、ミッキー・ウォーカーとのタイトルマッチに勝利したその夜、意気投合?して、共に酒を酌み交わした当のグレブとウォーカーが、些細なことから諍いになり、深夜の路上で「リターンマッチ」を闘った、というお話ですが(どうやらホンマらしいから怖いです)。
それ以外にも、試合前日に美女を侍らし泥酔していると大勢の前で見せかけ、予想不利になった自分の勝利に大金を賭けて大儲けしたとか(件のウォーカー戦も)、32歳で世を去った際、それまで散財を繰り返しているとみられていたが、娘に25万ドル(「カポネの時代」の話です!)の遺産をしっかり遺していたとか、まあ色々と面白いお方だったそうです。

ただ、ボクサーとしてどうだったかと言われると困ります。
文献では猛烈なファイターで、なおかつ相手の出方次第では「倍返し」も辞さず、何ならレフェリーにも矛先を向けること再々、だったとか。
まあ、何しろ今の物差しでは測れない、としか言えませんね。


対するのがパンパの英雄カルロス・モンソン。
これまた語り出したら長く、ある意味グレブ以上に破天荒...と言っていいのか迷うような、波乱の人生を生きた男です。





手短に言ってしまえば、ボクサーとしては、その抜群の体格が前提にある「作り」です。
距離で外せて、打たれてもタフ、という前提から、長短いかなる距離でも、とりあえず手が出せる。
相手の上体が少しでも起きれば、長いストレートパンチで脅かすし、ダックすればアッパーが来る。
相手にしたら、普通の攻防の段階から苦しく、疲れていく、という具合で追い込まれてしまう、という。

このハイライトだけではわかりにくいですが、そういう過程の試合が多く、相手が崩れたら、そこへ距離が長いわりに、異様に精度の高い右ストレートを打ち込む、という感じです。
上の動画、2分50秒過ぎ。ベンベヌーチをコーナーに追って決めた右ストレートの威力は、まさに爆発的。

またスリーパンチ、返しの左フックも良いものを持っています。
ロングのパンチが多いが、軌道が最短距離を通るのが常で、この辺は名匠アミルカル・ブルーサの教えか、それとも天性なのか?

その実力は70年代、ラテン・アメリカによる世界制覇の一翼を担うものでしたが、現役時代から、その人生は波瀾万丈。
死後、というか最近撮られたらしい評伝?映画の予告編を見ると、こないな感じです。





なんじゃこりゃー、と言うしかありません。これを日本で見られる日は来るのでしょうか。来なくても良いような気もしますが。
しかし主演の人、よう似てます。


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ということで、大変でしたが8人紹介してみました。
実際闘うと、ロビンソンがマラビージャに勝ち、ゴロフキンがホプキンスを消耗させて勝ち、ハグラーがグリフィスを激戦の末捉えて勝ち、モンソンがグレブを突き放して勝つ、という感じでしょうか。
準決勝はロビンソンがゴロフキンを激闘の末に打ち崩し、ハグラーが果敢にモンソンに打ちかかって攻めきる。
決勝は...正直、どっちとも言えないが、ハグラーの攻撃力が、巧さ故に受け身になることもあるロビンソンを押し切るか?

この辺は、はっきり言って「揉めるトコ」だろうなあ、と容易に想像出来る部分で(笑)
それはちょっと怖いので、ふわっと書いておきます。まあ、あれこれ異見があるのも含めて楽しみましょう。


しかし、やっぱりこの辺をやると長くなります。どうにかならんですかなー...困ったものです。




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スーパーミドルは欧州勢が中心 唯一推したいのはケスラーだが

2020-04-22 15:08:06 | 海外ボクシング




重量クラスで一番新しいスーパーミドル級、一回戦は以下の通り。

アンドレ・ウォードvsスベン・オットケ
クリス・ユーバンクvsサウル・アルバレス
ジェームス・トニーvsミッケル・ケスラー
カール・フロッチvsジョー・カルザゲ


...怒られるかもしれませんが、あんまり好きな選手がいません(笑)。
まあそれはそうとして(これこれ)、実際に闘わば、ですが。


ウォードはオットケの堅実に脅かされることなく、おそらく無事に「済ませる」でしょう。ウォード。

ユーバンクの評価は微妙。ライバルのナイジェル・ベン共々、新設間もない階級で英国対決があれこれ盛り上がってましたが、実力的にはどうなんやろう、と。
後にベンが、ジェラルド・マクラーレンを倒したことで、もう少し高く見ないといけないのかな、と思いはしたものの...ユーバンクでは、おそらくカネロの巧さを崩せないでしょう。カネロ。

トニーのSミドルは、良いときなら攻防の切り換え、勘の良さで、正攻法のケスラーに競り勝つでしょう。逆にいうとケスラー、トニーみたいなの苦手そう。
フロッチとカルザゲ、手数の多さ以外はあれこれ対象的ながら、柔軟さと巧さでカルザゲか。

