さうぽんの拳闘見物日記

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拳闘見聞の日々。

世界注目の大一番は「どっちも負け」 カネロ&ジェイコブス、諦観と失望の12ラウンズ

2019-05-06 00:03:08 | 海外ボクシング



見終えた後は「アホらしい、時間の無駄やった」としか思いませんでしたけど、
まあ一応、思うところなど書いとこかな、とは思ったので、簡単に。


試合前、カネロ・アルバレスの左膝にサポーター。肌色で目立たないが、けっこう大きなサイズ。
ゴロフキン戦ではこんなの着けてなかったけど、ロッキー戦はどうだったかなー...
と思っていると、レフェリーの注意を聞く際、カネロは右肩を前に、斜に構える。
何だか妙な様子やなぁ、と気にしているうちに、試合開始。

序盤、両者の体格差はやはり明らかで、肩一つ、ダニエル・ジェイコブスの方が高い。
それでもカネロが出て、ジェイコブスが足使って捌く流れ。
初回はカネロの手数があまりに少なく、少し連打したジェイコブスか。
2回カネロ少し出るが、ジェイコブスがボディ攻撃して離れる。これもジェイコブス?

3回、カネロ出て右、連打。ジェイコブスはL字ガード気味の防御で大半を外す。
ジェイコブスの攻めは残り40秒くらいから。右アッパー込みの連打も浅い。挽回に至るかというと?
ややカネロ?
4回、カネロが上体を振り、アタマを動かしつつ攻める。出鼻に叩く右アッパーも。カネロか。
5回もカネロの攻めが上回る。カネロ。

6回、ジェイコブスがスイッチ、左構えから少しヒット。カネロ単発ながら返す。ジェイコブス?
7回、ジェイコブス、ロープ際に押して左右連打。精度に欠けるが、まとめたことはまとめた。ジェイコブスか。

8回、ジェイコブス、ショートで上下連打。カネロ左フックカウンター。
ジェイコブスは連打まとめたら離れるべきだが、近い距離のまま。カウンターのぶんカネロ。
9回、カネロ右リードで釣って左フック。ジェイコブスも返し、右構えに戻してジャブ。ジェイコブス?

10回、少し打ち合い増える。上下の連打応酬。微妙。
11回、カネロがカウンター決めて抑えたか。
12回、両者、勝敗をどう読んでいるのか不明。散発的に打ち合う。カネロ手数、ジェイコブス地味にボディ。


公式採点は115-113×2、116-112の3-0でカネロ。
さうぽん採点は、迷う回、というか、どっちにもつけたくない回がたくさんあったので、
申し訳ありませんが保留、というところでご容赦ください。


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表題のとおり、思ったことは「どっちも負け」な内容やなぁ、ということでした。

全世界注目のビッグファイト、とされる試合で、双方ともに、こんな試合内容のまま
闘い終えてしまって良いと思っているのだろうか、と疑問でした。

とにかく、ほとんどの回で、決定的に抑えた、という攻撃が双方共に無い。
何も打ち合えとか、倒しに行けとか言うのではなく、それ以前の問題で、
どちらに転んでも不思議ではない流れを変えて、勝利を決定づけようという意志が、
双方から感じられない、ほとんど伝わってきませんでした。

ことにカネロ・アルバレス。高額の長期契約をDAZNと結んで2試合目、
別にひとつ、盛り上がらない試合をしたところで、彼のファンベースが揺るがず、
DAZNの視聴者数が維持されるのならそれで良い、
危険を冒して攻めて、悪い結果になってしまうよりは...とでも?
金持ちとて闘いはするが、限界は弁えている、ということでしょうか。

その裏には、ほどほどに収めて、破綻無く終えれば、判定に背かれることはない、という確信もあるのでしょう。
対するジェイコブスが、その辺をどう考えていたのか、という点だけは、
どうにも不思議というか、理解に苦しむところではありますが。

