さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

心配は古傷だけ 高山勝成V字回復 原隆二に逆転勝利

2015-09-27 22:11:11 | 高山勝成



今日は昼間の西日本新人王決勝戦、平野拳生や中谷有利を見に行きたかったんですが
所用のためかなわず。TVはどこにも放送予定が無い模様で、ちょっとがっかりです。
またそのうちYoutubeで見られるかなぁ...。
さいわいにして坂本真宏も勝ち、去年も出てた倉敷守安のユーリも勝った模様。
西軍決定戦は絶対行くぞ!とうそぶいていますがどうなるか。行けたらいいなぁ。

※訂正です。スカイAで23日に放送ありとのこと。失礼しました。



そういうことで夕刻からは、MotoGPとボクシングを交互に見ておりました。
Moto3クラスではダニー・ケントとバスティアニーニが最終ラップで別個に共倒れ(>_<)
なんじゃそりゃー、と嘆いたあとに高山vs原を見て、Moto2が赤旗で仕切り直しになったところで
井岡vsソーサに切り替える、という、まあ何だかわからんことになっておりますが、
とにかく夕刻からはTVつけっぱなし。
とりあえずブログ書いてから、残り2つのレースを録画で見ます。結果知らずで。


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そういうことで高山勝成vs原隆二、世界というとどうかいな、というのはおいといて、
なかなかの好カードであることは事実です。実際、期待以上の激しい試合になりました。

原と陣営(曲者?揃いの大橋ジム)は、高山の明らかな弱点であるボディをいかに攻めるか、
明確な方針を立てていました。かつてイーグル京和は、ジャブ、ワンツーで突き放して
高山が入ってくるところに右アッパーでボディを叩くという作戦を完璧に実行して、
高山の機動力を著しく低下させ、明白に勝ちましたが、原は左ボディアッパーを時にリードに使い、
時にカウンターで迎え打つ、という手法を採りました。

これがかなり奏功した上、ポイントリードで進んだ3回に高山がカットするおまけまで付き、
原はかなり優勢に立ちました。いよいよ高山の長きに渡る拳歴の終わりが来るのか、と
そんなことまでちらっと思い始めた4回、高山が足を使ってサイドに回りました。

距離を作ってサイドへ出て、アングルを変えて、原の左ボディブローをほぼ外し、封じると
リズムに乗って速い連打で攻勢。左ボディ、右クロスも決まり、どんどんテンポを上げて
相手のリズムを切り、バランスを壊す攻勢。7回、右を5発決め、8回、連打でストップ。

序盤の劣勢、目的をもった相手の攻め口に対し、極めて冷静な対応をして、展開を変えた。
その上で、高山の闘志、勇気と日々の鍛錬が十全に生かされた試合ぶり。

前の試合の、無理をして劣勢になり、それを覆そうと無理をしてはまた...という
無理と無茶の積み重ねのような攻め方とは違った、理詰めの果敢さ、とでもいうべきか。
とにかく、高山勝成の良さが急に甦ってきたかのような、見事な逆転勝利でした。


試合後、田中恒成がリングに登場、大晦日に名古屋で闘いましょうという呼びかけがあり、
高山もそれに応じたそうです。おそらく既定路線でしょうし、実現することでしょう。

正直、今日の試合を見るまでは、仮に今日、原隆二に勝てたとしても辛勝だろうし、
その後のことまで考えられるような心境になかったのですが、今日の4回以降の「V回復」を
見せられると、これは是非見たいなあ、という気がしてきました。
高山は古傷、田中は減量苦と、それぞれに気に掛かる点もありはしますが。


しかし高山、今日は本当に良かったです。
相手も田中を除けば国内では最高の強敵、原隆二でしたが、思った以上に差をつけて勝って見せた。
前の試合があまりにアレだったもので、いろいろ心配だったんですが、余計なことだったようです。
今日は正直、脱帽しないといかんですね。若手の頃の高山の姿を思い出させるような、そんな勝ちっぷりでした。


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井岡一翔は、これまた大晦日に予定されているであろう大一番?に向けて、
レベコ陣営の手持ちから選ばれた選手と防衛戦、という、いかにもありがちな試合に完勝しました。

ロベルト・ソーサは一階級上で世界挑戦経験があるというわりに、体格の大きさも感じられず、
リーチはなるほど長いですが、その割には相手と近いとこに位置取りをする選手で、
振りの小さいパンチを打ち分ける井岡一翔にとっては、すんなり試合を展開できる相手でした。

