11月1日、さいたま決戦に続いて、そろそろ12月の試合も発表間近か、というところですが、海外報道先行で、井岡一翔恒例の大晦日出場の話も。
WBA王者ジョシュア・フランコ戦が実現に向けて動いている模様。
好感度の高さで知られる豪州の兄弟ボクサー、モロニー兄弟のアンドリューと三度闘って、2勝1無判定の星が残り、その三試合しか見たことがありません。
体格は大きくないけどリーチがある。
それをストレートパンチの距離で生かすというより、左の脇腹打ちに生かしている。遠回りでも当てられる。
また、ガードの防御率が高いのも、リーチの長さ故。構えたらカバー出来る面積が広い。
モロニー戦では、三試合通じて、距離がさほど違わないので、足捌きや左右への旋回は、弟ジェシー・ロドリゲスほど見目鮮やかなものは見えず。
ハードパンチャーではなく、基本技巧派の部類だが、打つときは際どいタイミングを怖れず打つことも。
果敢さと慎重さが試合中に交互に入れ替わる。とらえどころがない。一言で言い表すのが難しい。
総じて爆発的なものがあるではないが、平均点は高い。
でも攻防ともに緻密とはいかず、穴もなくはない。
さて、井岡一翔と相対して、どんな目が出るものか。
井岡は丁寧に見て外して崩していくでしょうが、その「じっくり」な運びに付き合うものかどうか、ちょっと読めません。
テンポ上げて、ビジーファイトに持ち込む、という形で井岡攻略を図ってきたら面白そう、という気がします。
攻め込みながら、こそっとカウンター狙ってたりもしますので。
ただこの選手は、ファン・エストラーダがビッグマッチを求めて王座返上したが故に、第二王者から繰り上げられた王者です。
井岡が真の階級最強を争奪する試合を目指す(と信じた)上で、この試合がその実現を後押しするものか否か、若干微妙な印象も持ちます。
もっとも、IBF王者との対戦というのも、その観点から行けば微妙ではあり、その代わりとしてはこれで充分かもしれませんが。
いずれにせよ、井岡がエストラーダやローマン・ゴンサレスとの対戦を構想するとしても、大晦日に日本で、という前提でしかあり得ないとしたら、いちいち時間がかかる上「タイミング合わせ」も難しく、なかなか思うようにはいかないでしょう。
結局、井岡の周辺に色々な枷があり、勝算もそれに基づいたものでしかあり得ない。だとしたら、その限界が彼の目指す試合を阻むのではないか。
そんな風に思っていますが、まず乗り越えねばならない壁、とは言える名前が上がったな、という気がします。
大晦日、まずまず興味深い試合を見ることになりそうですね。