準決勝はウォードvsカネロ。なんやったら今からでもやったらどうですか、と思ったりもしますが(笑)
これは巧さ勝ちの「年季」の差で、僅かにウォードが勝つか。カネロがファイターの顔を見せて攻め勝つか。
どっちもロケーションに護られてきた面のある者同士、微妙ですが、カネロがこの階級、一試合しかやってないことも含め、ウォード。

もうひとつは、ベストのトニーといえども、カルザゲの懐の深さと手数には苦しみそう。カルザゲ。

決勝はウォードvsカルザゲ。サウスポーの利点を生かし、手控えてもポイント拾えそうなカルザゲが有利か。
ウォードはカネロに続く「似た者対決」に苦しんで敗退する、と見ます。

ただ、ここまで書いといて何ですが、あまり興味が持てない顔ぶれです。
ケスラーが全部、力ずくで蹴散らしてくれたら嬉しいんですが、実際そうなっていないこともあり、如何ともし難いですね。


ところで、この階級、最高のビッグファイトはレナードvsハーンズ再戦、或いはトニーvsジョーンズのIBF戦か、でしょうね。
レナード、ハーンズは、初戦があれだからどうしても悪く見えがちですが、普通に見て、けっこう良い試合でした。
ただ、あの内容でドローかあ、とは思いましたが。ハーンズの勝ちにしとけば、色々収まりも良かったでしょうに...。

トニー、ジョーンズはスター候補だった両者の命運をはっきり分けた一戦になりました。
トニーの勘の良さと緩急、切れの方に目を引かれていたクチですが、実際やってみたらワンサイドでした。
この規模の試合としては、あまり良い絵とはいえないダウンシーンも含め、ちょっとがっかりした試合ではありました。






このクラス、現役のスミス、ベナビデス、ケイレブ・ブラントなどの方が、先々含め楽しみですね。
カネロはここより、他の階級にした方がいいような気がします。ミドルでもどうか、スーパーウェルターですかね、入れるとしたら。
どこにも入れなくて良い、という風にも思いますが。厳しいでしょうか。



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伝統のライトヘビー級 一回戦の中に、事実上の決勝戦あり?

2020-04-22 01:21:05 | 海外ボクシング


長らく、ヘビー級の下といえばライトヘビー級だったわけで、やはり伝統クラスならではの重みが感じられる顔ぶれが並ぶ、一回戦の組み合わせです。


ロイ・ジョーンズ・ジュニアvsアルツール・ベテルビエフ
バージル・ヒルvsマイケル・スピンクス
ボブ・フォスターvsドワイト・ムハマド・カウィ
ビクトル・ガリンデスvsアーチー・ムーア



かつて、P4P最強の名声を欲しいままにしたジョーンズの印象は、やはり強烈です。
この選手は誰にどうやって負けるんだろうか、そんなことが現実に起こるんだろうか、とまで思わせた頃がありました。

その試合ぶりは、ミドルから増量し、Sミドルを経てライトヘビー級に到達して以降、省エネ込みの自重...というに留まらぬ「遊び」も目に付き、正直言って好みではありませんでした。
当時、WOWOWは今ほど生中継の回数が多くなく、彼の試合も結果知った上で見ることがほとんどでしたので、余計に間延びした試合ぶりに見えた、という面もあったかもしれませんが。

ただし、その技量力量、才能はやはり圧倒的で、嫌う反面、仰ぎ見るような気持ちでもありました。

彼の映像では、後ろ手から右決めて倒したシーンがよく紹介されますが、個人的に「これ見れば、ジョーンズがわかる」と思う、そんな動画紹介。
ライトヘビー級転向初戦だったか、メルキ・ソーサ戦。ストップに猛抗議するソーサの気持ちもわかりますが、そこに至るジョーンズのパフォーマンスは、クラスを上げたばかりとは思えない、凄まじいものでした。






あと、技巧派サウスポーとして鳴らしたレジー・ジョンソン戦、3回のワンツーパンチによるダウンシーン。
当時、見ていて驚愕したのを覚えています。こんなパンチ、食うような選手やないのに!と。
ジョンソンが立ち上がって、その後試合が判定まで行ったこともまた、驚きでしたが。






対するチェチェンの鉄拳アルツール・ベテルビエフは現役最強の強打者と目されますし、ようやくプロモートも大手と契約して、充実期にあるのかもしれませんが、それでもベストのジョーンズと比較すると分が悪そうです。
とはいえ、ジョーンズに「遊び」の余地を与えない力量が彼にはある、とも思います。ジョーンズにとり、密度の濃い攻防が求められる試合になるでしょうね。

対象的なタイプの激突で、これこそ夢の対決なのかもしれません。
このカードこそ、事実上の決勝戦か、と思うくらいです。ここはベスト比較なら、ジョーンズの勝利で。ただし相当苦労した上で、と。