すごく良い例えをすれば、ミゲル・カント14度防衛(内容的にはこれが未だにフライ級史上最高の記録)を
共に達成したメキシコの名匠ヘスス・リベロの指導を受けていた頃のデラホーヤにも通じる、
手を少し前に出して構え、防御と圧力のために用いて、空いたところをじわじわと打つ、城攻めボクシングでした。

もっともデラホーヤのように、格下の隙を強打で叩いたり、引きつけてカウンターで仕留めるような
破壊力や切れ味がまったくないので、結局KOは出来ませんでした。

ただし、そんなことをするつもりは、最初からなかったのかもしれませんが。
打たせず打つ、というテーマで見れば、あの距離で闘い続けたにしてはほぼ完璧に近いものがあり、
これがもっと力量のある相手との試合であれば、当然失点するラウンドも出てくることも承知で、
技術面の精度を上げねばならない、という考えなのかもしれない、という気もしました。

まあ、次は予言者宇弓さんのお言葉通りなら、十中八九レベコとの再戦で、それを何やら
物凄いビッグマッチみたいに喧伝するんでしょうけど、試合への興味や、タイトル自体の是非はおいて、
もし井岡がレベコに、前回以上に差を付けて勝てるんなら、それは一定上の評価はされるべき...なのでしょう。


今日のTBS実況では、これまでいないことになっていた(笑)エストラーダやロマゴンの名前まで
一応紹介されていたりして、ちょっと方針が変わってきたんかな?という感じもしました。
もっとも、方針を変えたのがTV局なのか、陣営なのかで、だいぶ話は変わってくるんでしょうが。


しかしTBSも相変わらずというか、エストラーダを「WBO王者」ってねぇ。
いや、確かにそうなんですけど...ほんとに、TV局って、知らせたいことだけ知らせる、
みたいなことを、あらゆる分野において、平気でやりますね。

結局、こういうことをする奴らって、視聴者を馬鹿にしてるんですよね。
自分たちこそ、救いようのない馬鹿なんだと、何故気づかないのか、不思議でなりませんが。


あと、この試合、全般を通じて井岡のローブロー見逃しが酷かったですね。
けっこう露骨やな、という気がしました。まあ勝敗には何の影響もなかったでしょうが。


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ということでMotoGPの録画鑑賞に戻ります(^^)


仕切り直しで、先頭走ってたのが台無しのリンス、えらい怒ってたなー。
冷静に走ってもらいたいものでありますが。



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8 コメント

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Unknown (宇弓)
2015-09-28 00:05:26
まったりとしてお年寄りや心臓の弱い方にも安心してお送りできる試合でしたなあ(緩笑)

いや別に預言者も何も、もはやTBSも井岡パパも堂々と公言してはばからなかったりしてますが、
こんなマイルド内容で、ホントにまた大晦日にも同じようなファイトするんすかね。

今年の大みそかはフジが格闘技で結構捨て身の大勝負を仕掛けてくるうわさが流れてますが、
大みそかの更にまったりとしたお茶の間ならば、
ちっちゃいボクサーのあんま勇気や気概の見えない試合よりかは、
外人さんの大男が大雑把な殴り合いやっててくれる方がよっぽど一般の受けは良さそうですが・・・

てかフジは年末に井上とかもどうする気やねんって感じですが(悲笑)

しかし高山はよかったけど今日のメインは・・・
つい4日前に山中モレノのあの会場での興奮がいまだに冷めやらぬ中、
ホントに井岡の翔ちゃんはこのまんまの方向性ででいいと思ってるのかしらん。
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Unknown (ナック)
2015-09-28 00:14:49
高山選手凄かったてすね。
さすが百戦錬磨、経験値の高さ、総合力で完全に上回りましたね。
カットするまでは原選手のボディ打ちがかなり効果的でペースを掴んでいたと思います。で高山選手カットもしたし今日はこのまま負けるかもと思ってからの挽回が素晴らしかったです。
負傷判定になる可能性も想定しての仕掛けだと思いますが、勝負所を見逃さない嗅覚すごいです。そして相変わらずの手数、スタミナ。すごいです。
伊達に世界中で試合してきてないなぁと感心しました。
階級も階級だし、あまり華もなく人気もない選手ですが、日本人ボクサーがかなり参考にすべき所がある選手だと思います。今日の試合は素晴らしかった。感謝です!
返信する
Unknown (R35ファン)
2015-09-28 18:47:48
高山さんのエネルギッシュなボクシングが健在で、以前より貰う回数は増えたものの、出入りで圧倒する姿にまずはひと安心。ただそれ以上に原君の策のなさに呆れました。高山さんのテンポアップに全く対応出来ず、打ち終わりに右クロス、左ボディを狙うだけ。高山さんが以前より力が落ちたとはいえ、あんなので勝てると思ったとしたら世界をなめてます。田中君はもっと出来ると思うので是非熱い試合にして欲しいですね。
もう1試合は世界戦というか単なるテストマッチというか、あれを世界戦として放映していいのか。つまらないです。
山中さんの試合見たらこれは世界とはいえません。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2015-09-28 19:31:36
>宇弓さん

