さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

果敢に挑むも「一枚上手」の強打に沈む 安達陸虎、強打クドゥラにKO負け

2019-05-04 06:40:31 | 関西ボクシング



昨日は連休中だというのにあれこれあって忙しくなってしまい、
今年のGWは音無しで終わるかと思っていたのですが、なんとか会場に足を運ぶ時間が出来、
かろうじて府立に滑り込み、観戦してきました。
結果は残念だったものの、充実した内容の一戦をしっかり見ることが出来ました。


日本ユース、ウェルター級タイトルマッチ8回戦、
アフガニスタン出身、本多ジム所属のクドゥラ金子に挑むのは、
先日「せやねん」でも紹介されました、昨年の新人王西軍代表、安達陸虎。
全日本決勝では、苦手?のサウスポー戦で苦杯を舐めるも、それ以外は全勝。

ただ、新人王戦以降、強敵と闘うのはこれが初めてで、
体格とリーチを生かして、距離を長く維持出来るかどうかが不安でした。
正直、予想すれば不利と見ていましたが、実際の試合内容は、思った以上に
安達がよく闘い、強打のクドゥラと渡り合っていた、と思います。
しかし、やはり距離の維持が...というところは、予想通りでもありました。
簡単に経過を。


初回、安達が速いジャブから左フックのダブル。右ボディアッパー、ワンツーを当てる。
クドゥラは右クロスを二度ミス。しかし、徐々に照準を合わせてくる。空振りでも場内どよめき。
安達の回。

2回、クドゥラがジャブから出て、パワーのある右クロス。
クドゥラ、出ながらよく見ていて、安達の打ち終わりを狙っている。
安達がそれを感じてか、やや手数が減る。クドゥラ、コンパクトな右を上下に。クドゥラの回。

3回、共に警戒しつつ、鋭いパンチの応酬。スリリングな打ち合いが増える。
パンチの質は、速く鋭い安達、重く的確なクドゥラという対比が、はっきり見える。
安達の右ストレート好打があり、やや安達か、と見えたラウンド終盤、
クドゥラの左フックがクリーンヒット、安達ロープ際へ後退、一瞬腰が落ちる。
クドゥラが襲いかかると同時にゴング。レフェリーが割って入る。場内騒然。クドゥラが逆転で抑えた回。

4回、クドゥラよく見て外し、右クロスで安達を脅かす。
しかしダメージもありそうな安達が果敢に反撃。左ボディ決める。
この後左ヒットの応酬、ボディブローの打ち合いと、ヒットとリターンの激しい応酬。
安達が右ダイレクト、左フックのヒットのぶん、抑えたか?

5回、安達が出てヒット、鋭さはあるが、クドゥラと比べるとやはり軽い。
攻める分、距離が詰まる比率も増す。
クドゥラのリターンが強く、左フックがヒット。安達が懸命に動いて攻め、
拍子木が鳴った直後、クドゥラのワンツー、右が命中。
安達ダウン、立とうとするが身体が揺れ、ダメージ甚大。カウント途中でタオルが入りました。



現状の力で言えば、元日本王者の有川稔男をKOして浮上したクドゥラ金子と、
新人王戦以降、強敵、いや、同格の相手とも闘っていなかった安達陸虎の間には、
大差とは言わずとも、確かに差がありました。
明らかにクドゥラが「一枚上手」というべきカードで、組まれたと知ったときは、
井岡弘樹ジムがよく組んだなぁ、と率直に思ったものです。

そして、結果がこう出た以上「予想通り」と一言で済まされるのかも知れません。
距離を維持して、速さが生かせる展開を長く続けられれば違ったでしょうが、
レベルの高い、厳しい試合経験が不足している悲しさか、どうしても「水漏れ」あり。

要所で打たれて失点し、ダメージも負い、クドゥラの力が出せる距離で闘う時間帯が増え、
そこで決定打を食ってしまったのは、終わってみれば、攻防の質を高く維持し続けねば勝てない、
そういう試合を経験していない今現在における、キャリアの差、未熟さ、ということになるわけです。


しかし、実際に見た試合内容は、それだけでは語りきれない、安達陸虎の奮戦、健闘が光るものでした。
パンチの威力、精度には差があったものの、それを距離と速さの差で埋めようとした闘いぶりの中に、
安達陸虎の優れた素質、将来性が、充分に光っていたと思います。

ウェルター級というクラスにおけるパンチの威力なども考えれば、
安易に「これを良い経験に」と言って良いのか迷う部分もありますが、
若い安達にとり、試練の一戦となったこの試合は、これまで闘ってきた試合とは
比べものにならないほどの課題を残しました。
そして、それが「収穫」でもあった、と言えるときが来る、と信じたい気持ちです。
この近辺のクラスとしては、体格とスピードに恵まれ、闘志も充分に伝わってくる、
なかなかの逸材だと思います。今回は残念な結果でしたが、今後に期待します。


勝者、クドゥラ金子は、安達のスピードにやや苦しんだ感もあるものの、
じっくり構えて、打ち終わり狙いをしたかと思えば、果敢に打ち合って出たり、
立ち上がりは上ずっていた右クロスの「照準」を徐々に合わせ、
最後にはそれを見事に決めて倒したあたり、以前見た、たった一試合の映像のとおり、
単なる力頼みではない「出来」の良い強打者ぶりを見せてくれました。

