昨日の阿倍野の試合が物凄く良かったので、まあ今日は別に良い試合じゃなくてもいいや、という感じで
お昼の生中継をのんびりと見ておりました。
マイダナは最近じゃなかなか見ないレベルの居直りで、アタマを嫌がらせに使い、
後頭部や頭頂部や下腹部に多彩なパンチというか殴打を散らし、まあ何でもいいから打ちまくってました。
メイウェザーは得意のクリンチ、というかヘッドロックや腕固めで抑えてましたが、
そこからまだ出るマイダナの乱打を上下のブロックで防ぎ切れず、おまけに瞼を切るなどして、
前半はちょっと苦戦、というか「難儀」をしている風ではありました。
マイダナの闘いぶりについては、感心はしませんでした。
しかしその反面、極めて無責任な「メイウェザー相手ならこのくらい許してやらんと、試合が締まらんし」という
日頃この拙いブログなどであれこれつべこべ言っていることを棚の上に放り投げた物の見方でいきますと、
実際、あれだけ無茶苦茶をやってでも、マイダナが間を詰めて闘ってくれたおかげで、
いつもこちらを退屈させてしまうほど見事なメイウェザーの見切りが少々狂い、余裕の構えでもなくなり、
試合のリズム、テンポが速くなって、見ていて「これはちょっと面白くなるかも」的な楽しみ方が出来た。
それも事実だったりします。
しかし中盤くらいからマイダナがやはり疲れてきたこともあり、少しずつ余裕が見えてくると、
よける動作を、同時にパンチを溜める動作にして打つ小さい右カウンター、スウェイバックと一緒に打つ「ずぼらアッパー」等々、
いつも見ている得意技をあれこれ出して、結局はきっちり躱し、突き放し、クリアに勝ちました。というか、そう見えました。
判定については「またひとりくらいドローがおるかも」と思ったりはしましたがホントにいましたね。
まあ、リングサイドから見てるとそういう見方もあるのかも...いや、ないなぁ、やっぱり。
そんなことで、このレベルの試合に出る選手としては、昨今類例無き「なりふり構わず」だったマイダナですが、
あれだけの強打を持つ選手が、あれだけ居直って「乱暴狼藉」を働いても、結局試合の半分すら支配出来ない、
やはりメイウェザーって「大師匠」やなぁ、と、そんなことをぼんやり思いました。
正攻法のカネロも、押し込み強盗みたいなマイダナも、どっちもそれぞれの道において現代の大家だと思いますが、
結局はどっちみち通じない。37歳、46戦、本来の体格より上のクラスで大柄な相手と
もうずいぶん多くの試合を闘っていて、あちこち悪いとこもあると聞きますが、それでもなお...。
改めて、好き嫌いは別にして(←まだ言うか)大したお方であることは認めざるを得ません。
日頃の節制、調整の上手さ、集中力、身のこなし...どれを取ってもお見事です。
汚いことをされても動じず、揉み合いでも負けず、こそっと肘で嫌がらせしてたり、とにかく何やっても負けませんね。
これと比べてしまうと、ブローナーあたりとは、才能以外の面で、あれこれだいぶ差があるなぁ、とも。
何回か似たようなこと書きましたが、ホントにあと何試合かやるというても、相手どうすんの、と思いますね。
ブローナーとやらないみたいですし、カーンは正直、うーん、です。
マイダナとの再戦というのは、要は視聴者の皆様のご意見次第なんでしょうが、何が何でもせなならん、
という内容でもなかったように思います。
そうするとパッキャオとか、若手(?)だとキース・サーマンくらいでしょうかね。
なんか、GBP内部で、社長さんと番頭はんが揉めていてどうのこうの、ってな話があるそうですが、
その辺から違う会社の選手との絡みが、穏便な形で生まれたら良いなぁ、というくらいしか、思うところがありませんね。
間を詰めて押し込んでくるマイダナに対し、いつもよりは余裕がなかったですね。とはいえ慌てているわけでも全然なかったですが。ブローナーとの差は、同興行に出るとよりはっきりと見えたように思います。
カーンはどうも安定しないですね。過去にKO負けがあり、勝った試合でも倒れているなど、結局は防御と耐久性、両方に問題を抱え、それをスピードで隠すという形自体はこれからも変わりようがなさそうですね。メイの相手としては、ここらで一発、実績や知名度ではパッキャオやカーンに劣るものの、若くて生きの良いのを当てるという構図がいいかも、と思ったりもします。キース・サーマンやショーン・ポーターあたりどうかなぁ、と。
>neoさん
序盤、終盤にもちょっとありましたね、マイダナの速いジャブ。荒っぽく突っ込んでおいて、その合間にまともなパンチを混ぜて攻め込む、という繰り返しが出来れば、もっと厚みのある攻撃になっていたでしょうね。半分ずつ、というのは同感ですね。ただ、どちらにしても限界があったでしょう。モントリオールでレナードを攻略したデュランならそれが出来たんですが、マイダナはさすがにそこまでの天才的乱暴者ではなく、またメイウェザーもそれを許してはくれませんでしたね。