陣営もTV局も「再戦指令」をもらってから、さも当然みたいに次のことを語るようになりましたね。私なんかは見方が甘くて、アムナット連れて来るんやろかと本気で思ってましたから(笑)酷い話やなと思ってたんですよ。そしたらそれよりまだ緩い話があったという...。
フジは昨年、一日ずらして井上の試合を30日にやりましたよね。TBSとテレビ東京に加えて、大晦日に何かやれと言われても、という感じで業界が自制した、とかですが。今年も似たような日程になると仮定すれば、その代わりに大晦日に何か用意したい、というところなんでしょう。ま、私は井岡の試合が退屈であったとて、「総合格闘技」というものには一切興味が無いんで、まだ井岡とレベコの世紀の一戦(笑)の方を見ると思いますが。


>ナックさん

序盤は原がかなり優勢で、このまま行くかなと思いましたね。しかし高山は切った以外は問題無く、一気に流れを変えて巻き返しました。攻撃も従来の緩急や、相手のバランスを崩させて攻める巧さが甦っていました。加えて、ホントに苦境に強いですね。この辺は原とは役者が違いました。昨年大晦日、そして前の試合と、高山らしからぬ姿を続いて見ていて、今回は原がベストで来ればかなり厳しいか、と思っていたんですが...今回は改めて高山に脱帽です。参りました(^^)


>R35ファンさん

私は序盤、原なかなかやるな、これは新旧交代の時が来たのかな、と思っていました。高山最大の弱点は古傷以上にボディだと思ってまして、そこから攻略の端緒を掴んだかな、と。しかしそこから高山が久々に本領発揮しましたね。田中との試合は、今回の復調を見せられると、どうなるかわからんなという感じですね。10代の頃から今に至るまで、あのスタイルで闘い続けている高山は、ある意味モンスターです。田中恒成も、いよいよ本格的な試練の一戦を迎えますね。
メインは仰るとおりの調整試合というか「挟んだ」試合でしたね。それ以上でも以下でも無いというか。もちろん「世界」では全然なかったです。同感です。相手は「世界10位」だったそうですが、4団体ひっくるめて言えば、30位くらいでしょう。井岡は...5位か6位か、というところですかね。もちろん、それだけでも大したものではありますが。
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Unknown (カキフライ)
2015-09-29 18:49:32
僕は仕事で帰宅が遅く どちらも録画でした。
ちなみに僕は
Moto2→高山×原→井岡→MotoGP→翌日Moto3の順でした(^_^;)

ロマゴン、エストラーダの名前を出して 「お!」って思ったものの この局 得意の「やるやる詐欺」ですかね?
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2015-09-29 20:26:01
>カキフライさん

これからいよいよ大詰めですね。今年の日本GPは行かれるんですか?
G+の放送が、野球のクライマックスシリーズ日程が確定しないんでまだ未定になっていて、TV観戦の私としてはちょっと心配です。まさか生放送無しだったら嫌ですね。

両巨頭を「いる」と認め始めたTBSと陣営の魂胆(笑)は現時点では読めないですね。言うだけで、やっぱりやらない、というのが一番、現実に近いしょうね。せいぜいが、ロマゴンやエストラーダのどちらかが激戦続きで衰えるのを待つ、というところでしょうか。
もしこれが、自分の力に自信が付いてきて、勝算があると思ったから方針を変えた、というなら一番良いんですが。やり口としては、見とるこっちを馬鹿にしてるのか、という感情は消えませんけど。
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Unknown (カキフライ)
2015-09-30 00:38:45
はい、ロッシ×マルケスのバトルを期待して行ってきます…。
テレビは地上派が生なのかな?と推測してるんですが…
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2015-09-30 21:09:47
>カキフライさん

こないだはあっさり単独でコケましたね、マルケス。今年はどうしたんですかねえ。考えたらまだ若いから、こういうシーズンであっても仕方ないのでしょうが。生観戦、大いに楽しんでください。
TVですが、地上波だと、大好きなMoto3が流れないでしょうから、是非G+で見たいです(^^)
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