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バージル・ヒルは、当時ライトヘビー級屈指の好選手で、これから開花するかと目されていた王者レスリー・スチュワート戦での勝利が、振り返ってみれば一番印象的な試合だったように思います。
有利を予想された王者が、左の応酬で思うに任せず、少しフォームを乱したところを即座に「斬った」左フックはお見事の一語。
“Quicksilver”とは、よく名付けたものです。アメコミの有名キャラクターのことは、当時は全然知りませんでしたが。

スチュワートは「大成」せずに終わり、ヒルはこうして史上ベスト8の評を受ける王者となりました。両者の命運を分けた一戦ですね。
とりあえずKOラウンドから見られるように貼りますが、お時間あればフルでも是非。






対するは“Spinks Jinx”ことマイケル・スピンクス。後年のラリー・ホームズ攻略による“History Maker”としての評価は置いても、ライトヘビー級として、その実績は確かに、史上有数のものがあります。
当時、同級の王者クラスや上位陣を悉く打ち破り、王座統一を含めての10度防衛、まさしく「アルファベット要らず」の世界チャンピオンでした。

こちらの動画に、主要試合が網羅されています。有り難い。
しかし、タイソン戦はなく、ホームズ戦も打たれた場面がカットされています。実質10分弱。その先は同じ映像の繰り返しです。





今の目で見ると、世界戦でKO勝ちが多いわりに、強打者というより連打型、もっと言えば「忙しない」印象です。
当時の趨勢が、今より攻撃に傾いていたのも確かでしょう。
外して打って、好機には当てられる分だけは当てないと損、というような、実際的なボクシングだった、というところでしょうか。
しかし、このハイライトで見る印象よりも巧い選手でした。この辺はフルで数試合見ればわかることですが。


で、ヒル対スピンクスですが...ヒルはハーンズ、ミハエルゾウスキー、ジョーンズとの大一番に敗れているのが痛い。しかし10度防衛を二度(!)達成している。また、強敵相手の統一戦に二度も臨んでいるのも立派。ちなみに結果は一勝(ヘンリー・マスケ戦)一敗(ミハエルゾウスキー戦)。
しかし対するスピンクスも10度防衛を達成し、階級ベストの座にあった上、ヘビー級まで制した実績がある。

実績比較、ベストの比較、いずれも難しい。ほぼ互角か、勝負強さ、粘り強さでスピンクスか。
それこそヘビー級、しかもホームズ相手に、執拗に打って動いて、と粘り強くやり抜いた(判定は疑問もありましたが)ことも込みにして、ですが。



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長身、痩身の強打者といえば、トーマス・ハーンズと双璧を成すのがこの人、ボブ・フォスター。
ナイジェリアの英雄ディック・タイガーを倒した一撃は、シュガー・レイ・ロビンソンがジーン・フルマーを倒したパンチと並ぶ「史上最も有名な左フック」です。
こちらの動画はそのタイガー戦、ビセンテ・ロンドン戦、マイク・クォーリー戦のハイライト。「返しの左」の威力が存分に見られます。





対するは前の記事でも紹介したとおり、ホリフィールドとの再戦までは「不倒の男」として知られたドワイト・ムハマド・カウィ(旧名ドワイト・ブラクストン)。
小柄ながら、倒れたことがニュースになる、というタフネスで、数々の激戦、時には逆転劇を見せました。
負けた試合でも、スピンクスやホリーとの初戦では、相手をぎりぎりのところまで追い詰めるなど、その闘いぶりは誰にとっても脅威だったと思います。





上体を動かして外し、相手に迫って強打を決める。ニックネームはボルチモアの地名から「カムデンのバズソー(丸鋸)」。そのままの闘いぶりですね。

フォスター対カウィ、これも対象的な組み合わせですが...フォスターの強打を外し切れず、カウィ健闘するも惜敗、というところでしょうか。



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最後はビクトル・ガリンデスvsアーチー・ムーア。
ガリンデスについては、正直言ってちょっとだけしか見たことがありませんでした。今回、ちらほら見た感じ、アルゼンチン人の中ではかなりファイター寄りの印象。
10度防衛の実績を、攻撃優先の闘いぶりで成したのですから、南米では相当人気があったんでしょうね。

余談ですが、この人について知っていたのは、マイク・ロスマンとのリマッチにおける乱闘トラブル。
今見ても、なかなかの荒れ具合です。





4回終了後も手を出したガリンデスに怒り、突っかかったロスマン側の人間が、ロスマンの兄だったとのこと。
そのせいで、試合後の両陣営の様子など、もう礼儀も節度もあったもんやないですね。剥き出しの「闘い」そのものだ、という見方をするしかないんでしょう。
そういえば日本でもかつて、似たような事件がありましたっけか...。



そして最後に御大登場、という趣のアーチー・ムーア。
史上最多KO勝ちの記録保持者。39歳で戴冠した不遇の強豪。デュレル戦、伝説の逆転劇。
今更語るまでも無い、オールド・グレートの代表格。

