さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

再開は最短でも7月から 興行自粛さらに延期

2020-04-26 20:19:16 | 話題あれこれ


そろそろ、田舎でも身の回りにあれこれ影響が出てきた新型コロナウィルスですが、ボクシングの興行自粛は6月末までさらに延期とのことです。

小刻みに伸ばすより、この方が現実に即していると思います。
ボクサーにも感染者が出たそうで、防止策の見直しも求められるでしょう。

引き続き、選手からの声を吸い上げて、という方針が確認されたとのことです。
しかし元々、経済的に余裕の無い業界だけに、今後ますます厳しい事態が続きますね。

感染者数の減少が進み、事態は改善されるのか、果たしてそれがいつ頃なのか。
また、当面、観客を入れるか、或いは半減(で済むのかどうか不明ですが)させるか、或いは無観客になるのか。
配信や放送のビジネスが確立していない現状は、ボクシングにとり、大きな足枷です。
業界の一致団結してのビジネスがない以上、非常時に出来る補償や互助にも限界があるでしょうね。

楽観的な見立ては何一つ立てようがないですが、都市部を中心に、かなり人出を減らし、耐えている効果が、徐々にでも表れてほしいものです。
気候の変化も、もちろん証明されたことではないですが、好転の材料になってくれるでしょうか。


ところで、井上尚弥が色々と、力強いコメント出しています。
本来なら、今日がカシメロ戦の日だったのですね。
彼も我々と変わらず苦しいはずですが、いざ闘わんというその時に、変わらず強い自分でいるために、膨大な労苦を費やす覚悟でいるのでしょうね。


ところで、ニカラグアでは感染者が少なく、興行が行われてるんですね
計量の様子にはびっくりしましたが。
ドイツでは「将来、フットボーラーはマスク着用でプレーする日が来る」かも、なんて声もあるそうですが、ボクシングも...?


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スーパーライト、チャベス一択というほど簡単ではない

2020-04-26 06:22:55 | 海外ボクシング


さて、中量級の充実故に、合間に作ったクラスだけど強豪続々、というスーパーライト級。
マガジンによるエントリー、一回戦は以下の通り。


フリオ・セサール・チャベスvsニコリノ・ローチェ
アントニオ・セルバンテスvsコスタヤ・ジュー
テレンス・クロフォードvsミゲル・コット
ティモシー・ブラドリーvsアーロン・プライアー




フリオ・セサール・チャベスは、一番多くタイトルマッチを戦ったこの階級でエントリー。
それは納得ですが、ライト級においてWBA王者エドウィン・ロサリオを破った試合こそ、チャベスの生涯ベストの試合ではないのか、という気がします。




これだけ自分から前に出続け、でもほとんど打たれない。たまに打たれてもさっぱり堪えない。
サルバドール・サンチェスがウィルフレッド・ゴメスを破った試合にも似て、まるで超能力者か超人か、と見えたものです。
この一階級下、ライト級においてロベルト・デュランに対抗しうるのは、この試合のチャベス以外、いないのではないかと思うくらいで。

まあしかし、それは今回、ひとまず置くしかない話です。
ジュニアライトでWBC王座9度防衛、ライトでWBA、WBC王座統一(ロサリオ、ラミレスに勝利)して、このクラスではアンクル・ロジャー、メルドリック・テイラーを撃破。
昨今そこら辺に転がっているものとは違う、非常に価値ある三階級制覇でした。





正直、スーパーライトでは、無駄を省いた良さがあったのは初期で、圧倒的に勝っているうちに、繊細さが目減りしていった感もありました。
良さが残っていた最後の方の試合が、ヘクター・カマチョ戦ですかね。
これは対サウスポー攻略戦法の、ひとつの雛形としても、記憶に残る試合です。
頭の位置を変える毎に、打つパンチの選択も適切に変える。攻めと外しの完成形やなあ、と感心したのを覚えています。

これは画質の良い動画があるので、フルで。お時間あるときにゆっくりと。






対するは日本で戴冠した、アルゼンチンの「インカトブレ」ニコリノ・ローチェ。
日本で藤猛から王座を奪った時点で、実に107戦89勝2敗14分の戦績。いやはや...。