メイウェザーが落ちているというのは、余裕がなさげだった前半がそういう印象だったと思いますが、試合全般を見ると、マイダナの突進を受けた上での反撃、挽回がいつもほど楽に見えなかったからかな、と思います。今後については上記コメントのとおり、PPVファイトだからスター同士、という形を一度外して、若い選手とやるのも一度くらいアリかもですね。
>さんちょうさん
結局は時すでに遅し、ということになるかも知れませんね。それでもこの二人の偉大さを見てきたが故に、そのスターたる所以が何かを見られるのでは、という期待もしてしまいます。マルケス戦は正直言って、あれで終わっておいた方が良いでしょうね。あの後、次に五度目だったらまだ、という気もしますが。いや、それもきついですかね。メイウェザーの次は、今回の興行成績が悪かったりしたら、そういう方向に進む可能性もありますね。昨年のカネロ戦成立もそういう話でしたし。
>バタービーンさん
昨年のカネロ戦ほどの張り詰めたものがあったか、と言われると無かったかも知れませんね。しかしあの年齢、戦績を経てなお、かなりレベルの高い集中だったとは思います。マイダナは力があり、打倒の意志を持って暴れ回る、相手から見れば怖い存在でしょうが、余裕がなかった反面、怖れも慌てもしていなかったメイウェザーはやはりさすがだと。
私のボクシング論などと言われると、冷たい汗が流れてきますけども(笑)拙いブログですが今後ともよろしくお願いします。
>NBさん
確かにマイダナのジャブ、右など、いつもより近めの中間距離での攻防に、けっこうスリルというか「可能性」を感じましたね(←ちょっと歪んだものの見方ですが)。
ラフに突っ込んでおいて、普通の攻防でヒットを取って、また荒く、という繰り返しを、もっと厚みをもった攻防でやれれば最高だったのですが、見ていて「これを試合全般において繰り返すのは無理だろうな」と前半から思っていました。それは体力面もそうですが、そういう一段上の発想、構想をマイダナが実現出来るかというと、残念ながら無理だろうと。そういう二段、三段構えの展開構築というのは、例えばジュダー戦で序盤打たれた後、闘い方をガード防御で前進しボディから攻める、という風にがらりと変えて逆転のきっかけを掴んだ時のメイウェザーのような技量、力量がないと出来ないことです。残念ながらマイダナは、表面的に見える自分の姿形から想起される以外のスタイルを持っていない、或いはあっても部分的にしか試合で出せなかったですね。
メイの次としてカーンは正直、あまりに脆いと感じますね。ただ、スタイル的にメイが下降線にあるとして、カーンが距離とスピードを厳しく維持したら、という想像はなるほど、興味深いかもしれませんね。
今回のアミールカーンの動きを見て、今日のメイならば、もしかしてもしかしてが感じられました。
メイ攻略には速いストレートパンチが有効に思えました。あんなにジャブを食うとは、やはり衰えはあると感じます。
まぁ今回は気持ちが入らない部分もあったとは思いますが。
いつも楽しく拝見させて頂いております。
今回のメイウェザーはモチベーションが低かったと言いますか、覇気のようなものが感じられませんでした。しかしあれだけハチャメチャに暴れまわるマイダナをしっかりとボクシングした辺りはさすがです。
ロープ際でのショルダーロールからのアッパーカットには痺れました。
以前から管理人様のボクシング論や知識には「なるほど!」と驚かされ、非常に勉強になります。
今後とも宜しくお願いします。
特にマッチメイクで深刻なのがパッキャオだと思います。またマルケスなど見たいと思わないです。 メイウェザーはもしかしたら9月に急転直下でカネロ戦以上の驚くほどのカードが決まりそうな気がします。
御大に関しては,わずかにフィジカルが落ちてきている印象でした.マイダナの汚めな戦い方やもともと前に出る力が強いことを差し引いても,全盛期の御大ならあそこまで押し込まれる前に,足・ジャブ・カウンター・ダーティー技でクルクル回せていた気がします(37歳で,歴戦の疲れを考えれば,あれでも十分驚異的な動きですが).それでも総合力は見事,の一言ですね.
後3戦程度とのことですが,相手はウェイトとの兼ね合いあるでしょうけど,コレという相手がいないですね.ウェイト無視すれば(ボクシングアビリティだけで言えば),上のクラスならゴロフキン,下のクラスならリゴンドーですが…体格があまりにも違いすぎますね…
カーンも良くなってない感じです。相変わらず速いだけ。単調で不正確。メイなら遊ばれるでしょう。となるとゴロフキン位しか思い浮かびません。もしくはカネロの一年後。それでもメイが負ける絵が見えません。