動画はNHKの「KOパンチに賭けた男たち」から、生前のムーアを紹介した部分です。





率直に言って、時代が違いすぎて、スピードがどうと言い出したらムーア不利でしょうが、ガリンデスとの打ち合いなら、ムーアにもチャンスがあると思います。
ここはちょっと甘いかもですが、ムーア勝利で。



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準決勝、ジョーンズ対スピンクス。これも夢対決ながら、ジョーンズが引き離して勝つ、というところか。ジョーンズ。
フォスター対ムーア。さすがにムーアとて、ディック・タイガーの二の舞を避けられるとは思えず。フォスター。

決勝はジョーンズvsフォスター。ジョーンズの縦横無尽、フォスターの長槍という闘い。
勝って欲しいのはフォスターの方ですが、厳しくジョーンズ、というところ。



まあ、私が勝敗を決めていく必要も無いかな、と思い直したりもしていますが、とりあえず私見ということで。
もちろん異見ありでしょうから、色々とコメントしていただけたら嬉しいです。



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クルーザー級、細かったこの人は外せない

2020-04-21 08:34:45 | 海外ボクシング


上の階級から順番にやっていこうと思っていましたが、人数的に膨大なもので、大変です。
連日長時間の動画をあれこれ貼るのもどうかと思うんで、短くて、なおかつ出来るだけ高画質なものを選びたいと思います。
しかし、マガジン来月号の発売日など、あっという間に来てしまいますし、今後は出来るだけ、駆け足で行きます。


重量クラスの新しい階級、クルーザー級はオレクサンドル・ウシクvsファブリス・ティオゾ、ジョニー・ネルソンvsファンカルロス・ゴメス、カルロス・デレオンvsワシリー・ジロフ、マルコ・フックvsデビッド・ヘイが一回戦。

新しい階級、といっても出来てから40年経ちます。それなりに強い王者が揃ってはいますね。
とはいえ、ヘビー級のように、外すに忍びない王者が大勢居る、というわけでもないですが。

ざっと見て、ウシク、ゴメス、ジロフ、ヘイが勝ち上がりか。
ウシクは機動力と技術で抜きん出ている。ティオゾはこの階級では小粒。
ゴメスはクルーザーでは切れも巧さもあった。ネルソンは派手だが防御に穴があり、安定感に欠ける。
ジロフは左アッパーのレバーパンチで打ち勝ちそう。デレオンは巧いが、相手とのレベルが近いと崩れる事例あり。
ヘイは動ける強打者。フックは強打が決まらねば辛い。

準決勝、ウシクがゴメスに右リードの巧さで勝つ。
ヘイはジロフのボディブローの打ち終わりに速い右を決めるでしょう。
決勝は...クルーザーのヘイの方が好きですが、実際やれば勝ったのはウシクでしょうね。

この辺は最近のも多いですし、動画は省略します。


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ただし、クルーザー級というと、私はどうしてもイベンダー・ホリフィールドなんですよね。
ヘビー級の方で長くやりましたから、そちらでエントリーするのはわかるんですが...。

とりあえず動画。クルーザー級時代、ホリフィールド株を一気に上げた一戦といえばこれ、元王者ドワイト・モハメド・カウィとの再戦。
知る限り、一番画質の良い動画をご紹介。





ホリーは細く、カウィは小さいですが、この頃のクルーザー級は、リミットが190ポンドでした。
まだ「ジュニア・ヘビー級」という名称も残ってましたかね。
あのスピンクスが倒せなかったカウィを倒すとは!と驚かされた一戦です。

この頃のホリーは、重いクラスにしては、という断りが要らないほど、全階級見渡しても有数の、スタイリッシュで巧い選手でした。
テクニシャンとして見て、ウィテカー、カランベイ、マッカラムと並び称して不足が無いと思うほど。
私はどうしても、この「細いホリー」が好きで、後年、ヘビー級に増量して奮戦するホリーの姿は、その健闘を称えざるを得ない反面、何か違うなあ、という気持ちでもありました。

この辺にまつわるあれこれで、後によろしくない話が耳に入っても来ましたが、それを置いても...という。
それもこれも込みで、やっぱりホリーのベストはここやなぁ、と改めて思う次第です、ハイ。





あと、これも高画質、IBF王者リッキー・パーキー戦、WBC王者デレオン戦もついでに。
デレオン戦の頃にはもう、当時絶好調のタイソンを将来打倒しうる選手として注目されていて、リングサイドにはタイソンの姿があります。
後年、両者がああいう形で対戦し、ああいう内容と結果が残るとは、まったく思っていなかったですね...。










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ヘビー級トーナメントは結果以前に壮観 誰も彼もが偉大

2020-04-20 09:18:53 | 海外ボクシング




ボクシングマガジンのオールタイムベスト企画、ヘビー級のトーナメント、以下が一回戦の組み合わせです。

マイク・タイソンvsウラディミール・クリチコ
ジョー・フレージャーvsジョー・ルイス
ジョージ・フォアマンvsイベンダー・ホリフィールド
レノックス・ルイスvsモハメド・アリ


