さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

完全復調示す完勝 小原佳太、小畑武尊を3回KO

2022-10-12 06:40:36 | 関東ボクシング




ということで昨日はFODプレミアムのライブ配信を楽しく見ておりました。
日本ウェルター級タイトルマッチ、小原佳太が小畑武尊を3回、ちょっと下からの軌道を通った右一発でKO。
負傷からの復帰戦でしたが、不安の影はほぼ見えない完勝でした。


初回は小畑がスムースな左のヒットもあり、ややリードかなと見えましたが、やはり相手が小原となると、さすがに若干硬い感じもあり。
力み無く打つ左ストレートに、この先の展開でどれだけ強弱をつけ「強」のヒットを取れるかとなると、すぐには難しそう。
しかし負傷明けの小原が慎重に進めたら、小畑がこなれてくる時間的余裕が生まれるかもしれない。

そんなことを思いつつ見ていましたが、2回、小原が強い右、左返し、アッパーを織り込んだ、強めのコンビを繰り出す。
小原が良く見せる攻撃ですが、やはり小原、相手の良さが出る前に「ひと叩き」というところだったか。

そうこうするうち、右ストレートのボディ打ち、小原のストマックを正確に捉え始める。
このパンチで小畑を止め、柔軟な動き、緩急の良さを殺す狙いか。
小畑は左ストレートを下から上に、と返すが、ラスト10秒くらいで、左ミスしたところに、小原の右カウンターを食う。

3回、小原仕掛けて打ち合い。小畑の左もヒットしたが、そのあと、小原がステップ踏んで左から右。
下から掬うような軌道の右が、左にダックした小畑の右耳のあたりに入り、小畑ダウン。
何とか立ったが、レフェリーが止めました。



正直、小畑がもう少し食いついて、小原を苦戦させるかと思っていましたが、小原は見た限り、負傷欠場の影響が見えなかったですし、試合勘も鈍っておらず、試合運びもベテランらしく適切で、ほぼ隙がありませんでした。
小原は打たれ脆さには不安が残る選手ですが、小畑は緩急の妙、連打攻撃に冴えを見せるものの、一発の怖さはない選手で、相性的にも良かったのかもしれません。

何しろ完勝、小原強し、というところでした。
国内ではもう、豊嶋亮太や、あとは佐々木尽くらいしか、めぼしい相手がいませんし...本人が臨む海外での挑戦がかなうものなら、三度挑んでほしいですね。
かなり難しいとは思いますが、過去になんとか実現しているわけですし、と。



敗れた小畑武尊ですが、本人が追い求めるボクシング、脱力状態を上手く生かして、最短距離を通る振りの小さいパンチに、如何に威力を乗せられるか、という部分に関しては、目を引くものが確かにありました。
2回、3回と、プレスをかけてきた小畑と、割と詰めた間合いでパンチを交換するさなか、ショートのパンチで対抗し、右ジャブや左ストレートのクリーンヒットを取った場面に、それが見えたような気がします。
しかし小原の強打、ボディ打ちによるダメージ、それによって削がれた柔軟さなどにより、試合は序盤の内に明白な勝敗を分け、小畑は敗者となりました。


新人王戦で一度直に見ていますが、あのときはライト級で、手数は出るがそれだけでは今後難しいかな、と見えた選手でしたが、その後のキャリアで徐々に自分ならではのスタイルを手にし、ウェルターで小原に挑むまでの過程には、瞠目すべきものがありました。
この敗北はこれまでのもの以上に痛烈で、重いかもしれませんが、ここから彼が、彼ならではのやり方で再び起つ姿もまた、見てみたい。
傍目の勝手でしかありませんが、そんな風に思っています。





コメント (2)
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