先日、ところも同じ府立地下で、日本王者となった永野祐樹にとっても、
非常に手強い、脅威の挑戦者候補と言えるでしょう。
永野の左、クドゥラの右、どちらの強打が先に決まるか、という感じですが、
クドゥラは左フックの鋭さ、威力もなかなかのものがあり、
対サウスポーを極度に嫌うようなことがなければ、王座奪取も充分あり得ると見ます。



しかし、日本ユースタイトルというのは、出来ると聞いたときは「なんじゃそりゃ」でしたが、
こうして普通ならなかなか実現しないような若手対決が、地域の差を超えてどんどん行われ、
その内容も充実したものが多い、昨今の状況を見ていると、思わぬ「当たり」企画かもしれん、
とさえ思ってしまいます。

問題はこの活況が、そのまま日本タイトル戦線に持ち込まれるか否か、というところで、
何故か上に行くほどタイトルの数が増え、分散してしまうのが現実なのですが...。


※本日、さっそく「せやねん」で試合前後の様子も含め、紹介されていました。
トミーズ雅さんは、親かマネージャーか後援会長かという勢いで、何だかわからんことになっております(笑)






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この日はセミファイナルに、一昨年の全日本新人王MVPを獲った、
サウスポー下町俊貴と、ジュンリエル・ラモナルのフェザー級6回戦が、
ラモナルの「棄権」で中止。
代わりにジムメイトのスーパーフライ級、那須亮祐とのスパーが行われました。

那須は18日に、墨田総合体育館、田村亮一vs久我勇作(再戦ですね)のアンダーで、
元日本王者の中川健太と対戦するので、サウスポー対策の練習をしている最中?
ということもあってか、二階級上の下町相手に、好調な攻めを見せていました。

※ところでこの興行、12時半開始なんですね。今気づいた(^^;)
見に行かれる方、ライブ配信見る方は要注意です。


そういうことで全5試合が4試合に減りました。
セミは女子の54.5キロ契約6回戦で、ぬきてるみがカンチャナー・テュンタイソンを
初回から左右のボディブローで打ちまくり、3回に右フックでKO。
カンチャナーはWBCライトフライ級暫定の元王者、ということでしたが、
劣勢続きで敗れました。


後は4回戦が二試合。
ウェルター級、井岡弘樹ジム所属のフランス国籍、多分西アフリカのどこかの国ルーツ、
ムッチェ・ケニーという選手が、ミサイル工藤ジムの三浦将太を2回TKO。
共にデビュー戦、長身の三浦に対し、左フックで初回、2回と倒しました。

ミニマム級は寝屋川石田の福光彩斗と、伊豆ジム、大畑龍世の対戦。
デビュー戦の福光が、2戦目(1勝)の大畑に、序盤から果敢に攻めかかるが、
大畑は徐々に正確なヒットを返す。
2回、肩越しの右を決めた大畑がダウンを奪う。福光は果敢さを見せて反撃も、
3回、大畑がジャブ、ワンツーをボディに散らして、ヒットを取る。
福光は顔を朱に染めつつ出て、最終回は抑えるが、逆転はならず。
好ファイトでしたが、大畑の勝ちは問題なし。冷静さ、正確さで差がつきました。


メイン前には野中悠樹インタビューや、安達の地元の楽団による和太鼓の演奏があり、
安達の同郷ということでか、あの山中慎介が来賓として紹介されるなど、
試合数は少ないものの、なかなか賑々しい興行でありました。
なんとか時間が取れ、見に行けて幸い、満足感のある観戦となりました。



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そんなことで、一曲。
100s「希望」。






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2 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2019-05-04 13:49:37
私もたまたませやねんで見ました。噂に聞くクドゥラ君、雰囲気的には昔のラクバシンみたいな感じでしたね。硬質、力強い感じ。安達君も距離、スピードありで日本のあの階級の中では好素材、ただ有川さんを見事にKOしたクドゥラ君が強かった。彼日本、東洋では一つ抜けてると思います。それ故マッチメイク苦労するだろうなと。ただWBOアジアとか、ユースとか、あまり感心しませんがこういう実力者にこそ必要なバイパスなのかなと思っています。
それはそうとせやねんのあの最後、雅さんの返しを読んでたか否かはともかく井岡会長の入り方は見事でした。あれで安達君も救われたでしょう。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2019-05-05 00:35:19
>アラフォーファンさん

クドゥラ金子、初めて直に見ましたが、映像で見た印象通り、強打者だけどしっかり当ててくる、安達のスピードにもしっかり対応できる、単なるパワーがあるというだけではない、手強い相手でした。しかしこういう相手に挑んだことで、安達のキャリアがひとつ、説得力のあるものになったのも確かです。こういう試合をせぬまま勝ち続けても、本当の意味でボクサーとして幸福だとは言えないでしょうしね。
クドゥラの今後は、話の限りだと日本王座狙いのようですね。WBOアジアは「バイパス」を利用する理由があり、それを支援する後援の力がある選手のためにあるもの、なのでしょうね。
昨今「会長」といえば日連の前会長を指す、と思う向きもありましょうが、我々関西人にとり「会長」とは、やはり井岡弘樹会長のことですよね(笑)。あの「入り」のタイミングは流石です。現役時代の闘いぶり同様、天性を感じるところです。非凡、の一語ですね(^^)

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