ウラディミール・クリチコについては、最近の王者ですんで、敢えて動画は要らないでしょう。
彼の「ベスト」はいつ頃、どの試合か、と言われると、爆発力と不安定さを併せ持つ前半と、自重して安定した後、に大別できるそのキャリアを見渡しても、正直、どっちもどっちというと悪いですが、一長一短あり、ですね。
試合として見たら、クブラト・プーレフ戦は面白かったですが「ベスト」ではないし、アンソニー・ジョシュア戦も結果は負けですし。

ただ、タイソン戦はというと、その体格とのしかかり戦法で、タイソンを相当苦しめるだろうと思います。
前記事で述べた「ビンテージ」タイソンなら、それでも切り込んでいって、苦しみながらも勝つ...と思いたいところです。
試合として「面白い」のは、キャリア前半に当たった場合かもしれません。その場合、タイソン勝利の確率がより高まるでしょうが。


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ジョー・フレイジャーのベストは、アリの追放期間中、バスター・マシスを倒してニューヨーク州認定王座を獲得し、WBA王者ジミー・エリスを破って王座統一、そしてアリとの Fight of Century に至る頃、でしょう。
時期的には69年から71年。マシス、ジェリー・クォーリー、エリス、ボブ・フォスター、そしてアリを連破しています。
こちらが上記の5試合をまとめた動画。





フォスター戦のフィニッシュなど典型ですが、左フックは強振ですが大振りではなく、バランス復元は速いです。
従って下、上のダブルも滑らかに繋がり、相手にしたら防ぎようがないですね。
アリ戦の勝利に至っては、本当に感動的としか言えません。ファイターの献身、奮闘を見たくばこの試合を見よ、というところでしょうね。


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対するジョー・ルイスは、時代背景などを考えると、アリ以上のグレートなのかも知れません。
アンチヒーローたるジャック・ジョンソン、そして穏健な形で黒人の社会進出を実現したルイス、時代の変革を象徴したアリ。
この3人は、それぞれの形で時代を画したヒーローだと言えましょう。

ルイスは、正統派のスタイルと、強打をコンビネーション出来る攻撃力の高さが、この時代としては抜きん出ています。

こちらの動画は、マックス・ベア(新鋭時代に元王者をKO)、ジム・ブラドッグ(「シンデレラ・マン」を倒し戴冠)、マックス・シュメリング第二戦(かつて敗れた元王者に雪辱)、ビリー・コン(劣勢から「強連打」で逆転)、ジャージー・ジョー・ウォルコット第二戦(後の王者を逆転KOで返り討ち)の5試合です。





最初のベア戦などは、ヘビー級ボクシングにおける当時の常識と、ルイスの技術的先進性との落差が、ありありと。
ベストを選ぶならシュメリングとの再戦でしょうか。正確な強打による速攻の中に、ルイスの持つ破壊力、殺傷本能のようなものが存分に見えます。



フレイジャーvsルイスは、ジョージ・フォアマンが歴戦の疲弊を抱えたフレイジャーを捉えて打ち据えた二試合のように、ルイスがフレイジャーを捉えうるか、なんですが...正直、ちょっと難しいと見えます。
ベストのフレイジャーなら、ルイスの攻撃をリズミカルな動きを伴った前進で外し、左フックを決めてしまうだろうと。
動画の4試合目、ビリー・コン戦のように、左フックのダブルコンビネーションを外しきれない場面もあります。
ここはフレイジャー勝利、ということで。



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次のフォアマンvsホリフィールド、実際に対戦してますが、あくまでカムバック後のフォアマンと、ですので、ベスト比較となると、違ってくる...と見ます。

フォアマンのベストはフレイジャー(初戦)、ノートンに勝ったときで決まり。
こちらはフレイジャー戦。ジャマイカはキングストンでの開催。
アリを破ったヒーロー、フレイジャーのこの王座転落は、当時、正しく「惨劇」として見られたことでしょう。






こちらはノートン戦。これも、アリを破った男が「酷い目」に遭った、という絵ですね。







ホリフィールドは...正直、ベストはクルーザー級かな、と思いますが、負け越したとはいえリディック・ボウとの三試合、そしてタイソンを破った星が光ります。
あと、個人的には、転級間もない頃のマイケル・ドークス戦が好きです。





しかしベストのフォアマンなら、小柄なホリフィールドを小さいジャブで捉え、上下左右の「強連打」で打ち据えるだろう、と見えます。
ここはフォアマン勝利で。


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で、アリvsレノックス・ルイス戦なんですが...ルイスのベストというのが難しいです。
時期によってわかりやすく分けられないというか、良い出来の試合と、そうでないときがけっこう、ごっちゃになっています。
ゴロタ、ブラント、ボタ、ラクマン第二戦のような快勝系の試合、タイソン戦の完勝があるかと思えば、凡戦あり、油断負けあり、という具合で。

ハイライト動画貼っておきますが、ボクサーとしての見た目「ルックス」は若い時の方が良いですね。
もっとも実際、勝っていくために、あれこれとボリュームアップが必要なのでしょうが。