何にせよ、どちらのボクサーにも心惹かれるところのない、不足だらけの一戦でした。
カネロ・アルバレスは、名王者攻略を果たした新王者というよりは、
ポスト・ゴロフキン時代の、過渡期に咲いた、裕福な徒花でしかない、というのが、
現時点での彼に対する見方として、こちらの心中に存在するのみです。
モラル面の話を取っ払って言っても、到底好ましく見られる対象ではなくなってしまいましたね。



DAZNでライブ配信されたこの試合、試合前のドキュメントや会見が事前に配信されるなど、
DAZNも、日本における海外ボクシング配信の目玉と位置づけ...ていたのか、
それとも、今後の方針を決める物差しとして見ているのか、その辺は定かではありませんが、
それなりに力を入れている風ではありました。

しかし、結果として、賭ける「タマ」が弱かった、というに尽きるでしょう。
村田諒太が昨年、結果に恵まれなかったのに続き、DAZN日本のボクシング取り扱いは、
今のところ、良い結果にはなっていないように思われます。

我々ファンにとっては、WOWOWがDAZNの脅威?を感じてか、
WOWOWメンバーズオンデマンド配信を含めて、ライブ配信や放送を
目に見えて増やしてくれていて、それは大変有り難いことではあります。

しかし、DAZN日本の今後における、ボクシング配信はどういうものになるのかというと、
現状の「コストがほどほどに済むものを、月に1~2回くらい」という感じで、
当分は推移するのみ、だろう...という予見さえ、一番甘い考えのように思ったりもしますね。


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今日は、WOWOWの方で見た船井龍一の試合や、
DAZNのセミに出た肩幅の広い若い者など、
他の試合の印象の方が、遙かに強く残った一日ではありました。

船井は右から攻めていく展開において、打ち終わり、対右フックの防御が悪く、
ことごとくそこを打たれたのが痛かった。
ジェルウィン・アンカハスは、復調と言って良いのかどうか迷う部分もありますが、
4回に勝負を賭けて、試合の趨勢を決めてしまった迫力には感心させられました。
あそこを粘って凌いだ船井も頑張りましたが、やはり厳しかったですね。

バージル・オルティス、という若者の試合は、今日初めて見ましたが、
あれこれ言うのはまた今後、ということにして、非常に楽しみなハードパンチャーです。
13勝13KOということですが、この試合数の段階としては、充分過ぎるほど魅力的です。
かなうことなら健やかに、順調に伸びていってほしいものです。


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ということで、本日の一曲。
花田裕之「あの娘にはわからない」。







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3 コメント

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Unknown (アラフォーファン)
2019-05-06 05:58:12
おはようございます。ゴロフキン様は盛大なスパーリングと評し、解説の山中さんや実況の鈴木健さんも雑談入りのこの試合、確かに両方負けでしたね。ジェイコブスの距離と体格のバリアをどちらも破らず、つまらない試合でした。金露はコット戦やトラウト戦もそうでしたが結局ちょっと上相手だとこういうリスク侵せないで余力残して終わるんだなと。もう一つ上、ゴロフキン様クラスだと審判やクスリに頼るし、スターにはなれないで終わるでしょう。今日はそれを再確認しました。しかしまあゴロフキン様、パッキャオ様、ロマ様などウエイトオーバーやクスリ無しでファンを魅了するトップが少なくなりました。メイはファンの方無視だったし、金露(ワザとこう表記してます)は汚いし、シャルボンダデービスもスキャンダル多いし。クロフォードは良いけど他にアメリカ圏でいないかなあと思います。