ハイライト中心に、意外に動画は数があります。
見た目、風采が上がらないとしか言いようがないんですが、動き出したらまあ鮮やかというか、お見事というか。
この動画でも、藤は当然、セルバンテスやオルティス相手にこんな感じで対していた様子がよくわかります。
単に昨日今日巧いだけの人じゃない、相当な自信家というかクソ度胸というか。並外れてます。

まあ「世界」っていうのは、本来こういう「トンデモ」な相手と闘う場、なんでしょうね...。


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続いては、コロンビア史上最強のボクサー「キッド・パンベレ」アントニオ・セルバンテス。
その実力は、当時共に絶好調だった、石の拳ロベルト・デュランとの対戦がさかんに待望されるほどでした。
お互いに、やれば良かったものを、と思うのは他人の勝手でしょうか。

しかし、若手時代は4連敗を含め、けっこう黒星もあるとおり、大柄でパワフルだが技術的に粗かったそうです。
大物マネージャー、ラミロ・マチャドが、負けが込んでいた若きセルバンテスの素質を見込み、契約して、おそらく良いトレーナーをつけたものか、左リードが磨かれて強くなり、大成した、という話ですね。

これはローチェを破って王者になったパナマのアルフォンソ「ペパーミント」フレイザーをKOした一戦。強い!





動画の日付は第一戦のものですが、説明欄にはタイトル防衛、とあり、どちらかわかりません。
何しろフレイザーへの挑戦時、セルバンテスは34勝9敗(!)1分の戦績でした。

当時は日本のボクサーも、このクラスの相手とけっこう闘っていた最後の方の時期で、タイトルマッチで対した門田新一やライオン古山、ノンタイトルではバトルホーク風間などと闘っています。
古山はこの強打セルバンテスにアウトボクシングを強いた、ということで、そのタフネスを称えられましたが、逆に言えばほとんどの試合で、倒すなり打ち込むなりして、クリアに勝っていたということになりますね。

そして、その強さ故、二度の王座転落がそれぞれ、世界的大ニュースになることも。
これは一度目の王座転落。11度目の防衛戦で、17歳の挑戦者ウィルフレッド・ベニテスに敗れた一戦。
世界中のボクシングファンが結果を見て「誤報だ」と思った、という...。





この試合、本当に好きでして、何度もフルラウンド見返したことがあります。
静かな展開から、じわじわと盛り上がっていく感じが、なんとも言えないんですね。
もしお時間あらば、フルでも見てください。好みに合えば、楽しめると思います。当たり前や...。



対するは豪州在住のロシア人強打者、コスタヤ・ジュー。
ロシアや東欧、中央アジアの「旧共産圏」のボクサーは、今は大勢、プロのリングでも見られますが、日本の協栄ジム「ペレストロイカ軍団」と共に、この頃、プロしか見ないファンにとって、新鮮な驚きのあるボクサーでした。





空手っぽいというか、一発で相手を仕留める力のある右を、あまり「崩し」の手管なしに当ててしまえるんだなあ、という印象が強く残っています。
相手の左右、長身短躯、速かろうが打ってこようが関係ない。ぐいぐい強打狙いで出て、上下左右と打ちまくる。
良い表現なら豪快、爽快となるんですが、あまりにも「裏」がなさ過ぎるような気もして(ファンの勝手ですが)見ていていまいち面白みを感じませんでした。
たいてい、結果知った上で録画放送で見ていたせいもあるのでしょうが。

打たれ脆さというより、体調の問題だったのか、一度王座を失いましたが、二度目の戴冠後は、チャベスに引導を渡し、ジュダーを仕留めるなどの大きな星もありました。
デラホーヤ戦など、もう一段上の話には手が届かず、負傷ブランクのあと、リッキー・ハットンに敗れましたが、あれはもう、相手に負けたというより、時の流れに負けたんでしょうね。