良いときの比較で行けば、かつて粂川麻里生氏が書いたとおり「ラリー・ホームズのジャブと、フォアマンの強打を持つ」怪物ボクサーパンチャーであるルイスが、60年代の快足アリを捉えられるか、という比較になり、かなり難しい予想になりますね。
ここはスピードの差でアリが上回る展開になるだろう、ということで、アリを推します。


ルイスの試合でいくと、ラストファイトとなったこの試合が一番好きかもです。
再戦してほしかった、と思う反面、この両者の「破壊力」を見ると、気軽にそんなこと言うたらいかんのではないか、という気もするくらい。
もはや恐竜同士の喧嘩ですね、こうなると。








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トーナメント一回戦は、そういうことでタイソン、フレイジャー、フォアマン、アリの勝ち残り、となりました。
自分で決めといてナニですが、これでは実際に実現した70年代のヘビー級対決にタイソンを乗せただけ、ですね。

ここから先は、タイソンがフレイジャーに勝ち、アリがフォアマンに勝ち(実際の結果そのまま)、決勝でタイソンがアリに勝つ、というところですが...。
ベストの比較、ということで考えると、本当に難しいし、実際にあったら本当に凄かっただろうなあ、と思います。
そして、徴兵忌避によるブランクを経て、ベストの自分を失ってもなお、フレイジャーやフォアマン、ノートンと「実際に」闘って見せてくれたアリは、その社会的な側面を取り除いて、単にボクサーとしてだけ見ても、やはり偉大だったのだなあ、と。

そんなことで、優勝はタイソン、と一応しておきますが、改めてアリへの畏敬の念が心中に生まれた次第、でした。
また、ヘビー級の歴史をざっと振り返る良い機会でもありました。ジョー・ルイスの勝ちっぷりなど、後世の目にも痛快に映りますし、誰も彼も、凄い王者ばかりですね...。
個人的にはウラジミール・クリチコより、ラリー・ホームズを入れて欲しかったと、最後にひとつだけ異論を(笑)



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アリ、タイソンもし戦わば(後編) 「ビンテージ」タイソンはやはり凄いが...

2020-04-19 09:08:45 | 海外ボクシング






対するマイク・タイソンですが、こちらもまた、若い頃からのセレクトになります。
86年、バービックを倒して最初の戴冠、HBOトーナメントによる3大王座統一、東京ドームこけら落としの一戦を経て、無敗マイケル・スピンクスとの “ONCE AND FOR ALL” に至るまでの「ビンテージ・タイソン」を選ぶことに、異論は無いと思います。

この頃の試合、まとめて見られる動画はないかなと思ったら、タイソンのハイライト集がありましたんで、バービック戦から数試合、ということでご紹介。







バービック戦以降の試合ぶりを見ると、この頃は本当に、真面目にやってたんやなあ、と改めて思います(リング外では、この頃から色々あったそうですが)。
強打はもちろん、好機における詰めの厳しさは当然ながら、自分より長身、大柄な相手にジャブで打ち勝ち、崩しておいてのワンツーがまたコンパクトで強い。
頭の振りを怠らず、ボディ攻撃を織り込み、スイッチをしながら連打も出来る。精巧緻密に作られた破壊兵器、という趣きです。
時々ゴング後に打ったり、アタマさんと化したり「要らんこと」もしてますけど(笑)

この頃のタイソンこそ、史上最強を謳われる神話的な強さの持ち主、と評して良いと思います。
逆に言えば、89年、プロモートやマネジメントの体制を変えて臨んだ、フランク・ブルーノとの初戦以降のタイソンは、それまでの彼自身の「二番煎じ」でしかありません。


===============



ということで、66年のアリと、86~88年のタイソン、もし戦わば、ですが...。
この両者の全キャリアを比較すれば、問題なくアリの方が上、となりますが、ベストファイトの時の出来、戦力ならば、どういう展開になるか。

アリは当然、足で捌いて目で外す、という出方でしょう。
タイソンは頭を振って入って行こうとする。

序盤早々に、ということもないでしょうが、やはりどこかで、タイソンの強打がアリを捉え、ダメージを与えるでしょう。
「アリの天敵」は左フック、と言われますが、タイソンの攻め口は左右の強振のみならず、突き上げるような左ジャブ、コンパクトなワンツーを端緒に、好機に見せるコンビネーションなど、多彩です。
また、右アッパーのダブルから左フックの返し、という型にはまった攻めだけでなく、ワイルドな強振を見せながら、次にインサイドへ、振りの小さいパンチを狙ってくる「殺しのパターン」を確立してもいます。

アリは機関車フレイジャー、リストンの再来フォアマンの強打に耐え抜いたタフネスも持ち合わせていますが、タイソンが好打ののち「詰め」に入ったら、さすがに生き延びることは出来ないように思えます。
もしそれがかなうなら、序盤からスピードで圧倒し、ジャブや肩越しのクロス、ワンツーを決め、仮に身体を寄せられたらショートアッパーの連打などで、タイソンにダメージを与えておかないと難しそうです。