船井さんは勇敢でしたが序盤ジャブに右フック被されて正面対応にさせられ、右ストレートの前後に左や右アッパー喰らいで厳しかったですね。右ストレートとたまの左ボディばかりで距離とタイミングに応じ色々打てるアンカハスとは頭の置き方なども含め攻守に差がありました。アンカハスも4Rのめちゃくちゃ乱打で疲れ、盤石ではなくチャンスあったんですが…。何もしなかったテイルさんより奮闘しましたがもう少し右がショートなり強弱つけて牽制して体格、距離の優位を確保できたら良かった気もします。
しかしアンカハスも2年前は整ってたのに大分崩れてますね。昨日は4Rの乱打でダメージ与えたから良かったものの、長引くと結構危なかったでしょう。単に減量きついだけに見えませんでした。
ベルデビエフはKOしましたが彼も乱暴に解決した感じでしたね。色々アマチュア時代の評価ではコバレフよりはるかに強くて無敵な感じになってましたがとてもそう見えなかったです。スピードありカウンター上手い相手だとひっくり返る様に見えました。
この階級はビボルがトップですかね。
Unknown (海の猫)
2019-05-06 10:12:30
かなり船井寄りで見ていたので、途中アンカハスに疲れが見え、船井の右が合い始めた時はひょっとしてと思いましたが、やはり地力の差がありました。アンカハスは好調とは言い難く、減量苦だけが原因でもないように思えます。早く復調し、軽量級を盛り上げて欲しいですが。
しかし、セミに出ていたフローレスという選手は何者だったのでしょうね(笑) 彼一人でチケット一万枚売ったとか。確かにすごい盛り上がりに見えました。まだ若く、先が楽しみな選手と思いましたが、最後まで謎でした。

米国で戦う選手を見ていると、人種・国籍によって「許される・許されない」の基準が異なり、多くの選手はそれを分かってやってるように思えます。メキシコ人、アメリカ人は実力さえあればスター街道がほぼ既定路線で、それ以外はリングの内外でのちょっとした「過ち」も許されない。それこそゴロフキンやロマチェンコぐらい試合も言動も完璧でやっと人気が出る。ゴロフキンが以前「ドーピングが発覚したのが自分だったらまず許されなかっただろう」と言っているのを見て、何ともいえない気持ちになりました。それでも他国と比べれば、米国はどんな選手にも「成功」の可能性があるのですが。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2019-05-08 17:38:17
>アラフォーファンさん

カネロの現状、立ち位置というものが全て出ていたかな、という試合に見えました。体格的にきついが、それを何らかの形で補いつつ、ヒスパニック系の人気をバックに、ミドル級で高額契約ボクサーとして生きていく。確かに一流の技量を持っている反面、限界というか、行き止まり感ありあり、という。強いボクサーは各階級にそれぞれいますし、タイトルの分散がなかったら、タイトルがひとつに収斂されていたら、と仮定すると、凄い王者となりうる選手もいるでしょう。問題はそのような試合が恒常的に行われないことですが。
船井は、心情的には健闘だと思いますが、仰る通り正面にセットアップされていまいましたね。もし2~30年前に日本で挑戦していたら、もう少し粘る余地もあり、善戦健闘の色が強い試合になったかもしれませんが。アンカハスの出来については、船井が真っ向から来たことが幸いした部分もありそうですね。


>海の猫さん

アンカハスは防衛の過程で、多少疲弊して、また研究もされて、難しい時期にいるのでしょうね。それでも地力は確かにありますが。私はセミとメインをまだ見ていないんですが、なんか地元の人気者がいるんですってね。今後上位に来るんでしょうか。
世界中のボクサーにとり、米国のマーケットで掴む以上の「成功」は無いでしょうが、当然そこは楽園でも天国でもない、ということもわかってはいるでしょうね。最近は旧共産圏のボクサーも数多くプロになり、米国で闘っていますが、ゴロフキンやロマチェンコのような成功者でも、どこかに限界があり、実力面以外での壁がある。それを力と技で打ち崩せなくなると厳しいですね。もし日本人ボクサーがウェルターやミドル、果てはヘビー級で世界の頂点を争うようになった時に、その辺の話は、より実感を持って迫ってくることになるのでしょう。

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