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ハグラー以来(以上かも)の名スイッチヒッター、テレンス・クロフォードはここでエントリー。
4団体統一は偉業、というより、然るべき人が然るべき仕事をした、という見方でもって、大いに称えたいです。
ライト級で初めて見た時、自分だけ試合の最中に、相手との位置関係を俯瞰で見ているような感じがして「久々に、ホンマのホンマに巧い奴が出てきたなあ」と思ったものです。



確かにウェルターより、このクラスに留まって「王者」で居続けていても面白かった、と思いますが、そこは条件など色々あったのでしょうね。
史上ベスト8入りは納得の実力です。



そしてミゲル・コット。一応、4階級制覇ということになってるんでしょうが、ホントのホントに良いときはここだったなあ、と思います。
なんか、えらい大飯喰らいで、すぐ体重増える、なんて微笑ましい?話も聞いたことがありますが...。

出始めの頃、世界タイトルの前からWOWOWで試合が放送されていて、ケルソン・ピント戦、ビクトリアノ・ソーサ戦など、その上昇期の闘いぶりは鮮明に覚えています。
タイトル獲ってからも、リカルド・トーレスやポール・マリナッジらの強敵と、KOだろうが判定だろうが関係のない、見応えありな試合を多く闘っていました。
攻防共にレベルが高いが、どうも八の字ガードの脆さが心配でした。アントニオ・マルガリート戦で、まともに打ち崩されましたが、それはウェルターに転じた後の話ですね。



最近の選手だけに、良い動画がたくさんあります。とりあえずHBOから。スーパーライトの試合はふたつだけですが...。



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さて、ティモシー・ブラドリーですか...弱い選手ではないですが、史上ベスト8ですかね、と思います。
速いし動けるし巧いし、左も良いし、頑張るし、良い選手なんですが、やっぱりあのアタマはどないかならんか、と思いますし、全体的に見て、歴史的な選手かなあ、と。

とはいえ、大物相手に健闘し、良い試合も残しています。とりあえずHBOハイライト。



しかし、ウェルターの試合も多いですし、この選手入れるなら、それこそセンサク・ムアンスリンやら、エディ・パーキンスとかを入れた方が良いような気もします。



最後はシンシナティの鷹、アーロン・プライアー。
その強さ、壮絶な闘いぶりは脳裏に焼き付いていますが、同時に、色々とややこしいこともあったらしく、その辺はどうしても割り引いてしまいますね。

アントニオ・セルバンテス二度目の王座転落、その相手。
今のように、世界中の強豪が米国のTVネットワークに乗ることを目的に闘う時代だったら、アメリカでメジャーなスターボクサーだったはずのセルバンテスを蹴落とした一戦。
1、2Rと、3、4Rに別れた動画です。








こちらは亀田昭雄戦ダイジェスト。
...これでろくに練習してなかった、っていうんですからねえ(余談)。




そして、伝説的に語られるアレクシス・アルゲリョ戦。一戦目ダイジェスト。




荒っぽいボクシングですが、フォームのバランスはわかった上で崩している感じもありました。
打つパンチの選択が間違ってないというか、精度が高い。手数やスタミナも相当なもの。加えて打たれ強さもです。
その辺に対する疑義が、後にいろいろと言われましたが、見ていて、確かになあ...と思ってしまったのも事実ですね。


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一応対戦ですが、チャベスがローチェの防御に苦しみつつもボディから攻め上げる。
セルバンテスvsジューは、難しいですがセルバンテスが左の差で抑える。
クロフォードvsコットは、やはりクロフォードの連打がコットのガードを破るだろうと。
ブラドリーvsプライアー、ブラドリーの左に苦しみつつ、プライアーが攻めきる。

準決勝はチャベスの執拗なアタックに、若干腰高になるときもあるセルバンテスが押し切られるか。僅差。
クロフォードvsプライアー、クロフォードが打ち勝って、なおかつ反撃を捌ききる。

決勝、チャベスvsクロフォード、大激戦ながらクロフォードが丁寧にサイドに回り、ヒット数でまさり、チャベスの攻勢をしのぐか。

各年代を代表する名選手、なおかつ底を見せていない選手もいて、難しい階級ですね。


コメント (4)
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