タイソンが勝つなら、序盤か中盤までに攻め込んで強打を決め、好機に尋常では無い粘りを見せるであろうアリを詰め切って倒すか。
アリが勝つなら、ジャブ、ストレート距離で捌きつつ好打を重ね、クリンチも駆使して時間を稼ぎ、タイソンが掴むであろう好機を終盤に持ち込むことによって、なんか生き延びて、判定を勝ち取るか。

基本的にこのどちらかだろう、と思います。
タイソンが攻勢を取って押し切り、判定で勝つことも、アリが「ファントム・パンチ」と自称する右クロスで倒す可能性も、ゼロではないでしょうが、高くはなさそうです。

で、どちらなんだと言われれば、私はタイソンのKO勝ち、だと思います。
前提として、どちらが偉大か、ではなく、ベストの時期を決めて比較する、ということならば、タイソンの攻撃力、単に強打の威力のみならず、その質の高さ、多彩さが、アリの(技術的に偏りがある)防御を打ち崩すだろうと。



ただ...アリのキャリアは後年の「キンシャサの奇跡」を待つまでもなく、60年代からすでに、リストン戦の「奇跡」でスタートしています。
大方の予想、その元となる理屈を超越した何ごとか...強敵相手の時にこそ高まる精神的な力、傍目の想像を超えた戦略と、それに己の身命を賭ける大胆さのようなものが、モハメド・アリを単なる強いボクサー、優れたボクサーという表現では語りきれない存在に押し上げた。それもまた、動かしがたい事実です。

一見しただけではわからない「魔力」のようなものを身に纏う、と俗な表現をするしかない。
単なる分析や比較では語りきれない高みにいる、唯一無二の存在。

こういう部分を加味してしまうと、アリの勝利もあり得るか、と思います。
もっとも、それがどういう展開の末に、どのような形をとるのか、というと、きっと簡単には説明できないような、想像の枠を超えたものになるのだろうなあ、と。

ということで、アリ、タイソン戦えば、の答えは、いきなり「逃げ」になってしまうのですが「理屈で言えばタイソン、しかしアリには、そう断じることが出来ない何かがある」ということになります。

言い訳ですが、ある意味、オールタイム・ベスト的な企画に、一番不向きなボクサー、それがアリなのかもしれません。
他の選手、或いは他の階級において、これほど話を難しくしてしまう選手は、まずいないと思います。
その部分も含めて、やはりアリこそが「ザ・グレーテスト」なのでしょうね。ベストのタイソンが「ストロンゲスト」なのだとしても。



と、一応結論ぽく書いてますが、長々と書いた挙げ句「実は、どうしていいのかわかりません」という締めになっております。
やっぱり、普段やっていない、真面目なボクシングブログぽいことを急に始めたはいいが、早々に行き詰まってしまいました(笑)。
まあ、しかし言ってみればこの両者の比較というのは、最初にして最大の難関、という気もします。

これ以降についても、順次取り上げていくつもりですが、あまり深入りせず、動画紹介プラス、簡単に思うところを、というに留めようと思っています。
あくまで参考程度に、というところで。これもまた逃げですが...。



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アリ、タイソンもし戦わば(前編) 「最高の瞬間」を比較すれば...

2020-04-18 19:01:31 | 海外ボクシング



マガジンのオールタイムベスト企画、どの程度反響を呼んでいるものかはよくわかりませんが、個人的には来月号を読むのがけっこう楽しみです。
基本的に、時代や階級の違う選手の比較、というような読み物は、あまり気を入れずに何となく読む方なんですが、こういう状況でもあり、大いに楽しんでみよう、という気持ちです。

ただ、ひとつ気になる点があります。
今月号の特集を読んで、何かメールで投稿してみようか、でも過去の選手について知らないしなあ、というファン層がけっこうおられるのかもしれない、ということです。
というのも、A-Signの動画にて、中量級80年代黄金の4人特集を始める、というので見てみたんですが、もう「会長」の立場にいる石井一太郎氏にしてからが、リアルタイムでは見ていない、のだそうです。





あちゃー、もうそういう時代なんやなあ、と。
あの一連の「シリーズ」は、ボクシングファンにとり、改めて語るテーマにすらならない、見ていて当たり前のもの、だと思っていたんですが、それはもう過去の話なのですね。

ましてやシュガー・レイ・ロビンソンだの、それこそハリー・グレブだのとなると、もうなんのこっちゃ、です。
グレブに至っては試合映像がなく、伝説的に語られる破天荒さも知られていない。
日本語のウィキペディアを試しに見たら、来歴中心で、様々なエピソードについては、ほとんど触れられていませんでした。



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まあ、そんなわけで、マガジン特集記事の補助になれば、などと大層に構えるわけではないんですが、とりあえずトーナメントに名の上がっている選手について、動画紹介して比較してみよう、と思い立ちました。
特集の趣旨に沿うか否か微妙ですが、その時代における卓越度を比べるのではなく、実際に戦えばどうなるかで判断する、ということなので、選手の全キャリアを評価するのではなく、キャリア中でベストの試合、その時の戦力を比較する、という見方で、比較すべき試合を選びたいと思います。

まずはヘビー級から、なんですが...どうしたってアリ、タイソンの比較が中心になることでしょう。



まずはアリのキャリアベストといえば、大概この試合。
1966年11月14日、ヒューストンのアストロドームにおける、クリーブランド・ウィリアムス戦です。

ヘビー級にスピード革命を起こした、とよく言われるアリですが、この試合はリストン戦と並び、まさにその最たるものでしょう。
当時の常識からすれば、身長190センチ、体重90キロを超える人間の仕業とは思えない、というのが、アリに対する驚嘆の中身だったと思われます。
そして、この時代としては、これ以上臨めないほどの高画質で、それが記録されている貴重な映像です。








ウィリアムスの動きが遅く見えますが、彼の足の運びを見れば、当時のヘビー級としては動ける方、です。
しかしアリが速過ぎる。手も足も「判断のスピード」も段違いです。
最初のダウンを奪った、バックステップしながら、少しだけ左足にキックのパワーを残して決めたワンツーパンチは、まさにボクシングの芸術そのものですね。

あと、徴兵忌避前のパフォーマンスを集めたハイライト。
60年代のアリの闘いぶりを、ざっと見られる動画です。






もちろん、徴兵忌避による追放から復帰した後のアリが、そのインテリジェンスを生かした技巧派パンチャーとして、打倒フォアマンという奇跡を成し遂げた通り、これまた一流の王者だったことは事実ですが、やはりキャリア中のベストを選ぶなら、1966年のアリ、ということになりますね。



ひとつの記事で動画を貼りすぎるのも良くないんで、タイソンについては明日以降に続く、ということで。
しかし、急に「いかにも」なボクシングのブログっぽいことを始めてしまいましたが...大丈夫でしょうか(笑)



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ビートは様々な声を「直送」する 

2020-04-17 09:35:33 | 話題あれこれ


試合記事の一切無い紙面作りとなった専門二誌ですが、ボクシング・ビートの方は、コロナウィルスの直撃を受けた、国内の選手やジム関係者の「声」を、数多く取り上げる巻頭記事が、いかにも「らしい」ところ。
都市部と地方のジムの様子を聞き、その実際の声を、そのまま紹介することに主眼を置いた記事作りでした。

内山高志、井岡一翔の対談もじっくり読めますし、飯田覚士による大橋秀行インタビュー(対談)、メキシコの現状、ヘビー級大型化を特集したあたりは、その時々に語られるべきテーマを的確に捉える「いつものビート」という感じか。

しかしこういう時なんで、やはり「国内全階級ベスト」「80年代の中量級」などの企画もあり。
この辺は正直、読者の参加を募り、二回に分けて読者を引き付ける形をとったマガジンが「一本」取った感じ、ですかね。


何にせよ、普段あれこれ文句ばっか?言ってる専門二誌ともに、こういう時だからこそ、改めてその存在意義というか、有り難みを感じました。
悪くすると、来月以降の刊行に支障が出たりする事態になるかもしれませんが、なんとか踏ん張っていただきたいものです。
そういうことにならんように、普段買ってない方も、今月は是非買いましょうね(^^)



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読者にも参加を募る マガジン、オールタイムベスト特集

2020-04-15 20:33:07 | 話題あれこれ




今日は専門二誌の発売日でした。
とりあえず買ってきて、マガジンの方だけざっと読みましたが、やはり目を引くのが「全階級オールタイムトーナメント」の特集です。

こういう時だから、というのはボクシングに限らず、他のスポーツ専門誌(サッカーとか)でも散見されますが、色々な書き手の参加があり、楽しく読めれば良いか、くらいに思っていたら、今月は各階級のベスト8を選出し、その勝敗予想を読者から募る、という形式でした。
その結果は、来月号にて掲載されるのだそうです。

boxing@bbm-japan.com というメルアドが、紙面に記載されていました。
こちらにトーナメントの勝敗予想や見解、或いは選出された顔ぶれに対する意見なども含め、どしどし送ってほしい、とのことです。

興行自粛、試合延期が当面続く中、今月は企画を読ませ、来月は読者の意見をまとめて発表、というのは、なかなか上手い企画です。
どんな意見があるものか、読むだけでも楽しいですし、自分が参加すればさらに楽しいでしょうね。



この各階級ベスト8選出特集のみならず、久々に登場の粂川麻里生氏が、アリとタイソンを比較しているのを始め、増田茂氏が今振り返るナジーム・ハメドの歴史的な位置付けなど、合間に挟まれたコラムもなかなか粒ぞろいで、今月号だけでも充分、楽しく読みました。
ビートの方はまだ読めず、明日にでも簡単に感想を書こうと思っております、ハイ。



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